日本がん看護学会誌
検索
OR
閲覧
検索
26 巻 , 2 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
原著
  • 前田 絵美, 大石 ふみ子, 葉山 有香
    26 巻 (2012) 2 号 p. 6-16
    公開日: 2016/12/27
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究の目的は,骨盤内臓全摘術後に直腸がん患者が生活を再構築していくプロセスについて明らかにすることである.対象は,過去5年以内に骨盤内臓全摘術を受け,現在外来通院している直腸がん患者8名である.データ収集は半構成的面接を行い,質的帰納的に分析を行った.なお,本研究は研究実施施設の倫理審査で承認を得た.

    対象者は[骨盤内臓全摘術後に遭遇する困難]を経験し,[骨盤内臓全摘術後の生活を再構築するための対処]を行っていた.困難と対処を繰り返す中で,対象者は[自己に対する肯定感覚の形成]を行い,[生きている意味の充足感]を得ていた.また,[ありたい自分を目指す欲求]が対処の獲得を促進し,[骨盤内臓全摘術後の患者を支える周囲からのサポート状況]が生活再構築のプロセス全体に影響することが明らかになった.

    骨盤内臓全摘術後に直腸がん患者が生活を再構築していくプロセスの中心となっていたのは,[自己に対する肯定感覚の形成]であり,これは対処の成功によって促進された.サポートの欠如と対処の失敗は肯定感覚の形成のつまずきを引き起こしていた.

    [自己に対する肯定感覚の形成]を促すことが,患者が骨盤内臓全摘術後の生活を再構築し,生活に充実を感じるために最も重要であった.

    抄録全体を表示
  • 新貝 夫弥子, 横内 光子, 国府 浩子
    26 巻 (2012) 2 号 p. 17-25
    公開日: 2016/12/27
    ジャーナル フリー

    要 旨

    【目的】本研究は,乳がんで化学療法を受けた患者の治療後体重増加に関して,レジメン別にみた影響要因の相違を明らかにすることを目的とした.

    【方法】FEC療法,TC療法,DOC療法,およびPTX療法の各レジメンで治療を受けた乳がん患者93名を対象とした.治療前後に体成分分析装置により測定した体脂肪量,体脂肪率および体水分量と,診療記録から収集した個人特性,体重,BMI,および血液検査結果をデータとして用い,統計的に分析した.

    【結果】FEC群とPTX群においては,治療前後の体重に有意な差はなかったが,体重増加率と体脂肪量の増加率についてはFEC群(ρ=0.787,p<.000),DOC群(ρ=.722,p=.004)ともに有意な相関が認められた.治療後の血清総コレステロールはFEC群のみで有意な上昇がみられた(z=-4.202,p<.000).TC群では,治療後の体重は治療前と比較して2.30kg(z=-3.074,p=.002),DOC群では3.25kg(z=-2.945,p=.003)の有意な増加が認められた.TC群では治療後に細胞外水分量の有意な増加(z=-3.152,p=.002)と血清総タンパクの有意な低下(z =-3.728,p<.000)が,DOC群でも細胞外水分量の有意な増加(z=-2.746,p=.006)と血清総タンパクの有意な低下(z=-2.242,p=.025)がみられた.この両群の体重増加率は3~4%であり,細胞外水分の増加率は5~6%であった.

    【結論】FEC療法を受けた患者ではsarcopenic obesityが疑われる体脂肪の蓄積が,TC療法とDOC療法を受けた患者についてはfluid retention syndromeが起こりやすい特徴があると考えられた.これらの特徴に応じ,レジメン別に異なるアプローチの必要性が示唆された.

