日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
ISSN-L : 0387-1193
21 巻 , 1 号
選択された号の論文の20件中1~20を表示しています
  • 井上 勝一, 宮本 宏, 阿部 庄作, 村尾 誠, 遠藤 隆志, 荒川 三紀雄, 水野 重孝, 桑島 俊彦, 赤間 正義, 田村 浩一
    1982 年 21 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    Micro-spectrophotometer (MSP) による癌細胞核内Feulgen-DNA量分布が, Flow cytometry (FCM) によるDNAヒストグラムとどの程度相関性があるか, 6種の培養細胞 (肺腺癌, 肝癌, 骨由来巨細胞腫, 横紋筋肉腫, 神経芽細胞腫それぞれの細胞, およびRaji細胞) を用いて検討した. また, doubling timeとの関係についても検討した.
    1) 核DNAヒストグラムは, G0G1期, S期の一部を含む第1成分と, S期の一部, G2M期を含む第2成分に分けた。
    2) MSPによる第2成分とFCMによる第2成分は良く相関した (r=0.914, P<0.02).
    3) S期は, FCMでは明瞭に認められるが, S期の著明な例では, MSPでもある程度推定可能であった.
    4) MSPによる第2成分の割合とdoubling timeとは良く逆相関した (r=0.925, P<0.01).
    5) 以上のことから, MSPによる臨床例の癌細胞回転の推定の可能性が示唆され, 細胞診上も重要と考えられた.
  • 椎名 義雄, 沢田 好明, 川生 明, 根本 則道, 佐藤 秀子, 志方 俊夫, 武田 敏
    1982 年 21 巻 1 号 p. 8-14
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    酵素抗体法を細胞診に応用するため, 基礎的検討を行った. 捺印スミアは液性成分を十分取り除き, 細胞を一層に塗抹することが必要で, 細胞が十分得られる検体は可能な限りwash out methodにより, 細胞外に存在する抗原を洗い流し, 背景の染色性を除去した. 固定は抗原活性の低下を恐れず, 十分行うことが肝要で, メタノール・エーテルによる湿固定は陽性所見が鮮明で, 細胞の膨化・変形等の所見はみられなかった. 乾燥例は4℃アセトンで30~60分の固定で良好な結果が得られたが, 陽性所見はややび慢性になった. 蛋白分解酵素による消化は免疫反応を増強させたが, 背景の染色性を減退させる効果はなかった. 界面活性剤の使用は特異染色のみならず, 内因活性を増強させ, 陽陰のコントラストに欠けた. 検出法は間接法で背景の染色性が少なく, 抗血清の力価が高い場合は本法で十分目的が達せられた. PAP法は強い増感効果を得たが, 背景に顆粒状の非特異的染色のみられることがあった. 以上, 各項目の適切な組み合せにより, 細胞診に応用しても十分信頼性のあることが明らかになった.
  • 本山 悌一, 石原 法子, 仲間 健, 鈴木 利光
    1982 年 21 巻 1 号 p. 15-25
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    制癌剤投与後の癌細胞の形態変化をもってその薬剤に対する感受性の程度を推測できるかどうかを調べるために, 培養ヒト胃癌細胞とMitomycin CおよびCarboquoneとを用い, in vitroで基礎的な実験をした. その結果, 以下のような理由から, 単に細胞の形態変化のみを指標とする方法では, 制癌剤に対する感受性度を推測することは極めて困難であると考えた.
    1) 薬剤濃度と作用時間との関係によって決定される同じ生物学的効果をもった種々の薬剤量を投与した場合, それによって引き起こされる癌細胞の形態変化は, 作用時間によって著しく異なる.
    2) 作用時間を一定にした場合, 形態変化の出現様式は, 薬剤に対する感受性度よりも, 癌細胞の増殖速度に強く影響される.
    3) 生体においては, 濃度, 作用時間とも一定に保つことは難しく, in vitro系よりもさらに複雑化する.
