日本がん看護学会誌
Online ISSN : 2189-7565
Print ISSN : 0914-6423
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29 巻 , 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
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原著
  • 日下 裕子, 中村 康香, 跡上 富美, 吉沢 豊予子
    29 巻 (2015) 1 号 p. 5-13
    公開日: 2016/11/25
    ジャーナル フリー

    要 旨

    目的:続発性リンパ浮腫は,リンパ節郭清を伴う婦人科がん手術によって引き起こされる後遺症であり,これを予防する予防教育が注目されている.本研究は予防教育で,リンパ浮腫の発症を予防するには生涯を通じてセルフケア継続が必要と説明されたとき,どのような思いを抱くのかを明らかにする.

    方法:婦人科がん手術後に実施するリンパ浮腫予防教室受講後に同意を得られた研究協力者に半構造化面接法を行い,質的帰納的に分析を行った.

    結果:研究協力者は30歳代から60歳代の女性15名であった.面接内容から,最終的に【終わりのないセルフケアは重荷】【セルフケアと継続性の不確かさ】【セルフケアは必要と自分に言い聞かす】【具体的にやらなきゃいけないセルフケア】という4つのカテゴリを抽出した.

    考察および結論:【終わりのないセルフケアは重荷】【セルフケアと継続性の不確かさ】の2つのカテゴリは自覚症状がないままに続くケアの重荷という予後の不確かさと確証のないケアと自身の継続性につながる医療の不確かさという認知であった.これらの不確かさの評価が【セルフケアは必要と自分に言い聞かす】【具体的にやらなきゃいけないセルフケア】というこれから行う具体的なセルフケアへと思考を発展させていく思いとなっていた.このことは,医療者がリンパ浮腫未発症者のセルフケアへの思考の喚起と実践につながる支援法の開発を示唆するものである.

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  • 齊藤 真江, 林 克己
    29 巻 (2015) 1 号 p. 14-23
    公開日: 2016/11/25
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究の目的は,頭頸部の放射線治療で頻度の高い急性有害事象である放射線皮膚炎に対する,保湿クリーム(リモイス®バリア)の効果を明らかにし,看護支援に役立てることである.

    方法は,2011年1月~ 2013年9月に頭頸部に放射線治療を実施し(気管孔のある患者,および頸部全体が照射野に入らない喉頭がん以外の症例を除く),研究の同意が得られた患者33名を対象とした.封筒法(封筒に入れた複数のカードの中から患者自身が選択する方法)により保湿クリーム使用群と未使用群に分けた.保湿クリームは治療後と眠前に撫でるように塗布することを患者に指導し,照射時に自覚症状と他覚症状を観察した.皮膚障害の程度は,「症状なし」を「0」,「症状あり」を段階的に「1~6」に点数化し,照射ごとに加算した.さらに,保湿クリーム使用群16名と未使用群17名の皮膚障害の程度を比較し,統計的に分析した.

    その結果,保湿クリーム使用群は自覚症状,他覚症状ともに出現頻度が低く,出現時期が遅かった.また,両群の線量が進むごとに加算した皮膚障害の程度の点数を照射線量ごとに検定を行った結果,60Gy以上で有意差があった.さらに,保湿クリーム使用による皮膚炎の悪化は認めなかったことにより,放射線皮膚炎に対して保湿クリームは有効であることが分かった.保湿クリームは,放射線皮膚炎の進行を抑制する効果があり,皮膚炎による苦痛の軽減につながった.

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研究報告
  • 我妻 孝則, 嶺岸 秀子
    29 巻 (2015) 1 号 p. 24-33
    公開日: 2016/11/25
    ジャーナル フリー

    要 旨

    【目的】M.Newman理論に基づいて,中年期進行肺がん患者と看護師が,パターン認識する過程を共に辿ることができたならば,患者の自分らしく生きることにどのような変化が表れるのかを探求する.

    【方法】対象者は,医師が根治・延命の治療継続が困難と予測する,または遠隔転移がある肺がん患者4名.M.Newman理論を参考に看護介入を実施し,逐語録を分析した.

    【結果】対象者は5つの局面を開示し,速やかな変化の過程を辿った.局面1:自分らしく生きてきた過去を振り返り,肺がんの進行で死を意識して自分らしく生きられない現況の表出,局面2:現在までの周囲の人間関係における本来の自分らしさの探求,局面3:人生の中心を占めてきた仕事や家庭生活を通して自己のパターン認識,局面4:肺がん体験を自分らしく生きる意味を見出し,将来への願望を表明,局面5:肺がんと共に在る自己を受容し,自分らしく生きることへ変容.

    【結論】中年期進行肺がん患者が,パターン認識の過程で,肺がん体験を生きることに自己洞察や意味を見出し,未来に向けて自分はどう生きたいかを表明できることを示唆できた.

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  • 杉山 令子, 長谷部 真木子
    29 巻 (2015) 1 号 p. 34-43
    公開日: 2016/11/25
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究の目的は,外来がん化学療法における携帯型ディスポーザブル注入ポンプを使用する大腸がん患者のニードと関連要因を明らかにすることである.外来化学療法を行う大腸がん患者668名を対象に,郵送質問紙調査を実施した.298名から回答が得られ,すべてを分析対象とした.分析は単純集計,χ2検定,ロジスティック回帰分析を用いた.記述式項目は,記述内容をカテゴリー化した.

