トリチウム濃度の時系列変化から, 東京都の被圧地下水の涵養機能を考察した. 東京都の被圧地下水中のトリチウム濃度変化は, 凸型の曲線を示すAタイプ, 明瞭なピークと不規則な低下を示すBタイプ, ピークを示さずに低下するCタイプ, 平均濃度が5TU以下の低濃度で変化に乏しいDタイプに分類できる. Dタイプは, プレボンブトリチウムの変化を示していると考えられる. A, B, Cタイプのトリチウム濃度変化をガウスの正規分布型を採用した循環混合モデルで解析した結果, タイプの違いは帯水層の分散の程度の違いで説明できた. 垂直降下浸透を仮定し, ボンブトリチウムの貫入深度から不圧地下水と被圧地下水の年平均涵養速度を推定した. 不圧地下水の涵養速度は, 75~140mm/年, 被圧地下水のそれは, 488~1,752mm/年と見積もられた. トリチウム濃度変化の垂直分布から, 被圧地下水の涵養は, 不圧帯水層から地下水が垂直下方浸透によって起こっているのではなく, 被圧帯水層が地表に接する位置で涵養された地下水が水平流動して涵養されていると考えられた. 被圧地下水で見積もられた涵養速度は見掛けの速度であると考えた.
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