日本臨床麻酔学会誌
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31 巻 , 3 号
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日本臨床麻酔学会第29回大会 教育講演
  • 足立 健彦
    2011 年 31 巻 3 号 p. 369-374
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/28
    ジャーナル フリー
      デクスメデトミジン(DEX)は意思疎通可能な鎮静状態,鎮痛作用および交感神経抑制作用を有するが,呼吸抑制作用はほとんど有さない.この優れた特性を生かして,Monitored Anesthesia Care(MAC)の使用薬剤としての手術時におけるDEXの使用が近年進められている.本稿では,気管支ファイバーによる覚醒下気管挿管時,気管狭窄患者の局所麻酔手術や覚醒下開頭術の閉頭時のMAC等におけるDEXの使用法に関して,文献,当院の経験および米国の臨床試験データを紹介する.
  • 笹野 寛, 水落 雄一朗, 伊藤 彰師, 薊 隆文, 藤田 義人, 祖父江 和哉
    2011 年 31 巻 3 号 p. 375-384
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/28
    ジャーナル フリー
      硬膜外カテーテル挿入を超音波ガイド下に行うと,穿刺予定の硬膜外腔がある椎弓間隙の位置に合わせて,皮膚刺入点,穿刺方向,深さを決めることができる.これらの利点により,穿刺の安全性の向上,患者の快適性の向上,穿刺にかかる時間の短縮などを期待できる.2008年1月に英国のNICE(National Institute for Health and Clinical Excellence)が超音波ガイド下硬膜外カテーテル挿入に関するガイダンスを発表し,挿入困難が想定される状況下では有用であるかもしれないと述べている.本稿では,2008年5月より導入した,われわれの施設における18ヵ月の経験をもとに,傍正中斜矢状面像を用いた超音波ガイド下硬膜外カテーテル挿入法のピットフォール,今後の課題について述べる.
  • 高橋 秀則
    2011 年 31 巻 3 号 p. 385-392
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/28
    ジャーナル フリー
      ペインクリニックの診療に東洋医学を取り入れる傾向は近年ますます強くなっている.東洋医学的治療の中で漢方薬(湯液)と鍼灸治療は2本の大きな柱であり,これらを痛み治療に応用することは古くから行われている.漢方薬の中には病名や症状に対して簡便に処方できる方剤があるが,難治の症例では東洋医学的概念を理解した上で処方しなくてはならない場面も少なくない.一方,鍼灸治療の中にも一定の知識,技術を修得すれば比較的容易に行える治療法もあるが,それらのほとんどは対症療法(標治)であり,より効果的な治療や緩和ケアなど幅広い分野での応用を目指すならば東洋医学的診断(弁証)に基づく治療(論治)は必須である.
日本臨床麻酔学会第29回大会 シンポジウム ─シミュレータ教育の現状評価と将来─
日本臨床麻酔学会第29回大会 シンポジウム ─産科大出血~部門を超えた新戦略~─
  • 加藤 里絵, 照井 克生
    2011 年 31 巻 3 号 p. 406
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/28
    ジャーナル フリー
  • 谷口 美づき
    2011 年 31 巻 3 号 p. 407-414
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/28
    ジャーナル フリー
      妊産婦死亡原因の第1位は出血である.産科大量出血は予期せず突発する可能性も高く,出血速度が速く早期からDICに陥りやすいため,対応が後手に回りやすい.状況も帝王切開時か経腟分娩後かで異なる.また出血リスクも予想可能な場合と不可能な場合がある.状況の違いや原因疾患によるリスクに応じて,どのような麻酔方法を選択するか,適切な準備とはどのようなものか等,ガイドラインに沿った対応策について,産科出血の特徴をふまえて述べる.またカテーテルインターベンションなどの新戦略が登場したことにより,麻酔方法が変化する可能性など,今後の展望についても述べる.
