日本臨床細胞学会雑誌
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32 巻 , 1 号
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  • 吉田 雅代, 清塚 康彦, 野田 恒夫, 今井 俊介, 一條 元彦
    1993 年 32 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    卵巣粘液性嚢胞腺癌患者の手術時摘出腫瘍組織から, inuitroで継代可能な細胞株 (MN-1) の樹立に成功した. さらに, MN-1のsinglecellcloningより細胞学的特性の異なる2種類の亜株細胞MN-1A, MN-1Bを分離樹立した. 親株MN-1は, 初代培養開始後, 1年8ヵ月を経て, 1991年1月現在, 第113代に, また, 亜株MN-1Aは第90代, 亜株MN-1Bは第76代にいたっている.
    MN-1細胞の倍加時間は29.4時間, 染色体数は94~104に分布し, 高4倍体領域の102にモードを認めた. 一方, MN-1Aの染色体数分布は低3倍体領域に低下, 倍加時間は40.0時間, また, MN-1Bでは親株と同様に高4倍体領域にモードを有するが, 倍加時間は32.0時間であった. 形態学的観察でも, MN-1Aが敷石状に配列し重積性に乏しいのに対し, MN-1Bでは紡錘型細胞が著しい重積を示し, 両者に明らかな差を認めた. また, 両亜株細胞ともnudemouseに移植可能であるが, MN-1Aが高分化型腺癌像を呈したのに対し, MN-1Bでは低分化像が観察された.
    以上より, 親株細胞MN-1より細胞学的特性の異なる2種類の亜株細胞が樹立され, 複数の細胞クローンで構成されると予想される癌組織の特性を検討する上で有用な株細胞系であると考える.
  • 野口 秀樹, 岩 信造, 池田 正典
    1993 年 32 巻 1 号 p. 9-13
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    婦人科細胞診のパパニコロー染色標本からヘルペスウイルス (HSV) 感染が疑われた6症例を用いて, ISH法を実施し, HSV・DNAの確認を行った.また同時に, 酵素抗体法を実施し, 比較検討した.
    HSV感染の特徴所見である核内封入体, 多核巨細胞およびmold様の核が認められた細胞につきISH法を実施すると, スリガラス状の核にHSV・DNAが陽性に染色された.
    酵素抗体法では, 細胞質辺縁が陽性に染色され, 技術的にも簡便であった.
    ISH法は迅速かつ正確にHSV・DNAを直接検出することができ, retrospectiveな検索にも本手法が有用であると思われた.
  • 角田 新平, 上坊 敏子, 蔵本 博行
    1993 年 32 巻 1 号 p. 14-20
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    子宮頸部扁平上皮癌早期Ib期の細胞所見をIa期の細胞所見と比較検討した.検討対象はIa期13例, 浸潤深度3mm以内のIb期 (Ib1) 6例, 3mm~5mm以内のIb期 (Ib2) 16例で, 綿棒擦過法による標本を再検討した.
    1) Ia期に特徴的である所見は, 早期Ib期においても高頻度に認められた.
    2) 2倍以上の著明な核大小不同, 短径・長径1/2以下の長円形核の出現は早期Ib期で多い傾向にあった.
    3) 分化傾向, 分化型癌細胞は, 早期Ib期特にIb2において高い頻度で出現した.
    4) クロマチン分布は, Ib2において粗顆粒状のパターンを示すものの頻度が高かった.
    5) 細胞集塊の出現頻度は, Ia期に比し早期Ib期では有意に高く, 集塊の出現数が10個以上の症例はIa期では経験されなかった.長径0.3mm以上のclusterの出現頻度は, 早期Ib期で高い傾向にあった.
    6) 腫瘍性背景は, Ib2では62.6%に認めたが, Ia期群では15.4%と有意に少なかった.
    以上から早期Ib期の細胞所見の特徴は多数のIa期相当細胞に加え,(1) 著明な核大小不同,(2) 長円形核の出現,(3) 分化傾向,(4) 分化型癌細胞,(5) 長径0.3mm以上の集塊,(6) 10個以上のclusterの出現,(7) 粗顆粒状クロマチンパターン,(8) 腫瘍性背景であると判断された.
