日本臨床細胞学会雑誌
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26 巻 , 6 号
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  • 佐藤 雅美, 斎藤 泰紀, 今井 督, 永元 則義, 薄田 勝男, 高橋 里美, 菅間 敬治, 佐川 元保, 太田 伸一郎, 須田 秀一, ...
    1987 年 26 巻 6 号 p. 903-913
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    胸部X線無所見で気管支鏡無所見のTX肺癌例のうち, 病変が気管支鏡の可視範囲外に存在した5例 (扁平上皮癌4例, 腺癌1例) を対象として局在部位同定に至る過程を分析した.
    部位別に採取した細胞診の標本上に出現した癌を疑いうる異型を有する単個細胞数を計数し, またシート状に出現してくる異型細胞集団は前記の細胞数のなかには加えず細胞集団の数として計数比較検討した. その結果病巣を擦過した場合には多数の癌細胞が採取され, なおかつ主としてライトグリーン好性に染色される結合性の強いシート状細胞集団が多数出現していた. このライトグリーン好性で結合性の強い集団の存在が局在部位を同定するうえでの強い根拠となり得た. 全体を通してみてみると癌細胞が全く採取されないことがあり, また部位別に採取した吸引物中の癌細胞の分布が必ずしも常に病巣の存在部位と一致するとは限らない. また多数の検体を一度に扱うことによる検体の取り違えや喀痰の気管支内移動に伴う部位診断の誤りの可能性もあり, 十分注意する必要がある. したがって局在部位同定のためには, 擦過細胞診によって前記のように多数の異型細胞が結合性の強いシート状集団で, 同一気管支から繰り返し2回以上採取されるまで根気強く検査を繰り返すことが必要である.
  • 北岡 裕子, 福井 甫, 広田 裕, 原口 南進, 宇田川 学
    1987 年 26 巻 6 号 p. 914-919
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    中~高分化型腺癌切除例のうち, 術前細胞診の陽性であった26例について, 腫瘍最大割面のHE染色標本の観察にて下里の細胞亜型分類を行い, 術前細胞診における組織型判定を細胞亜型ごとに検討した. 対象症例26例は気管支表面上皮細胞型7例, クララ細胞型13例, 混合型6例に分類された. クララ細胞型は全例腺癌と判定されていたが, 気管支表面上皮細胞型は3例が腺癌, 4例が扁平上皮癌と判定されていた. 混合型は5例が腺癌, 1例が大細胞癌と判定されていた, 組織型誤認例は全例擦過細胞診による判定であった.
    気管支表面上皮細胞型の擦過細胞像として,
    (1) 変性壊死細胞が多数認められる.
    (2) 紡錘形の細胞が層状に配列する.
    (3) 結合性はあるが平面的な配列.
    (4) 核偏在が明らかでなく, 核小体不明瞭.
    の4つの細胞所見が認められ, 誤判定の原因と考えられた. 擦過細胞診における組織型判定に際しては, 細胞亜型を念頭においた細胞所見の検討が必要と思われた.
  • 沢田 勤也, 松村 公人, 池田 栄雄, 平田 哲士, 宮内 博幸
    1987 年 26 巻 6 号 p. 920-925
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    この研究の目的は, 気管支カルチノイド腫瘍についての最適な検体採取法を検討し, 細胞形態同定所見と鑑別診断について検討することにある. 1) 12例の本腫瘍 (中枢発生7例, 末稍発生5例) について, 細胞診上, 満足な検体をうるためには, 気管支生検直後の擦過診, または経気管支針穿刺法 (TBAC) が適切で, 6例が陽性であった. 残る6例は術中細胞診により診断した. 2) 本腫瘍は, 悪性リンパ腫, 肺小細胞癌, 肺腺癌と細胞形態上の鑑別診断が必要で, また可能である・定型的カルチノイドと非定型的カルチノイドとは, N/C比, 核分裂像, 壊死背景をもつて鑑別診断が可能である. 3) 直接的検体採取法によれば, 細胞配列から組織パターン (曽我分類) の推定が可能である. 4) 気管支末梢発生例 (5例) はいずれも, 紡錘型腫瘍細胞が認められた.
  • 太田 伸一郎, 斉藤 泰紀, 今井 督, 須田 秀一, 永元 則義, 佐藤 雅美, 佐川 元保, 菅間 敬治, 高橋 里美, 薄田 勝男, ...
    1987 年 26 巻 6 号 p. 926-931
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    フローサイトメトリーにより肺の非小細胞癌25例の核内DNA量を測定し, DNA Indexと切除腫瘍径, N因子, および術後組織病理分類 (以下, 術後病期) との関係を比較検討した.
    (1) 切除腫瘍径3cm未満と3cm以上の肺癌とでDNA Indexに差はみられなかった.(2) 術後病期別には, 腺癌のDNA Indexは, I・II期例 (1.18±0.17) に比べ, III・IV期例 (1.61±0.30) で大であった. 扁平上皮癌のDNA Indexでも, I・II期例 (1.05±0.09) に比べ, III・IV期例 (1.49±0.34) で大であった. 非小細胞癌全体では, III・IV期例 (1.56±0.30) のDNA Indexは, I・II期例 (1.15±0.20) より大であった.(3) N-因子別では, 腺癌の縦隔リンパ節転移陽性群 (以下N2群) のDNA Index (1.52±0.41) は, 縦隔リンパ節転移陰性群 (以下N0+N1群) のDNA Index (1.18±0.17) より大であった. 扁平上皮癌においてもN2群のDNA Index (1.49±0.34) は, N0+N1群のDNA Index (1.05±0.09) より大であった. 非小細胞癌全体では, N2群のDNAIndex (1.50±0.34) は, N0+N1群のDNA Index (1.15±0.20) より大であった. したがって, 肺癌細胞の核内DNA Indexの評価により, 腫瘍の悪性度および予後をある程度推測しうるものと考えられる.
  • 山川 久美, 柴 光年, 馬場 雅行, 藤沢 武彦, 山口 豊, 堀内 文男, 岡本 達也, 大岩 孝司
    1987 年 26 巻 6 号 p. 932-938
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    大腸癌肺転移14例を対象として, ブラシ擦過細胞診, 経気管支針吸引細胞診, 経気管支鉗子生検捺印細胞診, 経皮針生検細胞診, 切除材料捺印細胞診の各材料を用いて, 細胞学的に本腫瘍の診断の可能性について検討した.
    細胞所見は, 背景の壊死腫瘍細胞の柵状配列, 長円形の核, 不整形の複数の核小体の4点が特徴的であった.
    多量の壊死物質は全例に認められ, 柵状配列については14例中10例に確認された. 核の長径/短径比は平均1.61で肺腺癌の1.39に比べて有意に大きかった. 核小体は不整形で大部分の細胞では1~5個認められ平均3.2個であった.
