日本臨床細胞学会雑誌
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43 巻 , 6 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
  • 明石 静香, 中塚 裕之, 森川 政夫, 住吉 一浩, 栗栖 義賢, 安田 恵美, 江頭 由太郎, 芝山 雄老
    2004 年 43 巻 6 号 p. 357-362
    発行日: 2004/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    目的:乳癌の細胞診標本からのhuman epidermal growth factor receptor 2 (HER2) 蛋白発現の検出の可能性, 抗原賦活化の必要性および判定基準を検討した.
    方法:浸潤性乳管癌 (35例) の腫瘤の中心部を捺印した細胞診標本 (95%アルコール固定) とそれに対応する部の組織標本 (20%ホルマリン固定後パラフィン包埋) を作製し, Hercep Testに準じてHER2蛋白免疫染色を行った. 細胞診標本では, 抗原賦活化群および非賦活化群を作製した. 発現判定にはHercep Testに準じた質的判定およびそれを改良した量的判定 (量的に優勢なスコァをもって判定) を用いた. それぞれの細胞診標本のスコアと組織標本のスコアとの相関を検討した.
    成績:抗原賦活化の有無および判定方法にかかわらず, 細胞診標本のスコアと組織標本スコアとの間には有意の相関が認められた. 特に, 抗原非賦活化群の細胞診標本について量的判定を行って得られたスコアは組織標本のスコアに最も近似していた.
    結論:HER2蛋白発現の検出は細胞診標本においても可能であり, 特に抗原非賦活化標本の量的判定結果が組織標本の判定結果に最も近似していた.
  • 河野 公成, 宮山 東彦, 有馬 信之, 西村 令喜, 馬場 敏夫, 島本 浩二, 松本 律男, 梅田 かおり
    2004 年 43 巻 6 号 p. 363-369
    発行日: 2004/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    目的:乳癌における術中迅速センチネルリンパ節 (sentinel lymph node: SLN) 捺印細胞診への免疫細胞化学 (immunocytochemistry: ICC) 併用の有用性を検討した.
    方法:2003年6月から2004年2月までのICCを併用した術中迅速SLN捺印細胞診134例を対象に, 迅速組織診断, 永久標本ならびに免疫組織化学 (immunohistochemistry: IHC) との成績を比較した.
    成績:永久標本におけるSLN転移陽性は37例 (HE・IHCともに陽性28例, IHCのみ陽性9例) で, そのうち細胞診陽性はPapanicolaou (Pap.) 染色のみが29例であったが, ICC併用により33例となり, 感度は78. 4%から89. 2%と向上した. 残り4例はmicrometastasis症例であった. また永久標本でのSLN転移陰性は97例で, その内細胞診陰性は94例, 特異度は96. 9%であった. 残り3例はPap. 染色では疑陽性だったが, ICCにて全例陽性を呈しmicrometastasisの可能性が示唆された.
    結論:孤在性の癌細胞や小型で異型性の乏しい癌細胞など, 洞組織球との鑑別を要す場合でも習熟すればPap. 染色だけで十分だが, ICCを併用することで明らかな精度向上が認められる. 特に永久標本で確認されたmicrometastasis11例中7例をICCで検出できたことより, ICC併用はSLNの術中迅速診断に有用と考える.
  • 多田 慶子, 三井 邦洋, 三田 明子, 佐野 仁勇, 中村 宣生, 森山 正敏
    2004 年 43 巻 6 号 p. 370-375
    発行日: 2004/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    背景:前立腺癌の経過観察中に神経内分泌癌が尿中に出現した2例を経験したので報告する.
    症例:1) 70歳, 男性, PSA高値で針生検を施行. 低分化腺癌と診断され, 病期B2でホルモン療法によりPSA値は正常化した. その2ヵ月後排尿障害が出現し, 尿細胞診が陽性となり生検で神経内分泌癌と診断された. 膀胱・精嚢浸潤あり, 放射線療法を行うも肝・骨転移あり全経過約1年で死亡.
    2) 74歳, 男性, PSA高値で針生検を施行. 中分化腺癌と診断され, すでに精嚢浸潤, リンパ節転移あり病期D1と判定されたが, ホルモン療法が奏効し腫瘍は縮小, PSAは正常化. 4年後に再発し尿細胞診が陽性となり, 生検で神経内分泌癌と診断された. 放射線・化学療法が奏効し, 神経内分泌癌と診断されてから5年後の現在再発を認めていない.
