日本臨床細胞学会雑誌
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36 巻 , 1 号
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  • 田口 勝二, 岩原 実, 藤田 正志, 村石 佳重, 渡辺 裕子, 渋谷 和俊, 安田 貢, 寺内 文敏, 小倉 久男, 直江 史郎
    1997 年 36 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 1997/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    腟スメア中に酵母様真菌を認め, さらにカンジダ属が分離同定された47例を対象として主に酵母細胞の形態的検討を行い, 細胞診検体の検鏡による種の推定とその精度について検討した.その結果, C. albicans酵母細胞は長径4μ以上が多く, 最も多くの小型酵母細胞をみた症例でさえも49%は長径4μ以上の酵母細胞であった。また, ほとんどの症例に仮性菌糸が観察された.C. glabntoは98.5%が長径4μ以下の酵母細胞であり, 長径5μ 以上の酵母細胞はきわめてまれであった.C. kruseiは4μ以上の酵母細胞としてみられたが, 6μ以上のものが多く, C. albicansに比べ長楕円形の酵母細胞が多かった.
    以上の結果は, 膣真菌症の原因菌として重要なC. albicansC. glabntaを細胞診で鑑別しうる可能性を示唆するものであり, 早期診断や治療に役立つと考えられた.
  • 土岐 利彦, 森 篤, 加藤 由美子, 及川 洋恵, 手塚 文明, 東岩井 久, 藤井 信吾
    1997 年 36 巻 1 号 p. 8-12
    発行日: 1997/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    子宮内膜細胞診の所見の判定における, 同一観察者内および複数観察者間の再現性を検討した. 観察者内再現性の検討には10例20標本, 観察者間再現性の検討には40例40標本の内膜細胞診を用いた. 10人の細胞検査士にこれらの標本を鏡検してもらい,「腫瘍性背景」「乳頭状構造」「細胞の不規則重積性」「核腫大」「核の大小不同」「クロマチン増量」「著明な核小体」の7所見の有無を {有}{疑}{無}, 最終診断を {陽性}{疑陽性}{陰性} の3段階で評価してもらい, 各所見の判定および最終診断につき一致率とカッパ値を求めた.観察者内の判定の一致率は所見間であまり差はなかったが,「乳頭状構造」「細胞の不規則重積性」でやや低かった.観察者間の判定一致性は「腫瘍性背景」「核腫大」「核の大小不同」で比較的高く,「クロマチン増量」「乳頭状構造」では低かった. 全体として所見 {有}{無} の判定の一致率は高く {疑} の一致率は低かった. また, 最終診断を予測する細胞所見の重要度は, 観察者ごとにかなり異なることが示された. 以上から, 内膜細胞診の診断基準が必ずしも一定していないことが示された. 今後, 客観的な診断基準の確立が必要と思われる.
  • 丸田 淳子, 野口 志郎, 山下 裕人
    1997 年 36 巻 1 号 p. 13-18
    発行日: 1997/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    甲状腺の嚢胞性病変に由来する穿刺吸引細胞診材料を用いて細胞学的検討を行った.病変の一部以上に嚢胞性変化を伴う頻度は, 乳頭癌531例, 濾胞癌61例, 濾胞腺腫865例, 腺腫様甲状腺腫797例でそれぞれ21%, 43%, 65%, 78%であった.嚢胞を伴った乳頭癌および濾胞腺腫は, 実質性のものに比し平均腫瘍最大径が有意に大きかった (p<0.001).嚢胞性病変の細胞像は, 背景に多数の組織球がみられ, 上皮細胞の出現率は充実性病変で91%, 嚢胞性病変で58%であり, 特に良性病変からの出現率が低下した.嚢胞性の乳頭癌において上皮成分を認めた86例のうち悪性細胞陽性所見は2回までの細胞診の施行により77例 (90%) まで上昇した.嚢胞性病変に対する細胞診では少なくとも2回以上の穿刺吸引細胞診の施行が必要であった.嚢胞性の乳頭癌では, 空胞変性を示す乳頭状集塊や細胞集塊周辺のほつれ現象が特徴的な所見であった.核はすりガラス状のものは少なく, 核内細胞質封入体や核溝がみられた.これらは, 良性疾患でもみられるため過重視しないことが必要であった.良性疾患では単個の細胞が少なく, 異型の強い細胞集塊もみられた.この場合には他の細胞集塊の所見を加味した総合的な判定が求められた.
