日本臨床細胞学会雑誌
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32 巻 , 3 号
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  • 江村 巌, 白浜 美佳, 渡辺 徹
    1993 年 32 巻 3 号 p. 365-372
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    錯角化に陥った扁平上皮癌細胞のほとんどは複屈折を示すことから, 偏光レンズを用いると, 容易に錯角化に陥った細胞の大部分をそれと認識できることが判明した. 複屈折を示す錯角化に陥った細胞は, 核が濃縮している細胞 (複屈折+, 核濃縮+; K, P-CELL) と核が濃縮していない細胞 (複屈折+, 核濃縮-; K, NP-CELL) とに大別できた. 扁平上皮癌細胞は錯角化に陥ると核が縮小すると判断された. 角化型扁平上皮癌の診断にあたっては細胞診標本中にK, P上CELLとK, NP-CELLとが同時に観察されることが重要である. 24μ2以上 (同じ面積の円に置き換えてみて直径が5-6μ 以上) の核を持ったK, P-CELLや, 濃縮核に近い形態の, あるいは空胞状に変性した45μ2以上 (同じ面積の円に置き換えてみて直径が7-8μ 以上) の核を持ったK, NP-CELLが観察され, それら細胞の核に大小不同がある症例をみたら角化型扁平上皮癌を疑い精密検査を行う必要があると考えられた.
  • 小山 芳徳, 松嵜 理, 佐久間 晃, 菅野 勇, 中島 透, 田島 康夫, 長尾 孝一, 伊藤 晴夫
    1993 年 32 巻 3 号 p. 373-377
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    前立腺穿刺吸引細胞診 (FNA) の集細胞効率を高める目的として生食浮遊法の検討を行った.
    対象は病理診断の明らかな426例で, 検体は経直腸的穿刺吸引により採取された.
    穿刺吸引物を含む注射, 針などを生理的食塩水で洗浄し, 細胞浮遊液とした. その浮遊液を2000回転10分間遠心沈澱したのち, すり合わせにて標本を作製した. 浮遊液状態では4℃ で12時間以内の保存も可能で追加染色も行うことができた.
    生食浮遊法は集細胞の効率がよく, 穿刺部位を増やすことも容易であり, 直接吹き付け塗抹法では異型細胞を検出されなかった症例でも, 生食浮遊法にて異型細胞が多数認められるようになった.
    426例の組織学的内訳は, 前立腺癌75例, 良性病変347例, 膀胱癌の浸潤4例で細胞診と組織診断との合致率は283例 (66.4%) であった. 前立腺癌75例の病理組織学的分化度別との細胞診成績では高分化型腺癌27例のうち陽性は3例 (11.1%), 低分化型腺癌23例中, 陽性は19例 (82.6%) であった. 臨床病期分類別との細胞診成績ではStage A 20例のうち陽性は2例 (10.0%), StageD33例中, 陽性は24例 (72.7%) であった. 高分化型腺癌やlow-Stageの前立腺癌の診断率は低くその向上が今後の課題と思われた.
  • 小塚 正雄, 蜂矢 仁, 佐宗 克久, 早瀬 抄子, 鈴木 孝行, 後藤 和夫, 岡田 基, 武内 俊彦, 柴田 偉雄
    1993 年 32 巻 3 号 p. 378-385
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    超音波映像下に肝臓, 肝内胆管, 胆嚢, 膵腫瘍部, 膵管を穿刺し, 吸引細胞診を施行した. 対象症例は悪性腫瘍223例, 良性疾患179例の合計402例である.
    肝穿刺吸引細胞診は悪性腫瘍56例に行い, 45例に陽性であったが, 肝細胞癌の5例では根治切除術が施され, うち4例では細胞診が陽性であった.
    胆管内胆汁細胞診は悪性腫瘍120例に施行し, 71例の陽性を得た. 根治切除術を行い得た胆管癌の5例, 胆嚢癌の3例では細胞診はいずれも陽性であったが, 膵癌では12例中4例が陽性で, 乳頭部癌4例では全例陰性であった.