    治療は日常生活上特に清潔行動,仕事に支障があり,その原因は副作用とポンプの物理的な影響であった.ポンプ装着生活に6割が心配を抱え,心配に関連する要因は「年齢が低い」「家事を主には行わない」であった.多くは,管や針部の保護などを心配していた.自宅で注入終了処置を行うのは7割,その内,困っているのは約3割でテープがはがしにくい,針扱いが怖いなどを感じていた.注入中の不具合経験者は4割で,その半数以上にテープ固定部皮膚症状の経験があった.不具合経験に関連する要因は,「女性」「罹患年数が長い」「ポート位置胸部」であった.自由記述から得られたニードは,【苦痛の少ない針刺入とテープ固定改善の要望】【ポンプ装着方法改善の要望】【ポートトラブルとポートに関する不安】などであった.

    治療前に治療や生活について情報提供・指導することが重要であり,治療に慣れた患者においても,皮膚トラブルや不具合,生活面の問題などがみられるため,継続的支援や相談窓口が必要であることが示唆された.

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  • 大園 康文, 石井 容子, 宮下 光令
    29 巻 (2015) 1 号 p. 44-53
    公開日: 2016/11/25
    ジャーナル フリー

    要 旨

    目的:本研究の目的は,終末期がん患者の在宅療養継続の障害となる事柄についての訪問看護師の認識を明らかにすることである.

    方法:関東に設置され24時間対応している訪問看護ステーションに常勤として所属する訪問看護師を対象に質問紙調査を実施し,90項目12ドメインの終末期がん患者の在宅療養継続の障害となる項目について,それぞれの項目を障害と考える割合を算出する.

    結果:障害となると回答した割合が多かったのは,医師・ケアマネジャーの終末期がん患者の在宅療養への理解が不十分であること・訪問看護システムの不備があること・患者と家族に経済的負担があることなどであった.

    考察:本研究の結果から,終末期がん患者の在宅療養を継続するためには,医師・ケアマネジャー・訪問看護師が終末期がん患者の在宅療養の特徴を理解し症状緩和の知識・技術を高め,訪問看護師が特に医師とケアマネジャーとの連携に留意し,患者と家族の経済的負担を軽減することが重要であることが明らかになった.

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  • 釘本 とよ子, 古賀 明美
    29 巻 (2015) 1 号 p. 54-61
    公開日: 2016/11/25
    ジャーナル フリー

    要 旨

    目的:肺がんの治療過程の中で,配偶者に医師から「bad news」が伝えられる時期を大きく3つの病期(診断告知の時期・再発の時期・積極的な治療終了の時期)に分け,各病期での配偶者の心理的ストレス反応の程度およびそれに影響を及ぼしている要因を明らかにし,3つの病期に応じた適切な看護援助について考察する.

    方法:「bad news」が伝えられる3つの病期にある肺がん患者の配偶者に対して,心理的ストレス反応,夫婦関係満足度を含む自記式質問紙を用いて調査を行った.

    結果:肺がん患者の配偶者(44名)の約2/3は自分の健康問題を抱えていた.その心理的ストレス反応は最初の「診断告知の時期」に高い傾向にあったが,病期別の有意差は認められなかった.配偶者の心理的ストレス反応に影響する要因としては,「夫婦関係満足度」「健康の状態」「経済的不安」「家族構成」が主なものであり,3つの病期によってこれらの影響要因は異なっていた.

    結論:看護者は,肺がん患者の配偶者の心理的ストレス反応を緩和するために,病期によって要因が異なることを考慮して援助することが大切である.

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  • 本多 昌子, 神田 清子
    29 巻 (2015) 1 号 p. 62-70
    公開日: 2016/11/25
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究の目的は,積極的な治療継続のため大学病院から地域医療支援病院へ転院を告げられたがん患者が,転院を受け入れ新たな環境で人との関係性を構築するプロセスを明らかにし,その過程を支援する看護実践への示唆を得ることである.

    対象は,A大学病院からB地域医療支援病院へ転院した消化器がん患者13名である.転院後に半構成的面接を行い,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M―GTA)を用いて分析した.その結果,本プロセスは,転院前の『葛藤を乗り越え新たな環境への準備を整える体験』を経て,転院後の『新たな環境で人との相互作用を意識しながら生きる体験』に至った.転院前の体験は〈青天の霹靂である転院告知への困惑〉から始まった.転院後は,初対面の医療者への不安を抱くというような《未知の環境へ入ることへの困惑感》が生じたが,看護師の歓迎の態度に触れ人との繋がりを希求し,歩み始める.そして対象者らは,自らの身体や社会性の回復という転換点を経て《深まる人との繋がり》を獲得した.

    また,両プロセスにおいて,がんと闘うための手段である〈治療へ託す生への希望〉が存在していた.転院を告げられたがん患者の特徴としては〈もう治らないがんという認知〉を抱き,負のスパイラルに陥ることが明らかになった.看護師は,転院患者の認知を把握し受け止め,負のスパイラルに陥ることなく精神的に安定し,転院を受け止め適応できる環境を整えることが重要であり,それは,地域完結型医療への転換を促進できる支援に繋がると考える.

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