    細胞像は2例とも同様所見で, 腫瘍細胞はN/C比が大きく, ときには裸核状で, 孤立散在性, 一部インディアンファイル状配列を認め, 対細胞や木目込み状配列がみられた. クロマチンは濃縮状あるいは微細顆粒状に増量を示した.
    結論:前立腺癌の経過中における尿細胞診で小型異型細胞が観察される際には, 腺癌細胞の神経内分泌細胞への分化も念頭におき, 核所見・配列の特徴を見落とさないことが重要と考えられた.
  • 青名畑 美幸, 中山 崇, 豊田 善成, 仲宗根 克, 瑞慶覧 陽子, 酒々井 真澄, 吉見 直己
    2004 年 43 巻 6 号 p. 376-379
    発行日: 2004/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    背景:明細胞髄膜腫は, 通常の髄膜腫と好発年齢および部位が異なるまれな亜型である. 脊髄に好発し, 髄膜との癒着が乏しい例では神経鞘腫などとの鑑別が困難である.
    症例:患者は17歳, 女性. 7ヵ月前より左腰部痛出現し, 画像上, 腰部硬膜内に腫瘍を指摘され, 切除術を施行された. 腫瘍はグリコーゲンを有する淡明な細胞質と異型性の乏しい核をもつ細胞からなり, 小塊状の膠原線維が散在し, 不明瞭なwhorl形成が認められることから明細胞髄膜腫と診断された.
    結論:術中所見でも馬尾神経との関係が強く, 神経鞘腫との鑑別が困難であったが, 術中細胞診により髄膜腫と診断することができ, 有用であった.
  • 岡崎 哲也, 古谷津 純一, 竹田 桂子, 中村 博, 簾藤 紘子, 山崎 滋孝, 鈴木 不二彦, 石 和久
    2004 年 43 巻 6 号 p. 380-385
    発行日: 2004/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    背景:中枢性神経細胞腫central neurocytoma (以下, CN) は, 比較的新しい概念の腫瘍で細胞診の報告例はいまだ少ない. 今回われわれは, 右側脳室に発生したCNを経験したので, 術中の捺印および圧挫処理標本の細胞像を中心に報告する.
    症例:患者は28歳男性で, 頭部打撲にて救急外来を受診した. 頭部CTで右側脳室に石灰化を伴う腫瘍を認め, MRIでは腫瘍内部に嚢胞を伴っていた. 術中捺印細胞診標本で, 腫瘍細胞はライトグリーン淡染性の線維性物質を背景に, 散在性あるいは結合性の緩い細胞集塊としてみられ, 一部ではロゼット様の細胞配列を示していた. また, 核周囲が明るく抜けた細胞質を有する細胞境界明瞭な細胞も一部にみられた. 術中の組織所見では, エオジン淡染性の細胞質と均一な円形~類円形核を有する腫瘍細胞を認め, 細胞境界は不明瞭であった. 術中の細胞・組織所見と臨床所見からCNが疑われ, 術後の組織および免疫染色所見と電子顕微鏡的検索からCNと診断した.
    結論:CNの術中迅速診断において, 細胞診を併用することで, 凍結切片標本では捉えることのできない所見を得ることができた. これらの細胞学的所見に加え, 組織所見と臨床所見を考慮することによって, CNの術中迅速診断が可能になると思われた.
  • 舎利弗 都々子, 野村 浩一, 長岡 豊, 原田 徹
    2004 年 43 巻 6 号 p. 386-389
    発行日: 2004/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    背景:神経内分泌分化を示す乳癌には種々の組織型の腫瘍が含まれているため, その細胞学的特徴も十分確立されていない. 今回, カルチノイド様構造を示す乳腺神経内分泌癌を経験したので報告する.
