目的 : シングルコピーの HPV-DNA を簡易的に可視化すべく, 従来の
in situ PCR 法を改良し, catalyzed signal amplification
in situ hybridization (CSA-ISH) 法との比較検討を行った.
方法 : 対象は HeLa, SiHa, HL60 培養細胞と軽度扁平上皮内病変 (low grade squamous intraepithelial lesion, LSIL) と判定された 5 例の細胞浮遊液である.
in situ PCR 法は前処理, PCR 条件を再検討して改良した. また固定時間の違いによる
in situ PCR 法と CSA-ISH 法の染色性の比較を行った.
成績 :
in situ PCR 法による HPV 18 型の検出において, 前処理は 0.01%トリプシンで 2 分 0∼50 秒, PCR 条件は熱変性 90°C, 30 秒, アニール 59°C, 30 秒, 伸張反応 72°C, 30 秒の 25 サイクルが最適であり, この条件の下で HeLa の核にびまん性の陽性像を認めた. 固定条件の違いにおける両染色法の比較では,
in situ PCR 法の染色性は固定時間の影響を受けにくいことがわかった. また改良した両染色法で SiHa の核に特異的な陽性像が観察された.
結論 : エタノール固定した塗抹標本上の細胞を用いて, 改良
in situ PCR 法でシングルコピーの HPV-DNA を可視化することに成功した.
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