日本がん看護学会誌
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25 巻 , 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
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原著
  • 佐藤 由紀子, 山﨑 智子, 内堀 真弓, 大木 正隆, 本田 彰子
    25 巻 (2011) 1 号 p. 5-13
    公開日: 2016/12/27
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究の目的は,神経膠腫の外科的治療後に高次脳機能障害を有した患者の生活の再編成の体験構造を明らかにすることである.初発の神経膠腫の手術後,外来通院中で,みずからの経験を語れる計10名の患者を対象に個別面接調査を行った.生活の再編成を構造的にとらえるため,現象学的アプローチの方法論を基に,A Giorgiの記述的現象学的方法を参考にし分析した.

    分析の結果,16の構成要素が得られ,さらに「高次脳機能障害の受け止めと対応」といった視点で4テーマが明らかとなった.生活の再編成の構造は,〈高次脳機能障害を伴う行為により生じた異和感〉を意識し,〈障害を目の当たりにした感情の揺さぶられ〉をともないながら現状を受け止め,さらに,自分なりの〈障害を持っても生きられる術の探究〉により新たな生活のしかたを見出し,これから先のことを現実的に考えだすことによって〈垣間見える将来〉に至るということであった.

    神経膠腫の患者は,退院後,特に他者との交流において異和感を感じるが,高次脳機能障害を有したことで,その異和感をすぐに疾患や障害と関連づけて思考することに時間を要し,そのために生活の再編成に難渋するという特徴があった.また,常に再発の不安もいだいており,障害と併せて将来を不確かにしていた.患者が社会の中で孤立せず,主体性ある人生を送るためには,看護師が患者の社会的な人間関係へ一歩踏み込んで人々に理解と支援を働きかける必要がある.

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  • 今井 芳枝, 雄西 智恵美, 板東 孝枝
    25 巻 (2011) 1 号 p. 14-23
    公開日: 2016/12/27
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究の目的は,治療過程にある高齢がん患者が“がんと共に生きる”ことをどのように受け止めているのかを明らかにすることである.入院して手術療法もしくは化学療法や放射線療法を受けている高齢がん患者24名を対象に半構成的な面接法を用いてデータを収集し,Krippendorffの内容分析を参考に分析した.その結果,治療過程にある高齢がん患者が“がんと共に生きる”ことに対する受け止めとして,【がんに抵抗しないで成り行きに任せる】,【最後まで人生を全うしたい】,【虚弱な自分を実感】,【耐えがたく不安で辛い】の4つの大カテゴリーで構成されていた.治療過程にある高齢がん患者は,高齢者が持つ長年の生活史を糧として,がんという脅威に対して自分にとって負担がないように受容し,生の限界を感じるからこそ生きることへの重みを感じながら“がんと共に生きて”いた.もう一方で,がんと加齢にともなう衰退の要素による二重の苦悩を持ち合わせながら,“がんと共に生きて”いた.以上から,高齢がん患者の持つ過去の経験は人生を反芻するうえで重要な材料であり,がんという脅威を乗り越える契機につながることが示唆された.看護師が生活者として生きてきた高齢がん患者が持つ生活史に視点を向けることは,高齢がん患者が“がんと共に生きる”ことを受け止めていくうえで重要な情報になると考えられた.

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研究報告
  • 石井 容子, 宮下 光令, 佐藤 一樹, 小澤 竹俊
    25 巻 (2011) 1 号 p. 24-36
    公開日: 2016/12/27
    ジャーナル フリー

    要 旨

    〈背景〉わが国ではがん患者が増加する一方,患者の早期退院への移行から,在宅療養する終末期がん患者が増えている.しかし,家族介護者の疲労と不安の高まりなどから患者の在宅療養が困難となる現状があるにもかかわらず,終末期がん患者の在宅療養において家族介護者が体験する困難の詳細は明らかにされていない.

    〈目的〉遺族,在宅医療・福祉関係者へのインタビュー調査により,終末期がん患者の在宅療養において家族介護者が体験した困難の詳細を明らかにする.

    〈方法〉在宅ケアを受けていた終末期がん患者の遺族と在宅医療・福祉関係者12名を対象に半構造化面接を行った.

    〈結果〉終末期がん患者の在宅療養において家族介護者が体験する困難は2つの側面から成り立ち,15カテゴリーに整理された.〈患者と家族介護者との関わりの側面〉として【患者の身体症状や苦痛に十分に対応ができない】,【スピリチュアルペインを感じる】,【介護の生活での苦労が大きい】,【介護に関する心理的な負担を強いられる】,【介護に関する身体的な負担を強いられる】,【介護と仕事のバランスが取れず仕事を犠牲にせざるをえない】,【介護者と親族の関係に不調和が生じる】の7カテゴリーが,〈在宅医療・サービスに関する側面〉として【安心した療養生活を開始できない状況にある】,【病院の医師との信頼関係が築かれない】,【往診医との良好な関係が築かれない】,【往診医の不十分な対応から安心した療養生活が送れない】,【訪問看護師との良好な関係が築かれない】,【ヘルパーを利用することで療養生活に不満や戸惑いを抱く】,【不十分な在宅サービスから望ましい療養生活が送れない】,【看取り後の葬儀について予期的に不安を抱く】の8カテゴリーが抽出された.

    〈結論〉終末期がん患者の在宅療養において家族介護者が体験する困難の内容が明らかになった.この結果をもとに,在宅医療・福祉関係者が終末期がん患者の家族介護者への必要なケアを提供する際のアセスメントにつながると考える.

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  • 髙橋 靖子, 稲吉 光子
    25 巻 (2011) 1 号 p. 37-45
    公開日: 2016/12/27
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究の目的は,初めて化学療法を受けながら生活する肺がん患者が,自己効力感を高めその人らしく生きるためにエンパワーメントを促進する対話面接を行い,患者の変化の過程を明らかにすることである.参加者は研究参加に同意の得られた告知後初めて化学療法を受ける50~60歳代男性患者3名であった.研究方法は質的帰納的デザインで,Freireのエンパワーメント理論に基づいたChangらの対話面接に一部修正を加えたものを使用した.面接の逐語録と研究者の自己内省ジャーナルを記述データとし,一事例ずつコード化,サブカテゴリー化ののち,参加者共通の類似性や相違性を検討しながらカテゴリー化した.研究者の内容は対参加者別に分析し,エンパワーメント理論をもとにコード化,サブカテゴリー化した.さらに,対参加者共通の類似性や相違性を検討しながらカテゴリー化した.参加者と研究者の両者のカテゴリーは,変容という視点から局面として経時的に位置づけた.参加者に共通する変化の過程は,局面1:パートナーシップの開始,局面2:パワーの低下の表出,局面3:自己の意識化,局面4:自己効力感の回復,局面5:肺がん治療に向けたパワーの回復の5つであった.この過程では,がん患者の「自己の意識化」は欠くことのできない局面であることが既存の研究同様に明らかになった.また診断から治療を受け入れる短い期間でも,患者が「新たな自信」を得られるような看護師との相互変容の重要性が示唆された.

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資料
委員会報告
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