  • 阿南 昌弘, 大久保 光夫, 前田 平生
    2011 年 31 巻 3 号 p. 415-420
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/28
    ジャーナル フリー
      産科領域における輸血について輸血部門の視点で考察した.当院は総合周産期母子医療センター92床(産科46床)を有する総病床数913の地域基幹病院である.2005年1月から2009年8月までの間に当院産科で輸血された血液製剤は,赤血球製剤2,312単位(313例),新鮮凍結血漿4,593単位(220例),濃厚血小板1,725単位(81例)であった.赤血球製剤を20単位以上輸血した症例は24例あった.このうち緊急輸血症例は14例で,準備に要した時間は平均5分26秒であった.今後輸血部門には,緊急大量輸血症例の増加,血液センターの業務集約化などに対応できる体制を整えておくことが求められていると考えられた.
日本臨床麻酔学会第29回大会 パネルディスカッション ─これからのICU鎮静─hypnotic based sedationからanalgesia based sedationへ──
講座
  • 浅井 隆
    2011 年 31 巻 3 号 p. 440-449
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/28
    ジャーナル フリー
      過去には気管チューブによる気道粘膜壊死や気管狭窄などの重篤な合併症が起こることが比較的多くあった.現在においても,麻酔導入後の換気困難の最大の原因は繰り返した気管挿管処置であるとされている.また,気道確保が容易な症例においても喉頭損傷などは無視できない頻度で起こっている.これらのことから,気管挿管が困難か困難でないかにかかわらず,侵襲の小さなカフと先端を持つチューブで,挿管成功率の高いものを使用すべき,だと言える.スパイラルチューブ,パーカーチューブ,挿管用ラリンジアルマスク用チューブなどがこれらの条件を満たすと思われるため,これらのチューブを積極的に使用すべきだと思われる.
原著論文
症例報告
  • 四方 友美, 三井 誠司, 本郷 卓, 竹田 晋浩, 坂本 篤裕
    2011 年 31 巻 3 号 p. 455-458
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/28
    ジャーナル フリー
      周産期心筋症(peripartum cardiomyopathy:PPCM)は周産期に重症な心不全を引き起こす予後不良の疾患であるが,速やかに診断,治療を行うことで母児の予後改善が期待できる.また,近年その病態が少しずつ明らかになってきており,従来から行われている心不全に対する治療に加え,ブロモクリプチン投与による心機能改善が報告されている.今回,妊娠高血圧症候群を合併し,妊娠33週に発症した周産期心筋症に対し,厳重な周術期管理およびブロモクリプチン投与を行い心機能の改善を得られた症例を経験した.
  • 廣瀬 優樹, 猪股 伸一, 田中 誠
    2011 年 31 巻 3 号 p. 459-462
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/28
    ジャーナル フリー
      当科ではpatient-controlled analgesia(PCA)用ポンプを用いて術後急性期の疼痛管理を行い,成果をあげてきた.今回,内科より難治性慢性疼痛を有する患者の疼痛管理を依頼された.フェンタニルを用いた静脈内PCAを開始し,維持輸液の速度,点滴路の長さ(容積)など投与経路を考慮し,PCAの接続部位を患者側に最も近くした結果,鎮痛効果が増し,副作用が減少し,患者満足度が向上した.静脈内PCAを行っている患者の疼痛管理が不十分な場合には,薬液が体内に入るまでの経路を検討することが重要である.
  • 小寺 厚志, 上妻 精二, 石村 達拡, 宮崎 直樹, 瀧 賢一郎, 江崎 公明
    2011 年 31 巻 3 号 p. 463-467
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/28
    ジャーナル フリー
      67歳,女性.結腸切除術が予定され,手術の1週間前に右鎖骨下静脈に中心静脈カテーテルが挿入されたが,気胸などの合併症は生じなかった.麻酔管理は,亜酸化窒素とセボフルランによる全身麻酔に硬膜外麻酔を併用した.術中の循環動態に異常なく,呼吸状態も40%の酸素濃度下に酸素飽和度が97%前後で安定していた.覚醒良好で抜管したが,約5分後に酸素飽和度が89%まで低下した.胸部単純X線写真で右気胸と診断し,胸腔ドレーンが挿入された.鎖骨下静脈穿刺の合併症として全身麻酔時の陽圧換気や亜酸化窒素の使用を契機とした遅発性気胸の報告があるが,穿刺から1週間経過していても,その発症に留意する必要があると考えられた.