    肺の腫瘤状陰影から得られた細胞診検体で以上のような所見が認められた場合は, 大腸癌肺転移を強く疑って臨床的検索を進めるべきである.
  • 山田 喬, 原 亙助, 佐藤 豊彦, 小池 史子, 信田 重光, 大辻 圭一, 脇 慎治, 神田 和弘, 藤森 勲, 川根 一哲, 垣花 昌 ...
    1987 年 26 巻 6 号 p. 939-951
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    乳癌の穿刺吸引細胞診において, 一般の癌細胞の形態学的判定規準によっては,“悪性” と診断できない, 小型で異型の少ない癌細胞がかなりの頻度で出現する. そのような症例を正しく診断するために, 細胞間の結合性の弱化に重点をおいた小型癌細胞判定規準を新たに設定して, これに基づき細胞診断を行った. その結果, 乳癌の正診率は70.9%から85.4%に向上した. しかし, その反面良性例において誤陽性および疑陽性の合計が16.9%から24.9%に上昇した (すべて病理組織学的に最終診断の得られた例のみについての成績である).
    24例の誤陽性例の細胞像を示すとともに, その病理組織学的背景を検討したところ, その母地の多くは, 導管上皮の高度の増殖性病変 (特に乳頭状増殖) を伴った乳腺症と線維腺腫であった. しかも, それらの良性増殖性病変に加えて細胞異型の高度な例は, 24例中2例のみであった. この結果はほかの領域 (特に扁平上皮癌の発生領域) における誤診の母地の多くが母細胞のdysplasiaである事実と異なり, 必ずしも癌の先行病変とはただちに結びつかない病変が大部分の誤診の母地であることを示している.
    細胞間の結合性の弱化に重点を置いた診断は, 両刃の剣のごとく, より乳癌細胞診断の正診率を向上させる一方, 本論文に示すような誤診の可能性も含まれることを強調したい.
  • 藤井 雅彦, 石井 保吉, 張堂 康司, 佐久間 市朗, 長尾 緑, 萩原 勁, 早川 欽哉, 加藤 一夫
    1987 年 26 巻 6 号 p. 952-957
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    嚢胞内乳頭癌8例と乳管内乳頭腫16例の捺印細胞標本を用い, 乳腺乳頭状腫瘍の細胞学的特徴について, 核DNA量, 核径および核小体の性状を中心に検討を行った.
    核径分布については, 乳頭癌, 乳頭腫ともに8~12μmのものが大部分で, 平均値では乳頭癌が9.86μm, 乳頭腫が9.50μmとやや悪性例で高値を示したが, いずれも大小不同性に乏しく, 両者の間に顕著な差を認めることはできなかった. 15μm以上の核の出現頻度はどちらも低率ながら, いくらか乳頭癌の症例に日立っ傾向にあった.2.5μm以上ないし5個以上の核小体を有する細胞の出現率は, 乳頭癌全体ではそれぞれ1.86, 1.18%, 乳頭腫全体では0.41, 0.10%で, 非癌例に比べて癌例で高い値を示した. 核DNA量については, 乳頭癌では8例とも高2倍体にピークを有し, 8倍体あたりにまで広がる幅広い分布を示したのに対し, 乳頭腫では2倍体ないし高2倍体にピークをもち, ほぼ6倍体にまで広がる分布を呈した。核DNA量が4倍体を越える細胞の出現頻度は乳頭癌では平均1138%, 乳頭腫では平均3.34%と, 明らかに悪性例に高率であった.
  • 石井 保吉, 藤井 雅彦, 若林 富枝, 張堂 康司, 後藤 昭子, 佐久間 市朗, 深堀 世津子, 月川 賢, 伴野 隆久, 萩原 勁
    1987 年 26 巻 6 号 p. 958-962
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    乳房検診のため過去2年間に東京都がん検診センター乳房科を訪れた3,719名の受診者中, 494名 (13.3%) に触診時乳頭分泌物が認められた.このうち通常の乳頭分泌物細胞診の結果再検の必要性を考えた120名 (3.2%) に対し, 蓄痰用固定液 (YM液) を応用して患者自身に3~5日分の乳頭分泌物を貯めさせる蓄乳法を行った。
    120症例の成績の内訳は, 陽性9.2%(11/120), 疑陽性2.5%(3/120), 陰性81.6%(98/120), 検体不良6.7%(8/120) であった.このうち, 病理組織診にて診断の確定している乳癌例は13例あり, この13例について従来よりの直接塗抹法と蓄乳法による細胞診成績を比較した. 直接塗抹法では, 陽性3例 (23.1%), 疑陽性3例 (23.1%), 陰性7例 (53.8%) であったのに対し, 蓄乳法では陽性8例 (61.5%), 疑陽性1例 (7.7%), 陰性4例 (30.8%) であった. また, 13例中TO乳癌が5例みられたが, 直接塗抹法では3例を, 蓄乳法では5例全例を陽性と判定できた。
    乳頭分泌物細胞診の手法に本法を取り入れることにより, 細胞の乾燥を防ぐとともに十分な細胞量を得ることができ, したがって従来の方法では誤陰性または疑陽性と判定の困難であった症例が減少するものと考えた.
  • 酒井 求, 田村 邦夫, 村上 榮, 竹内 純, 田嶋 基男
    1987 年 26 巻 6 号 p. 963-967
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    尿中に悪性細胞を認めた尿路系移行上皮癌患者31例の自然排泄尿, ならびに一部の症例については手術摘出腫瘍のImprint smear, および凍結切片を材料としてAlkaline phosphatase (ALPase) 局在について検索を行った.
    全症例中ALPase陽性細胞を認めたものは9例 (29%) であり, いずれもgradeが高く (highgrade), しかも深部組織への浸潤が強い (high stage) 症例であった.
    酵素組織化学的検索においてALPase陽性細胞は癌胞巣の基底膜近傍や浸潤先端部に高い頻度で認められた.
    これらのことから, 移行上皮癌症例にALPase反応を施行することは患者の予後推測に役立つものと思われる.
  • 三浦 ヨウ子, 石岡 国春, 木村 伯子, 佐藤 泰, 冨樫 明美, 三浦 敏也, 長谷川 清美, 星 宣次, 川合 厚子
    1987 年 26 巻 6 号 p. 968-973
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    1982年より1985年までに行われた後腹膜リンパ節穿刺吸引細胞診149例, 808回 (膀胱癌72例, 393回. 睾丸腫瘍24例, 120回. 前立腺癌22例, 147回. 腎腫瘍16例, 76回. 尿管腫瘍5例, 21回. 陰茎腫瘍5例, 28回. その他5例, 23回) の結果を検討した. このうち, 開腹手術により組織診を施行したのは45例で, 組織診と細胞診の不一致例は13例あった. 細胞診陽性, 組織診陰性となった原因としては, 細胞診誤陽性, リンパ節の微小浸潤, 手術時細胞診陽性部位のリンパ節摘出が不可能であった, などが考えられた. 一方, 細胞診陰性, 組織診陽性の原因としては, 穿刺の手技不良が最も考えられた. 全標本中リンパ節に正しく刺入されたと考えられる標本は30~50%であった.