  • 由佐 俊和, 門山 周文, 馬場 雅行, 柴 光年, 佐藤 展将, 山口 豊, 堀内 文男, 大岩 孝司, 鎗田 努, 斎藤 博子, 岡本 ...
    1982 年 21 巻 1 号 p. 26-33
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    肺良性腫瘍のうちで最も頻度の高い過誤腫は悪性腫瘍との鑑別, 手術術式の選択において術前に確定診断を得ることが極めて重要である. われわれは肺過誤腫の診断における針生検法の有用性と本腫瘍の細胞所見の特徴について検討を行った.
    軟骨性過誤腫12例, 非軟骨性過誤腫2例の経皮的および直視下針生検標本についてその出現細胞の検討を行ったところ, 21検体のうち軟骨細胞は軟骨性過誤腫の全検体にみられ, 上皮細胞は18検体に, 組織球は14検体にみられた. その他間葉系の紡錘型細胞, リンパ球, 多核白血球, 脂肪細胞がみられた. 軟骨細胞は多数が塊状の集合をなしているものが多かったが, 線維性あるいは微細な網状構造の中に散在性にみられる場合もあった. 上皮細胞は正常もしくは増生を示す気管支上皮細胞に類似する所見がみられ, 軽度の異型性を示す細胞もみられたが悪性細胞との鑑別は可能であった. 病理組織像との対比では針生検法による出現細胞はその組織成分をよく反映しており, 特に軟骨性過誤腫の場合多くの症例で診断可能であった.
    針生検細胞診は肺過誤腫の診断において極めて有用な方法であると考える.
  • 阿部 庄作, 井上 勝一, 常田 育宏, 宮本 宏, 大崎 饒, 村尾 誠, Mikio ARAKAWA, Takashi ENDO
    1982 年 21 巻 1 号 p. 34-38
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    手術・生検標本, 擦過物・擦過後の喀痰検査により組織学的, 細菌学的に肺結核症と確診し得た20症例を対象に経気管支擦過法により得られた標本から類上皮細胞, ラングハンス型巨細胞の細胞形態像を把握し, これら細胞の出現頻度を検討し, 経気管支擦過細胞診による肺結核症の診断について検討した. 類上皮細胞は核形に特徴があり, ニンジン形・腎臓形・馬蹄形・西洋なし形などの細長い桿状形であった. 擦過標本中にみられる細胞の出現率をみると, 類上皮細胞は20例中11例 (55%) に認めた. 擦過物, 擦過後の喀痰中に結核菌を証明し得た5例中4例 (80%) に類上皮細胞を認めたラングハンス型巨細胞は20例中1例 (5%) に認めたのみであった. 悪性細胞と鑑別が困難な大型化した円柱上皮細胞は20例中4例 (20%) に認め, 扁平上皮化生細胞は20例中15例 (75%) に認めた. 大型化した円柱上皮細胞と悪性細胞との鑑別点は核クロマチンパターンの一様性, 刷子縁の存在が重要であった. 経気管支擦過標本中に類上皮細胞が検出された場合には肺結核症の可能性が示唆され, 類上皮細胞の検出は肺結核症の診断の一助になることが示された.
  • 関口 礼子, 赤荻 栄一, 斎藤 泰紀, 佐藤 博俊, 仲田 祐, Hideichi SUDA
    1982 年 21 巻 1 号 p. 39-42
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    強い咳嗽を有する感冒の際に, 肺癌細胞と鑑別が困難であった異型細胞を喀出した10症例を経験した.
    その異型細胞は, 気管支の線毛円柱上皮細胞の炎症に伴う変性と考えられる細胞所見を呈し, 症状の軽快とともに消失した.
