日本臨床細胞学会雑誌
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41 巻 , 2 号
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  • 中澤 久美子, 弓納持 勉, 石井 喜雄, 端 晶彦, 石井 知恵, 柏原 賢治, 三俣 昌子, 星 和彦, 須田 耕一, 加藤 良平
    2002 年 41 巻 2 号 p. 83-88
    発行日: 2002/03/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    目的:卵巣癌の腹水細胞診陽性例において, 癌細胞のp53およびp27蛋白の発現と予後との関連性について検討した.
    対象および方法:対象は進行卵巣癌45例で, 5年以上生存の予後良好群18例 (漿液性腺癌9例, 粘液性腺癌3例および類内膜腺癌6例), 5年未満の予後不良群27例 (漿液性腺癌17例, 粘液性腺癌3例, 類内膜腺癌5例および明細胞癌2例) である. 免疫染色は核のみで評価し, 全癌細胞中の陽性細胞の占める割合で表わした.p53は癌細胞数が11%以上を陽性, 10%以下を陰性とし, p27は50%で高陽性と低陽性に分けた.
    結果:P53蛋白は, 漿液性腺癌26例中11例が陰性で, その7例が5年以上生存で予後との関連が認められた (p=0.0091). しかし, すべての組織型でみるとp53蛋白の発現と予後とに有意な関連は認められなかった (P=0.2201). p27蛋白では, その発現と予後とに関連はなかったが, P53と組み合わせると, p53陰性・p27高陽性例で有意に予後が良好であった (p=0.0052).
    結語:腹水中の卵巣癌細胞におけるp53およびp27の発現は, 卵巣癌の重要な予後因子と考えられた.
  • 清水 恵子, 小椋 聖子, 小林 八郎, 豊國 伸哉, 則松 良明, 森谷 卓也, 桜井 幹己
    2002 年 41 巻 2 号 p. 89-94
    発行日: 2002/03/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    目的:子宮内膜細胞診は判定が困難な分野として認識されており, さらに各施設により採取法, 検体処理法, 疑陽性とする細胞診断基準が異なっている.今回われわれは当院に於ける細胞診疑陽性例の判定基準を主体にした検討 (特に構造異型を加味した判定基準に対する検討) を行い若干の知見を得たので報告する.
    方法:1995年5月から2000年9月までの疑陽性例のうち組織診が施行された84件を対象とし, 細胞異型を中心に判定した期間 (期間A) と細胞異型に構造異型を加味して判定した期問 (期間B) の成績の差異について検討した.標本作製法はエンドサイト直接塗抹法で期間BではRPMI液による採取器具洗浄を加えた.
    成績:検討症例84件の組織診断の内訳は期間Aでは良性23件, 増殖症21件, 腺癌7件, 期間Bでは良性11件, 増殖症21件, 腺癌1件であった.検体不良率は, 期間Aでは32.9%, 期間Bでは20%であった.
    結論:細胞異型に構造異型を加味して判定した期間では, 細胞異型を中心に判定した期間に比べて増殖症の正診率が向上し腺癌の疑陽性率は減少した.また, 直接塗抹標本に器具洗浄標本を加えることにより検体不良率の減少がみられた.
  • 岡 俊郎, 石井 保吉, 一瀬 圭子, 峯岸 千佳子, 中島 弘一, 吉川 誠一, 大村 峯夫, 佐藤 伸子, 小田 瑞恵, 藤井 雅彦
    2002 年 41 巻 2 号 p. 95-101
    発行日: 2002/03/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    目的:子宮頸部腺上皮病変の拾い上げを容易にするため, 構造異型に着目し細胞学的解析を行った.
    方法:東京顕微鏡院および東京都がん検診センターで発見された腺異形成3症例, 上皮内腺癌3症例, 高分化型の内頸部型粘液性腺癌 (以下高分化型腺癌) 5症例, 対照10症例を用い, 柵状集塊の核位置の不規則度や細胞の出現形態について検討を行った.