    本法は現段階でも膀胱癌, 前立腺癌などの術式や治療法の選択に重要な指針となるばかりでなく, 治療効果の判定や再発例の診断に有用であると考えられる.
  • 大木 昌二, 岡田 敏之, 堀内 文男, 武田 敏
    1987 年 26 巻 6 号 p. 974-979
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    男子の非淋菌性尿道炎の原因菌として, クラミジアが注日されているが, その感染細胞像についての報告はほとんどなく, 通常のPapanicolaou染色標本での検出は困難であるといわれている. そこで, われわれは, 尿道炎症状を示す男性患者の尿道擦過標本99例について, Monoclonal抗体によるPAP法を施行し, 脱色後Papanicolaou染色を行い, 陽性例の感染細胞について観察した. PAP法陽性所見を瀰漫性陽性 (D型), 辺縁部陽性 (M型), 限局陽性 (L型) の3つに分類し, Papanicolaou染色所見をlight-green濃染 (A型), light-green淡染 (B型), しみ状hematoxylin弱陽性 (C型) の3つに分類し検索を行った. 結果は, PAP法でL型 (46.0%), D型 (31.2%), M型 (22.8%) の順で出現頻度が高かった, Papanicolaou染色ではA型 (45.6%), B型 (43.5%) がほぼ同率であったが, C型 (10.9%) は頻度は低いが陽性全症例でみられた. PAP法の陽性率は10.1%であった. 年齢は26~40歳台に多くみられた. 男子尿道クラミジア感染細胞は, 子宮頸部にみられるような封入体は認められないが, 今回の検討した結果より, C型 (blot inclusion) の検出がきわめて重要な所見と思われた.
  • 吉見 直己, 高橋 正宜
    1987 年 26 巻 6 号 p. 980-990
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    画像解析は経験に基づく従来からの病理学に対し, 新しく定量的病理学を特に細胞生物学的活性の指標であるDNA定量を含む種々の定量的解析として病理学の新しい展開を築くものと考えられる。今回, マイクロコンピュータシステムによる2048素子ラインタイプ電荷結合素子 (CCD) 付画像解析装置の開発を行い, その精度, 特に顕微吸光測光器としての精度試験をフローサイトメトリ (FCM) との比較で検討し, 以下の結果を得た。
    1. マイクロコンピュータの利用により, 机上で簡便な対話形式の画像解析処理が可能となった.
    2.1μmと1/4μm単位走査の解像力において細胞形態の定量な差はみられなかったが, 核内クロマチンの画像表現には1/4μm単位走査が有効であった.
    3. パラフィン包埋薄切標本でのDNA定量は, 千単位以上の細胞の測定により, その測定細胞集団がもつDNA量の変動の傾向が観察され, 薄切標本で組織細胞集団のstemlineを測定することができた.
    4. 細胞塗抹標本では千単位の細胞数測定により, FCMとほぼ一致する細胞回転の解析が可能であった.
    5. 画像解析法によるDNA量の測光はFCMと違い, 細胞回転の解析のみならず, 細胞形態の観察が可能である.
  • 山田 喬, 原 互助, 佐藤 豊彦, 垣花 昌彦, 浦崎 政浩, 岡本 一也, 川根 一哲, 城崎 俊典
    1987 年 26 巻 6 号 p. 991-999
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    皮下腫瘤の穿刺吸引細胞診において採取される細胞のうちで, 間葉組織由来の良性異型細胞の形態について以下の8症例を示しつつ論じた。すなわち, 1) 合胞体状多核横紋筋細胞の出現した3例 (うち1例は増殖性筋炎が推定された), 2) 結節性筋膜炎の1例, 3) 腫瘍の増殖に伴う横紋筋とその周囲組織細胞の反応性変化が起こった2例, 4) 肉腫の浸潤増殖に伴い横紋筋細胞の反応性異型化の起こった1例, 5) 陳旧性肉芽腫1例である.
    これらの症例の病態はそれぞれ異なるが, 穿刺吸引により採取された間葉組織由来の異型細胞は多少とも, 肉腫細胞とまぎらわしく, 診断上, 誤診の原因となることが考えられた. その良性異型細胞の形態を整理し, 細胞形態の発生過程を推定した.
  • 土岐 利彦, 堀口 正之, 和田 裕一, 矢嶋 聰, 後藤 牧子, 金野 多江子, 伊藤 圭子, 東岩井 久
    1987 年 26 巻 6 号 p. 1000-1004
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    頸部細胞診でclass IIIを呈した患者で, クラミジア感染症のスクリーニングを行いさらに, クラミジア陽性例の細胞像を検討し, 以下の結果を得た.
    1.380例中18例 (4.7%) が, EIA法でクラミジア陽性であった.
    2. 陽性例では, 細胞診上, central target formationや, 星雲状封入体など, クラミジア感染に特徴的とされていいる所見は全例で認められず, 細胞診のみでクラミジア感染を推定するのは困難と思われた.
    3. 陽性例の56%に, 細胞診または組織診上, human papillomavirus (HPV) 感染の徴候が認められた.
    4. 治療例13例の細胞異型は, 6例で消失したが, 7例では存続していた. 消失例6例の細胞異型は, 主として軽い化生異型であった. これに対して, 異型持続例7例中, 6例にHPV感染の徴候が存在し, このHPV感染による細胞異型は, 治療に関係なく持続していた.
    以上より, クラミジア感染時にみられる細胞異型は, 同じSTDとしてHPV感染を合併する場合に, 特に問題になってくると考えられる.
  • 赤堀 泰一郎, 衣笠 万里, 木村 あずさ, 常盤 洋一, 竹内 康人, 大津 文子, 長谷川 和男, 武内 久仁生
    1987 年 26 巻 6 号 p. 1005-1013
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    当センターにて経験した子宮肉腫5例と癌肉腫7例について組織像と細胞像を対比しその細胞学的特徴につき検討した. 子宮肉腫の特徴は, 肉腫細胞の出現態度が比較的散在性であり, 細胞形状が線維状もしくは類円形であること, および核構造において薄い核縁と明瞭な核小体の出現がみられることであった. 癌肉腫においては, 出現する肉腫細胞が純粋の子宮肉腫にみられたものに比べ, 多彩な細胞形態を示し, 粗顆粒状のクロマチン・パターンを呈する割合が高く, 核小体所見もいっそう明瞭になる傾向にあった. さらに癌肉腫においては, 肉腫由来と思われる細胞でも, 癌細胞との鑑別に困難な細胞が集団をなして出現する傾向にあった. また, retrospectiveに外来組織診と細胞診での正診率をみると, 組織診では肉腫60%, 癌肉腫71.5%となり, 細胞診では肉腫20%, 癌肉腫28.5%とその推定診断率はいずれもきわめて低率であった. しかし細胞診において, 肉腫では良性病変もしくは境界病変と推定された症例が60%あったにもかかわらず, 癌肉腫では全例悪性腫瘍の存在を予測し得たのは興味あることと考える.
