日本臨床細胞学会雑誌
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39 巻 , 4 号
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  • 金城 光幸, 饒平名 長令, 長嶺 利恵子, 下地 直美, 喜納 治男, 内間 惟晴, 国島 睦意
    2000 年 39 巻 4 号 p. 233-238
    発行日: 2000/07/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    背景:肺胞蛋白症は肺胞腔内にPAS陽性の燐脂質を含んだ糖蛋白が充満するまれな疾患である.今回, われわれは, 気管支肺胞洗浄液 (BAL液) の細胞診および電顕的観察によって肺胞蛋白症と診断された1例を経験したので報告する.
    症例:症例は呼吸苦を主訴とする45歳の女性で, 胸部X線上両側肺下葉に異常陰影が認められた.気管支肺胞洗浄が施行され, 乳白色に混濁した液が回収された.沈渣は, 細胞学的に, 微細穎粒状物質を背景にPAS陽性で直径が20~100μmの無細胞性i類円形物質と組織球が散見された.電顕的観察では特徴的なオスミウム好染の同心円状層状体が認められた.肺胞蛋白症においてCEAの高値を示すものがあることは知られているが, 本症例でも血中およびBAL液中のCEAの上昇を認めた.さらに, 血中CEA値は洗浄後に減少を示した.CEAは沈渣の免疫染色では組織球と背景の穎粒状物質に陽性を示したが, 類円形物質は陰性であった.
    結論:類円形物質のCEA陰性は, 多量の濃縮したPAS陽性物質に被覆されて抗CEA抗体との反応が阻害されたためではないかと推測された.
  • 坂本 寛文, 森 良雄, 吉見 直己, 田中 卓二
    2000 年 39 巻 4 号 p. 239-241
    発行日: 2000/07/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    背景:胃カルチノイドの手術後3年7ヵ月を経過中に髄液中に腫瘍細胞の出現を認めた症例を経験した.
    症例:症例は76歳, 男性.胃カルチノイドにて胃全摘術を施行.その後, 転移性脳腫瘍にてGamma-Knife治療を受け, 外来通院していたが食事摂取不良のため再入院.髄液検査にてインデアンファイル状配列を呈する腫瘍細胞を認め, 胃カルチノイドの転移と診断した.その後, 肺炎のため死亡.剖検所見, 免疫組織化学染色所見, 電顕所見にて胃カルチノイドの脳転移と確認した.
    結論:髄液検査において検出された胃カルチノイドの脳転移症例の報告は少なく稀少症例と考えられ.その細胞像を中心に報告した.
  • 羽場 礼次, 小林 省二, 三木 洋, 野間 勝之, 山川 けいこ, 竿尾 光祐, 舩本 康申, 大森 正樹
    2000 年 39 巻 4 号 p. 242-246
    発行日: 2000/07/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    背景:過誤腫性ポリープは, Peutz-Jegher's症候群に合併して発症するが, 巨大なものはまれである.特に小腸に発生する巨大過誤腫性ポリープは, 術前に良性か悪性かの鑑別が問題となり, 術前の確定診断は難しい.
    症例:今回迅速細胞診断が, 術中診断に有用であったPeutz-Jegher's症候群に合併して発生した小腸の巨大過誤腫性ポリープの1例を経験したので報告する.症例は38歳の男性で, 上腹部痛を主訴に来院した.超音波, CT, 小腸造影にて多発性小腸腫瘍と診断され, 緊急開腹により小腸部分切除術が行われた.小腸には直径約8.7cmの桑実状腫瘤がみられ, 周囲にも同様のポリープ状病変がみられた.巨大腫瘤のため臨床的には悪性腫瘍が強く疑われたが, 多くの部位のi擦過細胞診で悪性所見は認められず, 口腔内に軽度の色素沈着もみられたため, Peutz-Jegher's症候群に合併した小腸の巨大過誤腫性ポリープと診断された.
    結論:病巣が大きい場合でも術中細胞診は割面を広範囲に擦過できるので, 効率的に術中診断を行うのに有用であると考えられた.
  • 大田 桂子, 伊藤 園江, 中野 祐子, 楳田 明美, 塚本 孝久, 高橋 光彦, 大田 喜孝, 中村 康寛
    2000 年 39 巻 4 号 p. 247-253
    発行日: 2000/07/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    背景:小児肝に発生したまれな平滑筋肉腫の1例を経験したので, 術中捺印細胞診像を中心に病理所見, 免疫所見, 電顕所見を加え報告する.