  • 舩本 康申, 小林 省二, 永井 雅巳, 河野 幸治, 岸田 不二夫, 三木 洋, 大森 正樹
    1997 年 36 巻 1 号 p. 19-24
    発行日: 1997/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    組織学的にポジキン病と診断された24例のリンパ節捺印標本を用いて, 免疫細胞化学的にEBV-LMP-1抗原の発現を調べた.同時に, bcl-2産物, Ki-1 (CD30) 抗原の発現についても調べた.
    LMP-1は24例中9例 (37.5%)(LP型3/6例, MC型3/9例, NS型3/9例) に陽性であり, 既報の免疫組織化学的解析とほぼ同等の結果が得られた.bc1-2は17例中7例 (41.2%)(LP型0/3例, MC型3/9例, NS型4/5例) に陽性であったが, LMP-1陽性の9例中bc1-2陽性例は3例であり, 両者に必ずしも相関はみられなかった.Ki-1 (CD30) は24例中21例 (87.5%)(LP型5/6例, MC型9/9例, NS型7/9例) に陽性であった.LMP-1, bcl-2, 陽性例では, 典型的なH細胞, R-S細胞の一部に陽性であったが, Ki-1 (CD30) 陽性例ではH細胞, R-S細胞の大多数が陽性を示した.
    興味深いことに7例のLMP-1陽性例では, 典型的H細胞, R-S細胞より小型で小リンパ球より大型の微細なクロマチンと淡染する細胞質を持つ異型単核細胞の一部もH細胞, R-S細胞と同様の染色性を示した.さらに, bcl-2陽性の7例においても典型的H細胞, R-S細胞と同様に異型単核細胞の一部が陽性を示した.また, これらの単核細胞はおおむねKi-1 (CD30) 抗原が陽性であった.
    以上の所見は,(1) 捺印細胞診によるEBV, bcl-2産物の免疫細胞学的解析が免疫組織学的解析と同等の感度を有し, その病因・病態の解析に有用であること,(2) ポジキン病の中には微細なクロマチンと淡染する細胞質を持つKi-1 (CD30) 抗原陽性の小型の異型単核細胞がEBVによってtransformationされておこった可能性があることを示唆するものと思われる.また, その一部の症例にはbcl-2産物の関与が考えられた.
  • 松原 美幸, 川本 雅司, 田村 浩一, 渡会 泰彦, 前田 昭太郎, 杉崎 祐一
    1997 年 36 巻 1 号 p. 25-29
    発行日: 1997/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    きわめてまれな外陰部発生のsebaceous carcinomaを経験した.症例は78歳女性.外陰部の無痛性腫瘤と鼠頸部リンパ節の腫大を指摘され, 外陰部擦過細胞診とリンパ節穿刺吸引細胞診が施行された.細胞診では, 両者とも中心性の核と明瞭な泡沫状あるいは空胞状の細胞質を持つ腫瘍細胞が充実性の集塊を形成していた.病理組織診では, 充実性胞巣状構造を示す腫瘍で, sudan III染色陽性の明るい細胞質を持ち, 免疫組織化学的にepithelial membrane antigen, keratin wide spectrum, AE1で陽性を示し, sebaceous carcinomaと診断した.リンパ節には転移を認めた.ホルマリン固定組織からの戻し電顕では, グリコーゲン穎粒と脂肪滴と思われる大小の空胞とdesmosome構造を認めた.細胞診で認めた細胞質の明瞭な泡沫状および空胞状構造は脂肪滴であり, 本腫瘍の重要な特徴である.鑑別診断には, 腺癌や脂腺分化を示す基底細胞癌があげられるが, それぞれ核小体や細胞質の所見に特徴があり, sebaceous carcinomaとは鑑別可能である.
  • 米田 哲幸, 紀川 純三, 入江 隆, 金森 康展, 板持 広明, 岡田 誠, 大石 徹郎, 寺川 直樹
    1997 年 36 巻 1 号 p. 30-33
    発行日: 1997/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    癌へのtransitionを本邦ではじめて確認し得たバルトリン腺原発移行上皮癌症例を経験したので報告する.