    成績:1) 柵状集塊の核位置の差の平均値±S.D.は, 対照症例で1.9±1.2μm, 腺異形成症例で5.5±3.7μm, 上皮内腺癌症例で8.4±5.1μm, 高分化型腺癌症例で6.7±4.4μmであった.
    2) 柵状集塊の重積層数は, 対照症例で1層~3層, 平均2.3層, 腺異形成症例2層~3層, 平均2.4層, 上皮内腺癌症例2層~6層, 平均3.3層, 高分化型腺癌症例では2層~6層, 平均34層であった.
    3) 出現様式は, 腺異形成ではシート様集塊が多く認められ, 乳頭状集塊や腺腔を有する乳頭状集塊は高分化型腺癌で認められた.
    結論:子宮頸部腺上皮病変の拾い上げには, 柵状集塊の核位置の不規則度や重積性, 細胞集塊の出現形態を詳細に観察することが重要であることが示唆された.
  • 岩渕 やよい, 小田倉 章, 植田 光夫, 稲留 征典, 塩谷 清司, 岡崎 洋雄, 野口 雅之
    2002 年 41 巻 2 号 p. 102-105
    発行日: 2002/03/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    背景:組織学的に肺異型腺腫様過形成atypical adenomatous hyperplasia (AAH) と診断された症例の擦過細胞診標本を作製したので, その細胞所見の特徴を挙げる.また, 核面積に関しての検討を行ったので, 合わせて報告する.
    症例:48歳, 女性.気管支拡張症で加療中, 血疾が出現したため胸部CT検査を施行したところ, 左肺下葉に最大径10mmまでのlocalized-ground glass opacity (l-GGO) を呈する病変が計3つ認められた.AAHないし高分化型腺癌疑いのもと, 1つの病変に対して術中迅速検査が施行され, high-grade AAHと診断された.この際同時に作製した擦過細胞診標本では, 出現細胞は平面的配列を示し, 異型は弱いものの軽度の核腫大と核内封入体の出現を認めた.また, 核面積を測定し正常細胞と比較したところ, 腫瘍細胞の方がやや大きく, 大小不同がみられることがわかった
    結論:今後l-GGO病変に遭遇した場合, 腺癌の可能性について考慮するのみならず, 細胞異型が弱い場合でもAAHの細胞学的特徴を捉え, その可能性を積極的に指摘することが重要であると考えられた.
  • Shotaro MAEDA, Masaru HOSONE, Hironori KATAYAMA, Hiroaki ISOBE, Aimin ...
    2002 年 41 巻 2 号 p. 106-111
    発行日: 2002/03/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    背景:縦隔悪性黒色腫はまれで, これまでに17例の報告をみるが, その中でも無色素性黒色腫はきわめてまれで, これまでに1例の報告をみるに過ぎない.脳転移をきたし, その術中迅速診断に細胞診が有用であった前縦隔無色素性黒色腫を経験したので報告する.
    症例:55歳, 男性.頭頂葉と前頭葉に直径2cmと0.3cmの境界明瞭な円形腫瘤を認めた.前縦隔にも境界明瞭な5×3.5cmの腫瘤がみられた.脳腫瘤の術中迅速組織診では, 紡錘型~ 類円形の異型細胞が多数みられた.未分化癌, 未分化大細胞性リンパ腫も考えらたが, 細胞診では, 核は偏在性で大型の核小体を有し, 核内封入体である, いわゆるアピッツ小体もみられ, またごく一部の細胞にわずかに褐色穎粒を認め, 無色素性黒色腫を疑った. 術後の特染で, フォンタナ・マッソン染色, ビメンチン, S100蛋白, HMB45が陽性で, 電顕でメラノソームも確認され, 無色素性黒色腫と診断した.前縦隔腫瘤摘出術が施行されたが, 灰白色腫瘤で, 細胞組織学的, 免疫組織学的, 電顕的所見は脳腫瘍と同様の所見であり, 前縦隔無色素性黒色腫の脳転移と診断した.
