日本臨床麻酔学会誌
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最新号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
原著論文
  • 黒木 雅大, 岡田 真行, 鈴木 博人, 川前 金幸
    2021 年 41 巻 2 号 p. 127-133
    発行日: 2021/03/15
    公開日: 2021/04/22
    ジャーナル フリー

    超緊急帝王切開では母体の安全を確保しつつ,迅速な児娩出を目指す.そのために当院では超緊急帝王切開に対し多職種共通のプロトコールを作成し,手術決定から児娩出まで(Decision-to-Delivery Interval:DDI)の短縮を目指した.今回,この共通プロトコール運用の前後において,DDIとその内訳を検討した.共通プロトコールの運用後でDDIは有意に短縮し,特に手術室入室から気管挿管までが有意に短縮された.超緊急帝王切開において共通プロトコールの運用はDDIの短縮に有用であり,それには麻酔科医の行動が大きく関与している可能性が示唆された.

症例報告
短報
  • 今野 俊宏, 小玉 早穂子, 木村 哲, 新山 幸俊
    2021 年 41 巻 2 号 p. 152-155
    発行日: 2021/03/15
    公開日: 2021/04/22
    ジャーナル フリー

    全身麻酔時の気管挿管困難から偶然発見された気管気管支骨軟骨形成症の症例を経験した.急性虫垂炎の66歳女性.麻酔導入後のマスク換気は容易で,喉頭展開で声門部に異常はなかった.内径7.0mmの気管チューブを挿管しようとしたが,声門下に抵抗があり挿管できなかった.マスク換気を続けながら術前CTを確認すると,気管腹側(前面)に径2〜3mmの隆起性病変を認め,これがチューブを進められない原因と推測された.内径6.0mmのチューブを回転させることで挿管できた.手術は行われ,術後精査で気管気管支骨軟骨形成症と診断された.予期せぬ気管狭窄による挿管困難の原因として気管気管支骨軟骨形成症を念頭に置く必要がある.

  • 大塚 直樹, 坂﨑 麗奈, 長根 大樹, 佐野 仁美, 石井 瑞英, 鈴木 尚志
    2021 年 41 巻 2 号 p. 156-159
    発行日: 2021/03/15
    公開日: 2021/04/22
    ジャーナル フリー

    近年麻酔科医不足と言われているが,麻酔科医の適正配置を数値化する決定的な手段は確立されていないため人員不足の客観的な評価がしにくい.当施設では手術室運用を維持するために常勤上級医の休みを制限せざるを得ない状態が問題となっているため,その勤務に絞って評価が可能となる数値化を試みた.休みの確保を前提に現有人員のみで平日の勤務者を算出すると平均2.31人/日で現状の手術室運用にはまったく余裕がなく不足だが,土日祝日に限って非常勤上級医を1人雇用すると平均2.81人/日と増加し,休みを確保しつつ平日の運用に多少の余裕ができる.数値化した結果で効率的に非常勤を配置し上級医の労働環境が改善できる可能性を示せた.

紹介
コラム
  • 八木原 正浩, 上村 明
    2021 年 41 巻 2 号 p. 171-172
    発行日: 2021/03/15
    公開日: 2021/04/22
    ジャーナル フリー

    相互接続防止コネクタに係る国際規格(ISO80369)の導入で,小児硬膜外麻酔における点滴法の継続が不可能になる.点滴法は硬膜外穿刺時にTuohy針に輸液ラインを接続し,抵抗の変化を点滴の滴下で判別する方法で,現在までにわれわれが新生児を含めて数千例の小児硬膜外麻酔を施行できた一端を確実に担ってきた.神経麻酔領域の規格変更の主旨を考えると,神経ブロック針につながる点滴ラインの製造はまったくそぐわないことで,点滴法の継続を諦めかけていた最中,ニプロ株式会社に専用のラインを製造していただけることになった.点滴法の重要性に深く共感していただいた関係者の方々に厚く御礼申し上げたい.

日本臨床麻酔学会第39回大会 シンポジウム ─スガマデクスで麻酔管理は安全になったか?─
日本臨床麻酔学会第39回大会 シンポジウム ─麻酔科医の働き方を考える─
  • 山内 正憲, 上村 裕一
    2021 年 41 巻 2 号 p. 194
    発行日: 2021/03/15
    公開日: 2021/04/22
    ジャーナル フリー
  • 上村 裕一
    2021 年 41 巻 2 号 p. 195-197
    発行日: 2021/03/15
    公開日: 2021/04/22
    ジャーナル フリー

    医師の働き方改革を進めるためには,これまで医師が行っていた業務を他職種に移行すること(タスクシフティング)が必要である.麻酔科では他職種として,看護師・臨床工学技士・薬剤師にタスクシフトすることが可能であり,その業務としては,術前・術中・術後の多くの業務が考えられる.現在看護師へのタスクシフトを進めるために,特定行為が定められ研修が始まっているが,より多くの看護師が研修を受けるように,いくつかの行為を集めて行為群としての研修が始まる.日本麻酔科学会は麻酔科領域の術中管理に関する行為群の研修を推進する方針とし,現在その体制を整えつつある.

  • 伊藤 博
    2021 年 41 巻 2 号 p. 198-203
    発行日: 2021/03/15
    公開日: 2021/04/22
    ジャーナル フリー

    「働き方改革関連法案」が成立し,医師については2024年から施行される.地域の基幹病院の外科医の現状を調査し,働き方改革に繋がる方策を検討した.外科医1人当たりの平均時間外労働時間は年間650時間であったが,大学からの若手ローテーターは常勤医の約2.6倍の1,220時間であった.医師の労働時間は科や年齢などを考慮し評価する必要がある.「働き方改革」は労働時間の短縮,制限のみが強調されることが多いが,真の改革には個別に労働環境に負荷となっている因子を分析し,軽減する方策をとることが重要である.多職種とのワーク・シェアリング,タスク・シフティングは有効と考えられる.

  • 山内 正憲, 大西 詠子, 小林 直也, 吉田 典史, 佐藤 友菜, 志賀 卓弥
    2021 年 41 巻 2 号 p. 204-208
    発行日: 2021/03/15
    公開日: 2021/04/22
    ジャーナル フリー

    麻酔科医は,麻酔,ペインクリニック,緩和医療,集中治療,救急医療で活躍しているが,臨床麻酔はマンパワーを超えている.一方,東北地方は超高齢化社会の世界的な先進的モデル地域ともいえる.マンパワー不足と高齢化に対応するために,医学教育は医学や麻酔科学の枠にとらわれず,広い視点でニーズを探索し,社会にインパクトのある解決方法を創出できる人材の育成が求められる.具体的には医工連携,文理融合,ダイバーシティ,多職種や地域の連携,製品開発と起業(アントレプレナーシップ)がキーワードである.麻酔科でも多様な人材の育成と,臨床や社会に活用できる実践的なアウトプットの創出が必要である.

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