日本臨床細胞学会雑誌
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25 巻, 1 号
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  • 主として臨床細胞学的問題点
    山田 喬
    1986 年 25 巻 1 号 p. 1-11
    発行日: 1986/01/20
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    臨床細胞学的領域における病名, 病的状態, 組織や細胞の形態などの表現についての現状と, その問題点を具体的な事例を取りあげ論じた.その論点は以下のごとくである.
    1.表現の簡略化と習慣的表現の是非.
    2.人名の発音についての複雑さ.
    3.比喩的表現の由来と, その正当性.
    科学的内容の発表における表現の自由は, 発表者と聴集 (報告者と読者) との間の完全な相互理解が得られてこそ成立するものであることを強調した.
  • 化学療法の効果との関連から
    阿部 庄作, 牧村 士郎, 板橋 孝一, 永井 達夫, 常田 育宏, 川上 義和, 荒川 三紀雄, 遠藤 隆志, 清水 幹雄
    1986 年 25 巻 1 号 p. 12-19
    発行日: 1986/01/20
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    肺小細胞癌18症例の経気管支擦過細胞を用いて核クロマチンの形態と核DNA量ヒストグラムパターンとの関係について, 化学療法に対する有効性の面から検討した.核DNA量の多いB typeを示した7症例のうち, 核クロマチンが微細顆粒状で均一に分布している細胞の多い症例は6例と多く, 化学療法に対する反応性も良好であった.核DNA量の少ないA typeを示した11症例のうち, 核クロマチンが微細顆粒状で均一に分布している細胞の多い症例は5例, 粗大顆粒状で不均一に分布する細胞の多い症例は6例であった.微細顆粒状で均一に分布する細胞の多い症例でも化学療法に対する反応性は不良であった.核クロマチンが微細顆粒状で均一に分布する細胞の多い肺小細胞癌は核DNA量も多く, 化学療法に対する反応性も比較的良好であった.しかし, 核DNA量ヒストグラムがA typeを示した肺小細胞癌は相関しなかった。肺小細胞癌症例の化学療法に対する反応性などの特異な臨床病態を推定するには核クロマチン形態のみの検討では十分とはいえず, 核DNA量の測定, 分析がより重要であることが示された.
  • 山田 喬, 正和 信英, 大久保 幸俊, 吉武 淳郎, 佐藤 豊彦, 信田 重光, 横田 勝正, 岡本 一也, 土井 久平
    1986 年 25 巻 1 号 p. 20-31
    発行日: 1986/01/20
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    神経芽細胞腫10例, 網膜芽細胞腫4例, 褐色細胞腫5例, 副腎皮質癌1例, 副腎皮質腺腫5例の通常染色標本における剥離細胞形態を記載し, それぞれの細胞形態の特徴を求めた.
    神経芽細胞腫の剥離細胞像の特徴は, 小型i類円型の細胞質の乏しい細胞の集団であったが, 従来報告されているロゼット形成 (rosette formation) の細胞配列も特徴的であるが, インディァン線状配列 (indian file formation) 力弐多少とも全例にみられたことと, 未分化な細胞像でありながら, 核分裂像がきわめて少ないことが着目すべき所見であった.神経節細胞, 神経線維への分化をみた神経節芽細胞腫からは, それぞれの特徴的細胞が剥離した.
    褐色細胞腫は症例により, かなり細胞像は異なるが, 上皮様の配列があること, その多形性を示す剥離細胞像は悪性腫瘍と見誤る可能性があることを指摘した.
    副腎皮質由来の腫瘍のうち, 皮質腺腫は明るく広い細胞質からなる比較的均一な細胞集団がみられた.
  • 病理組織学的背景との関係
    沢田 勤也, 松村 公人, 福間 誠吾, 池田 栄雄, 平田 哲士, 福重 淑子, 桑原 竹一郎
    1986 年 25 巻 1 号 p. 32-36
    発行日: 1986/01/20
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    肺大細胞癌は, 細胞診断学的にも病理組織学的にも除外診断的性格を内在しつつ長い間wastebasketといわれてきた.しかし, 細胞型同定が治療適応や予後の推定の鍵を握っている限り, この要求に応え, 積極的診断へと転換せねばならない.
