平成17年6月の1ヵ月間に群馬大学医学部附属病院において行われた全身麻酔予定手術256例における麻酔関連収益を前向きに検討した. 心臓外科手術以外の手術では, 麻酔方法はプロポフォール2mg/kg, ベクロニウム0.1mg/kgで導入し, 亜酸化窒素4
l/分 —酸素2
l/分-セボフルランでの麻酔維持を基本とした. 麻酔中の麻酔濃度や薬剤投与は各担当麻酔科医師に委ねた. 心臓外科と脳神経外科の麻酔時間はほかと比較して著しく延長していた (p<0.05). 麻酔料金は心臓外科麻酔が371,550±242,360円とほかと比較して高額であった (p<0.05) が, 麻酔剤料金では手術による差を認めなかった. 一方, 1分あたりの収益を計算すると, 胸部外科と産科が脳神経外科と比較して高額であった (胸部外科: 706±208円, 産科: 717±246円, 脳神経外科: 367±91円, p<0.05). 麻酔料金と麻酔時間との関係は一次直線の関係であるが (y=332x+29513, r
2=0.61), 1分あたりの収益は麻酔時間が長くなるにつれて減少した (y= -600 logX+1923, r
2=0.77). 麻酔時間が短時間であるほど麻酔単価が高いことが今回の解析で示された.
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