    症例:64歳, 女性. 背部痛を主訴として当院循環器科を受診していた. CT検査, 超音波検査で右乳腺腫瘤を指摘された. 穿刺吸引細胞診では大型~小型細胞集塊や孤在性細胞が多数認められた. 大型集塊では細胞の柵状配列を示し, 小型集塊では流れるような配列を示していた. 細胞は円柱状~紡錘形で, 紡錘形~楕円形核, 顆粒状クロマチン, ライト緑淡染性細胞質を有していた. 明らかな二相性はみられなかった. 細胞診断は鑑別困難で腫瘍摘出術が施行された. 腫瘍は26×19mmで, 組織学的にはカルチノイド腫瘍に類似した, 胞巣状, リボン状, 索状, 管状の腫瘍細胞の増生がみられた. Grimelius染色で好銀性顆粒が認められ, 免疫組織化学的にchromogranin A, synaptophysinが陽性であった. 結論:乳腺穿刺吸引細胞診で紡錘形~楕円形核を有する円柱状~紡錘形細胞が柵状配列や流れるような配列を示す場合は, カルチノイド様構造を示す神経内分泌癌も考慮する必要がある.
  • 後藤 牧子, 亀 セツ子, 及川 和子, 佐藤 三枝子, 大友 圭子, 小沢 信義, 一迫 玲, 森谷 卓也
    2004 年 43 巻 6 号 p. 390-396
    発行日: 2004/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    背景:子宮頸部原発の悪性黒色腫は非常にまれな腫瘍である. 今回われわれは, 当初メラニン色素が目立たず, 平滑筋肉腫類似の形態を示した子宮頸部悪性黒色腫を経験したので報告する.
    症例:66歳, 女性. 子宮癌検診で頸部細胞診クラスIV (上皮内癌または微小浸潤癌疑い) だが, 組織診で悪性所見を認めず, 直後と6ヵ月後に施行された細胞診の再検査でも陽性像は得られなかった.1年後の再検査でクラスV (平滑筋肉腫疑い), 腟に異常がないが頸管キュレットで悪性黒色腫と診断され, 子宮全摘+両側附属器切除+骨盤リンパ節郭清が行われた. 摘出標本の病理組織検査では子宮頸部の悪性黒色腫で, その一部はメラニンが乏しく平滑筋肉腫に類似していた. 手術時よりリンパ節転移があり, 術後化学療法を行ったが, 腟断端および骨盤内に転移巣が出現し, 腹水貯留を伴い術後1年8ヵ月で死亡した.
    結論:子宮頸部原発悪性黒色腫はまれな腫瘍だが, メラニン色素が目立たず, 細胞形態や免疫組織化学的態度を含めて平滑筋肉腫類似を示す症例もあり, 鑑別上も注意が必要である.
  • 鴨下 詠美, 新井 努, 金井 督之, 渡辺 純, 横山 大, 上坊 敏子, 蔵本 博行
    2004 年 43 巻 6 号 p. 397-402
    発行日: 2004/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    背景:腎細胞癌の子宮転移はきわめてまれである. 今回, 術後11ヵ月で子宮転移をきたした腎細胞癌の1例を経験したので, 子宮原発腺癌との鑑別を含め報告する.
    症例:62歳, 1経妊1経産. 顆粒細胞癌, 淡明細胞癌の2つの組織型からなる腎細胞癌の術後11ヵ月経過したところで, 不正性器出血を主訴に受診.内膜細胞診では,(1) 出血性だが壊死性ではない,(2) 正常萎縮内膜細胞とともに,(3) 孤立性または大小の集塊を形成して異型細胞が出現,(4) 異型細胞は大型で細胞質は豊富, 顆粒状で細胞境界は比較的明瞭,(5) 核は大型で, 微細顆粒状のクロマチン, 1, 2個の明瞭な核小体を有していた. 以上の所見, また既往歴から細胞診では腎細胞癌の転移と診断した. 摘出子宮では, 筋層に広範囲に顆粒細胞癌の浸潤を認め, 内膜面は正常萎縮内膜であった. 免疫染色でCD10が陽性であり, 腎細胞癌の子宮転移と診断した.
    結論:腎細胞癌の子宮転移の細胞所見は内膜の明細胞腺癌に比し, 背景がきれいなこと, 顆粒状細胞質を有することが特徴である. CD10の免疫染色は子宮内膜原発の明細胞腺癌との鑑別に有用である.