  • 山中 伸一郎, 永井 宣隆, 村上 隆浩, 松田 博, 大濱 紘三
    1993 年 32 巻 1 号 p. 21-25
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    当科で手術を行った上皮性卵巣腫瘍116例を対象とし, そのホルマリン固定パラフィン包埋組織切片を用いて, 増殖細胞マーカーとしての有用性が示唆されているproliferating cell nuclear antigen (PCNA) の発現をモノクローナル抗体PC10 (Novocastra社) により免疫組織化学的に検索した.
    卵巣腫瘍における平均PCNA標識率は, 悪性群33.0%, 境界悪性群12.5%, 良性群3.4%で各群間に有意差が認められ, 病理組織学的に良性-境界悪性, 境界悪性-悪性の区別が難しい場合の診断の一助になり得ると考えられた.
    また悪性群における化学療法前後の平均標識率は35.0%および26.1%でこの間に有意差 (p<0.05) を認め, 化学療法の効果を細胞増殖能の低下として組織学的に判定することが可能と思われた.
    PCNA標識率と核分裂数との間には相関係数0.57 (p<0.001) の有意な相関が認められ, PCNA標識率が核分裂数と同様に腫瘍の組織学的悪性度の指標として有用であることが示唆された.
  • 土岐 利彦, 方山 揚誠, 並木 恒夫
    1993 年 32 巻 1 号 p. 26-30
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    中等度異形成から浸潤癌までの子宮頸部扁平上皮病変33例について, Cervex-brushおよび綿棒を用いて採取した66標本の細胞診断と最終組織診断との対比を行った.細胞診による推定組織診と最終組織診が完全に一致した「正診例」は, Cervex25例 (75.8%), 綿棒12例 (36.4%) であった.細胞診が「underdiagnosis」の症例はCervex4例, 綿棒21例 (うち3例はfalsenegative), 細胞診が「overdiagnosis」の症例はCervex4例, 綿棒0例であった.各標本で正常頸管腺細胞および扁平上皮化生細胞の出現量を半定量的に検討し, 細胞診断を比較したところ, 化生細胞のみられない標本にunderdiagnosisのものが多かった.頸部扁平上皮病変での綿棒採取標本は, Cervexに比べるとunderdiagnosisが多いだけでなく, ときにfalsenegativeもあり, 採取法として問題があると思われる.
  • 各務 新二, 渡辺 昌俊, 白石 泰三, 矢谷 隆一
    1993 年 32 巻 1 号 p. 31-37
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    臨床的に皮下腫瘤として認められ, 穿刺吸引細胞診が施行され, 手術あるいは剖検, その他臨床的検索により原発巣の明瞭な転移性皮下腫瘍18例につき, 細胞診の成績, 組織型診断および原発巣推定の可能性につき細胞学的検討を行い, 以下のような結果を得た.
    1) 穿刺吸引細胞診の転移性皮下腫瘍18例 (部位別内訳: 皮下への転移12例, 骨転移巣から皮下組織への侵襲6例) に対する成績は, 陽性16例 (88.9%), 疑陽性2例 (11.1%), 陰性はなかった.
    2) 細胞診陽性16例の細胞型の内訳は, 腺癌9例 (56.25%), 肝細胞癌2例 (12.5%), 大細胞癌, 小細胞癌, 移行上皮癌, 腎癌, 腎芽腫, 各1例 (6.25%) であり, 手術または剖検から得られた原発巣組織型と対応した一致率は16例中15例 (94%) と高率であった.
    3) 細胞診から原発巣推定の可能性については, 16例中6例 (37.5%) が可能であった.内訳は大腸の高分化腺癌, 肺の小細胞癌, 甲状腺の乳頭腺癌, 腎の明細胞癌などであった. 一方, 原発巣を特定できなかったものは10例 (62.5%) で, 乳腺, 肺, 大腸, 胃などの腺癌が主であり, 原発巣の組織診標本など臨床情報と対比, 照合することで推定可能となった.
