日本臨床細胞学会雑誌
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41 巻 , 3 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 佐久間 暢夫, 亀井 敏昭, 渋田 秀美, 岡村 宏
    2002 年 41 巻 3 号 p. 145-149
    発行日: 2002/05/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    目的:対象細胞の核数の多少により反応性中皮 (RM), 肺腺癌 (LC) および悪性中皮腫 (MM) の鑑別の可能性を検討する.
    方法:胸水貯留を認める症例43例 (RM13例, LC14例, MMl6例) の胸腔穿刺による胸水検体を対象に,(1) 細胞診標本にて連続300個の細胞の核数を数え, 核数ごとの構成割合を計算した.(2) そのプレパラート上の全細胞を観察し最多核数を調べた.
    成績:(1) 単核細胞の割合はMMが有意に低く, RM (90.0±2.0%), LC (86.4±8.3%), MM (77.2±7.3%) であった. 二核細胞の割合はMMが有意に高く, RM (8.7±1.6), LC (12.5±72), MM (20.1±7.0) であった. 三核細胞が2.0%を越えた症例はすべて悪性胸水であった (LC2例, MM6例).(2) 最多核数は, MMは有意に多く, 特に十核以上の細胞はMMの8例にのみ認めた.
    結論:核数により三疾患を鑑別できる可能性がある.
  • 石原 明徳, 上森 昭, 小山 英之, 中村 豊, 福留 寿生, 田中 浩彦
    2002 年 41 巻 3 号 p. 150-158
    発行日: 2002/05/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    目的:乳腺穿刺吸引細胞診で採取される間質成分を観察し, 診断的意義について検討した.
    方法:原発性乳癌282例, 良性病変218例を対象とした. 穿刺には21ゲージ針を使用し, Papanr colaou染色を行い鏡検した.
    成績:乳腺穿刺吸引細胞診で採取される間質成分は, 1) 線維・基質成分 (fibrous and matrix component), 2) 線維細胞成分 (fibrous cell component), 3) 血管成分 (vascular component), および4) その他 (others)(脂肪細胞, 骨・軟骨, 多核巨細胞など) に分類された. 診断的価値の高い間質パターンは, 弾性線維 (硬癌), 硝子化間質物質 (乳管内乳頭腫), 粘液腫様基質を伴う線維細胞 (線維腺腫),(筋) 線維芽細胞集塊 (浸潤性乳管癌), 血管織性の茎を有する乳頭状集塊 (乳頭癌, 乳頭管状癌, 乳管内乳頭腫), 毛細血管塊 (粘液癌, 慢性乳腺炎) および腫瘍細胞の脂肪細胞間浸潤 (硬癌) であった.
    結論:乳腺穿刺吸引細胞診に観察される問質成分は, 良・悪性の鑑別や組織型推定に有用であった.
  • 奥山 大, 飯島 謙二, 廣島 健三, 石井 源一郎
    2002 年 41 巻 3 号 p. 159-163
    発行日: 2002/05/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    背景:バルトリン腺原発腺癌はまれな腫瘍で, 細胞学的報告は少ない. 今回, バルトリン腺原発と考えられる低分化腺癌の1例を経験したので, その細胞像と鑑別診断を中心に報告する.
    症例:49歳, 女性. 以前から右会陰部に腫瘤を触知したが放置していた.1年くらい前より腫瘤が増大し, 悪性腫瘍が強く疑われたため, 腫瘍切除術が行われた. 術後の組織学 的検索により, 腫瘍はバルトリン腺原発と考えられる低分化型の腺癌であった.
    結論:本症例では, 術前に原発部位ならびに組織型の推定が困難であった. 本腫瘍において早期に原発部位を推定することは治療法ならびに予後においても重要である. 腫瘍の発生部位より, 鑑別すべき疾患を考慮し, 本腫瘍の存在も念頭に置き診断する必要があると思われた.
  • 清川 貴子, 矢作 歩, 鷹橋 浩幸, 池田 奈麻子, 塩森 由季子, 河上 牧夫
    2002 年 41 巻 3 号 p. 164-170
    発行日: 2002/05/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    背景:子宮頸部神経内分泌腫瘍 (neuroendocrine tumor of the uterine cervix: NTUC) はまれな腫瘍であるが, その細胞像の報告の多くはsmall cell carcinoma (SmCC) に関するものである. SmCC以外のNTUCについて細胞像を中心に検討した.
