以前当院では,手術に用いた電池式人工血管燃灼器具(カーテリー
®)を医療用廃棄物として他の危険物とともに手術室内の医療用廃棄箱にそのまま破棄していた.今回廃棄箱内で他の廃棄物によってカーテリー
®のスイッチが偶然に入り通電状態となったため小火(ぼや)が発生した事例を経験した.当時室内は無人で煙が充満したが,臭いに気づいたスタッフが直ちに消火したため小火にとどまった.手術室内は酸素の配管や,燃焼作用のある薬剤が存在するため火災発生の環境は整っている.電池式焼灼器は廃棄の際チップ部分を切断し,キャップをして処分することとなっている.その方法が遵守されなかったことが今回の小火発生の原因であると考えられた.
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