  • 岩 信造, 田原 義孝, 由谷 親夫, 植田 初江, 増田 一吉, 市田 起代子, 小林 忠男
    1987 年 26 巻 6 号 p. 1014-1018
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    細胞診断学的にhuman papilloma virus (HPV) の感染を疑った14例と, HPV感染所見がみられない2例の腟スミアパパニコロウ脱色標本からHPV抗原を検索する目的で, avidin-biotin-peroxidasecomplex (ABC) 法による免疫細胞学的観察を行った. HPVの感染を疑った14例中11例にHPVの抗原がkoilocyteの核に認められた. 残りの3例と非感染例2例にはHPV抗原が陰性であった. koilocyteへのHPV抗原陽性率は0%から57.2%までの差が認められた.
    以上のごとく, 腟スミアパパニコロウ脱色標本からもHPV抗原の検出が可能であり, HPV感染の診断に有用である.
  • 藤本 郁野, 荷見 勝彦, 増淵 一正, 長村 義之, 渡辺 慶一
    1987 年 26 巻 6 号 p. 1019-1026
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    卵巣腫瘍より得られた病理組織標本, 腹水細胞標本を酵素抗体問接法を用いてEpithelial Membrane Antigen (EMA) の局在を検索し, 組織別陽性率, 組織分化度による局在部位の差などにつ いて比較し, 酵素抗体法の細胞診領域への応用性について検討した.
    検索した上皮性卵巣腫瘍は漿液性嚢胞腺癌37例, ムチン性嚢胞腺癌18例, LPM (low potential malignancy) として漿液性嚢腺腫2例とムチン性嚢腺腫4例, 漿液性およびムチン性嚢腺腫8例, 正常卵巣3例の計72例であった.細胞診標本は腹水細胞診陽性例のもので, 漿液性嚢胞腺癌18例, ムチン性嚢胞腺癌10例にっき, EMA再染色を施行し, 以下の結果を得た.
    1. 組織でのEMA陽性率は悪性群が最も高く, 次いで中間群, 良性群の順であった.
    2. 漿液性嚢胞腺癌とムチン性嚢胞腺癌の組織でのEMA陽性率は前者が100%, 後者は77.8%であった.
    3. 組織分化度とEMA陽性部位については, 漿液性嚢胞腺癌, ムチン性嚢胞腺癌ともに高分化型のものはluminalに, 低分化型のものは細胞膜全周~ 細胞質に局在が認められた.
    4. CEA, hkp, CA125のマーカーとの比較では, 漿液性嚢胞腺癌ではEMAとCA125が, ムチン性嚢胞腺癌ではCEAが高い陽性率を示した.
    5. 腹水細胞診におけるEMAの陽性部位は漿液性嚢胞腺癌, ムチン性嚢胞腺癌ともに細胞膜全周~ 細胞質全体において (++) の強陽性に認められた.
    以上のことからEMAは漿膜性嚢胞腺癌やムチン性嚢胞腺癌の診断および悪性度の判定について有用であり, 細胞診自動化への応用の可能性も示唆された.
  • 神田 雄司, 大野 光春, 高階 俊光, 伊東 英樹, 山内 修, 佐藤 智子, 津村 典利, 早川 修, 工藤 隆一
    1987 年 26 巻 6 号 p. 1027-1029
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    著者らは術前に, 腟頸管細胞診, 子宮内膜細胞診のなされた卵巣癌症例を用いて, 卵巣癌細胞の出現機序について検討した.子宮内膜への転移がなく, 腹水細胞診が陽性である6例の卵管内の細胞診において, 3例が癌細胞陽性であり, この3例の子宮内膜細胞診は全例陽性であったことから, 特に腹水があれば, 癌細胞は卵管を介して, 子宮内膜, 頸管, 腟に出現するものと考えられる.子宮内膜への転移がある場合は, 癌細胞は直接転移巣より, 頸管, 腟に出現しうるが, 卵管は閉鎖していない症例が多く, 卵管を介する機序と転移巣より排出される機序の合併による機序で出現すると推測される.
  • Mathilde E. Boon, Alons-van Kordelaar
    1987 年 26 巻 6 号 p. 1030-1033
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    スパーテルーサイトブラシを併用することによつてスメア中に頸管円柱上皮細胞を含むいわゆる良好なスメアの比率が68%から99%に上がった。また, 細胞診の陽性症例も著明に増加した.これらの効果はサイトブラシによる頸管内細胞採取の有効性を示すもので, まず第1にブラシが子宮頸管部の高い位置のところまでとどくこと, 第2にブラシの毛が頸管腺の深い割れ目に入り込んでいる異型細胞をうまく採取できる点である.この報告では子宮頸部異常像のタイプによって異型細胞の検出率が上がることを示した.すなわち, 病変がおもにectocervixに存在する軽度異形成では検出率の増加はないが病変がおもにendocervixに存在する強度な前癌病変では検出率が1.5~2.4と増加した.
    サイトブラシによる細胞採取法はより高度な前癌病変の検出にきわめて有効な方法といえる.
  • 堀内 文男, 大木 昌二, 岡田 敏之, 武田 敏, 岩崎 秀昭, 高見沢 裕吉, 計良 恵治, 椎名 義雄
    1987 年 26 巻 6 号 p. 1034-1037
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    Chlamydia trachomatis (以下C. trachomatisと略) とHuman papilloma virus (以下HPVと略) 感染症の関連性を調べるため, 218例のCervical Intraepithelial Neoplasia (以下CINと略) のパラフィン切片を用い, 両者の関係を免疫組織化学的に検索し, 以下の結果を得た.
    1. C.trachomatis抗原の陽性頻度は27.0%でHPV抗原の陽性頻度は10.6%であった.
    2. HPV抗原陽性例の21.7%にC. trachomatis抗原陽性所見を認めた.
    3. C. trachomatis抗原陽性例の15.3%にKoilocytosisを認めた.
    4. CINにおけるKoilocytosisの出現頻度は, 異型度が増すに従い低下した.
    上記の結果より, 両者のSTDとしての混合感染が示唆された.
