日本臨床麻酔学会誌
Online ISSN : 1349-9149
Print ISSN : 0285-4945
ISSN-L : 0285-4945
4 巻 , 3 号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
  • 吉田 一博, 比嘉 和夫, 松永 万鶴子, 崎村 正良
    1984 年 4 巻 3 号 p. 235-238
    発行日: 1984/07/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    Tension pneumocephalus is a serious and life-threatening complication after craniotomy, and many cases have been reported after craniotomy in the sitting position. The definitive treatment is the surgical aspiration of air via burr holes. We report two cases of tension pneumocephalus after craniotomy in the supine position, whose neurological status improved prior to the surgical intervention.
    One patient with metastatic brain tumor in the left frontoparietal lobe was operated on for the removal of the tumor in the supine position under neuroleptanesthesia. After the operation, the patient showed a delayed recovery, and an emergency CT scan revealed a large amount of bilateral subdural air. The other with infiltrating pituitary tumor was undewent the right frontotemporal craniotomy for the removal of the tumor under nitrous oxide and enflurane anesthesia. After full awakening from anesthesia, gradual deterioration in the neurological status needed an emergency CT scan, which showed air in the right frontotemporal epidural space with the midline shift to the left. The neurological status of the two patients improved fortunately prior to the surgical intervention, while receiving intravenous mannitol and steroids with continuous inhalation of oxygen. The postoperative repeated CT scans taken after one week showed only minimal cerebral edema without definite accumulation of air in both cases.
  • 樫本 温, 宮地 隆治, 齋藤 裕, 田中 行夫, 真鍋 雅信, 熊沢 光生
    1984 年 4 巻 3 号 p. 239-244
    発行日: 1984/07/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    大量フェンタニール麻酔, エンフルレン麻酔, GO+硬膜外麻酔, 硬膜外+エンフルレン麻酔の4つの麻酔法においてABMを使用し, その利点と欠点を検討した.
    1. EMGは, 術中の麻酔深度の変動の推測には役立たないものと思える.
    2. EEGは, 術中の麻酔深度の解釈には面白いが, 麻酔薬の追加投与の時期の目安にするにはなお今後の検討が必要である.
    3. NMTは, 筋弛緩薬のリバース程度を知る上で有用だが, エンフルレン使用の麻酔においては, 筋弛緩薬の追加時期の目安とはならない. また, 長期使用時に使用開始時と同じように安定した値を示さないことがある.
  • 小川 節, 久下 真, 新宮 興, 玉井 直, 森 敬一郎, 熊田 馨
    1984 年 4 巻 3 号 p. 245-251
    発行日: 1984/07/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    患者は77歳の男性で突然の腹痛を訴え, 腹部腫瘤に気付いた. 高血圧や心悸亢進の既往はなかった. 大動脈造影およびCT所見より腹部大動脈瘤が疑われ, 根治術が予定された. しかし, 術中腫瘤は大動脈と交通がなく, 大動脈瘤ではないことが判明した. 腫瘤操作により, 急激な高血圧と頻脈をきたし, 褐色細胞腫が疑われた. フェントラミンおよびプロプラノロールによって循環動態を調節した. 腫瘤摘出後は特記すべき合併症等を認めなかった. 術後の病理組織診断は para-aortic paraganglioma with pheochromocytoma であった. 予期せぬ褐色細胞腫 (unsuspected pheochromocytoma) の頻度, 病態生理および麻酔管理上の問題点について検討した.
  • 無敵 剛介, 新垣 敏幸, 上田 直行, 篠崎 正博, 戸畑 裕志, 高木 俊明
    1984 年 4 巻 3 号 p. 252-262
    発行日: 1984/07/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    重症患者の循環動態の管理上, 経時的な観血的モニタリングは, 極めて高い有用性をもっている. 各種モニタリング装置はマイクロショック等の電撃事故への対策を目的として, 有線方式から無線方式へと移行しつつあり, 安全性はかなり向上してきた. しかし, 手術時には生体の電気的情報伝搬途中で, 無線方式の場合でも, 電気メスが発生する高周波によって電磁障害を受け, 生体情報の観察が全く不可能という状態になる. 今回我々は, 光伝送心電計ならびに光伝送血圧ユニットを用いて, 術中に電気メスが発生する高周波に対して極めて高い絶縁効果のある事を確認し, さらに低振幅の右心房圧波形ならびに心電図P波の術中解析においても, 有用性を認めたので報告する.