  • 長谷川 壽彦, 大野 英治
    2004 年 43 巻 6 号 p. 403
    発行日: 2004/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 都竹 正文, 元林 宏子, 福留 伸幸
    2004 年 43 巻 6 号 p. 404-409
    発行日: 2004/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    わが国における細胞検査士養成の歴史は, 1962年に日本臨床細胞学会の前身である婦人科医を中心とした細胞診研究会が故増淵一正先生, 故水野潤一先生を核にして研究集会が持たれるようになったのがはじまりである.1965年に日本母性保護i医協会 (日母) が「女性を人工妊娠中絶の害から守ろう」という運動を,「女性を癌から守ろう」という運動にするようキャンペーンの変更を打ち出した.その方策として細胞診を導入した子宮癌の集団検診を実施することとなった.実際にスクリーニングに携わる十分な数の細胞診技師 (細胞検査士) の養成が急務となってきた.1966年に細胞診技師の養成 (3週間コース) が日本臨床病理学会と日本臨床細胞学会の共催で開始された.1968年に6ヵ月間の養成コースが癌研究会附属病院 (以下: 癌研) と大阪府立成人病センター (以下: 大阪成人病センター) で開始された.その後, 1978年には東京都がん検診センター (現東京都多摩がん検診センター: 以下多摩がん) が加わった.各施設での名称は, 癌研と多摩がんは「細胞診スクリーナー養成所」から「細胞検査士養成所」に, 大阪成人病センターは「細胞診スクリーナー養成講習」から「細胞検査士養成講習」と1997年に改称され, 現在に至っている.4年制大学としては, はじめて1982年に杏林大学保健学部に開設された.1985~1992年の8年間には藤田保健衛生大学短期大学専攻科・衛生技術専攻で開講されていた.1994年に北里大学医療衛生学部に, また, 1999年には国立大学としてははじめて群馬大学医学部保健学科に, さらに2001年に山口大学医学部保健学科に開設された.今後, さらに4年制大学での細胞検査士養成教育が開設される予定である.
  • 飯島 淳子, 服部 学, 吉田 朋美, 尾野 緑
    2004 年 43 巻 6 号 p. 410-414
    発行日: 2004/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    わが国の4年制大学における細胞検査士 (Cytotechnologis, CT) 教育は1982年に杏林大学保健学部に, 1994年北里大学医療衛生学部に開設された.わが国のCTは特殊臨床検査技師として位置づけられていることから, 当初CT認定試験は大学卒業後臨床検査技師 (Medical technologist, MT) 資格を取得した後に臨んだ.その後1997年の認定試験より卒業見込みで認定試験の受験が可能となり, CTとして社会で活躍できる環境が整った.CT認定試験合格率の大幅な向上・CT有資格での就職は即戦力となり, 病理細胞診の実務に就くことも可能となった.このように大学における一貫教育の効果は高いものと思われる.さらに国立大学においても4年制に移行するにあたりCT教育の原動力となった.1999年群馬大学, 2002年山口大学がCT教育を開始している.
    教育は1年次からの一貫教育を行っている.しかしMT教育に膨大な時間が費やされ, CT教育にゆとりがないのが現状である.一方CTの需要はますます高まるものと思われる.より効果的な教育制度の確立が期待されるなか, MTとは独立した専門職として社会的に認知される必要性を感じる.
  • Shirley E. Greening
    2004 年 43 巻 6 号 p. 415-421
    発行日: 2004/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    アメリカにおける細胞診断教育 (Cytotechnology Education) は, 従来の形態を中心としていた細胞検査士 (Cytotechnologist) 養成から, 新技術に基づく細胞科学者 (Cell Scientist) 養成への転換期を迎えている.
    細胞診断教育の将来を予測するには, はじめに現状の教育を考えることが必要である. 現在, 46の教育プログラム (EP) が稼働している. 教育期間は11~24ヵ月, 教育機関は大学および病院検査室が半ばしている. 18のEPは学士が入学条件で, 2つのEPは卒業で修士称号を授与している. 授業料は無料から年2万ドル以上と幅がある. なお, 卒業後の年収は, 4万~6万ドルである. 年間の卒業生数は, 02年が250人で, 細胞検査士の充足度は十分でない.
