日本がん看護学会誌
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28 巻 , 2 号
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原著
  • 大塚 敦子, 木曽 夕美子, 柳原 清子, 庄村 雅子
    28 巻 (2014) 2 号 p. 5-14
    公開日: 2016/12/09
    ジャーナル フリー

    要 旨

    目的:本研究の目的は,高齢者の造血幹細胞移植の体験を明らかにし,移植をいかに意味づけたのかについて明らかにすることである.なお,意味づけるとは,生きる価値や目的を意識することであり,移植を肯定的に捉え直すことと定義した.

    方法:対象者は,急性白血病または,骨髄異形成症候群と診断され,大学病院一施設において移植を受けた60歳以上の患者とした.半構造化面接を行い,意味づけのプロセスを把握し,記述データは修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチにより分析した.

    結果:対象者は10名,男性9名,女性1名だった.移植時の平均年齢は66.3±3.5歳だった.高齢者の造血幹細胞移植の体験は,【血液がんと移植の過酷さとの対峙】に始まり,【人生経験から培った智慧と逞しさ】を駆使し,移植を乗り越えていた.そして,移植体験によって【余命をよりよく生きたい】という信念を獲得し,移植を自らの生き方に意味づけていた.

    結論:高齢者が過酷な移植を生き抜いたプロセスにより,環境に適応する強靭さや新たなる信念を獲得し,内面的な成熟を遂げていた.本研究結果により高齢移植体験者が,智慧や人生経験による逞しさを高め,苦悩や生きがいを共有できるような個別性のある看護の必要性が示唆された.また,移植の意味づけを後押しするかかわりを通して,高齢者がさらに成長できるような支援が重要といえる.

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研究報告
  • 吉田 みつ子
    28 巻 (2014) 2 号 p. 15-22
    公開日: 2016/12/09
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究は,膵がんと診断された患者が難治性のがんをどのように生き抜こうとしているのかを明らかにし,そこに求められる看護の意味や方向性を検討することを目的とする.研究参加者は2名の女性の膵がん患者であり,治療や療養生活の経過,治療法の選択や今の思い,これからのことなどについて関心事や懸念に沿って語ってもらい,ICレコーダーに録音した.逐語録を作成し,患者の経験の特徴について,Bennerの現象学的人間論を基盤に分析・解釈した.

    「再発を見据え,治療を探し求めて生き抜く」,「死がみえてきたとき,生き抜く道を探す」という経験の特徴が明らかになり,彼らが診断時から予後不良という苦悩の中に身を置き,生活の背景に死の不安が常に存在する様相がうかがわれた.彼らは予後不良や死という意味を医療従事者との相互作用を通して取り込み,いずれ再発,治療の手立てがなくなることを理解し受けとめるように期待され,彼らもまたそれに備えようとして格闘していたと考えられた.社会一般が付与する「膵がん=死」という意味づけ,未来への志向を閉ざされた中で生きること自体が格闘であった.難治性がん患者への支援においては,未来への志向性,「膵がん」の意味づけ,医療従事者・患者間の時間の捉え方の異和を,援助方法論の軸に据えることが示唆された.

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資料
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