  • 社本 幹博, 舟橋 正範, 村田 供爾子
    1982 年 21 巻 1 号 p. 43-49
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    悪性腫瘍患者, 慢性疾患患者の胸水中に, ある時期, 核形不規則でややN/C比大の若干幼若なリンパ球が, 極めて高頻度に出現してくる症例に遭遇することがある. これらのリンパ球は形態学的, 免疫学的, 細胞化学的検索からTリンパ球であることが判明した. これら胸水中のTリンパ球の比率は, 末梢血中に認められるTリンパ球の比率より極めて高い. 一方, 胸管リンパ液はほとんど100%Tリンパ球で占められている. 胸管が腫瘍の圧迫等のため狭窄, 閉塞, あるいは破損したため, 胸管ないしその分枝からTリンパ球が漏出してきた可能性が強いと考えられる.
  • 武藤 良弘, 錦野 光浩, 栗田 雅史
    1982 年 21 巻 1 号 p. 50-56
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    胆嚢疾患における細胞診所見と組織学的所見との関連性を追究するため, 術中に得られた胆汁の細胞診所見と胆嚢の組織像とを対比し検討した. 対象症例は101例で, 細胞診では上皮細胞の剥離状態, 炎症細胞 (多核白血球, リンパ球, 組織球) や壊死等を検索した. 他方, 胆嚢をほぼ正常, 軽度炎症, リンパ濾胞性炎症, 急性閉塞性炎症, 慢性閉塞性炎症および癌の6型に大別した.
    その結果, 両者にはつぎのようなおおよその関連性がうかがえた. 上皮細胞のみの出現はほぼ正常例に, 上皮細胞と壊死は軽度炎症例に, この上皮細胞と壊死に加えて比較的リンパ球が目立つ所見はリンパ濾胞性炎症例に, 上皮細胞, 壊死に著しい炎症細胞 (白血球, 組織球) は急性閉塞性炎症例に, そして比較的少郊の上皮細胞, 壊死および組織球性巨細胞の出現は慢性閉塞性炎症例にみられた.
  • 横田 栄夫, 馬渕 義也, 細道 太郎, 小倉 和子, 西 陽造, 赤山 紀昭
    1982 年 21 巻 1 号 p. 57-65
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    子宮頸癌の早期発見に子宮頸部擦過細胞診は欠くべからざる検査であり, その検出率をあげるために細胞の採取法について種々の検討がなされてきている. われわれは子宮頸部擦過細胞診の細胞採取にあたり, 綿棒法とスクレーパー法を同一人に同時に施行して, 子宮頸癌初期病変および境界病変の検出率およびその推定診の正診率について両採取法の比較検討を行い, 以下の結果を得た.
    対象は子宮頸癌の自主検診を目的として, 1978年から1980年にかけて和歌山労災病院を訪れた婦人4, 255名である.また細胞診の正診率に関しては, 子宮頸癌初期病変および境界病変として当院において手術を施行した婦人96名についてである.
    自主検診における癌の検出率は浸潤癌10名 (0.23%), 初期間質内浸潤癌 (以下初期浸潤癌と略す) 15名 (0.35%), 上皮内癌23名 (0.5%), 高度異型上皮23名 (0.5%) である.
    浸潤癌および初期浸潤癌ではスクレーパー法と綿棒法で検出率に差を認めないが, 上皮内癌ではスクレーパー法の23名に対し綿棒法では20名 (87.0%) で, 3名 (13.0%) のfalse negativeが, また高度異型上皮においてはスクレーパー法の23名に対し綿棒法では15名 (68.2%) で, 7名 (31.8%) のfalse negativeがみられた.
    手術施行群における細胞像からの推定診の正診率では, 浸潤癌 (20例) はスクレーパー法の81.0%に対し綿棒法では81.2%, 初期浸潤癌 (21例) では75.0%に対し61.9%, 上皮内癌 (32例) では80.6%に対し69.6%, 高度異型上皮 (23例) では79.2%に対し48.2%であり, 正診率に関しては病変が軽度になるに従って両採取法間に差が著しくなり, かつ綿棒法においてはunderdiagnosisの傾向がみられた.
    以上より, 子宮頸癌の初期病変およびその境界病変の一次スクリーニング時の細胞の採取法としては, 綿棒法に比してスクレーパー法がより有用であることが窺われた.
