日本がん看護学会誌
Online ISSN : 2189-7565
Print ISSN : 0914-6423
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27 巻 , 1 号
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原著
  • 江口 瞳, 秋元 典子
    27 巻 (2013) 1 号 p. 4-12
    公開日: 2016/12/13
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究の目的は,緩和ケア病棟入院中で余命3週間程度と予測されている終末期がん患者の1日の過ごし方に対する意思決定の内容を明らかにし,患者が自己の意思決定にしたがって最期まで良質な1日を過ごすことを支援する看護への示唆を得ることである.対象は,緩和ケア病棟に入院し,余命3週間程度と予測されているがん患者18名である.研究は,研究協力施設の承認および任意による研究参加の同意を得て,対象者の体調に配慮して行った.データ収集は,参加型参加観察法および半構造化面接法を用いて行い,Krippendorffの内容分析の手法により分析した.分析の結果,緩和ケア病棟入院中で余命3週間程度と予測されている終末期がん患者の1日の過ごし方に対する意思決定の内容は,【時の仕切りをして,今日1日を生きるという過ごし方をする】【あらかじめ何かをしようとは決めず状況に応じた過ごし方をする】【体力が維持できるような過ごし方をする】【形あるものを残せるような過ごし方をする】【楽しみを取り入れた過ごし方をする】【つらさは家族以外の他者に吐き出して平穏に過ごす】【今も死後においても大切な人との絆を断ち切らないような過ごし方をする】【残された命を他者のために使えるような過ごし方をする】【人として尊厳ある過ごし方をする】であった.

    必要な看護として,身体的苦痛を緩和する,1日1日の生活が患者にとって最良の日となるようケアする,計画を立てないで過ごすことも患者の意思決定として尊重する,達成可能で身近な目標を患者とともに掲げたり「ものづくり」や季節的行事の実施などにより希望を維持し育む契機を用意する,聴き手になる,患者自身が他者のために何かができるような関わりをする,可能な限り患者自身で身の周りのことができるよう環境を整える,などが示唆された.

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研究報告
  • 山本 瀬奈, 荒尾 晴惠, 間城 絵里奈, 田墨 惠子, 吉岡 とも子, 小林 珠実
    27 巻 (2013) 1 号 p. 13-20
    公開日: 2016/12/13
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究では,ホルモン療法を受ける乳がん患者の更年期症状の実態を明らかにし,ホルモン療法を受ける患者に対する看護支援のあり方を検討することを目的とした.調査は,無記名の自記式質問紙を用いた質問紙調査とし,郵送法で回収した.調査項目は,基礎情報,更年期症状(10項目),健康状態(9項目)であった.更年期症状の測定には,簡略更年期指数(Simplified Menopausal Index:SMI)を使用した.分析にはSPSS ver. 18を用いて記述統計の後,ホルモン剤の種類および治療期間で更年期症状を,さらにSMIの重症度で健康状態を比較した.

    質問紙は133名に配布し,83名から回答を得た(回収率62.4%).年齢は平均52.5(SD=8.4)歳,ホルモン療法の平均期間は24.7(SD=17.2)カ月であった.調査した10の更年期症状すべてにおいて出現率は50%を超えており,高頻度に症状が出現していることが明らかになった.重度の更年期症状が出現している者は20名(24.1%)おり,約4人に1人の割合で更年期症状に対する治療・ケアが必要であることが示された.また,重度の更年期症状が出現している場合には,健康状態に有意な差が認められた.ホルモン剤の治療期間では更年期症状に有意な差はなく,治療開始時から同様の症状が継続していた.重度の更年期症状の出現は,健康状態に影響を及ぼし,QOLを低下させる可能性がある.しかしながら実際には,更年期症状に対する治療・ケアを受けている者はおらず,重症度に応じたケアを行うことの必要性が示唆された.

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  • 長坂 育代, 眞嶋 朋子
    27 巻 (2013) 1 号 p. 21-30
    公開日: 2016/12/13
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究の目的は,外来で化学療法を受ける乳がんの女性への看護実践を通して,乳がんの女性が不確かさと折り合いをつけることを支える有用な看護介入を明らかにすることである.病気の不確かさ理論,思考の制御困難性モデル,mastery理論などに基づいて作成した理論的枠組みを用いて乳がんの女性が不確かさと折り合いをつけるプロセスを捉えるとともに,不確かさに伴う不安や心配などの感情的苦痛に対する看護を実践した.

    その結果,4名の対象者に11の不確かさと折り合いをつけるプロセスを認めた.これは不確かさがもつ性質から《常に可能性としてあり続け取り除くことができない不確かさ》《状況の変化や時間の経過とともに過ぎ去っていく不確かさ》《これまでの役割や自分らしさが揺らぐことで生じる不確かさ》《新たな日常性を獲得する過程で生じる不確かさ》の4つに分類された.また,不確かさと折り合いをつけるプロセスを支えることにつながった看護介入は,その不確かさがもつ性質ごとに特徴がみられた.

