日本臨床細胞学会雑誌
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35 巻 , 1 号
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  • 三宅 康之, 大杉 典子, 鐵原 拓雄, 畠 榮, 広川 満良, 高須賀 博久, 則松 良明
    1996 年 35 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 1996/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    卵巣原発の粘液性腺腫とその他の表層上皮性腫瘍における核所見の塗抹細胞像について比較検討した. 粘液性腺腫10例では, 核縦溝 (coffee-bean nuclei) および核内細胞質封入体を有する細胞の出現率はそれぞれ平均14.8%および2.8%であったのに対し, 他の表層上皮性腫瘍13例では1.5%および0.2%であった. 粘液性腺腫では三日月様核も多く観察され, 粘液によって圧排された像と考えられた. 以上より, 核縦溝, 核内細胞質封入体, 三日月様核などは粘液性腺腫の特徴と考えられ, 他の表層上皮性腫瘍との鑑別に役立つ所見と考えられた.
  • 小野 昭治, 加勢 一夫, 尾形 隆夫, 海老原 善郎
    1996 年 35 巻 1 号 p. 6-13
    発行日: 1996/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    今回われわれは, AgNORs (nucleolar organizer regions) 染色を喀疾細胞診に応用し, 核内のAgNORsの発現個数, 大きさ, 形態 (染色パターン) が, 扁平上皮系異型細胞の鑑別に有用な指標になり得るかについて検討した.その結果, 1) 核内平均発現個数 (mean±SD) は, 10例の異型扁平上皮細胞では2.43±0.3, 5例の早期扁平上皮癌細胞では3.29±0.3, 5例の扁平上皮癌細胞では4.51±0.7であり, 三者間に有意差を認めた (P<0.005).2) 平均直径 (mean±SD) では, 異型扁平上皮細胞では1.04±0.53μm, 早期扁平上皮癌細胞は1.48±0.65μm, 扁平上皮癌細胞は2.14±0.87μmであり, 三者間に有意差を認めた (P<0.005).3) 形態的観察結果では, 核小体内に5個以上小穎粒を有する細胞は異型扁平上皮細胞で15%, 早期扁平上皮癌細胞では57%, 扁平上皮癌細胞では78%に認め, 細胞異型度が進展するにつれ増加傾向を示した.4) 小穎粒が核内に多数分散してみられる細胞の出現は, 早期扁平上皮癌, 扁平上皮癌の悪性細胞で観察され, 異型扁平上皮細胞では認められなかった.
    以上の結果からAgNORs染色は喀疾細胞診にも応用が可能で, その発現個数のみならず, 大きさや形態的観察などを加味し, 総合的に評価することで扁平上皮系異型細胞の鑑別の一助として有用であることが示唆された.
  • 丸田 淳子, 野口 志郎, 山下 裕人
    1996 年 35 巻 1 号 p. 14-19
    発行日: 1996/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    きわめてまれな腫瘍である甲状腺原発のAdenolipoma17例について臨床所見, 組織所見とともに穿刺吸引細胞所見について検討した. 甲状腺手術例での発見頻度は0.05%であった. 男女比は1: 16であり平均年齢は59歳であった. 画像診断では限局性の腫瘤として認められた. 腫瘤の平均最大径は2.5cmであり, 割面は境界明瞭な被膜を有し黄白色を呈した. 組織学的には索状, 小濾胞, 大濾胞構造などさまざまな形態をとる濾胞上皮由来の腫瘍細胞成分と脂肪組織が混在した. 腫瘍細胞はThyroglobulin抗体による免疫染色で陽性を示し, 分化した脂肪細胞は脂肪染色陽性であった. Amyloid染色は陰性であった. 単独発生は4例であり, 13例には他の病変が存在し腺腫様甲状腺腫の合併が多かった. 穿刺吸引細胞診では異型性の乏しい濾胞上皮由来の腫瘍細胞とともに成熟脂肪細胞や脂肪滴が認められた. 細胞診に加え画像診断などの併用により本腫瘍の推定はある程度可能である.