    症例:15歳の男児で上腹部痛を主訴に来院.腫瘍は肝左葉に11cm×12cmの結節性病変としてみられ, 腫瘍割面は灰白色充実性で一部に出血像が認められた.術中捺印標本上の腫瘍細胞量は豊富で, それら腫瘍細胞は比較的異型に乏しい紡錘形細胞の束状出現を主体に一部散在性に異型の強い巨細胞や核内封入体形成細胞が混在して認められた.核分裂像, 壊死像はほとんど認められなかった.また肝周囲のリンパ節に転移が認められ, その細胞像は肝のそれと全く同様の所見を呈した.免疫化学的染色において腫瘍細胞はVimentin, Desmin, α-smooth muscle actin (α-SMA) に陽性を示し, なかでもα-SMAは紡錘形細胞に選択的陽性を示した.組織学的には好酸性の紡錘形細胞質を有する腫瘍細胞が交錯する像がみられた.なお, 周囲には多数のリンパ球の浸潤があり, ほとんどがTcel1マーカーに陽性を示した.電顕ではdensebodyと基底膜様物質の存在を認めた.
    結語:総合的所見より平滑筋肉腫と診断されたが, 術中捺印細胞像でも比較的特徴的な細胞像を呈しており, 推定可能な症例であったと考える.
  • 柳井 広之, 松本 学, 古谷 満寿美
    2000 年 39 巻 4 号 p. 254-257
    発行日: 2000/07/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    背景:Desmoplastic small round cell tumor (DSRCT) の1例を報告する.
    症例:患者は31歳の男性で, 腹腔内腫瘤を開腹により摘出した.摘出腫瘍の捺印細胞診では小型円形細胞の島状集塊が散在性に出現していた.組織学的には小型円形細胞が胞巣状に問質の線維増生を伴って増生し, 免疫染色でcytokeratin, EMA, vimentin, desmin, S-100, NSEが陽性であった.電子顕微鏡による観察では細胞質内に中間径フィラメントの凝集と細胞間のデスモゾーム形成を認めた.
    結論:DSRCTの細胞診では個々の腫瘍細胞の形態からは骨外性Ewing肉腫や横紋筋肉腫, 小細胞癌, 悪性リンパ腫などの小型円形細胞よりなる腫瘍との鑑別が困難であるが, 腫瘍細胞の出現パターン, 腫瘍の発生部位や患者年齢などの臨床情報が病変推定のポイントとなる.
  • 大竹 弘子, 渡辺 智恵, 山崎 博子, 平戸 純子
    2000 年 39 巻 4 号 p. 258-262
    発行日: 2000/07/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    背景:甲状腺原発平滑筋肉腫はきわめてまれであり細胞像の特徴も明らかにされていない.
    穿刺吸引細胞診で組織型確定に苦慮したが免疫組織化学的検索により平滑筋肉腫と確定できた1例について報告する.
    症例:86歳, 女性.左前頸部腫瘤で発症し, 穿刺吸引細胞診を施行した.腫瘍細胞の多くは散在性あるいは結合性の乏しい集塊をなしている.細胞質は紡錘形で狭いものと多稜形で豊富なものとがあり, 核は類円形ないし紡錘形で大きく, 両端は鈍で大小不同を示す.多くは肥大した明瞭な核小体を有していた.未分化癌あるいは肉腫が疑われた.組織学的所見では紡錘形細胞が錯綜する線維束を形成し密に増殖しており, 核分裂像が散見された.明らかな癌の要素は認められず, α-smooth muscle actin, desmin陽性cytokeratin, EMA陰性であった.以上より平滑筋肉腫の診断を得た.
    結論:甲状腺の平滑筋肉腫は未分化癌および他の肉腫との鑑別が難しく, 細胞診のみでは診断困難であり, 免疫染色・電顕による検索が必要と考えられた.
  • 小山 芳徳, 麻生 晃, 長尾 俊孝, 石田 康生, 菅野 勇, 浅井 昌大, 棟方 滋, 長尾 孝一
    2000 年 39 巻 4 号 p. 263-269
    発行日: 2000/07/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    背景: 唾液腺原発の基底細胞腺癌はWHO分類第2版 (1991) に新たに追加された新しい概念のまれな低悪性度腫瘍である.今回われわれは, 右耳下腺に発生した基底細胞腺癌の1例を経験したのでその細胞像, 組織像, 電顕像ならびに免疫組織化学的所見について報告する.