  • 突沖 満則, 松三 昌樹, 水川 俊一, 阿部 晋也, 板野 義太郎, 小坂 二度見
    1984 年 4 巻 3 号 p. 263-269
    発行日: 1984/07/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    血清亜鉛は, 熱傷, 心筋梗塞, 手術侵襲および急性感染症などにより減少することが報告されている. 今回われわれは, 吸入麻酔下に予定手術を行なった24例について, 術後7日目までの血清亜鉛を測定したので報告する.
    大手術群16例の平均血清亜鉛は, 術前101±15.5μg/100mlであったものが, 術後2時間で57±10.6μg/100mlと最低となり, その後漸増し, 術後3日目には94±24.6μg/100mlと術前のレベルに回復した.
    一方, 小手術群8例の平均血清亜鉛は, 術前104±22.8μg/100mlから, 術後1日目に78±18.0μg/100mlと最低となり, 以後漸増し, 術後3日目には84±16.7μg/100mlと術前のレベルに回復した.
    術後1時間および2時間の血清亜鉛を大手術群と小手術群で比較すると、大手術群で有意に低値を示した.
    このように, 血清亜鉛減少の開始時期と程度は手術侵襲の大きさに相関していると考えられるが, 血清亜鉛が術前のレベルに回復するまでの期間は, 大手術群と小手術群で有意差はなかった.
  • 志茂田 治, 辻 重喜, 森岡 亨, 柳下 芳寛
    1984 年 4 巻 3 号 p. 270-275
    発行日: 1984/07/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    摘脾を伴なう食道離断術に際しての血小板補充の必要性を検討するために, 術中の経時的な血小板数の測定を行なった. 血小板数変動は肝予備力に関連があると推測され, ICG-K値0.08未満の高度肝予備力低下症例では術前, 術中を通じて血小板数が有意に低く, 摘脾後の増加もわずかであった. K値0.08以上の中等度肝予備力低下症例では, 摘脾直後に血小板数の有意な増加を認めた. 高度肝予備力低下症例では, 血小板数減少による大量出血などの危険性を考慮し, 同手術に際して血小板補充ができる準備の必要性があると結論した.
  • 池田 一美, 沖田 泰治, 円山 信二, 池田 寿昭, 牧野 義文, 三宅 有, 鈴木 貴和
    1984 年 4 巻 3 号 p. 276-283
    発行日: 1984/07/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    近年, 補体は麻酔の分野でも注目されて, 術中大量出血及び輸血が補体系に及ぼす影響を知る事は, 術後の免疫系, 凝固線溶系とも密接に結びついており重要である.
    今回我々は, 予定手術患者55名を出血量によって4群に分け, 各々術前, 術中 (輸血前, 輸血後,) 術後の4回にわたり, CH50, ACH50, C1q, C4, C3, C5, C9, C1 inactivator, Factor Bを測定した. 輸液による希釈を考慮し, 各々の測定値はalbumin により補正した. 結果, C3のみ各群とも低下傾向を示し, 他の測定項目では変化が無かった. C3の低下は大量出血群で著明であり, 輸血による影響が大きいと思われるが更に今後の検討により一層明白になるものと考えられる.
  • 盛 直久, 鈴樹 正大, 渡部 美種, Björn JONSON, Nils. W. SVENNINGSEN
    1984 年 4 巻 3 号 p. 284-290
    発行日: 1984/07/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    未熟児•新生児の人工換気中, 呼気1回換気量 (Vte) は真の1回換気量 (Vt) と呼吸回路内圧縮ガス量 (Vc) よりなり, VteおよびVcがわかるとVtはVte-Vcより計算できる.
    サーボ900C上で測定される極小換気量領域でのVteは0.73×Vte-1.01にて補正され, Vcと吸気•呼気終末気道内圧 (EIP, EEP) の間にはVc=0.31×(EIP-EEP)-1.19 (PEEP=0) およびVc=0.26×EIP-0.99(PEEP>0) の関係がみられ, Vte, EIP, EEPよりVteが計算できる.
