日本がん看護学会誌
Online ISSN : 2189-7565
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29 巻 , 2 号
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原著
  • 野込 真由美, 秋元 典子
    29 巻 (2015) 2 号 p. 5-13
    公開日: 2016/11/25
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究の目的は,手術適応外のために定位放射線療法を受ける高齢肺がん患者の体験を明らかにし,必要な看護実践について検討することである.

    手術適応外のために定位放射線療法を受ける高齢肺がん患者9名に,半構造化面接を実施し,Krippendorffの内容分析の手法を用いて分析した結果,手術適応外のために定位放射線療法を受ける高齢肺がん患者の体験は,【手術への未練を断ち切れない】【高齢であっても手術に代わる治療法があることに感謝する】【治癒を信じ手術に代わる定位放射線療法に賭ける】【定位放射線療法以外に治療法選択の余地がないなら,治療後の望ましくない結果も合併症発症も治療中の不快感も引き受ける】【良い細胞まで放射線でやられてしまうと恐れる】【定位放射線療法の効果を信じきれない】の6大表題に類型化された.

    手術適応外のために定位放射線療法を受ける高齢肺がん患者への看護実践として,まずは,手術への未練を断ち切れず引きずったままながらも定位放射線療法に賭けている患者の治療完遂を支援することである.しかし,治療効果が得られなかった時や治療後の肺臓炎発症時には,断ち切れず潜在し続けている手術への未練が引き金となり,手術適応外と判断されたことへの恨めしさが顕在する可能がある.その時には,これまで幾多の困難を乗り越えてきた自身の人生を振り返ってもらうことで自分のもてる力の再確認を促し,この事態を乗り越えることにつなげるような支援が必要である.また,放射線への恐怖感払拭のための支援,外来受診時や電話訪問による継続看護などの必要性が示唆された.

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  • 菅野 久美, 秋元 典子, 眞嶋 朋子
    29 巻 (2015) 2 号 p. 14-24
    公開日: 2016/11/25
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究の目的は,外来化学療法を受けるがん患者の心身緊張状態と緊張緩和のための対処過程を明らかにし,緊張緩和を促進する看護実践への示唆を得ることである.

    外来化学療法を受けるがん患者8名を対象とし,参加観察および半構造化面接によりデータを収集し,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチの手法を用いて分析した.

    分析の結果,外来化学療法を受けるがん患者の心身緊張状態と緊張緩和のための対処過程は,《多様な身体感覚を自覚しながら心身緊張に気づいていく》および《手応えを感じながら心身緊張緩和の方略を獲得し,緊張緩和に向かう》をコアカテゴリーとする過程として説明された.【単一の因果では説明できない振幅の大きな繰り返される身体感覚】を有した患者は,【行動や身体感覚の変化を自覚する】【日常生活が変わってきた】『外観や行動の変化を他者から知らされる』ことで【心身緊張が浮かび上がる】体験をする場合もあれば【心身緊張とは気づかないままに過ごす】場合もあった.いずれの患者も身体感覚に対して【外来化学療法開始前から持ち合わせている緩和方法を行う】【抗うことなく選択した受動的な方法を使う】『刺激とならないように言動や行動を制御する』【関心を外に向けるための時間や場所をつくる】【同じ体験者とのつながりを活用する】【次の治療に臨む準備をする】という対処方略により,【緩和の手応えを実感しながら評価する】ことで最終的に心身緊張の緩和がみられていた.これらのことから,患者が早期に心身緊張に気づき,緩和方略を獲得していける看護実践の必要性が示唆された.

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  • 山本 瀬奈, 田墨 惠子, 西 光代, 奥出 有香子, 物部 千穂, 荒尾 晴惠
    29 巻 (2015) 2 号 p. 25-32
    公開日: 2016/11/25
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究の目的は,乳がん患者がホルモン療法開始後早期に体験する更年期症状とQOLの経時的変化を明らかにすることである.ホルモン療法を開始する初発の乳がん患者41名に自記式質問紙を配布し,治療開始時,1カ月後,3カ月後の更年期症状とQOLを調査した.質問紙は郵送法で回収し,3時点の返送がすべて得られた31名のうち(回収率75.6%),タモキシフェンを服用する閉経前患者15名,アロマターゼ阻害剤を服用する閉経後患者15名の計30名を対象とした(有効回答率73.2%).更年期症状とQOLの変化は,回答時期と閉経状況を2要因とし,分散分析を用いて検討した(多重比較法:Dunnettの方法).またPearsonの相関係数を算出し,更年期症状とQOLの相関関係を検討した.