    症例:3例のNTUCで, 2例はlarge cell neuroendocrine carcinoma (LCNC), 1例はatypical carcinoid tumorである. いずれも上皮内腺癌を, さらに後者では上皮内癌を合併していた. 3例とも初回の子宮頸部擦過細胞診陽性であったがNTUCとは特定できず, 生検ではじめてその存在が確認された. 組織像との比較により2例のLCNCでは細胞診中の悪性細胞の主体はNTUC由来と考えられた. 子宮頸部LCNCの細胞像の特徴は: 1) 背景には壊死を認める, 2) 腫瘍細胞は不規則な重積性を有する集塊, file状, または孤立散在性に出現し結合性は緩やかである, 3) 集塊の辺縁には核の突出を認めることがある, 4) 腫瘍細胞のN/C比は高く核はリンパ球の3倍から6倍, 円形から類円形である, 5) クロマチンは細から粗か粒状で増加し明瞭な核小体を1から数個有する, 6) 細胞質は比較的狭くライトグリーン淡染性で細胞境界は不明瞭であるが裸核状のこともある.
    結論:細胞診におけるNTUCの診断にはSmCC以外の亜型の特徴も理解しその存在を疑うことが重要であると考える.
  • 梅澤 敬, 野村 浩一, 春間 節子, 山口 裕, 安田 允, 福永 真治
    2002 年 41 巻 3 号 p. 171-174
    発行日: 2002/05/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    背景:子宮体部原発の神経内分泌性小細胞癌 (neuroendocrine small cell carcioma: 以下NSCC) の1例を経験したので報告する.
    症例:51歳, 女性.7ヵ月持続の不正出血を主訴に当院を受診となった. 内膜擦過細胞診では, 裸核状の小円形腫瘍細胞がロゼット様構造, 索状配列で出現していた.クロマチンは粗顆粒状に分布し核小体は不明瞭であった. 以上よりClass V, NSCCの推定のもと, 広汎子宮全摘術が施行された. 組織学的には小型腫瘍細胞がロゼット形成, リボン状配列, 充実性に増殖し, 一部で肉腫様変化を示していた. Grimelius染色陽性, 免疫組織化学的にはcytokeratin (CAM52), epitheliamembrane antigen, synaptophysin, chromogranin A, neuron-specific enolase陽性であった.
    結論:上記の特徴的な細胞形態より細胞診によるNSCCの推定は可能である.
  • 香田 浩美, 則松 良明, 和仁 洋治
    2002 年 41 巻 3 号 p. 175-179
    発行日: 2002/05/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    背景:われわれは, 内膜細胞診にてmoruleが認められた高分化型類内膜腺癌2症例を経験したので, 細胞像を中心に報告する.
    症例:それぞれ38歳と35歳の女性で, 2症例とも細胞所見として,(1) 充実性で結合が強い細胞集塊が多数出現した,(2) それらの細胞核は, 類円~紡錘形で異型性に乏しく均一で, 配列に極性が認められ, 細胞質は境界不明瞭であった,(3) 扁平上皮化生と隣接する部分があった,(4) 背景に孤立散在性異型細胞や核分裂像, 壊死が認められなかったことより, moruleの存在を推測することができ, 低分化型類内膜腺癌細胞や, 内膜間質細胞との鑑別は比較的容易であった.
    結論:子宮内膜腺細胞が種々の環境下にさまざまな化生変化を起こすことが知られており, それらが子宮内膜増殖症, あるいは類内膜腺癌と合併することもしばしばある. moruleの形態, 性状を熟知した上で, 内膜腺の異型性に注目して内膜間質細胞との鑑別をすること, また低分化型腺癌成分と過大評価, 誤診しないことが肝要と考える.
  • 沼田 奈々, 相田 芳夫, 星川 咲子, 中 英男, 田所 衛, 小林 陽一, 斎藤 馨, 石塚 文平
    2002 年 41 巻 3 号 p. 180-185
    発行日: 2002/05/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    背景:便秘症のカルチノイド症候群を呈した卵巣甲状腺腫性カルチノイドの1例を経験し, その腫瘍発生の検索のために二重染色による免疫組織化学的な検索を行った.
