目的 : BD シュアパス
TM法を用いた内視鏡的逆行性胆管膵管造影 (ERCP) 下ブラシによる細胞診の診断精度と標本適否について試みた.
方法 : 2013 年 4 月~2014 年 12 月で, ERCP 下ブラシ細胞診が施行された 31 例を対象とした. 細胞を採取したブラシ先端を切断して BD サイトリッチ
TMレッド保存液が入ったバイアルに回収し, BD シュアパス
TM標本を 1 枚作製した. 細胞診は, negative, suspicious, positive, unsatisfactory に分類し, 組織診断と比較した.
成績 : 31 例の内訳は negative : 9 例, suspicious : 8 例, positive : 14 例, unsatisfactory : 0 例であった. Positiveとした 14 例のうち, 組織診が行われ, adenocarcinoma と診断されたのは 7 例であった. BD シュアパス
TM標本の塗抹範囲は 13 mm 円内に限られ, 直接塗抹法でみられるアーチファクトはみられず, 細胞は良好に保存されていた.
結論 : BD シュアパス
TM法は, 不適正要因を排除したクオリティーの高い塗抹標本を作製することが可能であり, 診断精度の向上に寄与する.
抄録全体を表示