  • 田口 勝二, 岩原 実, 跡部 俊彦, 直江 史郎, 亀田 典章, 佐川 宏明, 海老原 善郎, 河村 裕子
    1982 年 21 巻 1 号 p. 66-71
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    喀痰細胞診中に二種の相異なる異型細胞の出現を認め, 小細胞癌と扁平上皮癌の肺重複癌と考えた81歳, 男子の症例に遭遇した. 約半年後, 本例を剖検する機会があり, 二種の癌の存在を確認し得た. 生前に重複癌と診断されることは極めて稀なことである.
    本例を通して, 第1に肺重複癌は比較的稀であり, 臨床像から両者を見い出すことは極めて困難であること, 第2に本邦では扁平上皮癌と腺癌の組み合わせが多く, 欧米では扁平上皮癌と小細胞癌の組み合わせが最も多いことがわかった. 第3に今後肺重複癌の発生率は増加するものと考えられるので, 肺癌と診断するさいに一応重複癌を念頭におく必要がある. 第4に胸部X線写真にて多発病巣をみた場合には安易に転移ときめつけず第2の癌の存在も疑って積極的な検査が必要である. そして最後に, 喀痰中に出現するおのおのの細胞の発生母地や病巣部位をより正確に抽出することは, 手術を含む治療上必要なことであることなどが理解された. 生前の喀疾細胞診で肺重複癌と診断され, 剖検にて確認された症例は極めて少ない. そこで, 生前の細胞学的所見を中心に, 剖検所見の概要を述べ, 若干の文献的考察を行った.
  • 鈴木 眞喜子, 佐藤 裕美子, 長谷 とみよ, 小室 邦子, 武田 鉄太郎, 山形 淳, 松田 尭, 磯野 晴一, 山田 章吾
    1982 年 21 巻 1 号 p. 72-75
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    症例は62歳の女性. 左乳房に腫瘤を認めて宮城県立成人病センターを受診した. 穿刺吸引細胞診で陽性, 硬癌と診断され, 単純乳房切除術が施行された. 腫瘤は30×25mmで, 病理組織診断は浸潤性小葉癌であった. 切除標本擦過スメア細胞所見をPap. 染色で検討した. 細胞成分は比較的に豊富で, 細胞は孤在性あるいは10個以下の小集塊として観察された. 糸状配列が目立った. 対細胞が300個中29組認められた. 細胞は一般に小型で, 核長径は6~11μmに分布するが, 大部分は7~10μmで, 中央値は9μm, 平均値8.83μm (±1.07) であった. 核短径は5~10μmに分布するが, 大部分は5~8μmで, 中央値は7μm, 平均値6.89μm (±1.02) であった. 核形は類円形を基本とするが, 300個中29個に核の切れ込みが認められた. クロマチンは一部に粗顆粒状のものもあるが, 概して細網状から細顆粒状を呈した. 核小体は1μm程度のものが1個のみ確認できたものが最も多かった.
  • 吉川 美津子, 長廻 紘, 多賀須 幸男
    1982 年 21 巻 1 号 p. 76-82
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    1978年以来, われわれは炎症性大腸疾患 (IBD) の悪性化早期発見の目的で細胞診を施行している. そのなかで20年の経過を持つCrohn病の直腸に発生した異型上皮巣を診断できた. 発症時17歳の女性, 回腸および左側結腸, 直腸に病巣を有するCrohn病で, 1979年直腸に小扁平隆起を発見し, その擦過細胞診でClass4の結果を得た. その後2回の細胞診でも同様の所見で, 1980年に手術された. 切除材料の組織診で, 腺腫様変化に属する前癌性病変 (Riddell) と診断された.
    その異型細胞は粗顆粒状のクロマチン構造を持ち, 核小体の目立つ大型の細胞で, 大小不同と重積性を伴うクラスターを形成していた. 潰瘍性大腸炎46例でみられた異型細胞 (large bland cells, large active cells, Galambos) と比較すると, より大きく, 核小体が目立ち多形性が著明で, 明らかに区別できた. その細胞像は大腸癌6例のそれにより近い. 10年以上の経過を有するIBDでは悪性化の危険が高まることが確かめられているが, その早期発見の目的に細胞診が有効であった1例を報告し, 若干の考察を加えた.
