食道癌手術患者を, 術中の輸液製剤としてMgイオン含有酢酸リンゲル液 (フィジオ140
® ) を用いた群 (P群) とMgイオン非含有酢酸リンゲル液 (ヴィーンF
® ) を用いた群 (V群) に分け, Mgイオン濃度の変動を執刀前, 術中および術後 (ICU入室1日目) , ICU入室2日目, ICU入室3日目に計測し, 濃度変化を検討した. 術中および術直後のMgイオン濃度はP群, V群ともに執刀前値と比較して有意に減少した. V群では術中値と比較して術直後も有意に低下していたが, P群では術中濃度と術直後濃度の間に有意な低下を認めなかった. ICU入室2日目には, 両群ともに執刀前値に回復した. Mgイオン含有酢酸リンゲル液は, 術中から術直後までのMgイオン濃度の低下を抑制することができ有用であった.
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