    以上, 本法は皮下腫瘍における癌転移の有無の第一次的鑑別法として有用であり, 組織型診断, 原発巣推定にも役立つことが示された.
  • 松田 実, 曽根 啓子
    1993 年 32 巻 1 号 p. 38-45
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    われわれの施設では, 1987~1991年の5年間に原発性唾液腺腫瘍に対して穿刺吸引細胞診が行われ, 組織診の判明している症例は19例であった.良性腫瘍の正診率は71.4%, 悪性腫瘍の正診率は60%であったが, 完全に組織診と一致した症例はわずか26.3%であった.今回われわれは, 両者の不一致例14例についてその原因を検討した.多形腺腫では上皮細胞か間質由来の細胞かいずれかの細胞しか認められなかった場合, 単に良性病変とのみ診断される傾向にあった.False positiveのおもな理由は, 核の大小不同や形の不正が認められたことによるが, 背景に粘液基質を認めたことから良性とすべきであった.ワルチン腫瘍を正診できなかったのは, oncocytic cellを腺細胞と誤ったものであり, リンパ球の多い背景, 蜂の巣状の細胞配列, 豊富な細胞質に注意すべきであった.粘表皮癌のfalse negative 2例には, 扁平上皮型, 中間細胞型および粘液産生型のすべての腫瘍細胞が出現していなかった.クロマチンの軽度増量, 濃染した核小体などに注意すべきであったが, 悪性の判定には困難に感じる.本腫瘍19例中7例は, 触診にて頸部リンパ節腫脹と診断されていて判定を迷わせた.
  • 広川 満良, 中村 さと子, 物部 泰昌, 中島 正光, 森谷 卓也, 清水 道生, 福屋 崇
    1993 年 32 巻 1 号 p. 46-49
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    穿刺吸引細胞診を行った甲状腺乳頭癌の誤陰性例について検討した. 再鏡検の結果, 誤陰性例は112例中39例で, そのうち塗抹標本上に腫瘍細胞がみられなかった真の陰性例は20例 (17.9%) で, 腫瘍細胞が存在したにもかかわらず良性あるいは悪性の疑いと報告した誤判定例は16例 (14.3%) であった. 真の陰性例は腫瘍径が1cm以下の小さい場合 (微小癌), 石灰化や骨化がみられるもの, 肉眼分類では完全被包型や部分的被包型などの症例に出現する傾向がみられた. 誤判定の原因としては細胞採取量が少ないこと, 核内封入体や核溝がみられなかったこと, あるいはそれらの数が少なかったことなどがあげられた.
  • 小池 緩男, 寺井 直樹, 土屋 真一, 丸山 雄造, 渡辺 達男, 高橋 洋子, 松山 郁生
    1993 年 32 巻 1 号 p. 50-56
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    過去7年3ヵ月間に長野県がん検診センターの乳腺外来で穿刺吸引細胞診 (ABC) を施行した乳腺疾患1,215例中の乳癌症例295例に対するABCの正診率は86.1%であり, 良性疾患917例の正診率は83.3%であったが, class III判定がおのおの14例, 4.7%および62例, 6.8%にみられた. class III症例76例をclass III a 51例とclass III b25例に分けて比較検討した結果 以下の結論を得た.
    1) class III症例中のclass III bの割合は乳癌が64.3%と最も多く, ついで乳腺症が40.9%で, 線維腺腫は9.5%と少なかった.
    2) class III a群中の乳癌比率は9.8%であり, class III b群では36.0%であった.
    3) 触診で乳癌と診断した群では差がみられなかったが, 乳腺症と診断した群ではclass III b群の方がclass III a群より乳癌比率が高かった.
    4) Mammography診断が良性 (I・II) で, ABCがclass III aの場合には乳癌はなかったが, class III bの場合には1/3強が乳癌であった. 悪性 (IV・V) の場合はclass III aでも乳癌の可能性が高かった.