  • 舟橋 正範, 村田 供爾子, 社本 幹博, 井野 晶夫, 平野 正美
    1982 年 21 巻 1 号 p. 83-88
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/06/07
    ジャーナル フリー
    肝脾腫, 貧血を主訴とし来院した24歳, 女性の骨髄穿刺塗抹標本よりGaucher病が強く疑われ, リンパ球β-glucosidase測定により診断が確定した症例のGaucher細胞について細胞化学的, 電子顕微鏡学的および免疫学的検索を行った.
    塗抹標本中の細胞形態は類円形~多陵形を呈し, その胞体内には線維様構造, または網状構造が認められた. PAS反応, acid phosphatase活性は大きい細胞よりも小さい細胞により強く陽性を呈したがSudan III染色は陰性であった. 電顕的には胞体内に特徴的な細管束が直行または蛇行して認められ, 多くは一層の限界膜で囲まれ, 直径は約200~500Åであった. 細胞により出現頻度に差はあったがlysosome, autophagosomeがみられた. 赤血球, ときには顆粒球を貧食した細胞も認められた. 免疫学的特性は, C3, Fcレセプターが陽性であり, 螢光抗体間接法でIa-like抗原が陽性であった, 以上の所見はGaucher細胞がmacrophage系統の細胞であることを強く示唆している.
  • 阿倉 薫, 畠中 光恵, 泉 好宣, 川井 一男, 竹中 正治, 菊井 正紀, 横山 朝夫
    1982 年 21 巻 1 号 p. 89-93
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    45歳男子にみられた胃平滑筋芽細胞腫の病理組織像, 捺印細胞像と同時に電子顕微鏡の所見について検討した. 組織学的には本腫瘍の特徴の一つとされている, 核周囲のPASおよび脂肪染色陰性の空胞がみられた. 銀染色では細い銀線維が1個から数個の細胞を取り囲むように発達していた. 捺印細胞像では, N/C比は小さく, 細胞形態は円形ないし多辺形のものがほとんどをしめていた. 核は円形ないし楕円形で核縁はほぼ平滑, 大部分が細胞質内に偏在し, 核クロマチンは穎粒状であった. 電子顕微鏡の検索では細胞質内に密な細線維を認めた.
  • 三宅 康之, 太田 節子, 津嘉山 朝達
    1982 年 21 巻 1 号 p. 94-97
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    われわれは, 陰嚢水の穿刺細胞診から, 悪性リンパ腫が疑われた1症例を経験した.
    患者は睾丸腫脹のため来院した74歳の男性で, 睾丸摘出後の病理組織学的診断は悪性リンパ腫 (組織球型) であった. 一般に睾丸に発生する腫瘍の術前診断は極めて困難とされ, 睾丸摘出後の組織検索によって初めて明確な診断が得られることが多い. この点から, 睾丸腫瘍における陰嚢水の穿刺細胞診は, 術前診断に極めて有用なものと考えられる. また陰嚢水中の細胞診を中心に, 睾丸発生の他の腫瘍と比較検討し, 若干の文献的考察を行った.
  • 岩本 久司, 熊木 朋子, 笛田 みゆき, 布施 利夫, 高頭 秀吉, 山崎 正一, 金子 博
    1982 年 21 巻 1 号 p. 98-103
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    男子尿道粘膜に発生した極めて稀な悪性黒色腫の尿中, および捺印標本の細胞所見, 腫瘍組織の電顕所見について検索した.
    症例は, 70歳の男性で頻尿, 排尿障害, 尿道出血を主訴に来院し, 尿道腫瘍と診断され切除した. 病理組織学的検査で悪性黒色腫と診断された.
    術後の尿細胞診で多数の腫瘍細胞を認めたのでその細胞像を観察した.