    患者は61歳の主婦で, 性器出血を主訴として婦人科を受診した.左側外陰部に発生する腫瘤を認めた.腫瘍の生検結果は移行上皮癌であった.最大腫瘍径は13mmで, 周囲組織への浸潤やリンパ節の腫大はなかったことから, FIGO臨床進行期分類1期外陰癌と診断した.広汎外陰切除術および鼠径リンパ節郭清術を施行した.術後経過は良好で, 追加治療なく退院した.細胞診所見では, シート状配列を示し, 胞体は厚く, 空胞形成はなく, 核の偏在や重積はみられず, 著明な核小体が存在したことから移行上皮癌を推定した.組織診でバルトリン腺の導管移行上皮からの癌へのtransitionを確認し, バルトリン腺原発移行上皮癌と診断した.病変部からHPVは検出されなかった.
  • 笹瀬 隆司, 菅沼 麗桜, 川口 洋子, 呉地 剛, 菊池 浩二, 井上 泰, 金子 實
    1997 年 36 巻 1 号 p. 34-38
    発行日: 1997/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    今回われわれは, 神経内分泌性格を示した卵巣腫瘍を経験したので報告する.
    症例は49歳, 女性.大きな卵巣腫瘍とともに子宮頸部にも腫瘍を指摘され, すでに脳, 肺, 肝に転移巣が認められた.その後, 転移巣はさらに広がり約9カ月の経過で死亡した.
    細胞像において, N/C比が高く, 円形核を有する異型細胞が散在性, シート状に多数みられた.核クロマチンは穎粒状で, 核小体が腫大していた.細胞質は淡明で好酸性滴状物質を認めるものもあった.
    切除標本において, 卵巣, 子宮頸部ともに同じ腫瘍細胞からなっており, 島状の胞巣を示しながら増殖していた.ロゼット様配列が豊富にみられ, グリメリウス染色陽性, NSE, クロモグラニン, シナプトフィジンが陽性を示した.電顕的にも細胞質内に神経内分泌穎粒が認められ, neuroendocrine carcinomaと診断した.
  • 古田 朋子, 木村 雅友, 大塚 佳世, 上杉 忠雄, 筑後 孝章, 八木 祐吏, 佐藤 隆夫, 橋本 重夫
    1997 年 36 巻 1 号 p. 39-43
    発行日: 1997/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    副鼻腔アスペルギルス症が脳に進展した1剖検例の脳膿瘍細胞診について報告した.パパニコロー染色標本のスクリーニングでは発見しにくい真菌菌糸の検出を, ファンギフローラY (R) パパニコロー重染色で試みた.
    症例は80歳, 男性.右眼窩部から蝶形骨洞にかけてアスペルギルス感染を来し, 抗真菌剤の投与を受けていたが功を奏さず, 約7ヵ月後, MRIで側頭葉に脳膿瘍が確認され, 全身状態が悪化し死亡した.剖検時に脳膿瘍部の膿汁を用いて塗抹標本を作製し, 真菌蛍光染色液ファンギフローラY (R) とパパニコロー染色の重染色を行った.対物10倍レンズを用い光学顕微鏡で行ったスクリーニングでは菌糸の発見は困難であったが, 蛍光顕微鏡を用いると真菌菌糸は強い蛍光を発し, スクリーニングでもきわめて容易に発見できた.以上のことから細胞診での真菌菌糸の検出, 観察にファンギフローラY (R) パパニコロー重染色はきわめて有用であると考えられた.