    われわれは原発巣の病理組織学および細胞学的診断の明確な肺癌301例について検討した結果,(1) 肺大細胞癌は28例で組織診細胞診の一致率は46.4%でほかの組織型に比して著しく低率であった.(2) 28例の細胞診からみた細胞形態は, 細胞間結合のルーズな多形性に富む集団で, 核偏在と細顆粒状核クロマチン例が多く, 核小体は大型かつ円形であった.また大細胞型は単核大型細胞が圧倒的多数で, 巨細胞型は全例に多核ならびに単核巨細胞が認められた.粘液多糖類染色は一定の傾向がみられなかった.(3) 病理組織学的には, ほかの組織型の混在が28例中, 21例にみられ, 腺癌構造9例, 扁平上皮癌構造6例, 小細胞癌構造1例, 肉腫様構造2例, 2種以上の組織の混在が3例であった.
    今後, 薪しい視点から細胞質内CEA, Keratia, PNAなどをもって細胞診断学的同定を確固としたentityとして確立することが課題である.
  • 椎名 義雄, 依田 さつき, 飯島 淳子, 沢田 好明
    1986 年 25 巻 1 号 p. 37-44
    発行日: 1986/01/20
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    乾燥後メタノール・エーテル等量液で固定した体腔液塗抹標本140例に酵素抗体法を用いてCarcinoembryonic antigen (CEA) を検出し, その診断学的意義を検索した.
    非癌例体腔液では, 好中球, 組織球, 反応性中皮細胞にCEA陽性反応は全くみられなかったが, CEA産生性癌例の体腔液中にはCEA陽性組織球や好中球がみられた.
    CEA陽性頻度は細胞診陰性44例中3例 (6.8%), 疑陽性8例中4例 (50.0%), 陽性88例中63例 (71.6%) であった.さらに, 原発巣の明らかな腺癌に限ったCEA陽性率は88.3%ときわめて高かった.
    原発巣の推定診断に有効な免疫組織化学的所見は少ないが, 細胞質内小空胞の内側部に陽性所見を示す卵巣の漿液性嚢胞腺癌と大型粘液空胞に強い陽性を示す胃の印環細胞癌はCEAの局在より原発巣推定の可能性がある.
    体腔液塗抹標本でのCEA検出は, 反応性中皮細胞と癌細胞を鑑別するためにPeriodic Acid Schiff (PAS) 反応よりも有効な方法と思われる.
  • 第I報イヌを用いた実験
    大久保 幸俊, 正和 信英, 山田 喬, 佐藤 豊彦, 小池 史子
    1986 年 25 巻 1 号 p. 45-52
    発行日: 1986/01/20
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    ヒト膀胱移行上皮における尿中再生上皮細胞の形態を検討する日的で, その基礎実験として, まずイヌ膀胱粘膜の一部を鋭的切除して経時的な尿中剥離細胞の形態とその大きさを計測し, この変化を組織学的背景から確かめた.
    雑種成犬の膀胱粘膜の一部を外科的に鋭的切除したのち, 経時的に尿採取および膀胱全摘した.粘膜切除後の尿中細胞所見は2448時間後に最も著明な変化を示した。すなわち, 尿中に剥離した異型細胞数は切除後48時間で最多を示し, その後は減少した.細胞相互結合面は切除前は密であったが2448時間後では疎になり, その後は再び切除前と同様になった.胞体および核は24時間後に最も大きく, 48時間後はやや小さくなり, その後は切除前と同様の大きさになった.核小体は切除後全経過を通して著明に認められたが, 48時間後が最大であった.核クロマチンは24時間後に微細顆粒状, 48時間後に粗大粒状を呈したが著明な凝集はみられなかった.N/C比は切除前と比べ小さいか同様であった.
  • 河西 十九三, 久保田 浩一, 石川 てる代, 岩崎 秀昭, 武田 敏, 高見沢 裕吉, 石川 明, 島岡 より子, 角 敏子, 吉田 美紀 ...
    1986 年 25 巻 1 号 p. 53-59
    発行日: 1986/01/20
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    1979年から1980年の2年間に千葉県対がん協会による集団検診で発見されたdysplasia 319例についてhuman papilloma virus (HPV) 感染による細胞変化であるkoilocytotic atypiaに着目し, 細胞学的, 組織学的に検索した.
    1) 組織異型度別では軽度dysplasia群31/128 (24.2%), 中等度dysplasia群26/113 (23%), 高度dysplasia群13/78 (16.7%) に, 全体としては70/319 (21.9%) に組織学上, koilocytoticatypiaを認めた,
    2) 年齢別には50歳以上では4例 (13.3%) と, 50歳未満に比較して頻度が低かった.
    3) 酵素抗体法 (peroxidase antiperoxidase technique, PAP法) によるウイルス抗原の検出ではkoilocytosis, marked群で16例 (57.1%), slight群で14例 (42.4%), dysplasia群1例 (3.3%) とkoilocytosis群に有意に検出率が高かった.
