日本臨床麻酔学会誌
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9 巻, 4 号
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  • A. H. Giesecke
    1989 年 9 巻 4 号 p. 275-286
    発行日: 1989/07/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
  • 野本 亀久雄
    1989 年 9 巻 4 号 p. 287-293
    発行日: 1989/07/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
  • 佐倉 伸一, 中谷 俊彦, 小坂 義弘, 田中 章生
    1989 年 9 巻 4 号 p. 294-302
    発行日: 1989/07/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    上腹部手術患者21名を術後の鎮痛法に従い7名ずつ, 非麻薬系鎮痛薬の全身投与をおこなった群 (C群), 0.01%モルヒネ溶液を硬膜外腔に持続投与した群 (M群), モルヒネとブピバカインの混合液を硬膜外腔に持続投与した群 (BM群) の3群に分け, その鎮痛効果と術後の肺機能に与える影響について術後72時間観察をおこなった. 鎮痛効果はC群に比べM群, BM群が優れており, M群とBM群の間に差はなかった. 肺機能は全群で術直後よりかなりの低下を見たが, BM群ではC群より高いPaO2の値を示し, 術後の肺機能障害の回復が速かった. 低濃度の局所麻酔薬混入モルヒネ溶液の硬膜外持続注入が上腹部手術患者の術後肺機能障害の予防に最も効果的であると考えられた.
  • 加藤 治人, 白藤 達雄, 丸岡 博史, 浜 直, 稲森 耕平, 兵頭 正義
    1989 年 9 巻 4 号 p. 303-309
    発行日: 1989/07/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    YAGレーザーに対する各種気管内チューブの透過, 燃焼性を, 大気中および酸素-笑気混合ガス中で比較検討した. 市販の気管内チューブとして, Portex®社製のポーラーチューブ (透明), ブルーラインチューブ (半透明), アイボリーチューブ (不透明), 富士システム社製CO2レーザー専用のディフェンサーチューブ, さらにカフ部分をアイボリーチューブ本体の素材で製作した試作チューブの5種類を検討した. レーザー焼灼術の際に適する気管内チューブは, レーザー光に対し, 非透過性, 非燃焼性のものである. 今回検討を行なったチューブのなかでは, 試作チューブがこの点において最良の結果を示し, 市販のアイボリーチューブがこれに続いた.
  • 劔物 修, 上田 光男, 大塚 浩司, 堂崎 信一, 山村 剛康, 櫻谷 憲彦
    1989 年 9 巻 4 号 p. 310-315
    発行日: 1989/07/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    米国のSWRI, SRI International および私共との共同研究により開発されたトノメトリ法による連続的動脈血圧測定法 (CBP) の有用性を臨床麻酔症例50例において, 観血的手法 (IBP) と比較検討した. IBPとCBPとの間では収縮期血圧 (r=0.97) および拡張期血圧 (r=0.90) と高い相関が得られた. 観察された圧波形もIBPとCBPでは類似性に高く, 追従性, 再現性も良かった. 本手法は(1)非観血的でありながら, 連続的動脈圧波形のモニタリングが可能である, (2)感染などの可能性は全くなく, 患者への負担は軽微である, (3)しかも長時間の使用が可能である, ことから臨床麻酔での応用が十分に期待される.
  • 斎藤 憲輝, 佐々木 晃, 河尻 麻里, 和藤 幸弘, 上村 浩一, 田中 彰
    1989 年 9 巻 4 号 p. 316-321
    発行日: 1989/07/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    経尿道的切除術では, 電気凝固の有効性をあげるために非電解質糖液による灌流が行われる. 今回, 同手術中の灌流液の体内吸収が血清電解質, 浸透圧などに及ぼす影響について検討した. 血清Na, K, 血漿浸透圧の変化は, 膀胱腫瘍切除術と前立腺切除術の両群間に差はなく, また各々の群での有意な経時的変化もみられなかった. しかし, 前立腺切除群の半数で血清Na 5mEq/l以上, 血漿浸透圧5mOsm以上の急激な変動がみられた. この血清Naの変動は灌流時間, 灌流液量, 輸液量, 前立腺切除組織量との間には相関なく, 灌流液の体内吸収の時期, 量などについては予測が困難なので注意を要する.