  • 松本 武敏, 児玉 哲郎, 松本 武夫, 金子 司, 岩崎 聖二, 川上 喜久, 北條 史彦, 横瀬 智之
    1997 年 36 巻 1 号 p. 44-48
    発行日: 1997/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    肉腫成分を欠いた肺芽細胞腫 (pulmonary endodermal tumor resembling fetal lung: PET) の1例を報告する.症例は, 30歳, 女性で検診にて胸部異常影を指摘された.術前の気管支鏡検査では確診が得られず, 経皮肺針生検にて, 腺癌の診断を得た.細胞学的には, 出現する細胞に2種類の細胞群を認め, 1つは小型でN/C比が高く裸核状ないし少量の淡明な細胞質を有するもので, 一部で腺腔形成像がみられた.他のものは, 集塊形成傾向が強くより大型の細胞で細胞質も豊富で, 核は明るく一部には, 核内封入体様所見を認めた.組織学的には, 明るい細胞質を特徴とする高分化腺管腺癌でしばしばmoruleの形成を認め, 一方間葉系の腫瘍成分はなく, PETと診断した.左上葉切除が行われたが, リンパ節転移は認めず, 病期I期で, 術後4年の現在再発を認めていない.
  • 国村 利明, 荒川 昭子, 大池 信之, 宮坂 信雄, 上倉 恵子, 永井 智子, 福田 ミヨ子, 諸星 利男
    1997 年 36 巻 1 号 p. 49-55
    発行日: 1997/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    悪性膵内分泌腫瘍の一切除例を経験した.症例は47歳, 男性.1年半前より左季肋部痛が出現し, 1ヵ月前の人間ドックにて膵体尾部腫瘍と多発性の肝腫瘍が発見され当院受診となった.血液検査上は有意な所見を認めなかったが, 腹部画像診断にて膵体尾部に最大径7cm程度のhypervascularな腫瘍と多発性の肝腫瘍が確認された.肝腫瘍部位からの生検にて転移性の膵内分泌腫瘍が疑われたため, 膵体尾部切除術が施行された.切除材料の割面の擦過塗抹細胞標本では, 豊富な胞体を有する大型の腫瘍細胞がシート状あるいはリボン状に配列し, 核は大小不同で偏在傾向を示し, クロマチンパターンは顆粒状で, 大型の核小体を1~2個有するものが多くみられた.細胞学的には膵内分泌腫瘍と判定されたが, 明らかな悪性所見は確認されなかった.免疫細胞学的に, 大部分の腫瘍細胞はchromograninA, NSEに陽性で, 一部の細胞はsomatostatinとpancreatic polypeptideに陽性を示し, CEAやCA19-9に陽性の腫瘍細胞も確認された.組織学的に, chromograninA染色陽性の腫瘍細胞の脈管侵襲や神経周囲浸潤が確認され, 本症例は悪性膵内分泌腫瘍と診断された.
  • 大田 桂子, 塚本 孝久, 伊藤 園江, 大田 喜孝, 伊藤 裕司, 中村 康寛, 今村 豊
    1997 年 36 巻 1 号 p. 56-61
    発行日: 1997/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    症例は60歳, 女性で肝機能異常, 高血圧, 低カリウム血症, 全身浮腫がみられ, 当院に紹介入院となった.入院時の腹部CT像で肝に多発する結節性病変と左腎上極部に手拳大の腫瘤を認めた.肝穿刺吸引細胞診を施行し, 次の所見を得た.(1) 壊死物質を背景とし, 疎な結合を示す多数の腫瘍細胞が出現.(2) 巨核, 多核を有する異型の強い大型細胞と, 類円形核の小型細胞集団とが混在.(3) 細胞のN/C比は高く, 細胞質はライトグリーン淡染性で周縁不明瞭であり, 裸核細胞も認めた.(4) 核クロマチン構築は小型細胞では細顆粒状~細網状であるが, 大型細胞では粗網状で明らかに不均等分布し, 1~数個の明瞭な核小体を認めた.内分泌機能検査では副腎皮質関連項目の著しい上昇があり, クッシング症候群を認めた.以上の細胞所見と臨床像より副腎皮質癌の肝転移を考えた.患者には化学療法が施行されたが効果なく, 入院より1ヵ月後に永眠となった.剖検時の肝腫瘍部捺印標本による免疫染色ではコルチゾールとビメンチンに陽工生であり, サイトケラチンは陰性であった.組織像では好酸性細胞質の腫瘍細胞が胞巣状, 索状を基本に充実性増生しており, 内分泌活性型副腎皮質癌と診断した.原発は左側副腎で転移巣は肝臓のみであった.