    4) 組織異型度別による細胞診上のkoilocytosisの出現頻度はkoilocytosis, marked群では12例 (40%), slight群では11例 (27.5%), dysplasia群では11例 (4.4%) とkoiiocytosis群で有意に高かった.
    5) 細胞診上, koilocytosisが認められた17例のうち, 組織学的にウイルス抗原を証明できたものは12例 (70.6%) であったのに対し, 組織でウイルス抗原を証明した29例のうち, 細胞診でkoilocytosisを認めたものは12例 (41.4%) にすぎず, 細胞診によるHPV感染の診断は特異性にはすぐれているが感受性に問題があると考えられた.
  • 高橋 峰夫, 木口 一成, 長谷川 寿彦, 筒井 章夫, 佐川 順子, 鈴木 キクエ, 栗原 操寿
    1986 年 25 巻 1 号 p. 60-64
    発行日: 1986/01/20
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    子宮頸管内細胞採取器具としてStormbyの開発したサイトブラシを使用し, その有用性にっき検討した.対象はコルポスコピー不適例100例で, 酢酸加工コルポスコピー実施後にサイトブラシで頸管内より細胞を採取し, 実施前に綿棒で腟部, 頸管より採取したものと, 細胞診標本につき比較検討した.
    サイトブラシ採取標本では, 変性, 乾燥などにより診断が不能であった例はなく, 極端に細胞数が少ない, 核濃縮などの酢酸加工の影響も認められなかった.さらに, 細胞重積性は認めない, あるいは認めても軽度のものが97.0%で, 赤血球出現も認めない, あるいは認めても一部であったものが90.0%で, 細胞診標本としてすぐれていた.変性のない円柱上皮は綿棒標本で27.8%に, サイトブラシ標本では93.4%に認め, サイトブラシは, より確実に扁平円柱境界を含む領域より細胞採取が可能であった.さらに, 細胞診診断の結果では, 同一例で綿棒標本は陰性で, サイトブラシ標本では異形成上皮であったものが5例あり, サイトブラシ採取により綿棒採取時のsamplingerrorを防止したと考えられ, サイトブラシは頸管内採取器具として有用と結論した.
  • 高村 郁世, 井筒 俊彦, 西谷 巌
    1986 年 25 巻 1 号 p. 65-72
    発行日: 1986/01/20
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    卵巣に発生する悪性腫瘍のおよそ75%は, 続発性腺癌で占められ, この生存率は, なお35%前後にとどまっている.「続発性」の意義は, 正常卵巣にまず発生した卵巣嚢胞の壁を構成する上皮細胞の増殖と2次的悪性化を示すものであり, この癌化過程を追求することは早期診断のため, 多くの知見をもたらすものと思われる.そこでわれわれは, 上皮性卵巣腫瘍を良性群, 中間群, 悪性群にわけ, その細胞をFlow cytometryによってDNAヒストグラムから解析, 比較検討し, 次のような結果を得た.
    1.良性群では漿液性嚢胞腺腫よりも, ムチン性嚢胞腺腫の方が高い増殖能を示した.2.中間群では, 低悪性ムチン性嚢胞腺腫, 腹膜偽粘液腫はムチン性嚢胞腺腫とほぼ同様の増殖能であった.
    3.悪性群は, 良性群, 中間群に比べ, より高い増殖能を示した.また悪性群のうち, 漿液性嚢胞腺癌はムチン性嚢胞腺癌より高い増殖能を示した.
    4.進行卵巣癌DNAでは, しばしば2峰性のDNAヒストグラムが得られ, cyclingをもつ細胞のなかにも, aneuploidyの存在が示唆された.
    5.化学療法実施前後のDNAヒストグラムの比較により, 治療効果判定に活用できる可能性が得られた.
  • 福田 耕一
    1986 年 25 巻 1 号 p. 73-81
    発行日: 1986/01/20
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    正常子宮頸部扁平上皮, ならびに頸部異型上皮, 上皮内癌, 浸潤癌 (扁平上皮癌) においてhumanKeratin Protein (hKP) の局在を酵素抗体法を用い細胞組織学的に観察し, その比較検討を行った.