    胆嚢内胆汁細胞診は悪性腫瘍28例に施行し, 18例の陽性を得た. 胆嚢癌の6例に根治切除術が可能であったが, うち5例では細胞診が陽性であった.
    膵の腫瘍部穿刺は17例に施行し, 12例で吸引細胞診が陽性であった. 根治切除が可能であった3例の膵頭部癌ではいずれも細胞診が陽性であった.
    膵管穿刺は膵管閉塞のみられた膵頭部癌2例に行い, 膵管内膵液細胞診はいずれも陽性で, うち1例には根治切除術が行われた.
    良性疾患ではいずれの方法による細胞診でも全例陰性で, 誤陽性例は認めなかった.
    肝, 胆, 膵の穿刺吸引細胞診は根治切除の可能な早期の悪性腫瘍の確定診断にも有力な検査法であり, 一層の普及が望まれる.
  • 佐藤 由紀, 松井 昭義, 金野 多津子, 伊藤 圭子, 東岩 井久, 武田 鐵太郎
    1993 年 32 巻 3 号 p. 386-391
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    妊娠期, 授乳期にある乳腺穿刺吸引材料29件 (妊娠期12件, 授乳期17件), 乳頭分泌物46件 (妊娠期27件, 授乳期19件), 計75件の細胞像について検討した.
    1) 穿刺吸引材料29件中22件に乳管上皮細胞集塊を認めた. 集塊は乳頭状・球状を呈する大集塊と, シート状中集塊に大別された. 29件中16件, 55.2%に大型核小体を有する細胞群を検出した. 核小体は主にシート状集塊を形成する細胞と散在性裸核状細胞に観察された.
    2) 乳頭分泌物46件中31件, 67. 4%に赤血球を検出した. 46件のうち8件に, 腺増生あるいは乳頭状増殖を疑わせる乳頭状集塊を認め, そのうちの7件は細胞異型を呈していた.
    3) 75件69例中5例は病理組織学的に癌が確認され, 穿刺細胞診は2例中陽性1例, 分泌物細胞診は4例中陽性1例であった.
    妊娠期・授乳期には静止期とは異なった形態を示す細胞が出現するため, 乳腺細胞診においても, 生理的な時期を考慮した判定が肝要と考えられた.
  • 堀中 悦夫, 鈴木 正人, 押田 正規, 小野木 淳, 山本 尚人, 中島 伸之
    1993 年 32 巻 3 号 p. 392-398
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    千葉大学第1外科外来における266例の乳腺疾患の穿刺吸引細胞診について検討し, かさねてマンモグラフィー, 超音波, 触診との診断成績の比較検討を行った. 良性103例の組織診は線維腺腫52例, 乳腺症36例, 乳管内乳頭腫6例, その他9例であった. 悪性163例では硬癌57例, 乳頭腺管癌48例, 充実腺管癌44例, その他14例であった. 良性例の細胞診は, Cl.1, II, が92例 (89%), Cl. III, 7例 (7%), Cl. IV, 2例 (2%), 検体不十分2例 (2%) であった. 悪性例ではCl. II, 2例 (1%), Cl. III, 6例 (4%), Cl. IV, V, 154例 (94%), 検体不十分2例 (1%) であった. 穿刺吸引細胞診の成績はaccuracy92%, specificity89%, sensitivity94%であった. マンモグラフィー, 超音波, 触診と比較して細胞診はすべてよい診断成績であったが, その特徴はsensitivityが高く, 小さな5~10mmの腫瘤径でも確実に細胞採取すれぼ診断率が落ちないとの結果であった.
