脊椎麻酔下にTUR-Btが予定されたASA 1-3の患者45例に閉鎖神経ブロックを施行し, 各15例に0.5%, 1%, 2%リドカイン3mlをそれぞれ注入し電気メス操作による大腿内転筋群収縮に対する臨床的効果を検討した.
各5例で閉鎖神経ブロックの作用発現, 持続時間を測定し各群間の差を比較した.
臨床的効果は, 0.5%リドカイン3mlで充分であった. 作用発現時間は0.5%, 1%, 2%リドカイン使用群においてそれぞれ10.4±1.0分, 7.6±1.0分, 1分以内と濃度が高くなるにつれて短くなり各群間に有意差を認めた. 作用持続時間についても, 0.5%リドカイン群では102±11.2分, 1%群183±9.3分, 2%リドカイン群211±10.7分と濃度順に長くなり, 各群間に有意差を認めた.
以上の結果より, 0.5%リドカイン3mlの作用持続時間が90分以上であったことは, TUR-Btの通常の手術時間の範囲であり, 臨床的に充分な持続時間と考えられた.
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