    本理論的枠組みは,乳がんの女性が抱えている不安や心配などの感情的苦痛を不確かさの観点から捉えることを可能にする.本研究で明らかとなった有用な看護介入は,不確かさに対する看護を行ううえでのアセスメントの視点や実践の方向性を示すものであり,外来で化学療法を受ける乳がんの女性の心理的適応に向けた看護に新たな示唆をもたらすと考える.

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  • 本谷 久美子, 藤村 朗子
    27 巻 (2013) 1 号 p. 31-42
    公開日: 2016/12/13
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究の目的は,がん患者の補完代替療法(CAM)に関する看護師の経験の実態を経験度と経験の中で感じた困難の内容から明らかにすることである.関東近郊の大学病院4施設でがん看護に携わる看護師375名を対象に,自記式質問紙調査を行った.回収は230名で,そのうち記入漏れのあった16名を除いた214名を分析対象とした.分析は,経験度は記述統計,Kruskal Wallisの検定を用い,困難の内容は質的に分析した.その結果,CAMの経験度は全体的に低かった.また「鍼灸」「ホメオパシー」「サメ軟骨」「アガリクス」「メシマコブ」「プロポリス」「マッサージ」「カイロプラクティック」「ハーブ」「丸山ワクチン」の10項目において,がん看護経験年数が長ければ経験度も高い傾向を示した.困難は,【患者・家族の自己判断】【患者の身体や治療への影響】【看護師として主体的に対応しにくい】【看護業務の弊害】【患者と医師の考えの相違】の5カテゴリ,11サブカテゴリに分類された.

    以上のことから,看護師にはCAMを取り入れる患者・家族をありのままに受け入れる姿勢をもつと同時に,患者・家族がCAMについていつでも相談できる環境をつくっていくこと,そしてCAMに対する知識や情報を得ていく必要性が示唆された.

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  • 中橋 苗代, 小笠原 知枝, 吉岡 さおり, 伊藤 朗子, 池内 香織, 宮村 文
    27 巻 (2013) 1 号 p. 43-51
    公開日: 2016/12/13
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究は,終末期がん患者を抱える家族の家族機能の特徴を終末期がん患者を含まない家族との比較を通して明らかにし,家族機能の影響要因を検討することである.分析対象は,終末期がん患者の家族46家族,比較群とした家族49家族である.家族機能を測定する尺度(FSHM),支援ネットワーク,家族属性についての質問紙調査を実施した.分析はMann‒Whitney U検定や重回帰分析を用いた.その結果,1)終末期がん患者を抱える家族は比較群と比べ時間空間の共有,信頼に基づくきずなが高いことが示唆された.2)家族機能には,家族間コミュニケーションが影響を及ぼしていることが明らかとなった.下位尺度別にみると,信頼に基づくきずな,時間空間の共有には手段的ネットワーク,役割達成性には手段的ネットワーク・介護者数,環境への適応性には主介護者の性別が影響要因として示された.主介護者が男性の場合は,女性の場合に比べ環境への適応性が低いことが明らかとなった.以上より,終末期がん患者を抱える家族の家族機能を促進するためには,家族間のコミュニケーションが円滑に行われるような関わりの必要性が示唆された.

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  • 杉村 鮎美, 安藤 詳子
    27 巻 (2013) 1 号 p. 52-60
    公開日: 2016/12/13
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究の目的は,緩和ケア病棟で行われている呼吸困難マネジメントの実践状況と,呼吸困難マネジメントと看護師の知識・技術・態度の関連を明らかにすることである.東海・北陸地域にある緩和ケア病棟に勤務する看護師276名に対し,看護師背景・呼吸困難に関する基礎知識・技術・態度・ケアの実施状況について質問紙調査を行った.回収率は89.1%であった.呼吸困難マネジメントの基礎知識の結果は,呼吸困難の性質,モルヒネの効果は9割以上と高く,医療用麻薬の追加が呼吸抑制に与える影響は5割程度と低かった.呼吸困難マネジメントにおけるアセスメントスケールの知識がある者は,実施している呼吸困難に対するケアが多いことから,スケールの知識をもとにアセスメントを行い,意図的に援助につなげていると推測された.呼吸困難に対するケアは,体位の工夫や不安の軽減は9割以上と高く,スクィージングは6割が理解し,4割が実施していた.重回帰分析の結果,身体的ケア実施には基礎知識,身体的ケア技術,呼吸困難に対する態度が影響していたことから,理解が不十分である知識や技術の教育が身体的ケアの実施を促進することが示唆された.精神的ケア実施には精神的ケア技術,呼吸困難に対する態度,コミュニケーションに対する態度が影響しており,呼吸困難に対する態度を養うことに加えて,コミュニケーションスキルを身につける必要があると示唆された.

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