  • 北村 隆司, 光谷 俊幸, 山下 和也, 仲村 武, 品川 俊人, 土屋 眞一
    1996 年 35 巻 1 号 p. 20-25
    発行日: 1996/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    乳腺Mucocele-like tumor (MLT) 2例とMucinous carcinoma (MC) 9例を用いて, 穿刺吸引細胞像とCA15-3の局在について比較検討を行った. 穿刺吸引細胞像ではMCの細胞像を細胞異型とその出現形態から4型に分類し, MLTと比較した. その結果, 細胞所見からは小型核で核異型に乏しい点でMC-A型が, 出現形態からは粘液上に上皮細胞をみるMC-B型がMLTと鑑別すべき病変と考えられた. しかし, MC-A型はMLTにはみられないマリモ状腫瘍細胞集団の周りを濃厚な粘液が包み込む特徴的な出現形態を示し, MC-B型は豊富な腫瘍細胞量とやや大型の核, 核小体の存在や, 背景に粘液とともに多数の毛細血管がみられることなどから, MLTとの細胞学的鑑別は可能であると考えられた. CA15-3は一部のMCには陰性であるものの, その他のMCとMLTにおいては局在に差が認められた.
  • 竹内 隆子, 竹内 啓晃, 黄 莉莉, 篠原 久明, 山本 貴子, 藤井 華子, 森下 一美, 福春 道太郎, 平井 莞二
    1996 年 35 巻 1 号 p. 26-31
    発行日: 1996/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    Human cytomegalovirus (HCMV) は成人の90%以上に不顕性感染しているDNAウイルスであり, 免疫不全状態などの患者に重篤な合併症を惹起するため, 早期診断・治療が重要である. 現在は, PCR法が高感度であるが評価については, なお議論されている. 一方, 形態学的診断は特異性に優れており, 感度についてもさらなる向上が要求されている. そこで, 形態学的診断の向上を目的に培養細胞 (Human embryo lung fibroblast: HEL) にHCMVを感染させ経時的変化を, セルスメアー, セルブ'ロック (パラフィン切片) 作製後, PapanicolaouとH-E染色を実施し観察した. 結果は, 感染6時間後にはcluster形成が著明で, 核は軽度腫大し, その後, 細胞融合による多核化・合胞化が出現するがnuclearmoldingや核内スリガラス状構造は認めず, 細胞質は多陵形を呈していた. さらに細胞の大小不同性は著しく, 細胞質と核に小型空胞および封入体様物質を認め, 細胞は円形化してきた. 48時間後に著明封入体細胞が少数出現し, 細胞間結合の低下とともに集塊の分散傾向を認めた. 以上より, 細胞集塊形成, 重積による多核化・合胞化細胞, 小型halo, 細胞の円形化などは, HCMV感染を推定する重要な所見と考えられた.
  • 喜納 勝成, 石 和久, 岡崎 哲也, 風間 玲子, 古谷津 純一, 齊藤 啓, 鈴木 不二彦, 中村 春次
    1996 年 35 巻 1 号 p. 32-37
    発行日: 1996/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    HPV-DNAが組み込まれている培養細胞を用い, 細胞・組織切片上におけるDNA検出の増感法であるPCR-ISH法およびIn situ PCR法の反応条件などにつき基礎的検討を行い以下の結果を得た.
    1) PCRの反応条件は, 熱変性 (denature) 90.C1分, アニール (anneal) 55.C2分, 伸長 (extension) 72℃3分の20サイクルで最も良好な染色性をしめした.
    2) PCR-ISH法, In situ PCR法いずれも, 細胞診に用いられる95%エタノール固定細胞材料からのDNA検出は可能であった.
    3) PCR-ISH法およびIn situ PCR法にてISH法では検出が不可能とされているHPV-DNA1コピーの培養細胞SiHaの核内に陽性像を認めた.
    以上よりこれら方法はISH法が有する感度が低いという欠点を克服し, かつ, DNAの局在を形態学的に確認できることから臨床細胞診材料を対象にウィルスDNAの検出, さらに, 腫瘍遺伝子などの検出にも十分応用が可能であると考えられる. また, PCR法の問題点であったコンタミネーションについては, 形態学的にそれを識別できるという点で, DNA診断の信頼性も高まると考えられた.