  • 内山 倫子, 蜂須賀 徹, 福田 耕一, 松尾 憲人, 岩坂 剛, 杉森 甫, 次富 久之
    1993 年 32 巻 3 号 p. 399-403
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    Proliferating cell nuclear antigen (PCNA) のモノクローナル抗体である19A2, 19A4, PC10の3種類を用い95%エタノール, 100%メタノール, 4%パラホルムアルデヒドにて10分, 3時間, 24時間固定した細胞標本に免疫細胞学的染色を行った.その結果, 100%メタノールで24時間固定したものに19A2を作用させた場合が最もよい染色性が得られた.その染色条件では正常子宮頸部扁平上皮の表層から中層の細胞は染色されず, 軽度から中等度異形成由来の細胞ではコイロサイトーシスも含め核よりもむしろ細胞質に良好な染色性が得られた. 上皮内癌では核の染色強度が高度異形成より増していた. 浸潤癌では核が強く染色された. 正常増殖期子宮内膜では核に陽性所見を認めたが, 分泌期では認めなかった. 子宮内膜癌では核に陽性所見を認めた. 核異常細胞ならびに悪性細胞100個あたりのPCNA陽性率は核が穎粒状に染色された細胞のみを算出すれば軽度および中等度異形成8.5±3.5%, 上皮内癌15.5±8.9%, 浸潤癌35.8±12.2%でありS期の同定には核の染色態度を考慮することが重要と考えられた. しかしその評価は他の増殖細胞マーカーと比較しさらに慎重に検討する必要がある.
  • 喜納 勝成, 石 和久, 風間 玲子, 古谷津 純一, 川島 徹, 齊藤 啓, 中村 春次
    1993 年 32 巻 3 号 p. 404-408
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    子宮頸部細胞診におけるHPVDNAの検出を目的としたin situ hybridization法のための固定法, 処理法 (蛋白消化反応の必要性の有無および反応時間の組み合わせ) について検討を行い以下の結果を得た.
    1) 通常の組織標本に用いるin situ hybridization法操作手順を用いた場合, 15%中性緩衝ホルマリン固定が95%エタノール, アセトン固定に比して染色性は良好である.
    2) 95%エタノール固定を用いた場合は, in situ hybridization法操作手順に含まれる蛋白消化反応を省略することで良好な染色結果が得られた. したがって通常の細胞診において特別な固定法を必要としない.
    3) Papanicolaou染色もどし標本からもHPV-DNA検出が可能である.
    以上より今後, 子宮頸部細胞診におけるPapanicolaou染色もどし標本からのHPVのretrospective な検索が可能であると考えられる.
  • 降幡 雅子, 森永 正二郎, 高木 誠
    1993 年 32 巻 3 号 p. 409-413
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    原因不明の脳圧充進で発症し, のちに肺癌による癌性髄膜症と判明した症例を経験したので報告する. 患者は56歳女性. 著明な脳圧充進症状を認めたが, 臨床的に悪性腫瘍は認められなかったため, 偽性脳腫瘍としてV-Pシャントが施行された. 髄液中に孤立散在性に出現する異型大型円形細胞を認めたが, V-Pシャントにより刺激された脳室上衣細胞あるいは脈絡膜細胞と考えた. ところがその後, 右肺上葉に腺癌が発見され, また髄液中CEA値上昇が認められた. そこで髄液細胞に免疫染色を施行したところ, CEA陽性, Keratin陽性を示したため, 最終的に肺腺癌による癌性髄膜症と診断された. 剖検の結果, 肺原発巣は中分化乳頭状腺癌であったが, 髄膜浸潤巣では結合性のない低分化腺癌の像を示していた. 原発巣, 転巣ともに腫瘍細胞は免疫組織化学的にSurfactant apoprotein陽性を示し, 肺癌の転移であることが確認された.
  • 中島 透, 田島 康夫, 菅野 勇, 長尾 孝一, 佐久間 晃, 小山 芳徳, 日高 紀子
    1993 年 32 巻 3 号 p. 414-417
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    患者は55歳の女性で, 3ヵ月にわたる咳と呼吸困難を訴え, 当院を受診した. 各種画像診断により, 心膜肥厚と心嚢液貯留が発見された. 心嚢液の穿刺吸引細胞診は, 小型腫瘍細胞の立体的集塊と, 孤立散在する大型腫瘍細胞から成り, いずれも悪性腫瘍細胞と考えられた. その後, 抗癌剤療法が行われたが, 患者は心不全により死亡した. 剖検による最終診断は, 心膜原発の悪性中皮腫であった. 細胞診による診断の際には, 免疫組織化学的染色を含めた細胞所見と, 臨床経過や画像所見を検討し, 総合判断することが必要と考えられる.
