目的:食道切除再建術後がん患者が受けた退院後の食の再獲得を支える他者からの援助を明らかにする.
方法:研究参加者:食道切除再建術を受け,退院後2カ月から1年程度の術後補助療法を受けていない外来通院がん患者7名.調査方法:半構成的質問紙による面接法と記録調査法.分析方法:逐語録から退院後の食の再獲得を支える他者からの援助について語られている部分を抽出し,意味内容の類似したものを集めてカテゴリー化した.
結果:食道切除再建術後がん患者が受けた退院後の食の再獲得を支える他者からの援助は,《食べる気持ちを整える援助》《楽しく食事ができる援助》《自分に合わせて自由に食事ができるよう配慮してくれる援助》《食に伴う苦痛症状への対処を支える援助》《効率的な食事摂取を促す援助》《食習慣の変更を促す援助》《新たな気づきを与える援助》の7つの上位カテゴリーが抽出された.
考察:食道切除再建術後がん患者が受けた退院後の食の再獲得を支える他者からの援助は,食への気持ちを向上させる援助,食の楽しみや自律性を保つ援助,食に伴う苦痛を軽減する援助,新たな食習慣を得る援助,自己認識の拡大を促す援助であった.食道切除再建術後がん患者の新たな食の確立のためには,食べる前の患者の気持ちに配慮した情緒的支援,患者の対処に対する他者への教育的支援,患者自身が客観的に自己を捉えることを促す援助などの必要性が示唆された.
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