    光顕レベルの観察では組織学的に正常子宮頸部扁平上皮は表層から中層にかけてケラチン陽性だが基底層は陰性であった.また円柱上皮においてreserve cellも一部ケラチン陽性を呈した.異型上皮, 上皮内癌では全層モザイク状にケラチン陽性で, 浸潤癌になると不規則な配列の陽性部位が観察された.また細胞標本では正常子宮頸部扁平上皮細胞では細胞質辺縁にケラチン強陽性を呈するものが多く, 異型上皮, 上皮内癌, 浸潤癌では核周辺に強陽性となる傾向が観察された.さらに電顕学的観察では細胞標本で正常頸部扁平上皮細胞の細胞質辺縁を中心にsparseなケラチンのfilamentが観察された.異型上皮細胞ではsparseながら核周辺にfilamentが集まりだし, 上皮内癌では全周性に核周辺にfilamentの規則的集束が観察でき, また浸潤癌では核周辺の規則的filamentの集束はなくなり一部不規則なfilamentの集束が観察できた.以上のことよりケラチンの局在は頸部扁平上皮のmalignant transformationを反映しているといえる.
  • 特に細胞核計測について
    那須 一郎, 米本 行範, 東岩井 久, 武田 セツ子, 鈴鹿 邁, 及川 洋恵, 伊藤 圭子, 佐藤 章, 金田 尚武
    1986 年 25 巻 1 号 p. 82-86
    発行日: 1986/01/20
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    子宮頸部上皮内腺癌8症例の細胞像について検討し, 頸部浸潤腺癌例および正常例とともに核面積, 核形状係数を測定し, 次の結果を得た.
    1.子宮頸部上皮内腺癌8例のうち扁平上皮の異形成を合併していたものが5例, 上皮内扁平上皮癌を合併していたものが1例あった.
    2.8例中5例は扁平上皮系の異型細胞のためスクリーニングされており, 異型腺細胞を検出することは扁平上皮の異型細胞を検出することより困難であった.
    3.上皮内腺癌群の核面積は72.4±27.6μm2で, 正常群と浸潤腺癌群の中間の値を示し, 各群の問に有意差を認めた.
    4.上皮内腺癌群の核形状係数は0.72±0.09で, 正常群と浸潤腺癌群の中間の値を示し, 各群の間に有意差を認めた.
    5.個々の症例について検討すると, 計測値のうえでは正常と差を認め得ない上皮内腺癌の例があった.このような例でも柵状配列もしくはロゼット状配列を示す細胞集団があり, その集団を構成する核が濃染し, かつ隣接する核同志の重なりが著明な場合には異型腺細胞としての認識が可能であった.
  • 大野 光春, 山本 裕之, 神田 雄司, 佐藤 智子, 田中 恵, 津村 典利, 藤井 美穂, 高階 俊光, 工藤 隆一
    1986 年 25 巻 1 号 p. 87-93
    発行日: 1986/01/20
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    著者らは術前に腟頸管, 子宮内膜細胞診のなされた卵巣癌116例の標本を用いて, 卵巣癌の細胞診の意義について検討した.
    1) 腟頸管細胞診では悪性細胞は比較的きれいな背景のなかに, 少数の細胞集団として出現する.特に子宮内膜に転移のない場合にこの傾向が明瞭である.
    2) 細胞診の陽性率は29.3%(34/116) であり, その内訳は腟頸管細胞診の陽性率21.6%(25/116), 子宮内膜細胞診のそれは53.1%(17/32) であった.
    3) 組織型別の陽性率は転移癌が最も高く, 次に漿液性嚢胞腺癌であった.
    4) 細胞診の陽性率は腹水の量とは関係なく腹水があれば, 腹水のない場合よりも3倍の割合で陽性率は高くなる.
    5) 卵巣癌の細胞診には吸引法による子宮内膜細胞診が有用であり, 同一症例でも細胞標本によって陽性のものと陰性のものがあり, 細胞標本は少なくとも2枚採取作製する必要があると思われる.
    卵巣癌の細胞診, 特に子宮内膜細胞診の陽性率からして, 細胞診は卵巣癌の補助診断として必須であり, 細胞診の果たす役割は大きいと考えられる.
  • 藤本 郁野, 韓 希平, 福田 耕一, 山内 一弘, 増淵 一正, 坂本 穆彦
    1986 年 25 巻 1 号 p. 94-100
    発行日: 1986/01/20
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    112例の漿液性嚢胞腺癌の細胞診につき検討し以下の結果を得た.
    1) 細胞診陽性率は, 後腟円蓋プールスメア, 子宮腟部および頸管内擦過スメアは15.2%, 子宮腔内吸引スメアは20.4%, 腹水細胞診は67.9%の陽性率であった.
    2) 陽性率の最も高かった腹水細胞診について検討した結果, 陽性率は臨床進行期に伴って上昇した.
    3) 腹水細胞診陽性率は腹水量とも密接な関係を有し, 腹水量30cc未満では51.4%, 500cc以上で92.0%の陽性率であった.
    4) 腹水の性状と陽性率とは関連性が少なかった.