  • 伊藤 圭子, 及川 洋恵, 金野 多江子, 岩渕 一夫, 金田 尚武, 佐藤 滋, 那須 一郎, 東岩井 久, 野田 起一郎
    1987 年 26 巻 6 号 p. 1038-1045
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    宮城県対がん協会細胞診センターにおける頸癌検診の成績を整理し, 次のような結論を得た.
    1. 昭和41年以降発見された頸部浸潤癌における腺癌の占める割合の推移を5年ごとに比較した結果, 近年その増加の傾向を認めた.
    2. 腺癌の基準を満たさない腺細胞の異型をIII腺として亜分類すると, その割合は検診総数の0.06%であった.
    3. III腺とされたもののなかから約20%に腺異形成を含む腺系の異常を検出した.
    4. 腺異形成症例の細胞像は, 柵状配列出現, 核の過染性, 配列の乱れが特徴的であって, 核の増大, クロマチンの不均等分布は軽度であった.
    5. 腺異形成症例93例をfollow upした結果上皮内腺癌へ2例, 腺癌へ1例, 腺扁平上皮癌へ1例の計4例の進展を確認した.
  • 田村 元, 水内 英充, 工藤 隆一, 熊井 健得, 塚原 国比古
    1987 年 26 巻 6 号 p. 1046-1050
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    婦人科領域の剥離細胞標本を用いて, 酵素抗体法 (ABC法) によりTransferrin Receptor (Tf・R) の局在を検索し, 組織像, 細胞像との比較検討を行った.正常絨毛では, syncytiotrophoblastに陽性反応が認められたが, cytotrophoblastは陰性であった.正常子宮頸部では剥離細胞の表層細胞, 中間層細胞は陰性であったが, 労基底細胞は陽性を示した。異形成では, 表層および中間層異型細胞も陽性を呈してきたが, 陰性の異型細胞も認めた.上皮内癌では, 剥離細胞は陽性を呈し, 浸潤癌では陽性を示したが, 組織標本で癌細胞は陽性, 問質細胞は陰性であった.正常子宮内膜では, 月経周期に関係なく細胞の基底側にのみ陽性を呈し, 内膜癌細胞は陽性を呈した.
    以上より, Tf・Rの検索は婦人科領域の剥離細胞の良悪性判定の補助診断法として, また, 個々の細胞の増殖能の検討に有用であると考えられた.
  • 三浦 弘之, 加藤 治文, 篠原 秀樹, 河手 典彦, 小中 千守, 早田 義博, 海老 原善郎, 三浦 玲子
    1987 年 26 巻 6 号 p. 1051-1055
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    胸部X線および臨床経過から肺癌が疑われ, 細胞診でclass IVと診断, 切除標本の病理学的検索によりpostin飴mmatory pseudotumorとされたfalse positive3例を経験した.
    細胞診上症例1は腺癌が, 症例2, 3は扁平上皮癌が疑われ, 手術を施行した.摘出標本の病理学的検索により, 症例1では異型円柱上皮過形成が, 症例3では異型扁平上皮化生を示す部位が病巣に近接して存在し, 異型細胞の由来と考えられた.細胞像を再検討した結果, 悪性を有意にとるには矛盾する所見が指摘された.
    臨床的に肺癌が疑われた場合, その最終診断は組織学的所見に求められるのが一般的であり, 十分な組織材料が採取できない場合は, より材料採取の容易な細胞診断に頼ることとなる.しかし細胞レベルからの診断のために, ときに異型扁平上皮化生細胞と扁平上皮癌細胞, 円柱上皮過形成細胞や再生上皮と腺癌細胞の鑑別が困難なことがある.
    したがってpostinflammatory pseudotumorのような肺の慢性炎症性疾患も念頭におき, 周囲の良性細胞との移行像, 染色性も考慮しつつスクリーニングし, 臨床的背景も十分に配慮して診断に当たる必要がある.
  • 方山 揚誠, 石舘 卓三, 富樫 信, 新谷 文恵, 蔦原 紳, 大島 信一
    1987 年 26 巻 6 号 p. 1056-1061
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    症例は63歳男性. 昭和60年5月より左下腿血栓性静脈炎となり内科的治療にて軽快. 8月14日頃より血痰, 胸痛出現胸部X線検査で両側肋骨横隔角に異常陰影が出現したため入院となる. 8月22, 24日の喀痰細胞診にて, 核の増大, 大きな核小体をみる異型細胞の小さな集塊を少数認めた.本例は肺動脈造影で肺塞栓症であることが証明されており, その後数回の喀痰細胞診を繰り返すも異型細胞は認められず, 胸部の異常陰影も消退した.本例のごとく, 肺塞栓症で腺癌と鑑別を要する異型細胞が一過性に出現することがあり, 喀痰細胞診上注目すべき所見と思われた.
  • 川合 厚子, 吉田 嬉代子, 岩淵 慎助, 三浦 ヨウ子
    1987 年 26 巻 6 号 p. 1062-1065
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    61歳, 男性, 左大腿部横紋筋肉腫根治手術より4年後に肺転移をきたした1例.
    肺転移は一般的に肺末梢, 特に胸膜直下に生ずることが多く, 経気管支的に細胞診, 組織診を行うことは比較的困難である. 本症例は転移巣を気管支粘膜下に認め, 生検手技により腫瘍が気管支内腔に露出したために腫瘍表面より細胞診, 組織診が可能となった.
    擦過細胞診所見では, 核・細胞質ともに大小不同, 多形性, 多彩性などが目立った. 細胞質の横紋は明確には認められなかったが, 横紋筋肉腫に特徴的とされる核が細胞質の縁より突出した像や, 核が細胞質の上に乗っている像を認めた.生検の結果および既往歴から横紋筋肉腫の肺転移と考えられた.
  • 石渡 仁深, 川口 幹夫, 栗原 正美, 浅見 正敏, 木村 雄二
    1987 年 26 巻 6 号 p. 1066-1071
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    アスベストの曝露と関連の深い悪性胸膜中皮腫の1例を経験し, 胸水中の異型中皮細胞について, 組織化学的および電子顕微鏡的検索を行った.症例は62歳の女性、結核検診で左胸膜肥厚と胸水の貯留を指摘された.胸水は粘稠で細胞成分に富み, パパニコロウ染色で5~70個の敷石状およびマリモ状の異型中皮細胞集塊がみられた.個々の細胞の核は球から類球型で, 中心に位置し, クロマチンは顆粒状で増量し, 小型の核小体を1~3個みる, 細胞質は豊富で一部に空胞様構造を認め, ギムザ染色でBhster (微小風船状突起) がみられた.PAS染色で顆粒状から小滴状の陽性物質を細胞質にもち, アルシアン青で空胞様構造が淡く染まった.また, ケラチンの免疫組織化学染色で核周囲が層状に強く染まり, それに連続して細胞質内が網日状に染まった, これは, 電子顕微鏡像で核周囲のミトコンドリアの凝集部位と中間径フィラメントの集簇部位に一致した.
