近年手術技術の進歩と周術期全身管理の発展により,より多くの手術が世界中で行われるようになってきた.そこで世界保健機関(WHO)は手術関連の死亡・合併症を減らす目的でWHO Guidelines for Safe Surgery 2009を発表した.本稿では同ガイドラインを概説し,それに対する日本での取り組み,その遵守を含めた欧州麻酔科学会を中心とした麻酔科学分野における患者安全のためのヘルシンキ宣言とその批准の広がりについて述べ,世界における手術に関する患者安全の潮流について概説した.
多職種チーム医療を推進する目的で,TeamSTEPPS®研修を2010年7月より院内の医療安全チームとともに行ってきた.医療現場でのCRM研修も行われるようになり,そのツールと戦略はスタッフに浸透しつつある.しかし,変革を望まないスタッフがいまだ多い.変革の影に個々のスタッフの仕事への関わり方を見直す変革も隠れており,変革は停滞しているのが現状である.Amy C. EdmondsonのTeaming(チーミング)は,率直に意見を言う,試みる,協働する,省察する中で,仕事の現場をチームが学び合う現場とすることにより,徐々に個々のモチベーションに変化を加えていくものである.人前ではしゃべらない,自分を馬鹿だと思われたくない,という対人リスクがある中で,リーダー自身がチームメンバーが自由に意見を言ったり,質問をしたりできる現場にしていくことが最初のステップである.チームメンバーによるチームを活性化する声や態度も大切で,チームの中でメンバーみんなが学び合っていくことが望ましい.Teamingにより停滞しかけているTeamSTEPPSの歩みをステップアップするものとなるようにこれをうまく取り入れて,TeamSTEPPSの輝かしいOUTCOMEを手に入れたい.