  • 平野 敬之, 田中 廣, 吉武 俊一, 増本 久人, 古川 次男, 宮本 祐一, 入江 康司
    1996 年 35 巻 1 号 p. 38-43
    発行日: 1996/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    33歳の比較的若年者の女性に発症した乳腺分泌癌の細胞像に, 病理組織所見, 電子顕微鏡像を併せ報告した. 本症例は, 同時性原発性両側乳癌の1例でもあり, きわめてまれな症例であった. 乳腺分泌癌の捺印細胞像は, 細胞は小型で大小不同, 核異型1こ乏しく, 背景に粘液やコロイド様無構造物質を認めた. また,“mucous globular structure (MGS)”と呼ばれる粘液様物質を取り囲むような構造物やその集合した “ぶどうの房” 状集塊がみられ, その中に細胞質が抜けたように広い淡明細胞や, 印環型細胞を認めた. しかし, 穿刺吸引像ではこれらの所見に乏しく, 裸核状細胞を背景に淡明細胞の充実性, シート状集塊としてみられた. その他に, 細胞質内小腺腔 (ICL) が比較的多くみられ, 電子顕微鏡像でも, 細胞質内外に多数の腺腔と分泌物の貯留を認めた. 以上のように,“MGS”構造や “ぶどうの房” 状集塊に加え, 淡明細胞や多数のICL出現は乳腺分泌癌の特徴的所見の一つであると思われた.
  • 雪正 昭, 黒須 真由巳, 木下 陽介, 松井 克明, 谷田 理
    1996 年 35 巻 1 号 p. 44-48
    発行日: 1996/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    胆汁に神経芽細胞腫 (以下神経芽腫と略) の細胞と腺系の変性細胞が同時に出現したため, 診断に苦慮した成人型神経芽腫を報告した.
    症例は43歳, 女性. 腹部エコーにて肝門部に腫瘤を認め, 試験開腹術を施行した. このとき採取した胆汁には, 壊死性背景の中に2種類の細胞が出現していた.1種類は胞体が淡く, 類円形で偏在する核と明瞭な核小体をもつ胆道系変性細胞を少数認めた.もう1種類は, 類円形核をもつ小型円形裸核状細胞が散在性から集塊状, 一部にインディアンファイル状に配列していた.これらの細胞所見より, 胆道系変性細胞を腺癌と解釈し, 小型裸核状細胞を悪性リンパ腫とする重複癌, あるいは小型裸核状細胞の粗な結合を上皮性結合と解釈して小細胞性未分化癌を推定した.解剖時の病理組織学的診断では胆管その他に腺癌は認めず, 成人型神経芽腫と診断された.免疫組織化学的には, NSE, Synaptophysin, Goα に陽性であった.
    胆汁中に出現した小型裸核状細胞は, 神経芽腫の特徴的細胞所見であったが, 胆道系変性細胞を腺癌と解釈し, また, 年齢的にも神経芽腫を考慮しなかったことが診断を困難にした.細胞学的診断を行う際に, 今回のような症例のあることも念頭に入れておく必要があると考えさせられた1例である.
  • 広川 満良, 清水 道生, 福屋 崇, 東 靖人
    1996 年 35 巻 1 号 p. 49-50
    発行日: 1996/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 清山 和昭, 栗林 忠信, 古賀 和美, 峰松 映子, 片岡 寛章
    1996 年 35 巻 1 号 p. 51-52
    発行日: 1996/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 中山 宏文, 日高 千敏, 村上 慶子, 青木 章乃, 安井 弥
    1996 年 35 巻 1 号 p. 53-54
    発行日: 1996/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 蓮本 智美, 大庭 浩, 鳥居 俊, 中 英男
    1996 年 35 巻 1 号 p. 55-56
    発行日: 1996/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 伊藤 卓, 森田 隆幸, 今 充, 鎌田 義正, 八木橋 法登
    1996 年 35 巻 1 号 p. 57-58
    発行日: 1996/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 羽場 礼次, 小林 省二, 野間 勝之, 矢野 好人, 梅田 政吉
    1996 年 35 巻 1 号 p. 59-60
    発行日: 1996/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
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