    5) 腫瘍表面の性状と各種細胞診陽性率の関係は, 表面に癌増殖を認めるか, あるいは被膜破綻のみられるものの陽性率は, 癌増殖を認めないかあるいは被膜破綻のないものに比べ, 有意に高かった.
    6) 組織分化度と各種細胞診陽性率との間には一定の関係が認められなかった.
  • 萩原 暢子, 伊藤 正尚, 鈴木 由美子, 奥田 喜代司, 植木 實
    1986 年 25 巻 1 号 p. 101-106
    発行日: 1986/01/20
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    無排卵周期症および第1度, 第2度無月経症患者21例にclomiphene citrate (clornid) 投与施行時の腟細胞像を観察し, これと血中ホルモン値, 頸管粘液との3者を比較検討し, 腟細胞像の臨床的価値について考察し以下の結果を得た.
    1) 血中におけるE2値は, clomid投与中より低値ながら認められ, その後徐々に増加した.
    2) 腟細胞像はclomid投与により軽度のestrogen様効果が認められたが, 細胞Indexはなお低値を示し, 投与後6~10日目頃からそれらの値がゆるやかに上昇し, 排卵を認めた症例では投与後12目目頃よりprogesterone効果が出現した.
    3) 頸管粘液 (c.m.) は, clomid投与後6日目頃まで0.1ml以下で, fern leaf phenomenon (F1-P) も認められなかったが, その後徐々に増量しF1-Pも (+) ~ (++) になる症例が増えた.
    4) 血中E2値と腟細胞像のtime lagをみると, 6~10日も認められた.
    5) 血中E2値とc.m.のtime lagは量的変動に認められたが, F1-Pが排卵頃によく反応していた.
    6) clomid投与など不妊症治療時における腟細胞像の応用は臨床的価値は少なくc.m.にも劣ると考えられた.
  • 天児 都, 上田 清子, 井町 正士, 杉森 甫
    1986 年 25 巻 1 号 p. 107-111
    発行日: 1986/01/20
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    過去2年間における粘膜下筋腫5例の塗抹標本に現れた異常細胞について検討を加えた.これらの異常細胞の多くは活動性核をもつ修復細胞であった.組織標本との対比により粘膜下筋腫の最外層を覆う肉芽組織や腺組織由来のものがほとんどと考えられたが, 粘膜下筋腫においては炎症性刺激や循環不全により損傷された内膜異常細胞や, これらを補うために増生した修復細胞などが腟スミア中に出現することに注意すべきである.
  • 穿刺吸引細胞診の意義
    河西 信勝, 井上 哲生, 坂本 穆彦, 平田 守男, 都竹 正文, 原島 三郎
    1986 年 25 巻 1 号 p. 112-117
    発行日: 1986/01/20
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    近年, 甲状腺腫瘍の補助的診断法のなかでも, 穿刺吸引細胞診の有用性は高く評価されている.しかしながら, 頻度の高い乳頭癌以外の悪性腫瘍に対する診断基準は必ずしも明確であるとはいえず, 今後の問題となっている.著者らは穿刺吸引細胞診を行った甲状腺原発悪性リンパ腫3例の経験を通して, 本症における穿刺吸引細胞診の意義を検討し, 次の結果を得た.(1) 甲状腺腫瘍に対する穿刺吸引細胞診ではパパニコロウ, ギムザの両染色を行うことが大切である.(2) 悪性リンパ腫, 大細胞型の診断は比較的確実であるが, 小~ 中細胞型の診断は困難な場合がある.(3) 穿刺吸引細胞診で, 悪性リンパ腫, 小細胞癌の診断を受けたときは, いずれの場合もこの両者の可能性を考えて診断を進めるべきである.(4) 異常な経過を示す慢性甲状腺炎では, 悪性リンパ腫を疑い反覆して細胞診を行うべきである.また甲状腺原発悪性リンパ腫では, 67Gaシンチグラム, リンパ管造影, 肝シンチグラム, 胸部X線, 胃腸造影, 骨髄穿刺を実施して, 病巣の範囲を明確にすることが大切である.
  • 金井 信行, 島 寛人, 西川 秋佳, 高橋 正宜, 中村 淳博
    1986 年 25 巻 1 号 p. 118-122
    発行日: 1986/01/20
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    甲状腺癌では一般に核内細胞質封入体を有することが多く, 乳頭癌に比較的よくみられる.今回われわれは髄様癌で巨大かつ多数の核内細胞質封入体を有する1症例を経験した.
    病理組織学的に摘出腫瘍は充実性増殖を示す細胞集塊からなり, 細胞質内にはGrimelius染色陽性顆粒がみられ, また間質にはCongo red染色にてアミロイドの沈着が認められ髄様癌と診断された.