    抄録全体を表示
研究報告
  • 吉岡 恵
    26 巻 (2012) 2 号 p. 26-34
    公開日: 2016/12/27
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究は,通院しながら免疫療法を受けている腎がん患者がどのようなセルフケアを行っているのか,そして,どのような状況でセルフケアを必要とするのかを明らかにすることが目的である.セルフケアは,このような時期のがん患者が生命,健康,および安寧を維持するために実行している行為とその考えとした.研究方法は,通院しながら免疫療法を受け始めて1年以内の告知された腎がん患者に,半構成的質問紙を用いて1時間ほどの面接を2~4週間ごとに3回行った.データ分析は,逐語録から通院しながら免疫療法を受けている腎がん患者が実施しているセルフケアを,それを必要とする状況とともに抽出した.セルフケアとセルフケアを必要とする状況は,意味を損なわないように簡単な文章にし,共通したものをカテゴリー化した.その結果,セルフケアの必要な状況として,壮年期にある5名の対象者は,病状や限られた治療法によって,免疫療法の必要性を感じて治療を受け始めていた.対象者は,高額な治療で,効果がなかなか実感できず,また,治療による不快な症状を体験していた.セルフケア(【 】で記載)は,次の5つが抽出された.対象者は,【治癒の不確かな病気とともに生きるための感情調整】をしながら,【社会的役割を続ける】ことと,【効果の不確かな治療を続ける】こととのバランスをとっていた.また,これらを続けるために治療による【苦痛な症状を軽減する】ことと,【体調を整える】ことをしていた.どんなに努力しても病気になる前の自分らしい生活には戻れないと「見究めた」対象者は,【苦痛な症状を軽減する】以外で,自分では変えられない状況の捉え方を変える感情調整的な対処を行いながら自分らしい生活を再構築していた.これらのセルフケアは,生活するために対象者が探究した知恵であると考える.

    抄録全体を表示
  • 田中 千春, 国府 浩子
    26 巻 (2012) 2 号 p. 35-44
    公開日: 2016/12/27
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究の目的は,若年者の子宮頸がん検診に関する知識と思いについて明らかにし,受診につながらない要因を検討することである.20歳代前半の女子大学生352名を対象とし,自記式質問紙調査を実施した.質問紙は対象者の属性,子宮頸がん検診に関する知識15項目と思い24項目で構成した.回収は176部(回収率50.0%)で,そのうち記入漏れを除いた168部(有効回答率47.7%)を分析対象とした.分析は,記述統計量,χ2検定,Mann-Whitney U検定を用いた.その結果,学生の検診受診率は低く,非医療系学生の子宮頸がん検診に関する知識が低かった.子宮頸がんの重大性については理解している一方,自分とは無縁の疾患であると考えていた.また,検診の具体的内容についての知識が低く,検診に対する不利益を感じていた.しかし,感染経路や若年層の罹患増加について知っている者のほうが,検診の必要性や受診の意思をもっており,女子学生は何らかのきっかけが与えられれば,受診行動をとろうという意思をもっていた.これらのことより,検診受診につなげるためには,罹患性の認識や検診の利益性の認識を高めることが重要であり,感染経路や若年層での子宮頸がんの増加,検診の詳細などの情報提供が有効であると思われる.

    抄録全体を表示
  • 井ノ下 心, 小松 浩子
    26 巻 (2012) 2 号 p. 45-53
    公開日: 2016/12/27
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究の目的は,化学療法を受ける再発白血病患者の有害事象への対処行動の構造を明らかにし,有害事象マネジメントがより効果的となる看護援助を検討することである.方法は,入院中の再発白血病患者7名に対して半構造化面接によるデータ収集を行い,グラウンデッド・セオリーに基づき分析した.

    分析の結果,コアカテゴリー『無駄なエネルギーを消耗しない効率的な対処行動を身につけていく』を基盤に,4つの主要カテゴリー[経験と情報から必要な対処行動を見極める],[症状をコントロールしながらうまく付き合っていく],[緩急をつけて必要だと思う予防行動を継続する],[日々を乗り越える糧をもち治療を受け入れていく]が評価・フィードバックを繰り返して展開するプロセスとして構造化された.再発白血病患者は死と隣り合わせの状況で化学療法の完遂を目指すため,残りのエネルギーを枯渇させないよう洗練した経験をもとに情報を選定し,無駄なエネルギーを消耗しない効率的な対処行動を身につけていく必要性があった. 医療者は,患者の経験から導かれる取り組みのありように関心を寄せ,情報の扱いや教育的関わりを個別に吟味することが重要となる.

    抄録全体を表示
  • 川崎 優子, 内布 敦子, 荒尾 晴惠, 松本 仁美, 成松 恵
    26 巻 (2012) 2 号 p. 54-61
    公開日: 2016/12/27
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究の目的は,がん看護領域における外部コンサルテーションニーズを明確化することである.がん診療連携拠点病院の看護部長3名,治療期病棟の看護師長20名・看護師22名を対象に,外部コンサルテーションニーズについてインタビューを行い,得られたデータの内容分析を行った.

