日本臨床麻酔学会誌
Online ISSN : 1349-9149
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37 巻 , 2 号
選択された号の論文の25件中1~25を表示しています
原著論文
症例報告
短報
紹介
日本臨床麻酔学会第35回大会 招請講演
  • 横山 正尚
    2017 年 37 巻 2 号 p. 193-200
    発行日: 2017/03/15
    公開日: 2017/04/21
    ジャーナル フリー

    術後認知機能障害(postoperative cognitive dysfunction:POCD)の発症に関して,最も関連の強い危険因子は加齢であることが報告されている.高齢化が加速し,超高齢社会を迎えた現在,高齢者の手術が激増しており,POCDは大きな社会問題となる可能性がある.しかし,POCDに関する臨床研究の対象や評価方法は,いまだ標準化されておらず,その解明が進んでいるとは言えない.一方,基礎研究レベルではPOCDの発症に神経炎症が関係していることが強く示唆されている.POCDの今後の予防戦略としては,可能な限り神経炎症を抑制する周術期管理が望まれる.

日本臨床麻酔学会第35回大会 教育講演
  • 西山 純一
    2017 年 37 巻 2 号 p. 201-209
    発行日: 2017/03/15
    公開日: 2017/04/21
    ジャーナル フリー

    手術体位が原因となり周術期に種々の合併症が発生することはよく知られている.非麻酔下では無理な体位になるとしびれや痛みなどによって患者自身が体を動かして障害を回避することが可能であるが,麻酔中は非生理的な状態となっていて確認が難しく,時に重篤な障害を引き起こす.私たち麻酔科医は,手術体位についての正しい知識を身につけ,体位に関連したさまざまな合併症について,発生要因の理解と適切な予防対策を行う必要がある.本稿では,体位に関連した合併症として周術期末梢神経障害,組織・臓器機能障害について説明し,各種合併症予防の観点から麻酔期管理上の注意すべき点を解説する.

日本臨床麻酔学会第35回大会 シンポジウム ─Goal-Directed Therapy(目標指向型輸液療法)の実践~国内外の実例を交えて~─
日本臨床麻酔学会第35回大会 シンポジウム ─サブスペシャリティーとしての産科麻酔の意義とは─
日本臨床麻酔学会第35回大会 シンポジウム ─医療法改正による院内事故調査委員会の在り方・進め方・ 問題点を考える─
  • 白石 義人
    2017 年 37 巻 2 号 p. 238
    発行日: 2017/03/15
    公開日: 2017/04/21
    ジャーナル フリー
  • 今村 聡
    2017 年 37 巻 2 号 p. 239-242
    発行日: 2017/03/15
    公開日: 2017/04/21
    ジャーナル フリー

    医療事故調査制度は,院内調査と第三者機関への報告を中心とした仕組みであり,その成否は医療界の自律性に依るところが大きい.医療事故が発生した医療機関における院内事故調査を実効あるものにするためには,地域の医師会をはじめとする医療事故調査等支援団体による支援が不可欠となる.日本医師会では,各医療機関における院内調査や支援団体による支援活動についてのマニュアルとなる資料を会内の医療安全対策委員会で作成し普及に努めている.そして何よりも重要なことは,この制度の理念を多くの医療関係者が共有し,国民から信頼される制度へと繋げていくことである.

  • 加藤 愼
    2017 年 37 巻 2 号 p. 243-251
    発行日: 2017/03/15
    公開日: 2017/04/21
    ジャーナル フリー

    医療事故調査制度(以下「医療事故調」)は,2014年6月に成立した改正医療法で設置され,医療の安全を確保し,医療事故の再発防止を図ることを目的とすると位置付けられている.この制度はその後2015年10月より施行され,既に1年余りが経過するに至った(2017年1月現在).この1年間の統計的な数値については,毎月更新されながら開示されており,全国での実施状況を窺い知ることができるが,それを見る限り,事故調査の現場となるべき医療機関や,その調査対象となりうる臨床医の制度に対する理解が深まり,制度が軌道に乗っているとは言い難い状況にある.また,既に施行されているにもかかわらず,医療事故調査制度のあり方に関する議論や,運用上の疑問に関する検討も収束しているとはいえない.医療事故調に関する課題は,医療事故自体の定義に始まり,調査の手順,報告書のあり方等多岐にわたっている.そんな中で,本稿は,臨床医である麻酔科医が日常の診療の中で知っておくべき基礎知識として,医療事故調の対象となるべき「医療事故」とは何か,またこの制度によって臨床の現場にどのような影響があるかを考える.日常の診療において医療事故調に惑わされたり煩わされたりすることなく,麻酔科医として医療を提供する一助となれば幸いである.