    摘出標本捺印細胞所見では腫瘍細胞は多形性に富み, 核の大小不同が強く, ときに巨大核を有する単核ないし多核の大型細胞を混じていた.細胞質は比較的豊富でライトグリーンに好染性を示した.核は円形または類円形を示し, 細顆粒状ないし, 一部粗大顆粒状のクロマチンパターンを示した.核内には著明な核小体のほかに境界明瞭な膜構造で囲まれたライトグリーンに好染性で細網状の核内細胞質封入体が1~5個みられ, 核の大部分を占める巨大な封入体も認められた.
  • 松本 俊治, 塩津 英俊, 本間 栄, 岡田 基, 和田 了, 植草 利公, 桑原 紀之, 落合 栄美子, 佐藤 修, 麻生 和子
    1986 年 25 巻 1 号 p. 123-125
    発行日: 1986/01/20
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    症例は48歳の男性で, 黄疸, 上腹部痛を主訴として入院した.諸検査の結果, 膵頭部癌が疑われ, 胆汁浮遊細胞診, 胆道擦過細胞診が施行された.何度も行った胆汁浮遊細胞診では癌細胞はみられなかったが, 初回胆道擦過細胞診で腺癌細胞が多数みられ, 膵頭部癌と診断された.
    その後, 全身状態悪化し, 死亡, 剖検となった.剖検所見の検討の結果, 胆道擦過細胞診は胆管の粘膜上皮下に癌細胞が存在する場合でも正診できる検索方法であることが明らかになった.
  • 笹生 俊一, 高山 和夫, 佐々木 淳子, 高金 弘, 大堀 勉
    1986 年 25 巻 1 号 p. 126-129
    発行日: 1986/01/20
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    69歳, 男, 元国鉄ボイラーマン.胃腸管検査の際, 両側腎部石灰化像を指摘されて入院.水腎症で機能がない左腎が摘出された.摘出腎は, 肉眼的に白板症と考えられたが, 腎盂貯溜液の細胞診で移行上皮系癌細胞と扁平上皮系癌細胞が検出された.組織学的には, 移行上皮癌と扁平上皮癌の部位が認められたが, 扁平上皮癌の部位が多かった.右腎盂尿の細胞診で癌細胞が検出された.
    剖検で, 右腎, 肺, 肝, 脾, 腹膜, 傍大動脈リンパ節などに転移をみた.剖検時, 右腎のX線撮影で腎盂腎杯部に一致する陽性陰影が得られた.両側腎盂粘膜下組織にThorotrast顆粒を有する多数の組織球が認められた.Thorotrast顆粒を有する細胞は, 肝, 脾, 骨髄にわずかにみられるだけであった.
  • 河野 泰明, 林 孝一, 鈴木 知勝, 西村 進, 古川 裕, 山崎 知文, 室谷 光三
    1986 年 25 巻 1 号 p. 130-134
    発行日: 1986/01/20
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    同時性重複原発性肺癌の1例を報告した.患者は72歳の男性で, 胸部痛, 血痰, 咳嗽を主訴として来院した.胸部X線写真上, 左下肺野に境界不明瞭な孤立性陰影を認め, 一方, 右下肺野は無気肺を呈していた.喀痰細胞診検査, および右肺の気管支鏡下生検の結果扁平上皮癌, さらに左下葉への経皮的肺穿刺法による細胞診, 組織診では小細胞性未分化癌と一致する像を認め, 重複肺癌の存在を確認した.若干の文献的考察を加え報告した.
  • 林 あや, 長尾 啓一, 渡辺 昌平, 柴 光年, 林 豊, 堀内 文男, 岡本 達也
    1986 年 25 巻 1 号 p. 135-138
    発行日: 1986/01/20
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    症例は70歳女性で, 17年前に右乳癌の根治手術および術後照射を受けていた.今回, 乾性咳嗽・呼吸困難にて来院し, 臨床的に間質性肺炎と診断されたが, 喀痰細胞診にて腺癌細胞を認め, occultlung cancerの合併も疑われた.
    喀痰中の細胞は大小不同が比較的軽度で小型, 類円形であるが, N/C比は大きく, クロマチンの増量を認める.緩い結合性の平面的集団をなし, indian file状配列が特徴的である.乳癌の肺転移が考えられた.
    死後剖検により肺の癌性リンパ管症と判明した.乳癌切除標本と比較の結果, 乳癌の転移性再発によるものと考えられた.気管支周囲では, リンパ管内に増殖した癌細胞が粘膜へ浸潤し, 一部内腔に露出する像がみられた.
