岩石中の微小割れ目は応力場や岩石の不均質性などが原因となり複雑な幾何パターンを示し, 拡散係数や透水係数などの割れ目, 微小割れ目に関する各種物性値を変化させる要因となる. このような岩石中の微小割れ目の幾何パターンを特徴づける方法は微小割れ目の抽出, ディジタル化そして解析の3つの段階からなる.
本研究では花崗岩質岩石中の微小割れ目の幾何パターンをレプリカ法, 8ビット (256階調) グレースケールとフラクタル幾何学を拡張したマルチフラクタルを用いて特徴づけた. その結果, 以下のことが明らかになった.
1) 微小割れ目の幾何パターンはその間隙幅ごとに異なる.
2) 微小割れ目は部分ごとに存在確率の異なるマルチフラクタル集合であり, 複数のフラクタル次元のスペクトルである一般化次元D (q) で特徴づける必要がある.
3) 一般化次元D (q) は微小割れ目の幾何パターンの不均質さの度合いの指標となる.
4) 微小割れ目はその成因 (広域応力, シーティング, 風化) により幾何パターンが異なる.
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