最近活断層に対する一般の関心が高まっており, 活断層が近い将来に再活動の可能性を有するといわれることから土木地質学にも関連が生じてきている。
地質学上の活断層は第四紀に形成あるいは活動した断層で, 将来も動く可能性のある断層と定義されているのが一般のようである。活断層の選出に際し, 地質学的手法としては断層転位地形, 断層に関連する地質年代のわかっている基準層 (普通には断層を覆う第四紀層) が切れているかどうか, などの資料が有力な判定基準として用いられている。
ところが, 日本のような侵食のはげしい地域では地形の保存が悪く, かつ, 転位地形に対し侵食地形の比重が大きく, また, 断層と関連する第四紀層が分布していない地域では上記の手法は適用困難なことが多く, 信頼性の低い資料を与えることとなる。
わが国では構造物の基礎として選ばれる地盤は実はこのような個所に立地されることが多いし, また, 同地盤に数多く存在する中小断層については実際上同手法は適用できないことが多い。工学的には, そこに存在する大断層のみならず, 中・小断層まで包含できる活動性の解明手法, および活動度の評価の手法が望まれる。
本文は各種のダム基礎, 原子力地点など土木地質学的調査によって造られた掘削面, 横坑, トレンチなどの地盤露頭から, 1700例の断層資料をもとに, 現実の地盤における断層の存在量 (断層密度), これらの断層の破砕幅別頻度分布を明らかにし, このような性質を有する断層母集団において, 活動性に関連する地質現象として破砕幅, および, 破砕物質の性状から活動性の評価を行なう新しい一つの手法を提案した。
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