日本臨床細胞学会雑誌
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46 巻 , 4 号
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原著
  • 明石 静香, 森川 政夫, 竹下 篤, 安田 恵美, 栗栖 義賢, 芝山 雄老
    2007 年 46 巻 4 号 p. 197-202
    発行日: 2007/07/22
    公開日: 2008/07/18
    ジャーナル 認証あり
    目的 : 乳癌細胞のHER2蛋白発現程度およびHER2 遺伝子増幅の有無と細胞異型度との関連について検討した.
    方法 : 浸潤性乳管癌50例を対象とした. 乳腺穿刺吸引細胞診標本を用いて, 乳癌細胞のPapanicolaou染色, HER2蛋白免疫染色およびHER2 遺伝子検索を行った. 乳癌細胞の異型度は, 1) 背景の壊死の有無, 2) 細胞の大きさ, 3) N/C比, 4) 核縁の不整, 5) 核小体の大きさ, 6) 核小体の数, 7) 核の大きさ, 8) 核の大小不同, 9) クロマチン顆粒の形状, 10) クロマチンの濃度および11) 核分裂数の11項目について検討した. 各項目を0~3にスコア化し, HER2蛋白発現程度およびHER2 遺伝子増幅の有無との関連について統計学的に検討した.
    成績 : HER2蛋白発現程度と細胞異型11項目すべてとの間には有意の関係は認められなかった. HER2 遺伝子増幅の有無と細胞異型との間では, 「背景の壊死」 の項目との間にのみ有意の関係が認められた.
    結論 : 浸潤性乳管癌の穿刺吸引細胞診標本における 「背景の壊死」 の有無は, HER2 遺伝子増幅の有無を示唆する所見であり, 術前の予後や治療効果の予測に役立つものと考えられる.
  • 南雲 サチ子, 片岡 竜貴, 芦村 純一, 竹中 明美, 成瀬 靖悦, 中山 富雄, 中泉 明彦, 春日井 務, 石黒 信吾, 稲治 英生
    2007 年 46 巻 4 号 p. 203-210
    発行日: 2007/07/22
    公開日: 2008/07/18
    ジャーナル 認証あり
    目的 : 乳癌のセンチネルリンパ節に対する術中転移診断法としての捺印細胞診の有用性を検討した.
    方法 : センチネルリンパ節生検を施行した乳癌426例のセンチネルリンパ節882個について迅速捺印細胞診を行った. 同定されたリンパ節を2mmごとに細切し, 1枚のスライドガラス上にすべてを載せ, 割面の捺印細胞塗抹標本を作製し, 迅速Papanicolaou染色を行い判定した. 永久標本はHematoxylin and eosin染色 (HE染色) と抗サイトケラチン抗体による免疫染色を行い, 診断結果を比較した. またセンチネルリンパ節の代表一割面のHE染色による迅速組織診を行い, 永久標本の結果と比較した.
    成績 : 迅速捺印細胞診のリンパ節単位でのsensitivityは87.3% (110/126), specificityは98.3% (743/756), accuracyは96.7% (853/882) であった. 患者単位のsensitivityは85.4% (76/89), specificityは97% (327/337), accuracyは94.6% (403/426) であった. 迅速組織診の患者単位のsensitivityは39.3% (35/89), specificityは100%, accuracyは87.3% (372/426) であった. また, 迅速捺印細胞診ではセンチネルリンパ節の微小転移例の71.4% (30/42) を転移陽性と判定しえた.
    結論 : 乳癌のセンチネルリンパ節に対する術中転移診断は, 腋窩郭清省略可能な腋窩リンパ節転移陰性乳癌を選別する上で有用な方法であり, 迅速捺印細胞診が有用である.
  • 柴田 美由紀, 荒井 祐司, 古田 則行, 都竹 正文, 滝澤 憲, 藤原 潔, 宇津木 久仁子, 杉山 裕子, 竹島 信宏, 平井 康夫
    2007 年 46 巻 4 号 p. 211-215
    発行日: 2007/07/22
    公開日: 2008/07/18
    ジャーナル 認証あり
    目的 : ベセスダシステム2001異型扁平上皮細胞 (Atypical Squamous Cells ; ASC) の臨床的意義を検討した.
    方法 : 2003年9月~2004年12月に癌研病院にて子宮頸部細胞診を施行した3万9001例を対象とした. ハイブリットキャプチャー法またはPCR法によりハイリスク型HPVを検出した.
    成績 : ASCは74例 (0.19%) であった. HPV-DNA検査を実施したASC24例中ハイリスク型HPVの陽性率は, ASC-USで81.3%, ASC-Hで75.0%, 全体で79.2%であった. 組織診の結果, ASC-USの8例中3例 (37.5%) に中等度異形成以上の病変が認められ, ASC-Hの8例では, 6例 (75%) と高率に中等度異形成以上の病変が認められた. ASC-US症例においても, ハイリスク型HPV陽性6例中からは, 中等度異形成以上の病変が3例 (50%) と高率に認められたが, 逆にハイリスク型HPV陰性の2例からは, 組織学的にはいずれの病変も認めなかった.
    結論 : 日母分類では陰性とされてしまう所見を, ベセスダシステムを用いてASCとして拾い上げることは, 子宮頸部細胞診の感度の向上に寄与する可能性がある. さらにASC症例にHPV検査を併用することにより, 中等度異形成以上の病変の検出がより効率的に行われることが示唆された.
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