    結論:たとえまれな無色素性黒色腫でも, 細胞所見が広範かつ詳細に観察できる細胞診が術中迅速診断に有用であることを強調したい。
  • 河野 尚美, 山崎 桜子, 周籐 高, 原 正道, 河内 香江, 稲山 嘉明, 中谷 行雄
    2002 年 41 巻 2 号 p. 112-116
    発行日: 2002/03/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    背景:比較的新しい疾患概念であるatypical teratoid/rhabdoid tumor (AT/RT) の1例を経験したので, その細胞像を中心に報告する.
    症例:2歳, 男児. 左上肢筋力低下を主訴に来院した. 頭部CT, MRI検査にて右視床を中心に径約5cmの辺縁不整な腫瘤が認められた. 術中迅速時に作製した捺印細胞Papanicolau染色標本では, 壊死物質, リンパ球を背景に, 明瞭な核小体を認める, 異型の目立つ類円形核を有する, やや大型で, 細胞境界の不明瞭な腫瘍細胞が散在性, 小集塊状に出現していた. 硝子様背景の中に楕円形~紡錘型の異型細胞小血管様構造が混在した大きな集塊もみられた. また, 前者の中に, ライトグリーン好性の細胞質内封入体を有するrhabdoid cellsもみられた. 術後の脳脊髄液中にも, 同様の類円形の異型細胞およびrhabdoid cellsを認めた.
    結論:組織像を反映し, 細胞診でもAT/RTは多彩な像をとっていた. 髄液中のrhabdoid cellsの出現は同腫瘍の診断の決め手になると思われた.
  • 大谷 方子, 芹沢 博美, 清水 亨, 三宅 真司, 片桐 仁子, 小池 悦子, 工藤 玄恵, 海老原 善郎
    2002 年 41 巻 2 号 p. 117-121
    発行日: 2002/03/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    背景:乳腺の紡錘細胞癌はWorld Health Organization (WHO) の分類ではcarcinoma with metaplasiaの一型と考えられている。われわれは経時的に2回の穿刺吸引細胞診を行い, 細胞所見に大きな相違の認められた症例を経験した.
    症例:患者は33歳女性で, 右乳頭より血性分泌物が認められ, 腫瘤を触知するようになった. 第1回目の穿刺吸引細胞診で浸潤性乳管癌と診断されたが放置していた. 2ヵ月後に行われた第2回目の穿刺吸引細胞診では, 肉腫様細胞集塊が主体で, 破骨細胞様の多核巨細胞が含まれていた. 手術標本による病理組織学的検索では, 辺縁部に充実腺管癌を認めたが, 大部分が肉腫様であった. 両者には移行が認められた.
    結論:紡錘細胞癌は予後不良と考えられており, その診断は重要である. しかし, 細胞診では必ずしも, その特徴を反映しているとは限らず, 確定診断は困難であることが多い. さらに同一症例でも採取時の条件により細胞所見に大きな相違が認められる可能性が示唆された.
  • 西本 秀明
    2002 年 41 巻 2 号 p. 122-126
    発行日: 2002/03/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    背景:漿液性腺癌は卵巣癌ではよくみられる組織型であるが, 子宮頸部原発の漿液性腺癌はきわめてまれである. 今回本症例を経験したので報告する.
    症例:症例は35歳, 2経妊2産婦で主訴は性交後出血であった. 術前の細胞診では, 高度の異型を示す癌細胞がみられ, 腺管形成は認められるが, 充実性増殖は不明瞭でendometrioid typeのadenocarcinoma, G1-2に相当と診断された. 生検では, 一部高円柱上皮が乳頭腺管状に増生している部分も認めたが, 大部分は小型立方上皮が主として小充実巣を形成し, 一部表面に微小乳頭状に増生する部もみられ, 子宮体部のendometrioid adenocarcinoma, G3の診断であった. しかし術後の病理組織診断では子宮頸部漿液性腺癌であった.
