日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
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58 巻 , 2 号
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原著
  • 窪田 裕美, 本吉 知里, 坂本 真吾, 三好 陽子, 門屋 孝志, 古本 好江, 高石 治彦, 飛田 陽, 大城 由美
    2019 年 58 巻 2 号 p. 75-81
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/04/17
    ジャーナル 認証あり

    目的 : 乳腺穿刺吸引細胞診で Liquid based cytology (LBC) が検体不適正率を減少させるか, CK5/6 や p63 の免疫染色が良悪性の鑑別に寄与するか, 前方視的に検証する.

    方法 : 2012 年 11 月より従来法・LBC 併用期間を経て, LBC 単独期間に移行し, 両群の検体不適正率を比較した. LBC で免疫染色を追加でき, かつ最終診断にいたった症例については, CK5/6 および p63 の陽性・陰性と, 組織学的あるいは臨床的最終診断の良性・悪性とを対比した.

    成績 : 127 例が登録され, 単純囊胞 1 例, 非専門医による穿刺 6 例を除くと, 検体不適正率は 32% (18/56 : 併用期間) から 16% (10/64 : LBC 単独) と有意に減少した (p=0.03). CK5/6 は悪性腫瘍の 91%が陰性, 良性病変の 77%が陽性となり, p63 は悪性腫瘍の 84%が陰性, 良性病変の 83%が陽性となった. CK5/6 陽性集塊率 40%で区切ると, 感度 91%, 特異度 83%であった (n=62).

    結論 : 乳腺穿刺吸引細胞診で LBC は, 検体不適正率の減少, 免疫染色追加の 2 点で診断精度向上に寄与する.

症例
  • 増田 裕行, 林 和樹, 井出 景子, 井上 博之, 山ノ井 一裕
    2019 年 58 巻 2 号 p. 82-86
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/04/17
    ジャーナル 認証あり

    背景 : 乳腺管状腺腫は画像診断・穿刺吸引細胞診で線維腺腫と診断されることが多い.

    症例 : 27 歳, 女性. 右乳腺腫瘤を訴えて来院. 超音波所見 : 乳腺表層から脂肪織内に長径 9 mmの形状不整な低エコー腫瘤を認めた. 縦横比 (D/W) > 0.7. エラストグラフィーでは硬い腫瘤であった. 以上の所見より悪性腫瘍の可能性も疑った. 穿刺吸引細胞診 : 分泌物をもった腺腔様の小型の細胞集塊と大型のシート状乳管上皮細胞集塊を認めた. 2 種類の集塊を認め, 上皮の二相性は保たれていることから正常あるいは良性, 推定組織型は管状腺腫と考えた. 背景の間質細胞が少ないので線維腺腫は否定した. 組織診 : 小型の腺管の密な増生がみられ, 間質には乏しかった. Cytokeratin は上皮細胞に陽性, smooth muscle actin は筋上皮細胞に陽性であり, 上皮の二相性は明瞭だった. 以上より管状腺腫と判断した.

    結論 : 画像診断上は乳癌も疑ったが, 穿刺吸引細胞診では本症を疑い, 乳癌・線維腺腫と鑑別診断できた.

  • 神原 雅巳, 野田 大孝, 増田 一吉, 由谷 親夫
    2019 年 58 巻 2 号 p. 87-91
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/04/17
    ジャーナル 認証あり

    背景 : 急性骨髄急性白血病 (acute promyelocytic leukemia : APL) は中枢神経浸潤を起こす事例があることが知られており, 今回われわれは同様の事例を経験したので報告する.

    症例 : 41 歳, 男性. 持続する歯肉出血, 白血球数増加, 末梢血液中に異常前骨髄球多数を認め, 当院受診後, APL と診断. 2 度の寛解を経るも痙攣発作にて救急搬送となり, 精査の結果, 脳脊髄液の中に異常細胞を認め, 骨髄液 PCR にて PML-RARα 遺伝子が検出された. その後化学療法を継続するも永眠となった.

    結論 : 脳脊髄液中に APL 瘍細胞を認めた 1 例を経験した. Pap. 標本のみでは APL の細胞診断は困難であり, MG 染色, MPO 染色の併用が有効である. 再発, 抗癌剤治療を繰り返すことにより, 染色体付加異常が変化していき, 染色体異常と形態学的変化との関わりが示唆された.

短報
  • 大池 里枝, 田中 瑞穂, 山田 知里, 西川 恵理, 佐竹 立成
    2019 年 58 巻 2 号 p. 92-93
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/04/17
    ジャーナル 認証あり

    An 80-year-old-woman visited our hospital complaining of consciousness disturbance. MRI revealed an extracerebral mass in the left lateral sulcus. Imprint smears of the resected tumor revealed cell clusters composed of round, polygonal, or spindle cells. Some of these cells or cell clusters showed whorls, intranuclear pseudo-inclusion bodies, or nuclear grooves. These findings were those of ordinary meningiomas, but some other cells showed expanding intracytoplasmic vacuoles, forming cell clusters mimicking signet ring cell (SRC) carcinoma. It was necessary to distinguish these cells from those of metastatic SRC carcinoma, through knowing that SRC-like cells were components of secretory meningioma in imprint cytology.

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