  • 原 仁, 須田 耕一, 木村 正博, 石井 恵理, 高相 和彦, 若尾 哲夫, 横山 宏
    1987 年 26 巻 6 号 p. 1072-1075
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    2例の髄膜腫の頭蓋外転移巣を臨床細胞学的に検討した. 症例1は髄膜上皮型髄膜腫, Grade I で肺転移を伴っているものの, 細胞学的には渦紋状の配列を示す腫瘍細胞が集団をなしてみられ, 核には悪性細胞としての特徴に乏しかった. 症例2は髄膜上皮型髄膜腫, Grade III (狭義の悪性髄膜腫) で胸壁に転移を伴っていた. 細胞学的に, 腫瘍細胞は多面形または紡錘形で細胞質に富み, N/C比はあまり高くないものの, 核が大きく, 核小体も顕著であり, 悪性の非上皮性腫瘍が疑われた. 本例は再発を繰り返し, 発症から13年後に全身転移をきたし, 死亡した. 以上の2症例はいずれも頭蓋外の胸部に転移を伴った髄膜上皮型髄膜腫であるが臨床的に, また臨床細胞学的に相違が認められた.
  • 深津 俊明, 中島 伸夫, 白井 孝夫, 吉田 賢一, 奈良 佳治, 大岩 昇, 深田 伸二, 長坂 徹郎, 竹内 純
    1987 年 26 巻 6 号 p. 1076-1082
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    超音波誘導下針生検細胞診にて診断し得た胸腺カルチノイドの症例を報告する.
    症例は61歳男性で, 咳嗽, 呼吸困難, 上大静脈症候群を示した.画像診断にて, 右前縦隔から上縦隔に, 均質で境界明瞭な腫瘤が認められた.
    針生検細胞診にて採取された細胞は, シート状, 索状で疎な結合を示し, 一部ではロゼットを形成する.核は, 類円形から卵円形でやや大小不同を伴い, 細顆粒状のクロマチンと, 1ないし数個の核小体を有する.核形不整や核縁の肥厚はみられない. 胞体は, 卵円形から多稜形で, 淡くグリーン好性, 顆粒状を示す.核は, 偏在する.腫瘤の局在を考え, 胸腺カルチノイドと診断した.
    胸腺カルチノイドは, 浸潤性格が強く, 経過は緩徐ではあるが, 悪性腫瘍としての取り扱いが必要である.
    術中捺印細胞診により, 縦隔腫瘍の細胞学的特徴を比較検討した.細胞学的特徴と臨床的事項とを考慮すれば, 針生検細胞診により, 縦隔腫瘍の術前診断は可能と考えられる.
  • 橋本 真智子, 中村 真一, 高橋 保, 大原 栄二, 宮崎 恵利子, 園部 宏, 弘井 誠, 岸本 誠二
    1987 年 26 巻 6 号 p. 1083-1087
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    鼻腔に発生した高分化型腺癌の1症例を経験し, その捺印細胞診を行う機会を得たのでその細胞像と病理組織像を検討し, 若干の考察を加えて報告した。
    症例は鼻閉・鼻出血を主訴とし, 腫瘍再発を繰り返している79歳の女性である.
    生検材料よりの捺印細胞診では, 軽度の大小不同を示す腫瘍細胞が集合性または散在性に出現していた. 核は円形ないし類円形で, 偏在傾向が強く, 核クロマチンは顆粒状に増量し, 核小体が1~数個認められた. この細胞像から高分化型腺癌が疑われ, 病理組織診断と一致した.
  • 松田 実, 元林 宏子, 山登 直美, 小池 久美子, 南雲 サチ子, 和田 昭
    1987 年 26 巻 6 号 p. 1088-1092
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    男子乳癌に対して細胞診断を行う機会を得たのでその成績を報告する.
    症例1は68歳男子で, 乳頭分泌を主訴として来診した. 乳頭分泌細胞診は2回行われたが, いずれも細胞成分に乏しく, 2回の全標本中1箇所に, 円形の, 結合性の強い細胞集団を認めたが陰性と判定した. 後日再検討しても1集団のみで癌と診断することは困難であった. 直径0.5cmの腫瘤が乳頭に接して触知されたため, 穿刺細胞診が2回行われた. いずれも細胞成分は豊富で, 細胞問の結合性が弱かったために強く癌を疑ったが, 細胞異型に乏しかったため, 癌と確診するにいたらなかった.
    症例2は73歳男子で, 左乳腺腫瘤を主訴として来診した. 穿刺細胞診により, 円形ないし乳頭状に配列する, 大小種々の細胞集団が多数標本上に認められた.細胞異型に乏しかったが, 集団を構成する細胞は不規則に重積していたため, 本症例は正しく陽性と診断し得た. 本症例は甲状腺にも腫瘤があり, 穿刺細胞診にて乳頭癌と診断された. 組織学的にも重複癌であった. 乳癌と甲状腺癌の合併は比較的頻度が高いので, 若干の考察を行った.
  • 広瀬 敏樹, 西 常博, 小海 陽子, 山村 はるみ, 土屋 みはる, 前川原 貴美子, 早川 和志, 高梨 利一郎
    1987 年 26 巻 6 号 p. 1093-1098
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    強いアポクリン化生を示す非浸潤性乳管癌を経験した. 症例は42歳女性. 穿刺吸引細胞診では, 細胞質に好酸性微細顆粒を持つ細胞がゆるやかな結合で乳頭状配列を示し, やや細胞が大きかったが, アポクリン化生細胞と考えた. 組織所見は強い乳腺症変化のなかに最長径9mmの比較的境界明瞭な結節があり, 細胞質内に著しく好酸性の微細顆粒を持つ腫瘍細胞が, 主として低乳頭状構造をとっていた. その構造異型より, 非浸潤性乳管癌と診断した. 好酸性微細顆粒は電顕にて0.5~2μ のdense secretory granuleであることが証明された. 捺印細胞像の特徴は, 良性アポクリン化生細胞と比較して細胞が大きいこと, 細胞異型・核異型がみられること, 核小体が目立つこと, 細胞境界が不明瞭なこと, 結合性が低下してやや散在傾向があり軽い乳頭状配列を示すこと, 顆粒の密度が細胞ごとに不均一であること, などがあげられる. 特に強調したいのは, 細胞の大きさで, 20~75μ, 平均52μ であった. また, 本症例をアポクリン癌の早期的状態であると仮定すると, 癌細胞がすべてアポクリン化生を示していることより, アポクリン癌の組織発生は, 癌のアポクリン化生ではなく, アポクリン化生細胞の癌化したものではないかと考えられた.