    症例:48歳, 女性. 画像診断で右卵巣に手拳大の腫瘤を認め, 成熟型奇形腫が疑われ摘出手術を施行し, 甲状腺腫性カルチノイドと診断された. 捺印細胞像では, コロイド様の無構造物質を背景に, 腫瘍細胞はシート状集塊または散在性, 一部濾胞構造, 腺管様構造, 索状配列を示していた. 細胞は比較的小型の類円形から円柱形で, 細胞質はレース状ないし顆粒状でライトグリーンに淡染し, 核は類円形, 核縁は薄く, クロマチンは軽度増量し, やや粗顆粒状で均等分布していた. 組織学的に腫瘍はカルチノイド, 甲状腺腫およびそれらの移行部分から構成されていた. 免疫組織化学的に移行部分はthyroglobulin, chromogranin A両者に陽性を示した.
    結論:本例の診断に大切なことは, カルチノイドに特徴的な細胞所見と, 甲状腺腫としてのコロイドを含む濾胞構造に着目したことであった. また免疫組織化学的染色結果から, 本腫瘍発生は, 腫瘍細胞が多分化能を持っていることと密接な関係があると考えた.
  • 仙崎 英人, 萩本 美都子, 池谷 武彦, 大原 真由美, 圦 貴司, 清塚 康彦, 螺良 愛郎
    2002 年 41 巻 3 号 p. 186-189
    発行日: 2002/05/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    背景:前立腺類内膜癌はまれな腫瘍で, その細胞像に関する報告はわずかにしかみられない. 今回われわれは, 尿中に出現した本腫瘍細胞を観察することができたので報告する.
    症例:58歳, 男性. 肉眼的血尿と尿閉を主訴に大阪府済生会中津病院を受診. 膀胱エコーと膀胱鏡で膀胱頸部から前立腺尿道部, 精丘部にかけて絨毛状腫瘤を認め, 入院となる. 術前の尿細胞診では, カテーテル尿から採取された材料であることもあり, 悪性とは診断しえなかった. しかし, 前立腺癌の膀胱浸潤が疑われ, 経尿道的腫瘍切除術を施行. 組織学的に前立腺類内膜癌と診断され, 免疫組織学的にも腫瘍細胞はprostatic specific antigen (PSA), prostatic specific acid phosphatase (PSAP) に陽性であった. 細胞診標本を再検討すると大小さまざまな乳頭状あるいは平面的, 一部柵状配列を示す細胞集団がみられ, 個々の細胞は高円柱状で卵円形の偏在核を有し, 核クロマチンは顆粒状で, 核小体を認めるものはごくわずかであった. なお, これら細胞もPSA陽性であることを確認した.
    結論:尿中に乳頭状や柵状配列を示す細胞集団をみた場合, 前立腺類内膜癌の可能性も鑑別診断として認識しておくことが重要と考えられる.
  • 佐藤 和歌子, 相田 芳夫, 佐藤 嘉洋, 小俣 芳彦, 白井 正弘, 大沼 繁子, 竹内 英子, 田所 衛
    2002 年 41 巻 3 号 p. 190-193
    発行日: 2002/05/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    背景:トルコ鞍上部に発生する傍神経節腫はきわめてまれである.
    症例:59歳, 男性. 左四肢脱力感, 眩暈, 冷汗のため搬送入院となった. 頭部CTおよびMRI検査でトルコ鞍隔膜部から前頭蓋底部の腫瘤を認め, 髄膜腫の臨床診断で腫瘍摘出術を行った. 捺印細胞診ではきれいな背景に弱い結合性を示す腫瘍細胞がシート状ないし散在性に出現していた. 腫瘍細胞は比較的広い細胞質を有し, 細胞境界は不明瞭で, 核は円形~類円形で大小不同を示した. 組織学的に腫瘍は多角形細胞の蜂巣状ないし島状配列からなり, Glimelius, Fontana-Masson, NSE, S-100蛋白, chromogranin A, synaptophysin陽性を示した. また, 電顕像では神経内分泌顆粒に相当する構造物を認めた.
    結論:傍鞍部発生の傍神経節腫はまれではあるが, 本腫瘍の存在も念頭におく必要があると思われる.