    EPの信頼性を保証するために, すべてのEPはAme. Soc. ofCytopathologyとCAAHEPで標準を満たしているかの検討がなされる. この認証を得ることは, 授業料の補助から就職に関係するので, 大切なことである. EPは年次報告を行わなければならないが, 国家資格試験の合否や就職状況まで含んでいる.
    最近の教育傾向は, 従来の内容に加えてDNA診断やフローなどの新技術を教えている. Jefferson大学では学生に組織診断も教育している.
    細胞検査所は, 公の資格取得者を雇うようにしており, アメリカ政府も検査所で業務を行う者は認定された学校の卒業生が条件と規定している. 検査所運営にあたり, 検査所および細胞検査士についての規制がある. 細胞検査士は婦人科の陰性症例を報告できるが, 反応性の細胞変化以上は病理医の判断を仰ぐとしている. 1日100枚以上の検鏡を禁じ, さらに検鏡時間とその数の記録を義務づけている. 非婦人科症例は, 全例病理医の判断を求めている.
    スクリーナーの仕事から始めて, 経験を積むに従い能力や興味により管理, 研究や営業を主体に行う者もいる. 検査所を開設したり細胞診の教育を専門とする者もいる.
    次に将来像について述べる. 当然, 時代の要請と技術革新で細胞検査士の在り方が変化しなければならない. 検査所によっては, 細胞検査士にスクリーニングでの効率と経済面での貢献のみを求めるが, 一般に, 現在の現場ではより幅広い分野での教育が望まれている. 教育機関としては, その要望に応えようとして分子生物学や細胞診自動化等を含めてさまざまな取り組みを実践している.
    Ame. Soc. of Cytopathology's Education Task Force (2001) は, 細胞検査士が取得すべき事項の再評価を実施した. 細胞検査所の役割の設定や細胞教育者養成戦略の展開などの目標を定めた. この目標を達成するためには, 遠隔での教育, バーチャル顕微鏡, 免疫組織化学や分子生物学的診断等の教育を取り入れなければならない.
    現実問題として, 細胞や組織の形態学診断は必要事項であるが, 一方で新技術についても徐々に取り上げていく方向が必要である. この新技術の習得を通して, 真の細胞科学者になるし, また, そのような状態になれば細胞検査士もさらに充実した職種に変わっていける. 新しい細胞科学者像の完成は, 教育施設のみでは行いがたく, 資格認定試験やEPの再考等で行わなければならない.
    細胞診業務は, 経済面, 法的面や各種の規制等に影響を受ける. 短期的には形態診断の必要性を認めるが, 長期的には新技術が一般化することが予想できるので, 教育の場に取り入れなくてはならないことに疑問の余地はない.
  • 椎名 奈津子
    2004 年 43 巻 6 号 p. 422-425
    発行日: 2004/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • Edmund S. Cibas
    2004 年 43 巻 6 号 p. 426-428
    発行日: 2004/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 根本 則道
    2004 年 43 巻 6 号 p. 429-433
    発行日: 2004/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    日本臨床細胞学会は細胞診指導医 (含む専門医・指導医) の認定を行っている.今日, 医療現場における細胞診の有用性については改めて述べる必要はないと思われる.一方, 細胞診に関する社会一般の認識については決して十分とはいえない.本稿においてはわが国おける細胞診従事者, 細胞診専門医・指導医の現状, 専門領域別背景, 認定試験の受験資格, 現行の試験制度の問題点, 認定試験受験者数ならびに合格率の推移, 認定試験のあり方について述べた。現在日本臨床細胞学会認定の専門医・指導医の登録実数は1840名, 同細胞検査士5479名 (2003年4月現在) で専門医・指導医: 検査士の割合はおよそ1: 3である.専門医.指導医の年齢別分布では45-49歳にピークを有する正規分布を示し, 女性の指導医は30-40歳代にかけて増加傾向を示す.専門医・指導医の専門領域別背景では病理医と婦人科医が全体の9割弱を占める.専門医・指導医試験全体の合格率の平均は80.4%である.学会認定の専門医・指導医の役割は良質な医療の提供であり, この日的のために専門医・指導医のための生涯教育制度ならびに適切な専門医・指導医認定試験制度の早急な確立が学会に求められる.
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