    がん看護領域における外部コンサルテーションニーズとして,看護部長からは3つ,看護師長からは3つ,看護師からは1つ,合計7つのカテゴリが抽出された.外部コンサルテーションニーズとして抽出された課題は,【がん治療を推進するための看護実践能力の強化】,【がん看護を担う人材の育成】,【新人看護師の育成】,【専門家を生かす組織体制づくり】,【キャリア開発支援】,【看護スタッフのメンタルヘルス】,【セルフコントロール】の7つであり,直接ケアに関わる課題,看護師を支えるための課題の2つに大別された.これらの課題を解決するには,組織内の人材では限界があり,外部コンサルタントのようなリソースが身近にあれば活用したいというニーズがあることが明らかになった.

    がん看護領域における外部コンサルテーションは,がん医療の高度化や国の施策に応じた柔軟なコンサルテーションを進めること,がん看護実践能力の強化,看護者を支えるためのサポートが外部コンサルタントに求められた役割であるということが示唆された.

    抄録全体を表示
  • 田中 登美, 田中 京子
    26 巻 (2012) 2 号 p. 62-75
    公開日: 2016/12/27
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究の目的は,初めて化学療法を受ける就労がん患者が抱える役割遂行上の困難と対処を明らかにすることである.初めて化学療法を受ける14名の就労がん患者を対象に,半構成質問紙を用いた面接を,初回治療開始時,初回治療開始後1・2・3カ月の時期に行った.分析は,困難と対処の部分を抽出し意味内容の類似性からカテゴリー化した.

    初回治療時の困難は,〈体力的に役割をこなしていけるのか心配〉〈病気や治療が役割に及ぼす影響がわからない〉などの7カテゴリーだった.新たに抽出された困難は,1カ月後は〈役割を継続したくてもできない〉〈他者との関係に悩む〉などの6カテゴリー,2カ月後は〈役割と治療の両立が難しい〉などの3カテゴリー,3カ月後は〈他者との関係がつらい〉だった.治療開始時の対処は,{深く考えない}{他者を活用する}などの11カテゴリー,新たに抽出された対処は,1カ月後は{気持ちの支えをもって治療に取り組む}などの5カテゴリー,2カ月後は{できる範囲で役割を担う}などの3カテゴリー,3カ月後は{意思をアサーティブに伝える}などの2カテゴリーだった.

    初めて化学療法を受ける就労がん患者は,体力的な不安を抱えながら他者との関係に悩み,病気や治療の影響がわからないという不確かさの中で,体調をコントロールし周囲のサポートを活用しながら気持ちの上でも前向きに努力していることがわかった.患者が社会的役割と病者役割を両立させながら主体的に治療に取り組むためには,先の見通しをもちながら副作用のセルフケアが行えるようにし,周囲の人とアサーティブに関われるよう支援することが必要である.

    抄録全体を表示
  • 三本 芳, 藤田 佐和
    26 巻 (2012) 2 号 p. 76-85
    公開日: 2016/12/27
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究は,放射線治療を受けているがん患者の不確かさと対処を明らかにし,患者が不確かさの体験を通して主体的に治療完遂に向かうための看護援助について示唆を得ることを目的とした.初めて根治目的の放射線治療を受けているがん患者8名を対象に半構成的質問紙を用いて面接を行い,得られたデータを質的帰納的に分析した.その結果,放射線治療を受けているがん患者の不確かさとして,【放射線そのものの存在が漠然としている】,【放射線治療が適切なのか判断できない】,【今後の治療経過を予測できない】,【治療が複雑すぎて十分に理解できない】,【曖昧な身体状況を捉えることができない】,【自分の状況をコントロールできない】,対処として,【自分なりに物事を解釈する】,【自分でできる情報収集を行う】,【意図的に物事を考えないようにする】,【気がかりを自分の中に留めておく】,【今やるべき放射線治療を継続する】,【未来に確信がもてるよう気持ちを整理する】のそれぞれ6つの大カテゴリーが抽出された.患者は,不確かな状況で放射線治療を継続することに意味を見出しており,不確かさに対して対処を繰り返し行うことで,不確かさに対して新たな見方を獲得していくと考えられる.

    抄録全体を表示
資料
実践報告
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
feedback
Top