    5) Echography診断が良性~疑診 (I~III) で, ABCがclass IIIaの場合には乳癌は少なかったが, class III bの場合には30%弱が乳癌であった. 悪性 (IV・V) の場合はclass III a, III bに関係なく乳癌であった.
    6) Thermography診断が良性 (I・II) で, ABCがclass III aの場合には乳癌は少なかったが, class III bの場合は1/3が乳癌であった. 悪性 (IV・V) の場合はABCがclass III bの場合は半数が乳癌であった.
    以上の成績からABCのclass III判定例をclass III aとclass III bに分ける意義が窺われた.
  • 児玉 哲郎, 松本 武夫, 井上 雅博, 西山 祥行, 北條 史彦, 松本 武敏, 西脇 裕, 阿部 薫
    1993 年 32 巻 1 号 p. 57-61
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    過去19年間に当院において経験した粘液産生肺腺癌切除例47例について, 核DNA量を測定し予後と比較検討した. 杯細胞型腺癌25例では, DNA diploidy 16例 (64%), DNA aneuploidy 9例 (36%), 気管支腺型腺癌22例では, DNA diploidy3例 (14%), DNA aneuploidy 19例 (86%) と, 同じ粘液産生腺癌であってもDNA ploidyの比率に著しい差異がみられた. さらに腺癌細胞亜型ごとに, DNA diploidy群とDNA aneuploidy群の5年生存率を比較したが, 杯細胞型腺癌ではそれぞれ71.4%, 62.5%, 気管支腺型腺癌ではそれぞれ33.3%, 48.3%と両群間に有意差は認められなかった. しかし, 杯細胞型腺癌では, 癌の進展度を加味するとびまん型では, DNA aneuploidy群の方がDNA diploidy群に比べて予後不良な傾向にあった.
  • 篠崎 稔, 工藤 玄恵, 清田 秀昭, 山田 昭二, 日高 康雄
    1993 年 32 巻 1 号 p. 62-66
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    術中と術後に得た胆嚢原発小細胞癌2例の捺印細胞像を検討した. いずれの症例も細胞相互の結合性は弱く, indianfile状配列はまれであったが, 小細胞癌を示唆するmoldingなど核圧排像を伴う細胞集塊が認められた. しかしながら, 術中例では低分化腺癌を思わせる細胞集塊の出現が数的に優位である一方, 術後例は異型性カルチノイドや悪性リンパ腫を思わせる孤立散在性の細胞が多いため, 全体像の趣きは症例間で異なっていた. 細胞個々はN/C比大で, その円~類円形核は1~2個の小型核小体を有していた. クロマチンは, 術中例では微細顆粒状~顆粒状が多く, 術後例では顆粒状のものが目立った. 組織学的に術中例には扁平上皮化生, 術後例には腺癌が混在していたが, 術中例は組織保存が良好であるのに対し, 術後例には自己融解が目立った. これらより捺印細胞像における趣きの相違は, 自己融解の有無によるものと考えられた. 同時に, 捺印細胞診のみで小細胞癌の確診を得ることは必ずしも容易でないと考えられた.
  • 小野寺 博義, 桑島 一郎, 武田 鐵太郎, 小室 邦子, 大沼 眞喜子, 村田 孝次, 佐藤 裕美子, 長谷 とみよ
    1993 年 32 巻 1 号 p. 67-71
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    腹水中に多数の癌細胞が出現した, 腹膜播種を伴った肝細胞癌の1例を経験したので報告する. 症例は68歳, 女性. 肝硬変で外来通院中に肝細胞癌が発見され, 肝動脈塞栓術を実施. 治療後は外来で経過観察をしていたが, 再発と思われる新たな結節が出現したために再治療を目的に入院. 入院直後から腹水が貯留し, 状態が増悪し死亡した.
