手術適応の拡大に伴い低肺機能患者に対する麻酔も増加している. このため術後肺合併症を術前肺機能から予測しえないかということは興味ある問題となっている.
そこで今回, 過去5年間で%VC50%以下あるいはFEV
1.050%以下を示す高度低肺機能患者の術前肺機能および麻酔法, 手術部位, 手術時間と術後肺合併症との相関を検討した. 高度低肺機能を示す症例では, その肺合併症の有無は, 肺機能の程度よりはむしろ疾患の重症度, 手術部位, 手術時間の影響が大きく, また, 四肢や下腹部の手術では, 硬膜外麻酔の適応や適切な術後管理により, 合併症を少なく, 安全な手術が可能であると考えられる.
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