    この方法で計算した未熟児モデル肺の1回換気量はボディプレチスモグラフィーの結果とよく一致し, これは手軽で正確な人工換気中の未熟児•新生児の1回換気量測定法である.
  • 瀬尾 勝弘, 蔵本 照雄, 鳥海 岳, 武下 浩, 坂部 武史
    1984 年 4 巻 3 号 p. 291-296
    発行日: 1984/07/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    坐位手術患者9名を対象に, 体位変換に伴う血行動態と動脈•内頸静脈血酸素含量較差の逆数であるCCI (cerebral circulatory index) の変化を測定した. NLA (笑気50%) 麻酔で, 仰臥位から坐位, ついで坐位から仰臥位への体位変換前後に測定を行った. 仰臥位から坐位にすると心係数は11%減少し, 全末梢血管抵抗は34%増加した. 脳灌流圧は82±5 (平均値±標準誤差) から76±4mmHgに, CCIは17±1から15±1ml blood/ml O2になった. 手術終了時坐位から仰臥位にすると心係数は14%増加し, 全末梢血管抵抗は16%減少した. 脳灌流圧は78±5から86±6mmHgに, CCIは17±2から16±1ml blood/ml O2になった. いずれの場合も脳灌流圧, CCIの変化は有意でなかった. 以上の結果から, 血圧を維持すればCCIで示される脳の酸素需給バランスは変化しないことがわかった.
  • 松浦 正司, 難波 芳道, 竹島 登, 松浦 雅子, 三宅 養三, 安藤 文隆
    1984 年 4 巻 3 号 p. 297-301
    発行日: 1984/07/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    局所麻酔薬による星状神経節ブロック (SGB) の人網膜血流に対する効果を15症例 (15眼) で検討した. 網膜血流は, 被検者自身が網膜毛細血管を流れる血球 (FLC) を認知する blue field entoptoscope で定性的に測定した. SGB前後で平均橈骨動脈血圧および眼圧には有意差はなかった. しかし, 平均網膜中心動脈血圧は, SGB後に8.0±4.5mmHg上昇した. SGB前, 左右眼でFLCの速度と数に差を認めなかったが, SGB後には, SGB側眼のFLCの速度と数が増加した. 眼球を加圧していくと, 初めFLCの速度と数に変化を認めない. ある加圧値に達すると, 速度が遅くなり, ほぼ同時に数も減少し始める. この時の加圧値を眼圧に変換した値を平均橈骨動脈血圧から引いた値を灌流圧とすると, SGB後, この灌流圧はSGB前よりも8.0±4.1mmHg低かった.
    以上の結果は, SGBによって, 網膜血流量が増加すること, および, 網膜血流の自動調節がより低い灌流圧まで保たれていることを示唆している.
  • 井辺 浩行, 栗林 恒一, 水本 洋, 上野 脩, 上山 英明
    1984 年 4 巻 3 号 p. 302-309
    発行日: 1984/07/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    従来ARDS様症状を呈する急性呼吸不全症では, 著明な肺内シャントおよびVA/Q不均等分布による肺酸素化障害が問題点であると示唆した臨床および実験的報告は多いが, かかるVA/Q分布の実態を明らかにし得た報告はいまだ乏しい. 今回われわれは従来より行なって来た肺VA/Q分布を連続的に観察し得る6種不活性ガス法により種々の急性呼吸不全症における肺VA/Q分布を観察し, かかる症例では正常の2倍以上の分散をもつ幅広いVA/Q域への血流分布ならびに著明な肺内シャントの形成されることを明らかにした. なお実測PaO2値と得られたVA/Q分布パターンより Computer simulation により得たPaO2値の間に有意の相関 (r=0.97) がみられた.
  • 夏山 卓, 田中 義文, 滝沢 洋之, 光藤 努, 橋本 悟, 宮崎 正夫
    1984 年 4 巻 3 号 p. 310-317
    発行日: 1984/07/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    NLA+ケタミン麻酔下の肺機能正常症例について, 20%窒素, 20%笑気, 0.5%ハロタンの混合気により洗い入れを行ない, 各気体濃度の呼吸による変化を連続的に測定した. この測定値を, 連続流換気2コンパートメントモデルに基づいて過渡解析した.