  • 桑原 宏子, 宇多 弘次, 河野 幸治, 岸田 不二夫, 舩本 康申, 宮内 昭
    1993 年 32 巻 3 号 p. 418-421
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    浸潤性小葉癌の髄膜転移例を経験したので, その髄液細胞所見を中心に報告した. 患者は32歳の女性で29歳時, 右側乳房腫瘤を指摘されたが放置していた. 1991年2月腹部膨満感を自覚し, 当院を受診する. 両側乳房に不整形の硬い腫瘤を認め, 右側では大胸筋と固定しており皮膚への浸潤を認めた. また, 著明な腹水とともに両側卵巣の腫大がみられ, 4月両側卵巣摘出術を行い, 同時に両側乳房の生検を行った. 両側乳房は浸潤性小葉癌で, 両側卵巣および大綱に転移を認めた. 1991年11月頃より, 頭痛, 嘔吐などの髄膜刺激症状を認めたため, 髄液細胞診を行った. シート状にならぶ小型の腫瘍細胞および対細胞を呈する腫瘍細胞を認めた. またマクロファージ, 悪性細胞ともに風船状, 樹枝状の突起を有していた. 剖検では腫瘍細胞は脊髄くも膜下腔血管周囲に認められた. 下垂体には腫瘍細胞の浸潤を認めたが, 脳実質にはみられなかった.
  • 佐藤 隆夫, 今野 元博, 宇野 重利, 西 一典, 寺村 一裕, 橋本 重夫
    1993 年 32 巻 3 号 p. 422-428
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    最近増加傾向にあるとされる乳腺アポクリン癌の1症例を経験したので報告する. 症例は72歳女性, 左乳房無痛性腫瘤を主訴として来院した. 生検がなされ組織学的に乳腺アポクリン癌と診断された. 生検時に捺印標本を作製した. その細胞像では軽度の重層性ないし平面的シート状の細胞集塊とその周囲に散在する異型細胞が認められた. 細胞は多形性に富みクロマチン増量を示す大型の核を有した. 核小体は1ないし2個明瞭なものが認められた. 細胞質は広く非常に微細な好酸性穎粒が認められた. 近年, アポクリン癌で注目されている多空胞細胞が混在して認められた. 組織上で抗gross cystic disease fluid protein 15 (GCDFP-15), carcinoembryonic antigen (CEA), epithelial membrane antigen (EMA), マクロファージ, α1-アンチトリプシン, α1一アンチキモ トリプシン, リゾチウムによる免疫染色を行った. 腫瘍細胞は抗GCDFP-15でモザイクパターン を示しアポクリン上皮への分化を明らかに示した. 組織学的にも多空胞細胞が認められそれらは, 抗GCDFP-15, CEA, EMAで陽性像を示し抗マクロファージ, リゾチウムでは陰性像を示した. したがって本例の多空胞細胞に関しては上皮由来の細胞であると考えられた.
  • 小野 謙三, 大城 真理子, 神谷 祐二
    1993 年 32 巻 3 号 p. 429-434
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    主として乳幼児の上顎骨に発生する, きわめてまれな腫瘍であるmelanotic neuroectodermal tumor of infancyの典型例を経験したので報告する. 症例は5カ月の男児で上顎部の腫脹を主訴とし, CTにて同部の腫瘍を指摘され外科的に切除された. 腫瘍は黒色を呈し, 組織学的にはメラニン顆粒を含む大型の細胞と神経芽細胞様の小型細胞の2種類からなり, 不規則な巣状構造を形成していた. 酵素抗体法により大型細胞はNSE, S~100に対する抗体に反応し, また小型細胞ではNSEが陽性であった. 電顕による検索でも大型細胞の細胞質にはさまざまな成熟段階のmelanosomeが認められ, また小型細胞は神経芽細胞に類似した所見を示した. 以上の結果からこの腫瘍がneural crestの細胞由来であることが示唆された. この腫瘍は一般的には良性とされているので, 悪性黒色腫などとの鑑別が必要で, 特に乳幼児の上顎部発生の色素性腫瘍の診断にはこの疾患を念頭に置く必要がある.
