【目的】必須微量元素である亜鉛は,アルブミン(Alb)と結合して体循環する.今回,透析患者の血清亜鉛値と生命予後との関係を検討した.
【方法】維持血液透析患者505人の血清亜鉛値を測定後,死亡をエンドポイントに約3年間観察した.血清亜鉛値を三分位に分け,Kaplan–Meier法およびCox proportional hazards modelを用いて解析した.また,Alb との関係を検討した.
【結果】血清亜鉛値は,栄養状態を反映するGNRI,血清P,Mg,T-chol,TG,TP,Alb,ChE,Hb 値と正相関した.観察期間中,計61人(12.1%)が死亡した.総死亡リスクは第1三分位群[血清亜鉛;49(46 - 52)μg/dL]と比較して,第2三分位群[59(57-61)μg/dL](HR 0.549, 95%CI 0.303–0.995.p =0.048),第3三分位群[70(66-74)μg/dL](HR 0.454,95%CI 0.241–0.857,p= 0.015)となるに従
い低下した.本関係は,年齢および透析歴で調整後も認められたが,Albを共変量に加えることで消失し,サブグループ解析では,Albが3.5から3.6 g/dLの群でのみ観察された.心血管関連死,感染症死,癌関連死は3群間で差はなかった.
【結論】透析患者において,血清亜鉛値は生命予後と関連するが,本関係はAlbにより影響を受ける.
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