  • ケトプロフェン製剤との二重盲検比較試験
    百瀬 隆, 伊東 和人, 山田 満, 榎本 尚美, 山崎 祐, 久家 輝義
    1989 年 9 巻 4 号 p. 322-330
    発行日: 1989/07/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    静注用非ステロイド系消炎•鎮痛剤LFP83の手術後疼痛に対する疼痛改善度, 概括安全度, 有用度をケトプロフェン製剤を対照薬とし, 二重盲検比較試験により検討した. 対象は開腹術後24時間以内にがまんできない高度の疼痛を訴えた患者224名で, 薬剤は1回投与とし, 投与5時間までの疼痛度を経時的に観察した. その結果, 両薬剤はともに高い疼痛改善度を示したが, 有意な差はなかった. また特に問題となる副作用も認められなかったことより, LFP83は手術後疼痛に対して強い鎮痛作用を示し, かつ安全性の高い静注用消炎•鎮痛剤であると結論された.
  • 仲田 房蔵, 上田 光男, 石川 岳彦, 櫻谷 憲彦, 劔物 修
    1989 年 9 巻 4 号 p. 331-337
    発行日: 1989/07/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    整形外科手術患者15名に低血圧麻酔を行い, 心房性利尿ホルモンと右房圧及びストレスホルモンとの関連について検討した. 低血圧麻酔はエンフルレン/笑気麻酔 (GOE) のもとで, トリニトログリセリン (TNG), トリメタファン (TM) ないし, プロスタグランジン (PGE1) の持続的投与により作成し, 平均血圧を60~70mmHgに維持した. TNG群, PGE1群ではレニン, アンギオテンシン, アルドステロン, カテコラミン, ADHはいずれも増加したが, TM群ではカテコラミンの増加はなかった. 3群ともに右房圧は低下し, それに随伴してANPは有意に減少した. 低血圧麻酔中のANP分泌は右房圧によって規定され, ストレスホルモンとは逆相関することが認められた.
  • 白石 正治, 弓削 孟文, 野村 美智子, 浜田 宏, 藤岡 泰博, 盛生 倫夫
    1989 年 9 巻 4 号 p. 338-343
    発行日: 1989/07/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    過去12年間に広島大学医学部附属病院麻酔科で入院加療を行った末梢血管障害176例に施行した交感神経節ブロックの効果及び合併症につき比較検討した. 胸部交感神経節ブロックの効果は前方及び後方アプローチ法による差はなかったが, 合併症は前方アプローチ法に多かった. 腰部交感神経節ブロックの効果は刺入点による差はなかったが, 合併症は刺入点を棘突起より外側7~8cmとした群が5~6cm群に比べて少なかった. これらの症例の解析により, chemical sympathectomy は年次的に進歩し, 現在では比較的安全かつ容易に行えるようになった. そのため末梢血管障害に対する治療は外科的治療法から現在では chemical sympathectomy を first choice にすることの有用性が認められるようになった.
  • 貝沼 関志, 杉山 文彦, 島田 康弘
    1989 年 9 巻 4 号 p. 344-348
    発行日: 1989/07/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    サイドポート付き気管内チューブを試作した. カフ遠位端に開口するサイドポートからの1%または4%リドカイン注入は犬の咳発生を抑制した. カフ遠位端に開口するサイドポートからの0.1mgエピネフリン注入は, 注入15秒, 45秒, 1分30秒, 3分, 5分, 10分後のいずれの時間においても, 注入前に比べて動脈血エピネフリン濃度の上昇をもたらし, また1分30秒後には気管内チューブ投与より高い濃度を示した. 3分, 5分, 10分後には, 静脈投与, 気管内チューブ投与との間に動脈血中エピネフリン濃度の差はなかった. 本チューブは咳発生の抑制に有効であり, また, 心肺蘇生時のエピネフリン投与の際に有用であることが示唆された.
  • 長谷川 誠, 中馬 理一郎, 鬼一 有宏, 堀川 由夫, 木村 好江, 岩井 誠三
    1989 年 9 巻 4 号 p. 349-355
    発行日: 1989/07/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    当施設で経験した26例の緊急の胸部大動脈瘤手術 (昭和56年11月から63年3月) の術前管理および麻酔方法について検討した. 21例は解離性 (Stanford 分類のA型18例, B型3例) で, 他5例は真性 (上行部2例, 弓部1例, 弓部下行部1例, 下行部1例) であった. 85%は破裂 (心嚢内13例, 胸腔内3例, 肺動脈1例) のため緊急手術となった. 昭和61年以前は23%だった生存率が62年以後は69%に向上した. これら生存率に影響する因子について考察した.