    結論:Retrospectiveに細胞診, 生検組織診および術後の組織学的診断を検討, 文献的考察も加え報告する.
  • 伊藤 理恵子, 相田 芳夫, 田所 衛, 星川 咲子, 中 英男
    2002 年 41 巻 2 号 p. 127-128
    発行日: 2002/03/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    We report a case of sebaceous carcinoma of the left upper eyelid in a 57-year-old man. Imprint cytology of the tumor revealed large and small clusters composed of large and atypical cells with a high N/C ratio, small and hyperchromatic nucleoli, and well-demarcated small vacuoles in cystoplasm. Histologically, the tumor consisted of irregularly lobules of different sizes. Each lobule consisted of cells exhibiting cytoplasmic vacuolation. Sudan III and sudan black demonstrated the presence of fat within tumor cells.
  • 竹川 義則, 木村 実千明, 榊原 美由貴, 吉井 理子, 澤田 達男
    2002 年 41 巻 2 号 p. 129-130
    発行日: 2002/03/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    Pleomorphic xanthoastrocytoma (PXA) is a benign tumor in the cerebrum of youth whos pathological findings show plemorphism resembling glioblastoma (GB). We present a case of cerebral PXA in a 16-year-old woman demonstrating the usefulness of rapid intraoperative cytology. Cytologically. tumor cells revealed marked pleomorphism with cytoplasmic processes. Vacuolated cells also intermingled among tumor cells. Mitotic figures. necrotic debris, endothelial swelling, and glomeruloid appearance seen in GB were absent. The cytological approach used in addition to histology using frozen section was useful for rapid intraoperative diagnosis, including diagnosis differentiating PXA and GB.
  • 那須 直美, 北村 隆司, 楯 玄秀, 光谷 俊幸, 土屋 眞一
    2002 年 41 巻 2 号 p. 131-132
    発行日: 2002/03/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    We report cytologic features of a pure form of invasive micropapillary carcinoma (IMPC) of the breast in a 66-year-old woman.
    Aspiration cytology of IMPC from resected specimens showed numerous cohesive clusters with an inverted growth pattern and microvilli at the periphery. The lesion resembled a group of islands. Because IMPC has a high potential for lymphatic vessel invasion an awareness of possible IMPC and definite diagnosis before mastectomy are important in disease management.
  • 羽賀 博典, 白瀬 智之, 岩佐 葉子, 林野 文, 中嶋 安彬
    2002 年 41 巻 2 号 p. 133-134
    発行日: 2002/03/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    An 83-year-old woman with vaginal bleeding was found to have a nodule in the vaginal wall but no hypergammaglobulincmia or dysfunction of other organs. Smear cytology showed clusters of giant cells without atypia, and localization of globular amorphous material within cytoplasm. histological examination confirmed an amyloid tumor with a prominent foreign-body giant cell reaction. Since foreign body reaction often characterizes localized amyloidosis and amyloid material itself is difficult to identify in routine staining, multinucleated giant cells serve as a diagnostic clue for diagnosing of localized amyloidosis.
  • 橋本 歳洋, 森村 豊, 山田 秀和, 柳田 薫, 佐藤 章
    2002 年 41 巻 2 号 p. 135-136
    発行日: 2002/03/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    We report the case of a 72-year-old woman with extraovarian serous lary carcinoma (ESSPC). Endometrial cytology showed small numbers o malignant cells with iotracytoplasmic vacuoles. The cytol-ogy smea was not necritic. Physical and imaging of the pelvic cavity showed ormality. Pathological examination of the surgical specimen showed arcinoma infiltrating the surface of the normal sized ovary and sprht the peritoneal surface. The presence of small, clusters of malig thout necrotic background should indicated to need to consider a po terine malignant disease including ESSPC.
  • 2002 年 41 巻 2 号 p. e1
    発行日: 2002年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
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