  • 木屋 千恵子, 若木 邦彦, 前田 宜延, 岡田 英吉
    1997 年 36 巻 1 号 p. 62-65
    発行日: 1997/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    乳児精巣に発生した卵黄嚢腫瘍 (yolk sac tumor) の捺印細胞診を経験したので報告する.患者は生後3ヵ月の男児で, 右陰嚢部の腫大を認め, 術前の血清AFP値は64,200ng/mlと高値で, 術後10ヵ月で正常化した.捺印細胞診では, 上皮様結合の細胞集塊やシート状配列の細胞集団を認めた.細胞質は明るく泡沫状, 核は類円形ないし楕円形で大小不同があり, クロマチンは増量し, 核小体は1~2個で大きい.細胞質内外にはライトグリーンに濃く染まる球状物 (硝子滴) を認め, PAS反応陽性であった.組織学的には, 腫瘍細胞は嚢胞状・網目状の配列を示し, 糸球体様の構造を呈すSchiller-Duvalbodyやジアスターゼ耐性PAS反応陽性の硝子滴を認めた.免疫組織化学的所見では, 腫瘍細胞の細胞質にAFP, α1-antitrypsin, cytokeratin (AE1/AE3) が陽性で, α-smooth muscle actin, EMA, Ki-1は一部の腫瘍細胞に陽性, hCG, CEA, CA125, vimentin, placentalA1-Pは陰性であった.細胞質のライトグリーンに濃く染まる硝子滴が本症に特徴的所見の一つであると思われた.
  • 坂本 穆彦, 井上 勝一
    1997 年 36 巻 1 号 p. 66
    発行日: 1997/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 井上 勝一
    1997 年 36 巻 1 号 p. 67-70
    発行日: 1997/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    臨床細胞学は少量の臨床材料でがんを診断できる有用な方法であるが, 最近の内視鏡の進歩により多量の臨床材料を入手できるようになった.分子生物学やサイトメトリーにこの豊富な試料を用いることができるようになり, 予後の推定や前がん病変を推定することも可能になった.本シンポジウムでは臨床細胞学で取り入れることができるような新知見について討議する.
  • 長嶋 健, 鈴木 正人, 押田 正規, 橋本 秀行, 矢形 寛, 中島 伸之
    1997 年 36 巻 1 号 p. 71-75
    発行日: 1997/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    甲状腺乳頭癌の術前細胞診検体を用いて核異型度の客観的評価を行い, 組織学的リンパ節転移との関連性につき検討した.
    対象は1987年6月から1994年12月までに当科において手術を施行した初発甲状腺乳頭癌症例のうち頸部リンパ節郭清を併施した89例, および1995年の症例24例である.術前細胞診にて採取された細胞核を画像解析し, 平均核面積・周囲長・円形度・針状比, および大小不同性の客観的指標として核面積変異係数 (NACV) を算出した.また従来の形態学的因子である核溝・核内細胞質封入体の出現率を求めた.
    リンパ節転移の有無別にみると, NACVにおいて最も有意な差がみられ (P<0.0001), リンパ節転移個数との問にも相関を認めた.リンパ節再発例はすべてNACVが高値であった.NACVのカットオフ値を22%と定め, 1995年の症例を用いてprospectiveに検討すると, NACV高値群と低値群ではリンパ節転移において有意な差を認めた (p<0.001).
    甲状腺乳頭癌における術前客観的核異型度評価はリンパ節転移予測の指標となり, 術式決定の一助となると考えられた.
  • 吉見 直己, 井野 夏子, 高橋 京子, 戸島 敏, 新井 正, 安田 洋, 田中 卓二
    1997 年 36 巻 1 号 p. 76-80
    発行日: 1997/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    テロメラーゼは細胞の老化や不死化に関わる重要な細胞内リボ核蛋白質である.近年, テロメラーゼ活性の測定がpolymerase chain reaction法を利用した簡便な方法で可能となった.今回, われわれは体腔液材料でのテロメラーゼ活性の測定とその有用性を調べるため, 培養細胞でのテロメラーゼ活性の測定限界を検討するとともに, 実際の58サンプル (42症例) の体腔液材料を用い, 以下の結果を得た.
