目的 : 北陸地方での液状化細胞診 (LBC) の普及状況を調査し, 現状と利点・問題点を明らかにした.
方法 : 北陸地方の 63 施設を対象に, 郵送によるアンケート調査を行った.
成績 : 回収率は 83%で, 北陸全体の LBC 導入率は 51% (23/45 施設) であった. 県別では富山 25%, 石川 65%, 福井 67%, 施設種別では検査センター67%, 大学病院 50%, 一般病院 47%であった. 導入動機は細胞検査士の要望が最多であった. 方法は, SurePath が 17, ThinPrep が 5, LBC Prep が 2, TACAS が 2 で, 用手法が 17, 自動機は 10 であった. LBC 標本作製時間は, 平均で 2.4 倍長く, 従来法より短い 3 施設では自動機が導入されていた. スクリーニング時間は, 平均で従来法の 50%に短縮されていた. LBC 導入前の鏡検トレーニングは 78%で行われた. 導入後に感じた利点はスクリーニングの負担軽減, 診断精度向上, 問題点はコスト, 標本作製の手間, 細胞形態の評価が多かった.
結論 : LBC は北陸でも少しずつ浸透してきているが, その普及には経済的な支援や学術面での判定基準の標準化が主な問題となっていると考えられた.
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