  • 森脇 友子, 田所 衛, 星川 咲子, 竹内 英子, 阿部 光文, 品川 俊人
    1993 年 32 巻 3 号 p. 435-442
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    今回, 蝶形骨洞部よりの穿刺吸引細胞診でProlactin (以下PRLに略) 産生性の下垂体腺腫と診断し得た症例を報告する.
    症例は70歳, 女性. 左眼球突出, 視力低下を主訴に眼科を受診. 副鼻腔内の腫瘍を認めたため耳鼻科に転科. 画像上, トルコ鞍底部の破壊像と蝶形骨洞側壁の浸潤および左眼窩内へ進展する腫瘍陰影を認めた. しかし, トルコ鞍内の下垂体には異常を認めなかった.
    確定診断の目的で, 蝶形骨洞部より生検および穿刺吸引細胞診を施行した. 生検では増殖する富血管性の腫瘍を認めたが, 組織の挫滅が著しく診断は困難であった. 穿刺吸引細胞診で採取された細胞は20~30μ 前後の大きさで, 核と細胞質には空胞がみられ, 細胞質には好酸性穎粒がまばらに認められた. また一部の細胞には細胞質の一端が半球状に突出し, 好酸性顆粒の密在がみられた. さらに星形~不整形細胞も観察された. 抗PRL抗体を用いた免疫細胞化学的染色では, 細胞質は顆粒状~びまん性に染色され, また部分的に滴状に染色される陽性反応が認められた.
    以上の細胞診的特徴からPRL産生性の下垂体腺腫が考えられ, 画像所見も含め異所性の下垂体腺腫と診断された.
  • 佐藤 信也, 鍋島 一樹, 大野 招伸, 日野浦 雄之, 大田 元, 河野 正
    1993 年 32 巻 3 号 p. 443-446
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    症例は25歳男性. 臨床的に視床のgerminomaが疑われたがglioma, malignant lymphomaさらに癌の転移を否定できなかったため, stereotaxic biopsyにて得られた組織について術中病理検査が行われた. 凍結切片では, リンパ球浸潤とgliosisを広範に認め組織挫滅が強く明らかな腫瘍細胞は同定し得なかった. しかし, 同時に行ったsquash cytologyでは大型の腫瘍細胞が, 背景に小リンパ球を伴って出現し, two-cell patternを呈していた. 腫瘍細胞の核は円形から類円形で一部不整を伴いクロマチンは微細顆粒状, 大型不整核小体を1個~数個有し, 細胞質は融解状で境界不明瞭であった. 以上より, 術中にgerminomaと診断し得た. 術後, パラフィン切片より組織学的にも診断が確認された. germinomaでは放射線治療が第一選択となるので, 術中病理診断による他の腫瘍との鑑別は, 術式や治療方法を決定するうえできわめて重要である. 強いgliosisなどによって, ときに診断の困難な本疾患では, 組織診のみならず細胞診 (特にsquash cytology) を行うことによって, より広範な材料の検索を可能とし, 腫瘍細胞を捉える機会が増して, 正確な診断にとって非常に有用であると考えた.
  • 高橋 睦夫, 平岡 芙美子, 伊世 悦子, 河野 裕夫, 権藤 俊一, 石原 得博, 高杉 信義
    1993 年 32 巻 3 号 p. 447-452
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    子宮体部明細胞腺癌に子宮および付属リンパ節の結核症を合併した症例を経験したので, その細胞および組織所見について報告する.