    転移性肺腫瘍の喀痰細胞診陽性率は一般に低いが, 癌性リンパ管症においては, 上述のごとき組織学的構造をとりうるため, 喀痰中へ腫瘍細胞が剥離する機会は大きいと考えられる.本症は他の間質性肺疾患との鑑別が困難であることが少なくなく, 患者の呼吸不全状態が強いため侵襲の大きい検査が不可能なことも多い.この際, 喀痰細胞診が診断上有力であることがあらためて認識された.
  • 森 俊彦, 舟木 憲一, 庄司 克吉, 斉藤 麗子, 志和 恵美子
    1986 年 25 巻 1 号 p. 139-144
    発行日: 1986/01/20
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    64歳の女性に発生した後腹膜原発の類粘液型脂肪肉腫の1例を経験し, その組織像, 細胞像などを検討したので報告する.
    脂肪肉腫の組織型には種々のタイプがあり, それぞれに特徴的な細胞診所見を呈すると考えられる.われわれが今回経験した類粘液型脂肪肉腫の細胞診所見では, 背景に類粘液様物質が存在し, おもに紡錘形, 星芒状, 円形ないし楕円形のhyperchromaticな細胞からなり, そのほかに多核の巨細胞も散見された.ほかのタイプの脂肪肉腫では脂肪球や脂肪芽球, 線維状の細胞, 細胞異型の著明な細胞, そのほかが出現し, その出現頻度や脂肪染色, 銀染色などの特殊染色はこれらの鑑別診断に有用であり, 細胞所見においても, ある程度組織型の推定が可能であると思われた.
  • 次富 久之, 瓦林 達比古, 木寺 義郎, 杉森 甫
    1986 年 25 巻 1 号 p. 145-149
    発行日: 1986/01/20
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    8年の経過中に悪性化した卵巣腫瘍の1例を経験した.患者は60歳, 主婦.昭和50年8月子宮筋腫と両側卵巣嚢腫で子宮全摘術および両側付属器切除術を受けた.このときの卵巣は粘液性嚢胞腺腫であった.その後下腹部に腫瘤を触れるようになり, 4, 7年後にそれぞれ腫瘍摘出術を受け, いずれの腫瘍も低悪性度の粘液性嚢胞腺腫であった.このときのタッチスメアでは壊死物質を背景に円形または円柱状の異型細胞を認めた.これらは軽度重積性の集塊を作り, 核は軽度過染性で大小不同があり, 核小体も明瞭であった.しかし8年後に再発した腫瘤は浸潤性に増殖する腺癌であり・タッチスメア・術前の腫瘤部吸引スメアともに過染性核に大型核小体を有する腺癌細胞を認めた.解剖の結果, ほかに腺癌の発生したと考えられる部位は認められず, 当初の粘液性嚢胞腺腫の悪性化したものと考えられた.
  • 細胞診, 組織診, 電顕所見について
    岩沖 靖久, 野河 孝充, 勝部 泰裕, 藤原 篤
    1986 年 25 巻 1 号 p. 150-156
    発行日: 1986/01/20
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    子宮頸部原発carcinoid腫瘍は比較的少なく, その細胞診, 組織診, 電顕像についての総合的な報告はまだわずかである.今回われわれは, 細胞診で頸部腺癌と考え, 摘出物の組織診でcarcinoid腫瘍と判明した症例を経験したので報告する.症例は31歳の主婦で, 接触出血を訴え受診初診時の内診で子宮腟部前唇に栂指頭大の易出血性ポリープ状腫瘤を認め, 子宮頸癌Ib期の診断のもとに拡大単純子宮全摘術を施行した.子宮頸部擦過細胞診では, 腫瘍細胞は散在性ないし集塊状に出現していた.核は比較的小型で類円形から楕円形を示し, 大小不同は軽度で核縁は比較的平滑, 肥厚も著明でなく, 顆粒状ないし細顆粒状のchromatin patternを認め, 核小体は1ないし数個認めたが特徴的ではなかった.腫瘍細胞のN/C比は大きく, 細胞質はlight greenで比較的少なく細胞境界は不明瞭で, 頸部腺癌と判定した.摘出物の病理組織像は, H-E染色で好酸性の胞体をもつ小型異型細胞が充実性胞巣状に増殖し, rosette形成を認めた、Masson-Fontana染色は陰性であったが, Grimelius染色では細胞質内に微細な好銀顆粒が染色され, 電顕での検索で限界膜を有する神経分泌顆粒が認められ, 子宮頸部原発の低分化型carcinoid腫瘍と診断された.
