片側人工膝関節全置換術パス(以下、TKAパス)の適応期間の見直しを検討するためにアウトカム評価を実施し、在院日数に関わる因子を抽出した。また、電子カルテ上にて各アウトカム結果を自動的に抽出できる新手法を開発した。
アウトカム評価の対象は、平成25年1月~6月に退院し、TKAパスを使用した症例20例とした。20例の在院日数の中央値35日を基準に35日以内を早期群、36日以降を遅延群とした。統計処理は、χ2 検定にて比較し有意水準は5%未満とした。また今回、TKAパスを用いて、従来どおり手作業にてアウトカム評価を行ったものと、電子カルテシステムに蓄積されたデータを、ツールを用いて抽出する新手法で行ったものと、データ収集にかかる時間を比較した。
アウトカム評価の結果は、杖歩行自立、階段昇降自立の項目において早期群では達成している症例が有意に多かった。作業効率の結果は、手作業で行ったアウトカム評価は1,370分要し、新手法で行った場合では10分程度で行うことができた。
TKAパスの適応期間を短縮し、アウトカム項目および設定日を見直す必要がある。杖歩行・階段昇降自立をクリティカルインディケーターととらえ早期獲得を目指していきたい。また、新手法導入によりアウトカム評価を短時間でできるようになった。
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