    症例: 68歳の女性で右耳下腺腫瘍にて当院耳鼻科を紹介された.CT上, 腫瘍は24×14mm大で一部周囲で境界が不明瞭であった.穿刺吸引細胞診にて細胞は上皮様結合を示した大型の細胞集塊を形成しており一部では脂肪細胞に絡まるように出現していた.腫瘍細胞の集塊辺縁部にはpalisading状の配列を示し, 集塊からのほつれ像もみられた.腫瘍細胞は小型卵円形N/C比の高い細胞で核クロマチンの増量を認めた.組織学的には, 基底細胞様の配列を示す腫瘍細胞が充実胞巣状に浸潤性増殖を示していた.免疫組織化学的に腫瘍は上皮, 筋上皮双方へ分化を示す細胞から成っていた.また, Ki-67の陽性細胞率が比較的高い数値を示し, p53とEGFRに陽性であった.
    結論: 基底細胞腺癌は鑑別を要する疾患も多く, 特に細胞所見のみでは良悪性の鑑別が困難なことがまれではないが細胞学的には本症例でみられた基底細胞型腫瘍細胞の脂肪細胞に絡まるようにして出現する集塊は基底細胞腺癌に特徴的であり, 本腫瘍の穿刺吸引細胞診での病変推定に重要な所見と考えられた.
  • 山本 智子, 金沢 美穂, 金室 俊子, 野並 裕司, 小林 槇雄
    2000 年 39 巻 4 号 p. 270-271
    発行日: 2000/07/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    A 61-year-old man who died of adrenocortical carcinoma is reported. Stump specimens were prepared from the cut surface of a metastatic tumor in the liver obtained by autopsy. The specimens showed a necrotic background with numerous apoptotic bodies. The tumor cells formed loosely cohesive clusters. The nuclei showed atypia and anisonucleosis and the cytoplasm was granular or vacuolated. Mitotic figures were occasionally observed. These findings were compatible with a diagnosis of adrenocortical carcinoma, but the tumor cells resembled those of a renal cell carcinoma or hepatocellular carcinoma both cytologically and histologically.
  • 福島 純一, 山田 美香, 田中 裕志
    2000 年 39 巻 4 号 p. 272-273
    発行日: 2000/07/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    We report a case of adenoid cystic carcinoma of the breast. A 48-year-old female presented with a solid mass with a cystic region measuring 1.7×1.5 cm in the left breast. The radiological differential diagnosis included phylloides tumor, fibroadenoma, and carcinoma. Intraoperative histological frozen section examination did not reveal any typical features of adenoid cystic carcinoma. Imprint smears from the breast tumor showed many spherical clusters predominantly composed of small round cells with finely granular chromatin, suggestive of myoepithelial cells, and also cells with relatively large nuclei, suggestive of epithelial cells.
  • 堀江 靖, 加藤 雅子, 永見 光子, 杉原 千恵子, 八島 正司
    2000 年 39 巻 4 号 p. 274-275
    発行日: 2000/07/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    A case of BCG-related lymphadenitis is presented. After BCG vaccination, an enlarging mass was noted in the left axillary region of a 1-year-old boy. Imprint smear cytology of the extirpated lesion revealed aggregates of epithelioid and tingible-type histiocytic cells without a necrotic background. Histologically, the lesion showed granulomatous nodules composed of epithelioid histiocytic cells and Langhans' giant cells without associated caseous necrosis. Immunohistochemically, the epithelioid histiocytic cells were positive for and-BCG antibody, lysozyme and CD 68. It is necessary to distinguish this BCG-related lymphadenitis from tuberculous lymphadenitis.
  • 土岐 利彦, 加藤 清, 小西 郁生, 堀川 美栄子, 浅野 昌宏
    2000 年 39 巻 4 号 p. 276-277
    発行日: 2000/07/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    We describe a case of uterine leiomyosarcoma associated with acute infection. A 56-year-old woman presented with atypical genital bleeding. Endometrial cytology revealed isolated bizarre spindle-shaped or fibrous cells. The cytological diagnosis was malignant mesenchymal tumor (probably uterine leiomyosarcoma). She underwent total abdominal hysterectomy and bilateral salpingo-oophorectomy. Macroscopically, the intramural tumor showed massive hemorrhagic areas and necrosis. Histologically, the tumor showed smooth muscle differentiation with marked cytologic atypia and increase in mitotic figures, and the diagnosis was leiomyosarcoma.
  • 野澤 志朗, 植木 實
    2000 年 39 巻 4 号 p. iv
    発行日: 2000/07/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
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