  • 阿部 尚紀, 中西 和雄, 渡辺 敏光, 萬家 俊博, 阿部 智子, 長櫓 巧
    2011 年 31 巻 3 号 p. 468-472
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/28
    ジャーナル フリー
      筋緊張性ジストロフィー(myotonic dystrophy:MD)合併患者の麻酔管理を8例経験した.2例で術後呼吸器合併症(肺炎)を認め,ともに長期の人工呼吸管理が必要であった.この2例では,(1)筋障害の程度が強く,(2)術前に高二酸化炭素血症,高度の嚥下障害を認め,(3)胸腺腫瘍に対する胸部手術を受けていた.このような重症MD症例に胸腺摘出術を行うと術後呼吸器合併症が高頻度に合併する危険性があり,周術期管理に留意する必要がある.
  • 加藤 英毅, 渡邊 誠治, 小野 陸, 南野 道子, 尾崎 美智子
    2011 年 31 巻 3 号 p. 473-476
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/28
    ジャーナル フリー
      外来透析患者(59歳,女性,糖尿病性腎症)の肛門深部に発症した疱疹病変の症例を報告する.患者は便秘傾向でしばしば摘便処置を受けていた.今回焼けるような肛門部痛を訴えた.直視できる体表面には異常がなく,肛門鏡挿入時に肛門管下部皮膚帯右側のみに易出血性で一部水疱小丘疹を形成したびらんが観察され,帯状疱疹と診断した.歯状線より口側の粘膜には異常はなかった.腎不全のため経口抗ウイルス薬は通常の半量を投与した.痂皮化するまでは抗ウイルス軟膏を,痂皮化後はプロスタグランジンE1軟膏を塗布した.発症後33日で疱疹は消失し,神経痛を残さず治癒した.180日後の水痘・帯状疱疹および単純疱疹ウイルスに対する補体結合価はそれぞれ16倍であった.肛門部痛は,肛門深部に発症する帯状疱疹あるいは単純疱疹によることがあり臀部を押し広げて肛門上位まで観察することが重要である.
紹介
  • 山里 政智, 宜保 さとこ, 井戸 和巳, 前原 大, 島袋 泰, 島尻 隆夫
    2011 年 31 巻 3 号 p. 477-482
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/28
    ジャーナル フリー
      腱板修復術後の痛みは術後のリハビリテーションにおいて関節可動域の拡大を妨げる大きな要因となり,術後痛管理が早期関節可動域獲得に大きく影響する.今回われわれは鏡視下腱板修復術15症例に対して術後持続腕神経叢ブロック(0.1%ロピバカイン6ml/h)の鎮痛効果と術後関節可動域の検討を行った.Visual analogue scale(以下VAS)は手術翌日の安静時23mm(中央値,以下同じ),肩関節最大挙上時44mmをピークに低下.他動挙上120°の獲得日数6.8日,術後10日までにおける他動挙上角度140°,術後3ヵ月の自動挙上角度136°であった.持続腕神経叢ブロックにて術後痛管理することで術後の安静時VASは有意に低下し,リハビリテーションは促進され早期関節可動域獲得を可能とした.