    更年期症状,QOLともに,要因間に交互作用はなく,時期のみ有意な主効果を示した.ホルモン療法を開始する患者は3カ月後に更年期症状の増強(p < 0.05)とQOLの低下(p < 0.01)を経験していた.しかし,この時点では正常範囲内もしくは軽度の更年期症状が多く,QOLとの間に有意な相関を示さなかった(p = 0.054).治療開始後3カ月は更年期症状が増強しはじめる初期の段階であり,QOLに影響を及ぼす前段階にあると考えられる.受診の機会が限られるホルモン療法において効果的に看護支援を提供するためには,治療開始後3カ月を目安に更年期症状をスクリーニングすることが有用であると期待される.

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  • 岡本 愛, 森本 美智子
    29 巻 (2015) 2 号 p. 33-42
    公開日: 2016/11/25
    ジャーナル フリー

    要 旨

    【目 的】初回治療を受ける非小細胞肺がん患者に対して心理的な看護介入を行い,その効果を検討した.

    【方 法】病期Ⅲ期以上の男性患者を対象とし,年齢と病期を用いて参加者を層別化し2群に割り当てた.介入群には,緩和ケア認定看護師が認知的支援,情緒的支援を行った.効果判定には,認知的評価尺度,Mental Adjustment to Cancer Scale(Mac scale),European Organization for Research and Treatment of Cancer quality of life questionnaire(QLQ―C30)を用いた.

    【結 果】介入群はⅢ期3名/Ⅳ期5名で,対照群はⅢ期4名/Ⅳ期6名であった.対照群では,1カ月後の「脅威性の評価」「予期的不安」の平均値は上昇し,介入群では低下し(変化量,p<0.05),効果量は0.64,0.63であった.QLQ―C30では「role functioning」に異なる変化を認め(p<0.05),介入群で改善し,その効果量は0.59であった.

    【結 論】心理的な看護介入が,患者の状況に対する評価を変化させ,対処や取り組みを促進し,QOLの改善に寄与する可能性が示唆された.

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  • 岩城 直子, 牧野 智恵
    29 巻 (2015) 2 号 p. 43-53
    公開日: 2016/11/25
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究は,外来で放射療法中のがん患者へPurpose in Life test(以下,PILテスト)を手がかりとした看護介入を実施し,QOLや心理的適応への効果について検討した.

    外来で放射線療法を受けるがん患者を対照群(20名),介入群(19名)に無作為に振り分け,研究対象者とした.介入群には放射線療法開始時にPILテストを実施し,その結果を手がかりに研究者と患者で対話し,その効果を3時点(放射線療法開始時,終了時,終了3カ月後)で,Quality of Life Radiation Therapy Instrument日本語版(以下,QOL―RTI),Mental Adjustment to Cancer日本語版(以下,MAC)の質問紙で評価した.介入の有無(対応なし)と,放射線療法開始時・終了時・終了3カ月後の時期(対応あり)の2要因分散分析(混合計画)を行なった.その結果,全対象者では,MACの下位概念であるhelpless/hopeless(絶望感)の交互作用に有意傾向が認められ(p<0.10),介入群は,放射線療法開始時から経過にともなって絶望感が減少していく傾向がみられた.QOL―RTIには有意な交互作用は認めなかった.今回の対象者で60%を占めていた乳がん患者をみると,QOLの総得点とQOL心理/精神得点において,交互作用に有意差が認められ(p<0.05),介入群において,放射線療法開始時から時期の経過にともなって,QOLとQOLの精神心理面の改善がみられていた.

    これらのことから,外来で放射線療法を受ける患者と研究者が,人生観や病気苦悩観,死生観について対話するという相互作用の機会をもったことで,絶望感軽減に影響を与え,乳がん患者にはQOLとQOLの精神心理面の改善効果が推察された.

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研究報告
  • 安永 梓
    29 巻 (2015) 2 号 p. 54-61
    公開日: 2016/11/25
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究の目的は,遊離組織移植による再建術を伴う頭頸部がん拡大根治術を受ける患者の家族の思いを明らかにすることである.コミュニケーション能力の低下,顔貌の変化などに付随する問題が,他のあらゆるがん患者と比較して最も強調される頭頸部がん患者の術後急性期に,患者の側にいた家族を対象とした.その家族から手術にともなって感じた思いについて半構造化面接を行い,KJ法を用いて内容分析を行った.

    面接で得られた内容をまとめ,ラベルづけを行った結果,45コードが抽出された.そのコードから,[平静][安心][喜び][感謝][達成感]の5つのサブカテゴリーがポジティブに,[恐怖][つらい][可哀想][困惑][不安][後悔][ねぎらってほしい]の7つのサブカテゴリーがネガティブにカテゴリー化された.