  • 藤村 保文, 早川 修, 高階 俊光, 工藤 隆一
    1986 年 25 巻 1 号 p. 157-162
    発行日: 1986/01/20
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    75歳, 閉経後28年経過した婦人で, 下腹部腫瘤, 不正性器出血, 乳房痛を訴え来院し, 膣細胞診では, ほとんどの細胞は表層扁平上皮細胞で占められ, 内分泌検査で血中testosterone, estradiol高値を示した.諸検査から悪性卵巣腫瘍の診断を行い, 開腹し, 臨床進行期III期の卵巣ムチン性嚢胞腺癌であった.
    穿刺細胞診, 捺印細胞診では, 腫瘍細胞のほかに, fibroblastが散見された.組織像の特徴としてfibroblastの増生が盛んでstromal condensationの像が認められ, Oil Red O染色では, fibroblastに強陽性像が認められた.
    本症例は, 術後血中testosterone, estradiol値は年齢相当に復したことより, ホルモンは, 卵巣腫瘍由来によるものであろうと考えられた.
  • 劉 雪美, 佐藤 章, 矢嶋 聰, 東岩井 久
    1986 年 25 巻 1 号 p. 163-166
    発行日: 1986/01/20
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    手術中の病変部割面の捺印細胞像と組織像を比較検討した外陰paget病の1症例を報告する.症例は56歳の閉経後女性, 術中の病変部割面の捺印標本から得られたpaget's細胞は大小不同性を示した.境界が鮮明で細胞質が豊富な円形ないし類円形の細胞がシート状に排列しているが重積性は認められなかった.細胞核は円形ないし類円形で, 核縁は薄く, 不正形を呈した.クロマチンパターンは細顆粒状ないし細網状を呈した.組織学的所見では, 捺印標本と同様な大型の明るい細胞質と円形ないし類円形の大きい核をもつ細胞, いわゆるpaget's細胞が扁平上皮下に多数認められた.paget's細胞はPAS, Alcian-blue染色で陽性を示すが, 間質の深部にはpaget's細胞が認められず, 腺腟構造もみられなかった.本症例のpaget's細胞は, アポクリン腺またはエクリン腺からの由来であるかどうかは不明である.
  • 竹内 久清, 浜田 宏, 高木 由利, 竹内 英子, 田所 衛, 牛込 新一郎, 森脇 友子
    1986 年 25 巻 1 号 p. 167-171
    発行日: 1986/01/20
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
    53歳主婦の左卵巣より発生したmalignant Brenner tumorを用いて, その細胞および組織像と組織発生について言及した。腫瘍の捺印標本の細胞像は扁平上皮癌のpatternをとる腫瘍細胞, 円柱細胞由来が考えられる細胞, シート状配列で紡錘形~ 多稜形の胞体を有する細胞, 泡沫細胞類似細胞などを認めた.これらの細胞の一部にはコーヒー豆状核も少数ながら観察できた.組織学的には明らかに良性のBrenner tumorがあり, さらにproliferative formをとる充実性部分や角化傾向を示す扁平上皮癌の部分が認められた.いずれの部位においても嚢胞壁下のtransitional cell like epithelium, あるいは補充的細胞と呼ばれる細胞群からの発生増殖を示唆する組織像を得た.
  • Endolymphatic stromal myosisを中心として
    太田 博明, 木村 高, 菊池 和子, 藤田 俊之, 野沢 志朗, 細田 泰弘
    1986 年 25 巻 1 号 p. 172-178
    発行日: 1986/01/20
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    子宮体部のendolyrnphatic stromal myosis (ESM) と共存した癌肉腫はきわめてまれで, その報告はほとんど見当たらない.
    今回, 57歳女性の子宮体部に原発した腺癌とESMの共存した癌肉腫の1例を経験したので, ESMを中心として, その細胞・組織所見を報告した.
    本症例は子宮底部より下垂し, 子宮腔内を充満するポリープ状の腫瘤で, 先端部表面に限局して腺癌像がみられたが, 腫瘤の大部分は内膜間質腫瘍像を呈した.後者は筋層およびリンパ管内への侵入を認めたが, 筋層の高度の破壊を伴わず, 核分裂数の少ないことからESMと診断した.上記組織構築より, 術前の細胞診および内膜組織所見では腺癌単独の所見しか得られなかったが, 術後の捺印細胞診では腺癌とESMの混在する細胞所見を示した.ESMの細胞所見は細胞質は少量で, 核の増大, 多形性およびクロマチンの軽度増量と核縁の不整を認めたが, 異型性は著明でなかった.さらに子宮体部癌肉腫およびESMをめぐる組織学的考察を加えた.
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