講座
  • 谷澤 正明
    2017 年 37 巻 2 号 p. 252-261
    発行日: 2017/03/15
    公開日: 2017/04/21
    ジャーナル フリー

    高齢化の進展と医療技術の進歩によりわが国の医療費は増加している.高齢化は今後も進み2025年,団塊世代の総後期高齢者入りとともに,医療需要のピークを迎える.いわゆる2025年問題である.高齢者の増加は社会保障費(年金,医療,介護,福祉,次世代支援等),中でも医療費の増加を招き国家財政を圧迫する最大要因となる.わが国の社会保障費には税や保険料等国民の所得が投入されており,国民にも社会保障制度の持続性に関しての不安が広がっている.先進国でもトップレベルのわが国の医療サービス水準を維持しつつ,国家財政とのバランスを取ろうとする医療制度改革が急がれている.医療制度改革が進展する中で急性期医療はいかに評価されるのか? また麻酔科はいかに評価されるべきなのか? 本稿では,わが国の医療制度改革の方向性と,麻酔科が強く関わる「手術」「麻酔」がいかに診療報酬等で評価され,評価すべきなのか等,その方向性や手段等を臨床現場で活躍する麻酔科医に俯瞰的に解説する.

  • 林 浩伸, 川口 昌彦
    2017 年 37 巻 2 号 p. 262-268
    発行日: 2017/03/15
    公開日: 2017/04/21
    ジャーナル フリー

    術中視覚機能モニターとして,視覚伝導路からの電位を測定する視覚誘発電位(VEP)がある.VEPとは網膜に視覚刺激を与えたときに大脳視覚領に生ずる反応である.全身麻酔下での視覚刺激は,フラッシュ刺激によって網膜を照射する.近年,全身麻酔下でのVEPが普及するようになった背景として,LEDを用いることで網膜を強くフラッシュ刺激することが可能になり,VEPの抑制効果が少ないプロポフォールを用いることで安定した記録が行えるようになったことがあげられる.さらに,フラッシュ刺激が網膜に確実に到達していることを確認するためにVEP記録と同時に網膜電図の記録を併用することで,全身麻酔下VEPの信頼性が高まった.

〔エピドラスコピー研究会〕第17回エピドラスコピー研究会 特別講演
  • 五十嵐 孝, 島田 宣弘, 丹羽 康則, 佐藤 正章, 村井 邦彦, 竹内 護
    2017 年 37 巻 2 号 p. 270-274
    発行日: 2017/03/15
    公開日: 2017/04/21
    ジャーナル フリー

    エピドラスコピーは難治性の腰下肢痛患者に対する診断治療法の一つである.診断面の特長は,通常の画像で得られにくい炎症や癒着などの所見を直接観察できる点にある.治療面の特長は,内視鏡下での生理食塩水を用いた硬膜外腔の灌流,神経周囲の癒着や瘢痕組織の剥離,目的部位への薬液投与の3つである.エピドラスコピーは,腰椎椎間板ヘルニア,腰部脊柱管狭窄症,腰椎手術後疼痛症候群への有効性が確認されているが,近年では新たな適応例や治療効果を高める工夫などが報告されて,さらなる発展が期待できる.

〔エピドラスコピー研究会〕第17回エピドラスコピー研究会 指名講演
  • 古志 貴和
    2017 年 37 巻 2 号 p. 275-281
    発行日: 2017/03/15
    公開日: 2017/04/21
    ジャーナル フリー

    椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの腰椎変性疾患や慢性痛に対して,腰椎手術はあらゆる年齢層に対して広く行われている.適切な診断,手術治療により症状が軽減するものが大部分を占める一方で,術後経過の芳しくない脊椎手術後痛症候群(failed back surgery syndrome:FBSS)が存在する.FBSSの原因は多岐にわたり,医療者の努力で防ぐことができるものとできないもの,さらには原因のわからないものが混在する.今回,FBSSに関し,自験例に文献的考察を加え,その原因と対策について検討を行った.

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