大量一側肺洗浄時, Swan-Ganz カテーテル, 橈骨動脈カニューレ留置, 経皮, 血管内酸素電極を患者 (3症例) に装着し, 肺洗浄中の呼吸•循環系の変動を経時的に測定, 検討した. 結果は, (1)経皮, 血管内酸素電極は, いずれもPaO
2の変化を鋭敏にとらえた. (2)生食水を洗浄肺から排液していくとPaO
2は, 最低値を示した後に回復する傾向があり注入を開始すると500ml位までは低下, その後上昇し, その高さは注入量に依存していた. 排液を開始すると直ちに低下をはじめた. (3)換気側肺にPEEP (10cmH
2O) を負荷すると, PaO
2の上昇は強く抑圧された. (4)洗浄液排液時より注入時に心拍出量は約500ml/分低下するが, これは, 体循環系の心拍出量の低下というよりも, 肺循環系の変化を反映したものと思われる.
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