島根県東部~鳥取県西部の宍道低地帯東部の松江平野と弓ヶ浜半島での試錐資料と物理探査資料に基づいて, 両地域の地熱資源を評価した. 両地域の中新統の違いが泉源の違いに現れており, 前者では深度1,200m付近の火山岩類を切る断層が熱水貯留体になっている. 泉源は層厚600m前後の塊状泥岩層によって被覆され, 水圧が高く, そこには70℃前後の硫酸塩泉が存在する. 後者では, 泥岩と砂岩が互層をなし, 帯水層の砂岩の上位の泥岩層が帽岩になった地層水型の泉源である. 深度1,200m付近では40℃程度の食塩泉が存在し, 湯量は1,000
l/min以上であるが, 1,500m以上の深度ではより高温の熱水が採取できる可能性が大きい.
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