  • 竹内 英子, 田所 衛, 森脇 友子, 有福 三重子, 星川 咲子
    1987 年 26 巻 6 号 p. 1099-1104
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    胸痛, 呼吸困難, 咳嗽を主訴として入院し, 心嚢水細胞診で診断された55歳男性の心外膜原発悪性中皮腫を経験したので報告する. 臨床的に心嚢水と両側胸水の貯留を認め, 右心不全と診断. 心嚢水および胸水細胞診で悪性中皮腫を疑った. 血清CEA値が異常高値を示したが, ほかに原発性腫瘍は認めなかった. 化学療法開始後著しい症状の改善がみられ, 血清CEA値も低下した.しかし治療中止後再び病態は悪化し, さらにクリプトコッカス感染症を併発して約3ヵ月の経過で死亡した. 剖検で心外膜に限局した悪性中皮腫を確認した. リンパ節に転移を認めた以外には, 他臓器に原発性腫瘍を認めなかった. 心嚢水細胞診で悪性中皮腫と診断し, 臨床経過ならびに剖検の結果から心外膜原発悪性中皮腫が確認された.
  • 木村 多美子, 石原 明徳, 上森 昭, 小山 英之, 野口 光也, 駒田 洋, 矢谷 隆一
    1987 年 26 巻 6 号 p. 1105-1110
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    Pulmonary infiltration with eosinophilia (以下略してPIE) に伴い, 異型形質細胞の出現した好酸球性心外膜炎の1例を経験したので報告する.
    患者は気管支喘息の既往のある61歳男性で, 呼吸困難と微熱を主訴として受診. 胸部異常陰影および末梢血中に好酸球増多を認め, PIE症候群と診断され, 喀痰細胞診でも多数の好酸球が出現した. 患者は薬剤投与後軽快し退院したが, 再び心窩部不快感と呼吸困難を自覚し来院. 心エコーにて心嚢水の貯留を認め, エコー下に心嚢穿刺を施行した.
    心嚢水細胞診で多数の好酸球と, 形質細胞, リンパ球, 好中球, 喰細胞, および中皮細胞を認め, PIE症候群に合併した好酸球性心外膜炎と診断されたが, 形質細胞に多核化, 核形不整, 核小体の明瞭化, および多数の分裂像が認められたため, 形質細胞腫等の合併も考慮し検討した. しかし, 骨髄所見をはじめ検査所見に悪性を疑わせる所見はみられないこと, Prednisoloneの経口投与により臨床症状は改善し, 心外膜炎の再発もないことから, 本例に出現した異型形質細胞は良性反応性異型と考えられた.
  • 長坂 宏一, 石川 昌文, 岩瀬 裕郷, 諸田 英夫, 武田 敏, 計良 恵治
    1987 年 26 巻 6 号 p. 1111-1117
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    ceruminal adenoma (耳垢腺腫) は, 中耳から外耳道にかけて発生するきわめてまれな良性腫瘍である.
    症例は49歳男性で1年前より外耳道の腫瘤に気付くも放置していた. しかし, しだいに耳閉感が増強してきたため, 当院耳鼻科を受診し, 外耳道腫瘍の診断のもと腫瘍摘出術が施行された. 摘出材料の捺印標本において, 腫瘍細胞は, 腺腔を形成する集団と重積する合胞状およびシート状の円柱上皮集団として出現していた・核クロマチンの増量と核形不整, 大小不同性はきわめて軽度であった. また扁平上皮化生細胞, アポクリン化生細胞, 泡沫細胞などが認められる特徴的な細胞像を呈していた. そして, ceruminal adenomaの細胞学的診断には, 同様な細胞像を呈するPleomorphic adenomaとの鑑別が必要と考えられた.
  • 大野 喜作, 鈴木 君義, 木村 恒子, 田林 晃, 本田 善九郎, 丸山 正董, 古川 俊隆, 譜久山 當晃, 松井 武寿, 田久保 海誉
    1987 年 26 巻 6 号 p. 1118-1123
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    50歳女性の, 食道原発の小細胞性未分化癌の1例について報告した. 腫瘍は浅い潰瘍型腫瘍で, 組織学的におもに小型の腫瘍細胞からなり, 角化傾向, 腺腔形成は全く認めず, Grimelius法陽性を示した. 細胞診検査では, 多くが裸核状を呈し, 胞体に乏しい小型の腫瘍細胞が出現していた. 核は円形から類円形で, クロマチンは細顆粒状を示し, 縁の肥厚は明らかではなかった. 食道原発の小細胞性未分化癌の細胞像の報告は, 従来乏しいが, 食道細胞診において, 上記の細胞所見が得られたときには, 小細胞性未分化癌を考慮する必要性があると思われた.
  • 近藤 高志, 佐藤 雅彦, 小出 真, 桜井 秀樹, 前川 勝治郎, 前川 武雄, 沢田 好明, 古旗 淳, 中村 真二, 塩津 英俊, 桑 ...
    1987 年 26 巻 6 号 p. 1124-1129
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    症例は56歳男性で発熱を主訴として来院した. 7年前に胆嚢穿孔にて手術を受けている. 来院時体温37.4度, 白血球増多, CRP陽性, 血沈の昂進などの炎症所見があり, 腹部CT, 超音波検査, 血管造影で肝左葉に径6cm大の腫瘤を認めた. 穿刺吸引細胞診所見では, 大型な長円形, 紡錘形の細胞が散在性に認められ, 核は増大し, なかには好酸性に染まる大きな核小体があり, class Vと判定した. 穿刺肝生検組織所見では繊維細胞の増生と小円形細胞浸潤像, 多核巨細胞が認められ肉芽腫と診断し腫瘤切除術を行った. 摘出腫瘤は9×7×4.5cm大で繊維性の被膜に覆われ, 弾性軟で割面は黄白色であった. 組織学的には膠原繊維, 繊維芽細胞の増生とリンパ球主体の高度な細胞浸潤像, また多数の多核の巨細胞, そして散在性に石灰化巣などが認められ, 炎症性肉芽腫と診断した. 自験例の細胞診像をretrospectiveにみると, 細胞, 核, 核小体の増大が著しく良性との断定は困難であるが, クロマチンの増量, 凝集は軽度であり再生性の変化と判断すべきであった. 今後, 肝腫瘤の細胞診像の検討にあたり, まれではあるが炎症性偽腫瘍も念頭におくべきと考えられた.