    症例は81歳の女性で, 不正性器出血で来院. 術前の子宮内膜擦過細胞標本では, 出血壊死性の背景に, 淡明な胞体と好酸性で明瞭な核小体を有する腺系の腫瘍細胞が重積性~シート状を呈して認められた. また, 同一標本内に, レース状の淡明な胞体と類円形~紡錘形あるいは腎形の核を有する類上皮細胞およびライトグリーンに淡染し厚みのある胞体の辺縁に核が馬蹄形~花冠状に配列したラングハンス巨細胞も認められた. 組織学的には, 内膜生検標本と摘出された子宮およびリンパ節標本で, 淡明な胞体内に多量のグリコーゲンを有する腫瘍細胞が乳頭状~充実性に増生し, 一部に鋲打ち像hobnail patternもみられた. 結核病巣は, 乾酪壊死巣とその周囲に類上皮細胞およびラングハンス型巨細胞を伴う増殖型であった.
  • 高橋 年美, 西野 武夫, 久保田 浩一, 河西 十九三, 菅野 勇, 長尾 孝一, 鈴木 孝夫
    1993 年 32 巻 3 号 p. 453-458
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    卵巣皮様嚢腫内に発生したきわめてまれな悪性甲状腺腫の1例を経験した. 症例は26歳の未産婦.腫瘍は左卵巣に発生し, 長径8cm, 毛髪と脂肪を内容とする嚢腫で, 壁内充実性部の大部分は4×5×3cmの褐色調腫瘍により占められていた. その捺印細胞は甲状腺の濾胞上皮細胞に類似し好酸性のコロイド様物質を取り囲む配列を示していた. 核は円形で腫大し大小不同性や重積性がみられ, 核溝や核内封入体を伴う細胞も少なくなく悪性が示唆された. 組織学的には甲状腺組織と皮膚や軟骨, 脳などからなる成熟型奇形腫で, 甲状腺部は中心壊死を伴い濾胞上皮にはN/C比の増大や核縁の切れ込み, 織が認められた. さらに核分裂像や軽度の血管および被膜侵襲を認め, 濾胞型乳頭癌と診断された. Grimelius染色およびFontana-Masson染色は陰性で, 免疫染色ではThyroglobulin陽性, Calcitonin陰性であった. 電顕的には核の切れ込みは少数の細胞を除いては目立たず, 偽封入体も通常の乳頭癌の円形とは異なり不整形であった. DNA測定においては悪性を示唆する多倍体を示した. 明らかな乳頭癌の細胞所見や乳頭状構造はなく, 転移もなかったので悪性の判断は難しかったが, 免疫染色, 電顕, DNA分析学的にも濾胞型乳頭癌の診断に矛盾する所見はなかった.
  • 村山 史雄, 石川 進, 山口 勉, 久保野 幸子, 川井 俊郎
    1993 年 32 巻 3 号 p. 459-460
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 大野 招伸, 日野浦 雄之, 恒吉 淳, 浅田 祐士郎, 林 透
    1993 年 32 巻 3 号 p. 461-462
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • Raj K Gupta
    1993 年 32 巻 3 号 p. 463-464
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    A case of metastatic mucus producing adenocarcinoma of the umbilicus (Sister Mary Joseph's nodule) is described. The primary tumour was an adenocarcinoma of the sigmoid colon. The cell blocks from the aspirate highlighted the histological features of the metastatic tumour with extensive mucus production which was also confirmed by alcian blue and mucicarmine stains.
  • 太田 節子, 森谷 卓也, 大杉 典子, 三宅 康之, 畠 栄, 福屋 崇
    1993 年 32 巻 3 号 p. 465-466
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 中澤 久美子, 細萱 茂実, 三俣 昌子, 須田 耕一, 久米 章司
    1993 年 32 巻 3 号 p. 467-468
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 土岐 利彦, 熊谷 幸枝, 高坂 公雄, 方山 揚誠
    1993 年 32 巻 3 号 p. 469-470
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 稲庭 義巳, 鈴木 高祐, 清水 義友, 本多 章乃, 杉谷 雅彦, 志方 俊夫
    1993 年 32 巻 3 号 p. 471-472
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/11/08
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