日本がん看護学会誌
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19 巻 , 1 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
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原著
  • 射場 典子, 小松 浩子, 中山 和弘, 片桐 和子, 林 直子, 外崎 明子, 酒井 禎子
    19 巻 (2005) 1 号 p. 3-12
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究は,外来の場において,または短期入院を繰り返しながら,がん患者が治療を継続する中で認識している困難・対処・適応の関係性について構造方程式モデリングを用いて検討した.

    基礎的研究(片桐ら,2001)をもとにがん患者の治療継続に伴う困難・対処・適応を問う質問紙を作成し,全国14カ所のがん専門病院および一般病院の外来または短期入院病棟で治療を受けているがん患者350名に質問紙を配布し,275名(有効回収率78.6%)より回収した.

    第1段階として,困難・対処・適応の全項目について,探索的因子分析(最尤法,プロマックス回転)を行った.その結果,困難は【病気や治療に伴う困難感】と【治療環境の不備】の2因子,対処は【生活上の具体的な工夫】【病気への前向きな気持ち】の2因子,適応は【病気による人生の意味の深まり】の1因子,計5因子が抽出された.

    次に,構造方程式モデリングを用いて5因子間の関係性を検討した.モデルの修正において,対処と適応の因子の潜在変数として【治療継続への対処過程】を設定した.その結果,【治療環境の不備】から【治療継続への対処過程】への直接効果ではパス係数は負の値を示し,【病気や治療に伴う困難感】を媒介とした間接効果では正の値を示した.これらの関係はすべて統計学的に有意な値であった(p<0.05).また,このモデルの適合度は良好であった.

    以上のことから,人的ならびに施設・設備的な療養環境の不備は,がん患者の不安を高め,治療を継続するための対処を低下させるというネガティブな影響を及ぼすことが示唆された.

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  • 川村 三希子
    19 巻 (2005) 1 号 p. 13-21
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究の目的は,長期生存を続けるがんサバイバーは,どのように生きる意味を見いだしているのか,そのプロセスを明らかにすることである.生きる意味を見いだすことは,スピリチュアルなニーズの一部として位置づけた.研究方法はグラウンデッド・セオリー・アプローチ法を用いた.対象者は,病名を知っているがん患者7名であった.データの収集は,半構成的面接と参加観察を行った.

    分析の結果,生きる意味を見いだすプロセスは,がんの罹患によって《生きられる時間に対する認識》が変化し,それに沿って《自分の存在価値の模索》が繰り返し行われるプロセスであった.《自分の存在価値の模索》のプロセスには〈存在価値の模索動因の段階〉〈存在価値を試す段階〉〈存在価値を確かめる段階〉という3つの段階があった.さまざまな現実に直面する中で《自分の存在価値の模索》は繰り返し行われていた.

    がんサバイバーは,がんという病いによって,生きられる時間が不確かになり,自分自身の存在価値も揺さぶられた.その中で,自己の内面に向き合いながら,新たな自分の存在価値を模索し,自分の存在価値を人とのつながりを通して確かめられた時,生きる意味を見いだしていた.

    がんの生存率が向上し今後ますます生存期間の長期化が予想される.長期間にわたりがんを抱えながら生活するがんサバイバーを継続的に支援していくことの重要性が示唆された.

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  • 作田 裕美, 宮腰 由紀子, 片岡 健, 坂口 桃子, 佐藤 美幸, 百田 武司, 溝口 全子
    19 巻 (2005) 1 号 p. 22-32
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究は,末梢皮膚血流量が乳がん術後のリンパ浮腫重症度を予測しうるかその指標的有効性を検討することを目的に実施した.女性乳がん患者61名と健康な女性35名を被験者として,血流計を用いた末梢皮膚血流量測定を実施し,リンパ浮腫の有無と重症度で検討した.その結果,リンパ浮腫患者の血流量は健康な女性よりも少なく,右乳がん患者においては,浮腫患者が非浮腫患者より少なく,左乳がん患者では浮腫患者は非浮腫患者より多い血流量を示した.また,浮腫の重症度が増すとともに左右の血流量差が大きくなり,浮腫中等症患者における左右の血流量差は,左乳がん患者が右乳がん患者の2倍の値を示すことが確認された.これらの結果から,左右の血流量差がリンパ浮腫の重症度を判断するうえで,指標の一つとなる可能性とともに,異なる血流量差を認めたことから,手術側別に観察基準の作成および介入方法を変える必要があることが示唆された.

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  • 松原 康美, 遠藤 恵美子
    19 巻 (2005) 1 号 p. 33-42
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究は,がんの再発・転移を告知され,永久的ストーマを造設し,不安や悩みをもつ7名の患者とWOC看護認定看護師との間でナラティヴ・アプローチを試み,双方の新たな思考形成にどのように役立つかを明らかにすることを目的とした.研究デザインは,患者のナラティヴとそれを聴いた看護師の自己内省ジャーナルに基づいた質的研究であり,研究と看護実践を結びつけた実践的看護研究である.

    患者の看護師への語り(ナラティヴ)は,がんを告知された時の衝撃から始まり,やがてストーマを造設したことに意味を与え,自分の人生の新しい側面からがん体験の中に意味を見いだした.また,これを実践した看護師は,患者にとってのストーマがもつ意味の理解が拡がるとともに新たな側面を発見し,がん体験を通して成長・発展していく人間の可能性が納得できた.ナラティヴ・アプローチは,患者と看護師の相互作用の中で双方の成長と発展を助ける看護介入として,実践への導入が可能であることの示唆を得た.

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研究報告
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