2022年は京都府立医科大学の源となる京都療病院が開院した明治5年から150周年の節目に当たる.同年に開催された日本臨床麻酔学会において,療病院の初代外国人医師・教師として医療の近代化に貢献したFerdinand Adalbert Junker von Langegg(Junker)を顕彰する講演会が開催された.本稿は講演内容を再構成したものであり,明治維新期に近代国家建設のために雇用された“お雇い外国人医師”の中で,唯一の麻酔科医であったJunkerと,彼が1867年に開発し,後世まで改良が重ねられ使用され続けた麻酔器Junker’s inhalerについて顕彰する.
3回連載の第1回として,江戸末期から明治初期における日本の医学の西洋化の動き,そしてヨンケルが初代外国人医師・教師として京都療病院に招聘されるまでを述べる.
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