    腫瘍細胞の多くは, 孤立散在性に出現していた. 偏在性の大型核と, 著明な核小体がみられ, メラニン顆粒の乏しい細胞は, 腺癌細胞に酷似していた.
    再発部位組織の電顕所見では, 腫瘍細胞の胞体内に無数のメラノソームI型, あるいはII型を認めたがIII型, IV型をもったものは少数であった.
    Papanicolaou染色では, ライトグリーンに染まる核内空胞がみられたが, 電顕ではこの空胞は核膜によって明瞭に境され, 細胞質小器官を入れていた.
    本症例は, 術前に尿細胞診は行われなかったが, 悪性黒色腫の試験切除は禁忌とされているので, 本症例のような場合には, 術前の尿細胞診が重要と思われた.
  • 児玉 省二, 小幡 憲郎, 半藤 保, 後藤 明, 竹内 正七, 永井 絵津子
    1982 年 21 巻 1 号 p. 104-111
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    外陰部の乳房外Paget病6例の臨床病理学的ならびに細胞診学的検討を行った.
    1. 患者の平均年齢は, 65.7歳で, 主症状は全例掻痒感を訴えていた.病巣の肉眼的所見は, 紅斑4例, 色素沈着1例, 皮下腫瘤形成1例であった. 症状出現から組織学的診断までに平均約3年を要していた.
    2. 病理学的検索では, Paget細胞が表皮内に限局するもの1例, 真皮内直接浸潤例2例, 汗管部面皰癌1例, 下床腺癌合併全身性転移1例, 扁平上皮癌合併1例で, 表皮内限局例はむしろ少数であった. 2例に断端部の再発がみられた.
    3. 細胞診陽性例は, Paget細胞が組織表層に露出がみられた下床腺癌合併例と扁平上皮癌合併例および再発2例であった.
    4. 4例の細胞診で出現した異型細胞数は極めて少数例が多く, 細胞採取に注意を要した.
    5. 4例の細胞診学的検討では, 組織像と一致する典型像と, 非典型像がみられた.
  • 井庭 信幸, 岩成 治, 松永 功, 村尾 文規, 北尾 学
    1982 年 21 巻 1 号 p. 112-115
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    29歳, 1回経産, 分娩後少量性器出血持続. 分娩4ヵ月後に右前胸壁と子宮膣部に腫瘍を指摘され組織診でリンパ肉腫と診断された. 子宮膣部擦過細胞診所見よりLSG分類のびまん性リンパ肉腫で中細胞型 (B cell type) と診断した.
    原発は不明であるが子宮腔部リンパ肉腫のコルポスコピー, 組織診, 細胞診所見について報告する.
  • 松山 敏剛, 塚本 直樹, 柏村 正道, 松隈 敬太, 杉森 甫, 木寺 義郎
    1982 年 21 巻 1 号 p. 116-121
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    64歳婦人子宮体部に発生診た横紋筋肉腫の1例について報告診た.
    他の腫瘍成分を混じない純粋に横紋筋肉腫のみの子宮体部腫瘍は極めて稀で, 文献上50例の報告をみるにすぎない. さらにその予後も極めて悪く, 5年以上生存をした例性本症例が文献上2例目である.
    本腫瘍性肉眼的に性子宮内腔へと発育する腫瘍で, そのために子宮の体積をexpansiveに増大させ, さらに腫瘍組織の一部が外子宮口に突出診てくるのが一つの特徴と考えられる.
    組織学的には赤丸細胞, ラケット細胞, テープ細胞と呼ばれる未熟なrhabdomyoblastを主とする腫瘍で, 細胞中に横紋を認めるのが特徴的である.
    細胞学的にも上記組織所見と一致する細胞を孤在性に認める. すなわち, 多核の円形細胞と, 細胞質内に縦走する線維構造を有する長楕円-紡錐状の奇怪細胞を認める. 細胞診標本においても, 注意深く観察すると上記の横紋構造を観察すること性可能である.
  • 1982 年 21 巻 1 号 p. 123-126
    発行日: 1982年
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
feedback
Top