    今回の研究から,患者の側にいる家族は普段言葉には出さないさまざまな思いを抱えながらも,命をかけて治療に臨む患者を多大な努力と気持ちのコントロールを行いながら支えていることが判明した.それらを踏まえ,今後も関わっていく患者・家族両者の思いに向き合い,支援していく助けとしたい.

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  • 川端 愛
    29 巻 (2015) 2 号 p. 62-70
    公開日: 2016/11/25
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究の目的は,がんの集学的治療を断念した患者を対象に,希望に関する体験を記述し,患者を支える希望の意味を明らかにすることである.緩和ケア科外来に通院する50~60歳代の患者4名の協力を得て,半構造化面接を実施した.得られたデータは,現象学的アプローチであるGiorgiによる方法論を用いて分析し,固有の経験についてリアリティのある記述を目指した.

    分析の結果,がん治療を断念した患者が一様に認識していたのは《限りある時間》に被投された自己であった.自分自身の死の近さを知りつつも《固有の自己存在》と対峙してきた研究協力者によって語られた希望には,自分自身で在り続けることを可能にする〈私で在ることの肯定〉,他者により自分自身の存在意義が明らかになる〈つながりの意味づけ〉,生物学的な終焉にとらわれない〈新たな未来の見通し〉という意味があった.このような意味を有した希望は,がん体験に特有な喪失や苦痛を経験するなかで,自分自分の存在を見失うことなく,最期まで生き抜こうとする自分を支える力となっていた.

    以上より,がん患者の希望に関する看護を検討する際には,患者から語られる希望それ自体に着目するのではなく,まずは「私」という自己存在と関わり合う能力に注目すべきである.この能力を高めることが,統御のつかない死という存在を前にしてもなお,生きる力となる希望を獲得する可能性に開けていくと考える.

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  • 野中 雅人
    29 巻 (2015) 2 号 p. 71-78
    公開日: 2016/11/25
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究は,頭頸部がん患者の放射線療法に伴う急性期有害事象に対するプロトコルを評価することを目的とした.本プロトコルは,Eilers口腔アセスメントガイドなどにより,定期的に口腔内評価を行うことによって,皮膚炎を含む急性期有害事象の重症度に応じたケアを実践するために作成した.

    対象者は,頭頸部がんの化学放射線療法を受けた患者で,プロトコル導入前群12名,導入後群12名の計24名である.平均年齢は66.8歳であった.プロトコル導入後,リドカイン入りの含嗽水の使用開始が6.9日(p<0.05),食事形態の変更は3.2日早まった(p=0.44).口腔や咽頭痛に対するNSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛薬)使用は2.0日遅くなった(p=0.68).体重減少率は,導入前群8.1%,導入後群6.5%だった(p=0.54).皮膚炎に対する軟膏使用開始時期は,導入後群で6.6日早まった(p<0.05).照射30回目の皮膚炎グレード3は,導入前群66%から導入後群33%に減少した(p=0.16).プロトコル導入によって,定期的に急性期有害事象の観察が行われ,点数化されたことで,早期介入につながった.その結果,4日以上の休止期間を生じさせることなく治療完遂できた.

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  • 大山 末美, 深田 順子, 鎌倉 やよい
    29 巻 (2015) 2 号 p. 79-90
    公開日: 2016/11/25
    ジャーナル フリー

    要 旨

    目 的:がん患者の抑うつに関する看護の現状を把握し,看護の課題を検討した.

    方 法:研究倫理審査委員会の許可を得て実施した.全国で同意が得られた80病院の緩和ケア病棟看護師435名に郵送法で調査した.調査項目は国内外の文献検討に基づき作成し,抑うつの客観的観察項目と主観的質問項目とそれに関連すると考えるコミュニケーションスキル,Aguileraの危機の問題解決モデルの枠組みである決定要因,看護師・緩和ケア経験年数などとした.

    結 果:分析対象は250名で30~40歳代が70%以上,看護師・緩和ケア経験平均年数はそれぞれ16.6年(SD ± 7.5),5.1年(SD ± 2.8)であった.客観的観察項目を“いつもする”“時々する”合わせて75%以上あった項目は35項目中32項目,主観的質問項目は37項目中10項目,コミュニケーションスキルは22項目中19項目であった.決定要因は“いつもする”が75%以上あった項目は38項目中20項目であった.客観的観察項目と主観的質問項目を因子分析し,抽出した各因子を目的変数に,コミュニケーションスキルの平均点,看護職・緩和ケア経験年数を説明変数に重回帰分析を行った結果,コミュニケーションスキルと有意に相関があった(β=0.247~0.414,p<0.001).

    考 察:がん患者の抑うつに関して,患者の主観的な気持ちを聴くためのコミュニケーションスキルを向上し,意図的に客観的な観察ができるツールが必要であると考える.

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