  • 福井 明, 大隅 昭幸, 高折 益彦
    1989 年 9 巻 4 号 p. 356-360
    発行日: 1989/07/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    背椎麻酔後, 創洗浄に用いたグルコン酸クロルヘキシジンに対する反応が主因として疑われたアナフィラキシーショック症例を経験した. 本症例では, ショック後の皮内テストにて, グルコン酸クロルヘキシジンにのみ陽性であった. また, IgE値は, ショック発生後は68U/mlと低値であるが, 2週間後には608U/mlと高値を示しており, その反応にIgEが関与したと思われた.
  • 瀧 健治, 遠藤 重厚, 松岡 哲也, 長沢 敏明, 菊池 正知, 石川 和伸
    1989 年 9 巻 4 号 p. 361-363
    発行日: 1989/07/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    脊椎麻酔を施行した直後より脊椎麻酔が誘発したとみられる下肢痛を訴えた2症例を経験したので, その症例の紹介とその誘発機序について考察した. 2症例とも外傷性のカウザルギー様疼痛を数ヵ月前まで訴えており, 脊椎麻酔による抑制繊維の遮断によって疼痛が誘発されたものと推論した. このような症例には脊椎麻酔は不適当と言われているが, 経験したいずれの症例でも鎮痛剤より神経遮断薬や中枢神経抑制薬が誘発された激痛の鎮痛に有効であった.
  • 青山 幸生, 釜野 安昭, 岡本 章寛, 永田 勝太郎, 浅利 遙, 村山 良介
    1989 年 9 巻 4 号 p. 364-367
    発行日: 1989/07/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    Shy-Drager 症候群は, 中枢性の自律神経失調症であり1), 厚生省の特定疾患に指定されている.
    本症候群では, 体位変換に伴う血圧の変動が著しく, 従って麻酔中は体位変換により血行動態が大きく影響されることが予想されるが, その詳細な報告は少ない.
    今回, 57歳女性の本症患者で鼓室形成術の麻酔を行うにあたり, 麻酔前後の血行動態および術中のホルモン動態を測定しえたので報告する.
  • 吉山 毅, 水本 宏, 井辺 浩行, 太田 又夫, 上山 英明
    1989 年 9 巻 4 号 p. 368-371
    発行日: 1989/07/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    We experienced the general anesthesia for tracheotomy in 2-year-old male child diagnosed as Nonketotic Hyperglycinemia (NKH). To date the anesthesia in NKH have never been reported.
    NKH is conjectured that it is an autosomal recessive disorder of glycine metabolism characterized by intractable seizures, lethargy, severe psychomotor retardation, and early death. Biochemically, there is marked elevation of glycine levels in plasma, urine, and CSF.
    The anesthesia was inducted with 50% N2O and 0.5% isoflurane, and maintained with 50% N2O and 0.5-1.0% isoflurane. Before the anesthesia, we anticipated some complications which would develop during and after operation (increase of airway secretion, respiratory depression, exacerbation of seizure etc). But there was no trouble during and after operation.
  • 北村 豊, 高木 治, 内田 整, 奥村 福一郎
    1989 年 9 巻 4 号 p. 372-377
    発行日: 1989/07/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    冠動脈の三枝病変と脳動脈の閉塞性病変とを合併した3症例に対する6回の血行再建術の麻酔を経験した. いずれも, 先ず脳動脈血行再建術を, 次いで冠動脈バイパス術を二期的に施行した. 麻酔はNLAを基本とし, 吸入麻酔薬を併用したが, 3例とも神経学的合併症はなかった. これらの術中管理では, 脳灌流圧と心筋酸素需給バランスの維持が重要であるため, 薬剤, モニター, 補助手段などの選択には慎重を期する必要がある. 局所的脳虚血が診断可能なモニターや, 多誘導のST変化の同時モニターの普及が望まれる. また, 冠動脈バイパス術中の体外循環でも, 脳灌流圧を維持するための脳分離体外循環, IABPなどの補助手段も今後更に検討する必要がある.
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