    腹水は黄色でやや白濁しており, 漿液性であった. 腹水中には核が大きく, 核は偏在し, 核形不整が著明, 核の大小不同, 巨大な核小体もみられ, クロマチンが顆粒状でN/C比大な大型の癌細胞がみられ, なかには多核の巨細胞もみられた. 細胞質は重厚なライトグリーンに均一に染まるものと, レース状あるいは泡沫状のものがみられた. 剖検の結果, 原発巣に残存していた癌細胞と腹膜播種の結節にみられた癌細胞は腹水中にみられた癌細胞と類似していたことから, 低分化の肝細胞癌の細胞が腹水中に出現したものと考えられた. 本症例の腹水中の癌細胞をprospectiveに診断するには, 他臓器原発の癌細胞の除外診断が必要であった.
  • Mutsuko Watanabe, Hajime Kitamura, Takeshi Nakamura, Hiroki Imai, Tats ...
    1993 年 32 巻 1 号 p. 72-77
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    乳腺分泌癌の穿刺吸引細胞診における特徴的な所見について報告した. 穿刺吸引により得られた腫瘍細胞は核異型に乏しく, 細胞質は豊富で淡く, 細胞像のみからは悪性と判断することは容易ではない. しかし,(1) 細胞質に空胞や粘液を有する.(2) 2~数個の腫瘍細胞が粘液を取り囲んだ構造物を形成する.(3) この構造物はときに立体的に集まって出現する. などの特徴的な細胞所見を示すことから, 穿刺吸引細胞診での乳腺分泌癌の術前診断は可能であると考えられる.
  • 土居 信義, 森本 敏子, 三宅 麻理子, 河口 幸博, 原 浩平
    1993 年 32 巻 1 号 p. 78-84
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    耳下腺原発の真の悪性混合腫瘍を経験したので報告する.
    症例は71歳の男性で, 約30年程前から存在していた右耳下腺腫瘤が, 最近急に増大してきた. 昭和63年9月に摘出術が行われ, 摘出腫瘤 (5×3×3cm) 内に癌腫と肉腫が同時に認められた. 癌腫は腺腔形成のみられる腺癌で, 肉腫は主に軟骨肉腫から成り, 一部に骨肉腫像がみられた. さらに, 良性多形腺腫の残存を思わせる粘液状基質をごく一部に認めた. 腫瘤割面のi擦過細胞像でも, 重積性があり腺癌を思わせる細胞集塊とともに, 異型性の強い細胞が無血管, 粘液状基質中のlacuna内に散見され, 軟骨肉腫細胞と思われた. これらの所見や臨床経過とから, 自験例は多形腺腫から発生した真の悪性混合腫瘍と考えられる.
    なお, 本腫瘍の組織発生に多形腺腫内の筋上皮細胞の役割が重要視されているが, 自験例でも電顕的に形質細胞型筋上皮細胞を肉腫部においても認めた.
  • 桑原 宏子, 宇多 弘次, 河野 幸治, 岸田 不二夫, 舩本 康申, 山田 淳夫
    1993 年 32 巻 1 号 p. 85-88
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    髄膜癌腫症で初発し, 生前さまざまな検索によっても原発巣が不明であった肺癌 (乳頭状腺癌) の1剖検例を報告する. 髄液細胞診において, 偽線毛を伴う腺癌細胞を認めた. 体腔液における偽線毛は卵巣原発漿液性嚢胞腺癌に特徴的な所見であるといわれており, 原発性肺癌患者の髄液中に認められたとする報告はこれまでになく, 原発巣を確定するうえで注目すべき所見であると考えられる.
  • 岡田 基, 奥村 修, 渡辺 新司, 松井 明男, 伊藤 雅文, 橋詰 良夫, 柴田 偉雄
    1993 年 32 巻 1 号 p. 89-90
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 重松 敏之, 井町 正士, 藤原 孝恵, 塚本 直樹, 中野 仁雄
    1993 年 32 巻 1 号 p. 91-92
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 杉山 裕子, 生水 真紀夫, 橋本 茂, 富松 功光, 寺田 督, 岩崎 由恵, 大槻 典男, 中山 啓三
    1993 年 32 巻 1 号 p. 93-94
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 矢野 正雄, 秋丸 琥甫, 庄司 佑, 中川 仁, 山田 宣孝
    1993 年 32 巻 1 号 p. 95-96
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
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