  • 西谷 巌
    2002 年 41 巻 3 号 p. 196-200
    発行日: 2002/05/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    目的:子宮頸部早期癌およびその前段階病変の擦過, 塗抹, Papanicolaou染色標本上の異形細胞および異常細胞をマークしてFluorescence in situ hybridization (FISH法) を行い, 染色体No.1とNo.17のprobeによって問期核のcopy数を算定した.
    方法:病理組織学的に診断されたCIN (cervical intraepithelial neoplasia) I 9例, CIN II 12例, CIN III 14例, CIS (Ca. in situ) 14例およびMIC (micro invasive carcinoma) 12例の細胞標本に対してPapanicolaou染色後, FISH法を行い, 蛍光顕微鏡下でcopy数を算定した.
    成績・結論:(1) Papanicolaou染色標本上で細胞異型の高度な細胞は, 明らかな1番および17番染色体のcopy数の異常を示し, 組織診断とも高い相関をもつことが確認された.
    (2) 染色体数の減少を示すmonosomyは, 癌化過程の早期すなわち高度異形成の段階から出現した.
    (3) Ca. in situ以上の段階でcopy数5個以上のaneusomyが出現した.
    (4) 中等度異形成のcopy数異常の出現頻度は低く, 軽度異形成とともに良性病変の段階である.
    (5) FISH法の細胞診への応用は, 染色体数異常細胞の検出にきわめて有用であり, 境界病変細胞の計量化, 客観化をもたらすと考えられる.
  • 林 玲子, 蔵本 博行
    2002 年 41 巻 3 号 p. 201-208
    発行日: 2002/05/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    目的:子宮内膜細胞診疑陽性のなかには内膜増殖症や内膜癌の他, 器質的異常のないものが多数含まれる. そこで内膜細胞診疑陽性例のうち機能性子宮出血例標本を再鏡検して疑陽性所見を解析した.
    方法:内膜細胞診疑陽性365例中, 1年以内の組織診で器質的病変が除外できた機能性子宮出血87例の細胞診標本を分析した. その際, 複雑型子宮内膜増殖症で出現しやすい12項目およびホルモン環境, 修復細胞・化生・炎症等に留意した.
    成績:(1) 疑陽性例の60.5%は器質的異常を認めず, 37.0%が機能性子宮出血例であった.(2) 87例の機能性出血例標本の再鏡検後, 747%は陰性, 25.3%は疑陽性と判定した.(3) 複雑型子宮内膜増殖症で出現しやすい項目は疑陽性群の22.7%では8項目以上が出現し, 陰性群では全例4項目以下であった.(4) 陰性群で認めた疑陽性所見の由来は, 内膜周期性変化 (37.0%), ホルモン異常 (39.9%), 修復細胞・化生・炎症等 (23.1%) であった.
    結論:内膜細胞診疑陽性の37.0%を占めていた機能性出血例は, ホルモン環境・修復細胞・化生等の把握により74.7%の疑陽性を減少させ得ることが示唆される一方で, 25.3%は複雑性子宮内膜増殖症と鑑別不可能であった.
  • 前田 昭太郎
    2002 年 41 巻 3 号 p. 209-215
    発行日: 2002/05/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    20世紀における細胞診断学の進歩はめざましく, 先駆者の努力により細胞診が補助診断法といわれた時代に終わりを告げ, 現在では境界病変の診断まで細胞診で行われるようになった. しかし, 境界病変に関しては, 前癌病変との関係を含めてその定義が必ずしも明確ではなく, したがって臓器によっては境界病変の細胞診断に難渋することが多い.
    そこで, 1) 境界病変の概念, 2) 諸臓器における境界病変の問題点などを明確にし, 細胞診断学としてコンセンサスが得られる境界病変の診断基準を確立しなければならない.
    そのためにも画像診断, 免疫細胞化学, DNA量測定, 分子生物学的検索などあらゆる手段が駆使され, 21世紀初頭には諸臓器の境界病変~前癌病変の本態が解明され, これら病変に対して細胞診断学としての診断基準が確立される事を期待したい.