コラム
第21回日本臨床モニター学会(第2回)
  • 中西 一浩, 杖下 隆哉
    2011 年 31 巻 3 号 p. 486-495
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/28
    ジャーナル フリー
      周術期出血は有害事象発症の重大原因であるが,近年,出血の主要な治療法である輸血それ自体も,有害事象発症と関連性があることが報告されている.術中出血に対する時宜を得た適切な輸液・輸血管理と不必要な輸血の回避が,手術患者の予後を改善すると思われる.従来,麻酔科医は周術期のヘモグロビン(Hb)濃度を測定し,手術患者の貧血度と酸素輸送量を推定してきた.さらに,術中大量出血時は,組織への酸素供給量を維持する上で,Hb濃度の測定とともに循環血液量不足の検出が必要となる.近年,マシモ社が開発したパルスCOオキシメトリは全ヘモグロビン(SpHbTM)値と新しい輸液反応指標である脈波変動指標(PVI ®)の連続的な測定を可能にした.今回は,SpHbモニターの信頼性とともに,SpHbとPVIの同時モニタリングが周術期循環管理にもたらす有効性と限界について述べる.
  • 小川 節郎
    2011 年 31 巻 3 号 p. 496-500
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/28
    ジャーナル フリー
      国際疼痛学会が痛みを,「実際に組織損傷が起こったか,あるいは組織損傷の可能性のあるとき,またはそのような損傷を表す言葉によって述べられる不快な感覚と情動体験」と定義しているように,痛みという感覚はあくまで主観的なものであることから,これを客観的に評価,定量化することが困難である.しかし,臨床の場面では患者の訴える痛みにつき少しでも適切に評価する必要がある.そのために行う方法として,痛みを適正に評価するための条件,痛みのスケール,機器を用いる方法,脳画像診断,薬理学的疼痛機序判別試験について解説した.今後,より客観的な評価法の開発が求められる.
  • 伊藤 健二
    2011 年 31 巻 3 号 p. 501-506
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/28
    ジャーナル フリー
      近年,マシモ社のパルスオキシメータで計測されるPerfusion Index:PI,Pleth Variability Index:PVIは,末梢循環血流量の評価や輸液管理上,有用であるとの報告が散見される.本稿では,測定部位での拍動成分の比率を観察することで,全身麻酔による自律神経抑制の評価が可能であると仮定し,その検証を試みた.また,PIの呼吸性変動より得られるPVIについて,arterial pressure wave-derived cardiac output:APCOとの比較を含め,輸液反応性の指標として有用であるかについて考察した.
第10回エピドラスコピー研究会
  • 有田 英子
    2011 年 31 巻 3 号 p. 508
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/28
    ジャーナル フリー
  • 花岡 一雄
    2011 年 31 巻 3 号 p. 509-512
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/28
    ジャーナル フリー
      難治性慢性腰痛症に代表される腰背部や下肢の疼痛患者の治療は時として非常に難しい.そのためにより優れた鎮痛効果を求めて,インターベンショナルな痛みの治療法もさまざま考案されている.10年前より本邦では,エピドラスコピーによる内視鏡手術が腰下肢痛の治療に応用されており,エピドラスコピー研究会も10回を迎えるに至った.本稿では,エピドラスコピーの歴史,その手技の実際,適応と禁忌(絶対禁忌,相対禁忌),合併症,エピドラスコピー施行後のケアおよび自経験症例の結果などを紹介した.
  • 五十嵐 孝, 鈴木 英雄, 村井 邦彦, 茂木 康一, 平林 由広, 竹内 護
    2011 年 31 巻 3 号 p. 513-520
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/28
    ジャーナル フリー
      内視鏡による脊柱管の観察は1930年代に初めて行われた.当時使用された内視鏡は外径の大きい硬性鏡であったが,医用画像技術の進歩により最近では直径1mm以下の軟性鏡が開発され,馬尾の血流や硬膜外腔の構築などが安全に観察できるようになった.1995年には硬膜外腔の内視鏡が腰痛の治療法に応用された.米国で始められたこの方法は,エピドラスコピー,硬膜外腔内視鏡,Spinal canal endoscopyとして世界各国に広まり,難治性の腰下肢痛の診断治療に応用されてきた.わが国では2000年にエピドラスコピー研究会が発足し有効性や合併症などが討論され,厚生労働省の先進医療として施行されている.