    1) 大腸癌培養細胞COLO320でのテロメラーゼ活性陽性の限界は20~50個であった.
    2) 正常白血球との混合希釈液では, 癌細胞の含有1%までに検出可能であった.
    3) 58サンプル中17サンプルでテロメラーゼ陽性であった.細胞診判定を基準とする鋭敏度 (sensitivity) は69%(9/13) であり, 特異性 (specificity) は87.5%(28/32) であった.
    4) 悪性腫瘍症例29例の内, 細胞診での陽性は11例で, テロメラーゼ活性の陽性は15例に認められた.細胞診・テロメラーゼ両者を併用すると21症例 (72.4%) が陽性となり, 陽性率が高まった.
    以上, テロメラーゼ活性の測定は体腔液の細胞診標本作製後の残りで可能であり, 臨床病理学的診断の補助的利用に有用と考えられた.
  • 島村 香也子, 當銘 良也, 野本 清明
    1997 年 36 巻 1 号 p. 81-91
    発行日: 1997/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    Laser scanning cytometer (LSC) はflow cytometer, 画像解析装置および顕微蛍光測光装置の特長を兼備した非共焦点型レーザー走査顕微鏡であり, 蛍光染色した塗抹, 捺印標本について, 高速かつ高精度の蛍光量測定とデータ解析, ならびに細胞形態の観察を一台で行うことができる.この手法を日常細胞診に応用することにより, 将来的には細胞診材料を用いて, 診断の客観化, 悪性細胞の形態学的診断基準の見直し, 形態と機能の両面からみた細胞診断, がんの悪性度判定, 予後推定, 抗がん剤の感受性判定および治療効果判定などが可能になるものと考えられる.
    しかし, 現状で日常の細胞診標本をそのままLSCで測定できる頻度は, 新鮮尿で9/40例, 新鮮体腔液, 気管支洗浄液, 乳腺穿刺針洗浄液で13/20例, 過去のパパニコロウ染色標本で3/20例と, いずれも低かった.このことから, LSCを臨床材料の解析に利用するには, それに先だって, LSCに適した塗抹, 捺印標本の作製法と, 多少とも変性のある検体での正確な蛍光量の測定法に関する方法論を確立する必要があると思われた.LSCに適した細胞標本の作製法について, 検討結果を提示した。
  • 竹中 明美, 上原 宏之, 中泉 明彦, 岸上 義彦, 菅野 康吉, 岡田 周市, 竜田 正晴
    1997 年 36 巻 1 号 p. 92-97
    発行日: 1997/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    膵癌, 慢性膵炎, 膵嚢胞症例と正常対照から内視鏡的に採取した膵液を用いてK-ras遺伝子exonlcodon12の点突然変異の検索と膵液細胞診を行い, 両者を対比して膵癌の診断におけるK-燃点突然変異の役割を検討した.K-ras点突然変異の検索はenriched polymerase chain reaction (PCR)-single-strand conformation polymorphism (SSCP) 法によって行い, 次いでdirect sequence法によって塩基配列を決定した.K-ras点突然変異は膵癌症例では15例中13例 (87%) と高頻度に検出されたが, 慢性膵炎13例中7例 (53%), 膵嚢胞12例中8例 (67%) にも認められた.正常対照から採取した膵液にはK-中央病院点突然変異は認められなかった.これらの非癌変異陽性症例の膵液細胞診では核の腫大, 核の極性の乱れ, 細胞重積を示す異型細胞が認められた.以上の結果より膵液K-ras点突然変異は膵癌の診断よりもむしろ膵癌ハイリスク群の設定に有用ではないかと考えられた.
  • 石澤 貢, 松島 栄子, 高橋 佐和子, 水口 國雄, 中村 恭二
    1997 年 36 巻 1 号 p. 98-99
    発行日: 1997/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 和田 匡代, 森木 利昭, 高橋 保, 植田 庄介, 園部 宏
    1997 年 36 巻 1 号 p. 100-101
    発行日: 1997/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 中川 雄伸, 宮川 和久, 中村 治, 竹屋 元裕, 高橋 潔
    1997 年 36 巻 1 号 p. 102-103
    発行日: 1997/01/22
    公開日: 2011/11/08
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