  • 森谷 卓也
    2002 年 41 巻 3 号 p. 216-224
    発行日: 2002/05/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    近年の画像診断の発達により非浸潤性乳管癌 (DCIS) の頻度が増している.細胞診の判定は浸潤癌と同様で, 注意深く観察すればDCISの可能性を疑うことも可能である.一般に正診率は浸潤癌に比して低く, 異型が弱い症例が多いことや細胞採取量が少ないためと考えられる.DCISは核異型度, 構築, 壊死により亜型分類され, 細胞像もこれを反映する.次に, 異型乳管過形成 (ADH) は, 低悪性度DCISの組織診断基準の一部を満たすがこれを完全に満たしていない病変で, 通常2mm未満の微小病変である.細胞診では陰性または疑陽性と判定される.超音波等のガイド下で細胞が採取されるが, 微小病変でサンプリングに問題が残る.また, 良性の乳管上皮過形成, 異型を伴う病変 (ADH), DCISまで乳管内腔に上皮が増生する病変を総称し乳管内増殖性病変という概念も提唱されている.細胞診ではカテゴリー毎の細胞像の特徴も明らかにされつつあり, スコア化も試みられている.今後は, 各疾患の生物学的特性をさらに明らかにするとともに, 針生検法との併用, 乳房温存手術の断端に出現した場合の細胞診による判定の意義などについても検討が必要である.
  • 長村 義之, 伊藤 仁, 梅村 しのぶ, 安田 政実, 竹越 進, 梶原 博
    2002 年 41 巻 3 号 p. 225-229
    発行日: 2002/05/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    細胞診領域では体腔液における免疫組織化学の有用性が高く, 積極的に応用されている.ここでは特にケラチン7と20を用いた癌の鑑別診断について概説した.In situ hybridizationはHPVのサブタイプの判別に必須となっているが, 組織診だけではなく細胞診領域においても応用されている.最近Tissue MicroarrayやLaser Capture Microdissection法という画期的な技法が開発されている.Tissue Microarrayは既存のパラフィンブロックから目的とする部分をサンプリングし, 1個のパラフィンブロックに多数の小さい組織を配列する技法である.この切片を用いることにより一度に多数の組織, 症例について解析することが可能である.Laser Capture Microdissection法は標本上から目的とする特定の組織, 細胞のみを採取することができる.また, 近年, HerceptinというHER2/neuに対するヒト化モノクローナル抗体がHER2/neuの過剰発現を示す乳癌患者に投与すると癌が縮小するということで話題をよんでいるが, その場合の治療適応患者の選定に免疫組織化学あるいはFISHが施行される.めざすものはTailormadeMedicineであり, これからの細胞診は遺伝子診断との融合ということが重要となってくるであろう.
  • 鎌沢 俊二, 板持 広明, 金森 康展, 紀川 純三, 寺川 直樹
    2002 年 41 巻 3 号 p. 230-231
    発行日: 2002/05/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    We report a case of a 69-year-old woman with endometrial mucinous adenocarcinoma distinguished histochemically from clear cell adenocarcinoma and anatomically from endocervical adenocarcinoma. Endometrial cytology showed papillary shaped tumor cell clusters and bubbles in cytoplasm.
  • 保坂 直樹, 小川 勝, 松本 敏夫, 大垣 日登美, 池原 進
    2002 年 41 巻 3 号 p. 232-233
    発行日: 2002/05/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    We report a rare case of rosette-forming thymoma. Imprinting cytology specimens from the tumor showed tumor cells arranged in small clusters with radial fibrous bands on their surface. These cells also showed epithelial cells without cellular atypia. These cytological findings were helpful in distinguishing this tumor from a carcinoid tumor or thymic cancer. Although 2 years have passed since surgical resection, the patient is mostly well and has no tumor recurrence. To our knowledge, this is the first report on cytological figurs in a tumor.
  • 梶原 崇恵, 柴 光年, 石川 明, 鴻池 克寛, 藤澤 武彦
    2002 年 41 巻 3 号 p. 234-235
    発行日: 2002/05/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    We report a case of tongue cancer found by sputum cytology in mass screening. Atypical squamous cells were detected in a sputum cytology specimen from a 70-year-old man. After 2-year follow-up with sputum cytology. a lesion was found and diagnosed as poorly differentiated squamous cell carcinoma of the tongue. Compared to lung cancer, cancer cells of the tongue showed more frequent bizarre squamous cells. Glassy cytoplasm of orangephilic cells was common and nuclear chromatin of light green cells was fine. Sputum cytology is thus effective in diagnosing tongue cancer and lung cancer or pharyngeal cancer.
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