  • 河西 稔, 川端 真仁, 大石 正隆, 荒木 ひろみ, 江崎 善保, 洪 淳憲
    2011 年 31 巻 3 号 p. 521-524
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/28
    ジャーナル フリー
      エピドラスコピーの除痛効果は硬膜外腔の洗浄効果か,癒着剥離効果かなど,いまだ完全には解明されていない.しかし,施行時の患者の体位や硬膜外腔への生食水の注入速度などさまざまな検討が行われてきた.われわれは,一つの画面で内視鏡所見とX線所見を同時に映し出すシステムを考案して,より安全で確実な手技としての確立に努めてきたが,今後の課題として,先端部を使い捨てにできる内視鏡を取り入れることで,常に明瞭な視野の確保,脊柱管腹側の癒着剥離,腰椎以外の頚椎・胸椎レベルでの対応,さらに術者の放射線被曝量減少など,さまざまな検討すべき改善点がある.いずれにせよ,こうした検討を経て,エピドラスコピーがさらに発展していくことが期待される.
  • 平良 豊, 比嘉 康敏, 仲宗根 しのぶ, 加治佐 淳一
    2011 年 31 巻 3 号 p. 525-530
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/28
    ジャーナル フリー
      われわれは2002~2009年までの7年間に144例のエピドラスコピーを行った.前半の58症例の有効率は56.9%,後半の86症例のそれは60.5%で,症例を重ねても有効率が思うように良くなっていない.この理由は慢性難治性疼痛患者の持つさまざまな要因に起因すると考えられる.したがって,術前には患者に過度の期待を抱かせないよう,慎重な術前の説明が必要である.それぞれのケースでうまくいかない可能性の予測や適応決定の参考のため,エピドラスコピーが無効であった3症例を提示した.
  • 平川 奈緒美, 垣内 好信, 笹栗 智子, 石川 亜佐子
    2011 年 31 巻 3 号 p. 531-537
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/28
    ジャーナル フリー
      われわれは2005年よりエピドラスコピーを導入し,現在症例を増やしてきている.脊柱管狭窄症,腰椎椎間板ヘルニア,腰椎手術後症侯群(FBSS),硬膜外膿瘍後および硬膜外血腫後癒着性くも膜炎症例に対して,エピドラスコピー治療を行ってきた.難治性腰下肢痛の神経根症状で癒着剥離ができた症例では,長期間有効である.しかしながら,再癒着症例や癒着剥離困難例では,現在のエピドラスコピーの手技のみでは限界があり,内視鏡が細くて視野も十分でなく,鈍的な剥離しかできない.海外では,径が大きい内視鏡を用いて,鉗子で結合組織を切除する方法も紹介されている.今後は,このような方法も安全に行うことができるようになれば,より治療効果が上がると考えられる.
  • 田口 弥人, 三浦 恭志, 柴山 元英, 中村 周, 池田 尚司, 伊藤 不二夫
    2011 年 31 巻 3 号 p. 538-545
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/28
    ジャーナル フリー
      当院は2007年4月に脊椎専門のクリニックとして開院し,主に腰椎ヘルニア,脊柱管狭窄症を中心に脊椎最小手術(minimally invasive spine surgery:MISS)を行っている.手術件数の増加に伴い当院脊椎外科医による診察の結果,保存的治療が奏効しない難治性腰下肢痛がある患者の中で身体所見,神経学的所見と画像所見の不一致により手術適応にならなかった症例,多椎間に及ぶ狭窄症症例,ハイリスク症例などMISSの適応とならない患者に対し,当院では手術療法と保存的治療法の中間的な位置づけとして硬膜外内視鏡を行った.本来の硬膜外内視鏡手術の適応とは異なるが,十分なインフォームドコンセントを行った後,了解が得られた67例(腰部脊柱管狭窄症:52例,FBSS:15例,男性:27例,女性:40例)に対して行った.その後,当院で作成したアンケートをもとに,VAS,JOAスコア,患者満足度,改善度,また,われわれが行った硬膜外内視鏡の代表的な症例を数例提示し検討を行った.
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