日本がん看護学会誌
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20 巻 , 2 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
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原著
  • 葛西 好美
    20 巻 (2006) 2 号 p. 39-50
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究は,末期がん患者の病院から在宅への移行期における訪問看護師の認識と判断を明らかにするために,5名の訪問看護師を対象に参加観察と半構成的面接により得たデータを質的帰納的に分析した.訪問看護師は,準備期に患者・家族の在宅療養への思いを捉えて不安に寄り添い,病院医療者との関わりの難しさや患者・家族との関係を捉えながら,患者・家族の病状の受けとめを知り真実を伝えるよう病院医療者へ促し,がんに伴う苦しみを捉え和らげる判断をしていた.準備期の認識内容はすべて在宅療養の可能性を見極める基になり,判断内容は家での看取りに備えることにつながっていた.開始期に訪問看護師は患者・家族の家で過ごすことの意味を認識すると,急変に備えながらがんに伴う苦しみを捉えて和らげ,患者と家族の心の揺れを認識し支える判断をしていた.また,訪問看護師が患者や患者を看取る家族を支援するためには,信頼関係を構築する努力が必要であり,それが在宅療養の継続を支えていた.開始期のすべての認識内容は在宅療養継続への見極めに,判断内容は在宅療養継続の意思を固めることにつながっていた.以上の結果により,真実を伝え心の揺れを支える,がんの苦しみを和らげる,介護の主体者である家族を支える,患者・家族と信頼関係を構築する,在宅療養の可能性を見極める,病棟医療者と協働する難しさがあるという特徴が明らかとなった.

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  • 大釜 徳政, 吉永 喜久恵, 江川 幸二, 北川 恵, 山本 かよ, 田中 幸江
    20 巻 (2006) 2 号 p. 51-60
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究は,放射線治療を受けることにより,味覚変化・口内反応を抱える口腔がん患者の食思傾向に影響を及ぼす食物特性を明らかにすることを目的とした.照射終了後7日以内の患者13名を対象として半構成的面接を実施し,得られた資料を質的帰納的に分析した.分析の結果,放射線治療を受ける対象者の食思傾向に影響を及ぼす食物特性は,【テクスチャー[食感]】【味付け】【温度】【食形態】【匂い】の5要因であった.30~40Gyにおいて対象者は,味覚変化を最も顕著に自覚し,この時期の食思傾向に影響を及ぼす食物特性は【テクスチャー】【味付け】【温度】【匂い】であった.これらの要因は,対象者の治療以前の【嗜好性】から影響を受けていた.50Gy~治療終了7日では口腔内疼痛を最も顕著に自覚し,疼痛悪化とともに口腔内乾燥に対する自覚も高まる傾向にあった.この時期の食思傾向に影響を及ぼす食物特性は,【テクスチャー】【温度】【食形態】であった.また60Gy~治療終了7日では【匂い】が食思傾向と高い関連性を認め,食物における特有の匂いの強さが食思傾向を低下させた.なお味覚変化・疼痛・口腔内乾燥と食思傾向に影響を与える食物特性および嗜好性との関連性は,日内変動から影響を受けることも明らかとなった.本結果から,口腔がん患者の食事やその調理に際しては,照射線量と食物特性および嗜好性との関連性や,日内変動による影響に留意する必要があることが示唆された.

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  • 森本 紗磨美, 井上 智子
    20 巻 (2006) 2 号 p. 61-71
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究の目的は手術を受けるがん患者に付き添う家族の体験を家族の視点から明らかにし,術前・術後を通してがん患者に付き添うことが家族の成長の一助となる看護支援を検討することである.

    研究参加に同意を得た9名の家族を対象に,付き添うことに関した内容の半構成的面接と術前から患者と共に過ごしている場面の参加観察にてデータ収集を行い,質的帰納的に分析した.

    その結果,手術を受けるがん患者に付き添う家族は《手術までの家族の反応と準備の時期》《患者の状態に翻弄されながら立ち向かう時期》《付き添うことによりもたらされた成果が現れる時期》の3つの時期を経験していること,また,家族の経験には〈家族が混沌とした状況から抜け出せないパターン〉〈揺るぎない家族関係を示すパターン〉〈手術が好機となり家族間のつながりが強まるパターン〉の3つの類似パターンがあることが明らかになった.さらに,明らかになった3つの時期,3つの類似パターンを統合することによって手術を受けるがん患者に付き添う家族の体験の構造図を明らかにすることができた.

    そして,手術を受けるがん患者に付き添うことは満足感やゆとりをもたらし,成長の一端となる反面,家族の混乱や潜在する問題が露呈する危険性が示唆された.がん患者に付き添うことが家族の成長の一助となるためには術前の精神的つらさに着目し,術後は付き添う中での経験を肯定的に積み重ねる看護支援が必要である.

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  • 平井 和恵, 神田 清子
    20 巻 (2006) 2 号 p. 72-80
    公開日: 2017/02/01
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究の目的は,化学療法を受けたがん患者の倦怠感の特性を明らかにすることである.11名の対象との非構造化面接によりデータを収集し,質的帰納的分析を行った結果,次のことが明らかになった.

    1.化学療法を受けたがん患者の倦怠感は,【倦怠感の経験】【倦怠感に対するセルフケア】【影響要因】の3つの要素が,連続的に相互に作用するプロセスの中に経験されるものであった.

    2.【倦怠感の経験】は,《日常的な動作を行うことへの消耗感》《活動に対する意欲の減退》《活動性の低下》《自分の心身に対する違和感》《抵抗できないほどの眠気》《持続的な感覚》《狭い範囲での軽い活動では自覚しない感覚》《家庭生活に戻り活動量が増えたときに知覚する,活動耐性の低下》《心理社会的な負の影響》という特性があった.

    3.【倦怠感に対するセルフケア】は《休息または活動量の調整によるエネルギー消耗の制限》《自己の高揚および一般的な健康増進行動の実践によるエネルギーの獲得》《気分転換によるエネルギー消耗の制限およびエネルギーの獲得》《活動のためのエネルギーの維持》に特徴づけられる行動であった.

    4.【影響要因】は,《身体的要因》《精神的要因》から構成された.

    患者が知覚した倦怠感の主要な側面はエネルギーの枯渇感に特徴づけられ,その存在自体が苦痛であると同時に,自己コントロール感の喪失や心理社会的影響などによる苦痛を招くものであった.本研究結果より,化学療法を受けたがん患者の倦怠感をアセスメントする視点,セルフケア教育の方向性,影響要因に対する積極的介入の必要性が示唆された.

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