    その結果, 肺機能正常症例では, 2コンパートメントモデルで良好なシミュレート値を得ることができた. また, 笑気の生体内分布容量は肺胞気量の1.06倍, ハロタンは16.9倍, ハロタンと笑気との肺一生体間ガス移動速度定数の比は7.22となった.
    本解析法は, 測定後短時間内に症例に固有の麻酔薬動態モデルを作りあげることが可能であり, 定量性を持った麻酔深度の管理が可能となる.
  • 福家 伸夫
    1984 年 4 巻 3 号 p. 318-323
    発行日: 1984/07/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    Tuohy 針と硬膜外麻酔用カテーテル (直径1mmのポリエチレン製) を用いた持続腋窩ブロック法の基本原則ならびに成績を紹介するとともに, 実際に施行するにあたっての具体的な問題点とその対処の仕方について述べた. 32例の手術患者や疼痛管理に施行し3例で失敗したが, 神経血管鞘穿刺の判定基準を厳しくした後は失敗例はない. 本法は簡便でしかもわずらわしい合併症が少ない方法であるが, 持続腋窩ブロック法一般の問題として, 局麻薬の神経血管鞘内での自由な浸潤を保証するものがない, すなわち解剖学的問題や癒着などの問題に対しては, 今後の共通の課題として検討を必要とする.
  • 森本 昌宏, 梅垣 裕, 稲森 耕平, 兵頭 正義, 吉田 悌三郎, 小野村 敏信
    1984 年 4 巻 3 号 p. 324-330
    発行日: 1984/07/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    脊柱側彎症に対する脊椎後方固定術120症例の自験例につき, 術中出血量を中心に検討を加えた. 1. 低血圧麻酔非施行例の平均出血量は, 本邦での低血圧麻酔施行例の報告よりもはるかに少なかった. 2. GOE麻酔下での低血圧麻酔施行例と非施行例の比較では, 一椎体あたりの平均出血量は前者の方が有意に多かった. 3. 患者体位を腹臥位とする際に, 腹圧, 胸腔内圧減少を目的として独自の巻き込み布を使用したが, 一椎体あたりの平均出血量は他施設の既製フレーム使用例の報告よりも少なかった. 4. 麻酔の維持方法別の比較では, 術中出血量に有意の差を認めなかった. 以上より, 低血圧麻酔の有用性には疑問を持つところであり, 術中出血量を減少させるためには骨髄圧を反映する静脈圧を上昇させないこと, つまりは腹圧, 胸腔内圧の上昇を避けることが必要な条件であると考える.
  • 木下 修, 奥谷 龍, 森崎 清一郎, 石本 栄作
    1984 年 4 巻 3 号 p. 331-334
    発行日: 1984/07/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    笑気, 酸素-硬膜外麻酔による上腹部手術患者20名の麻酔および手術中の血行動態および血漿エピネフリン, ノルエピネフリンの変化を検討した. 動脈血圧は術前にくらべやや低値で rate-pressure product も10000以下に安定していた. エピネフリン, ノルエピネフリンとも麻酔および手術中もやや低値を示したままであった.
    笑気, 酸素-硬膜外麻酔は血行動態, 血漿カテコラミンの変化からみれば安定した麻酔方法である.
  • 久下 真, 小川 節, 中尾 慎一, 新宮 興, 熊田 馨, 森 敬一郎
    1984 年 4 巻 3 号 p. 335-340
    発行日: 1984/07/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    腎動脈以下大動脈置換術において, 動脈遮断, 解除が循環動態および肺シャント率に及ぼす影響を検討した.
    遮断時, 吸入エンフルレン濃度を調節し平均動脈圧を指標に心後負荷を下げることにより遮断時の循環系の有意な変化はみられなかった. 解除時は, PAOPを指標にプラスマネート負荷を行なうことにより循環動態の変動は小さく遮断前の状態に回復した.
    肺シャント率に対する大動脈遮断および解除の有意な影響はないと思われた.
feedback
Top