  • 園部 宏, 真辺 俊一, 岡田 雄平, 河合 凱彦, 山本 良裕, 山本 祐司
    1987 年 26 巻 6 号 p. 1130-1134
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    脳室腹腔シャント経由の腹膜転移を生じた視床原発原始神経外胚葉性腫瘍 (PNET) の1例で, 腹水細胞診を行い, 免疫細胞学的検討をも加えたので報告する. 患者は嘔吐と意識低下をもって発症した1歳1ヵ月の男児で, CTにて水頭症と右視床に嚢胞化を伴う径4cmの腫瘍が判明し, 腫瘍の部分切除, シャント造設およびCo照射を行ったが, 全身状態の悪化と腹水貯留をきたし, 1年10ヵ月後に死亡した. 剖検で, 脳には壊死巣ないし出血巣を伴う充実結節性の腫瘍が脳室全体に増殖し, 腹膜にも大小結節状の転移性腫瘍が多数みられた. 組織学的には脳および腹膜腫瘍とも, もっぱら小型未分化腫瘍細胞の密な増殖よりなっていたが, さらに脳ではごく一部に海綿芽, 乏突起芽あるいは上衣芽腫様の像もみられた. 腹水細胞診では, 腫瘍細胞はきわめて未分化で小型未分化肺癌に類似した像を示した. 免疫染色結果は, 腫瘍組織のパラフィン切片の結果と同様で, GFAには陰性であったが, 一部の腫瘍細胞がS-100, NF, NSE陽性であった. これらの所見は, 本腫瘍が多分化能を有する未分化細胞に由来することを裏付けるものであった.
  • 中本 周, 森脇 美恵, 細谷 星一, 深沢 義明
    1987 年 26 巻 6 号 p. 1135-1138
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    Dermatopathic lymphadenitis (DL) の1例を経験したので, その捺印細胞像を中心に報告する. DLに特異的に増生するT-zone histiocyte (TZH) の細胞像は特徴的であり, 細胞診でも十分認識可能な細胞と考えられた. その核はおもに楕円形で微細なクロマチンと薄い核膜を有し, しばしば深い切れ込みを認めた. 胞体は広く淡明であり, 細胞境界は不整でやや不明瞭でときに樹枝状を呈した. 背景のリンパ球に異型はなく少数の褐色顆粒貧食細胞を認めることと合せ, 細胞診にても十分DLと診断しうる所見と考えられた. TZHの増生するリンパ節病変はあまり多くなく, TZHの存在に留意して観察すれば細胞診にてもかなり診断を絞り込みうると考えられた.
  • 加藤 拓, 高橋 久雄, 藤田 道夫, 野積 邦義, 北川 憲一, 武田 敏, 堀内 文男
    1987 年 26 巻 6 号 p. 1139-1143
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    尿細胞診にて診断し得た膀胱原発の印環細胞癌の1例を経験した. 症例は74歳女性で下腹部痛, 頻尿, 血尿を主訴として来院尿細胞診において炎症性背景と軽度粘液性背景のなかに核偏在, 細胞質内空胞を示す多数の印環型腫瘍細胞が散在性または一部集塊を形成して認められた. 膀胱鏡所見では左側壁を中心にして一部は乳頭状, 一部は粘膜に被われた半球状の腫瘍を認めた. 経尿道的切除による組織診にてsignet ring cell carcinomaと診断された. 消化管を中心に精査を行ったが他臓器に腫瘍は認めなかった. このため膀胱原発の印環細胞癌と診断し手術を施行. 膀胱原発の印環細胞癌は内外の文献をあわせて17例の報告をみるのみで, これに自験例1例を加え18例について検討したので報告する.
  • 岩 信造, 由谷 親夫, 田原 義孝, 植田 初江
    1987 年 26 巻 6 号 p. 1144-1148
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    子宮体部腺癌の術後経過観察中に発見されたatypical condylornaの経時的細胞像と酵素抗体法によるhuman papilloma virus (HPV) 抗原の検索を報告する.
    患者は58歳の主婦で1年半, atypical condylomaの細胞所見の消退を観察した.
    atypical condyloma細胞は散在性と多核形成を示す細胞集団であり, 細胞は核の腫大と大小不同を認めN/C比は中等度である.クロマチンは軽度から中等度まで増量し, 粗顆粒状と不明瞭なものがみられる.核縁の肥厚はない. 核小体は小さく, 数個みられる. これらの細胞に明らかなkoilocytosisを認めず, dysplasiaの細胞によく類似する.atypicalcondylorna細胞の核にHPVの抗原を3ヵ月間, 強陽性に認めた. その後, 変性を伴った異常細胞が5ヵ月間出現したが, HPVの抗原は陰性であった.
  • 木島 聡, 三浦 弘資, 岩成 治, 山本 和彦, 森山 政司, 飯田 幸司, 長岡 三郎, 小池 美貴男, 並河 徹, 北尾 学
    1987 年 26 巻 6 号 p. 1149-1153
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    原発性卵管癌は婦人科悪性腫瘍ではまれな疾患であり, 病理組織学的には単純な腺癌で, 乳頭状, 胞巣状, 髄様の組織像を示すのがほとんどである.さらに卵管原発clear cell adenocarcinomaはきわめてまれであり, 本邦では報告がない.
    61歳の主婦で, 不正性器出血を訴えて来院.膣頸管細胞診では深層型の扁平上皮細胞のなかに, 少数のシート状に配列した腺型悪性細胞を認めた.子宮内膜細胞診 (エンドサイト法) では出血性背景のなかに集団あるいは孤立散在性に多数の腺型悪性細胞を認め, 細胞はやや大型, 類円形ないしは高円柱状であり, 細胞質は明るく, 核は偏在していて, また核の大小不同は著明で, 核小体は多くは1個で明瞭であった.病理組織診は右卵管膨大部に乳頭状に増殖するclear cell anenocarcinomaを認めたが, 被膜破綻はなかった.両側卵巣および子宮内膜に悪性所見はなかった.
    以上のように, 今回術前に細胞診と超音波断層法で原発性卵管癌を疑い, 術後に卵管原発clear cell adenocarcinomaと診断した症例を経験したので報告する.
  • 吉田 恵, 楠山 洋司, 今井 秀彰, 細道 太郎, 馬渕 義也, 横田 栄夫, 西 陽造
    1987 年 26 巻 6 号 p. 1154-1157
    発行日: 1987/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    子宮内膜mucinous adenocarcinomaの細胞および組織像について報告した.77歳の女性が性器出血にて来院, 内膜細胞診では, 腫瘍細胞は弱い重積性を示し, 辺縁ではシート状で, 淡く豊かな細胞質を持ち, 核は大小不同に乏しく, 細顆粒状クロマチンで, 少数の小さい核小体がみられた. 多くの細胞はPASおよびアミラーゼ消化PAS染色に陽性を示した. 腫瘍は子宮体部に限局しており, 組織学的には絨毛または腺管状増殖で, 多量の細胞外粘液と多くの腺細胞に細胞質内粘液が認められた.
    内膜癌においてmucinous adenocarcinomaは数少ない亜型であるが, 細胞診での診断は可能であると考えられる.
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