応用地質
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44 巻 , 3 号
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  • 八木 一善, 三浦 清一
    2003 年 44 巻 3 号 p. 142-153
    発行日: 2003/08/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    本研究では, 火山を起源とする堆積物で構成される北海道各地の地盤から不撹乱および撹乱試料を採取し, 三軸圧縮試験と繰返し非排水せん断試験を実施した. また, 標準貫入試験, コーン貫入試験およびサイスミックコーン試験などの原位置試験も行い, 室内および原位置試験データから算出される火山灰土の力学特性について詳細に検討した. 一連の解析と考察から, 粒子破砕性を示す火山灰土の排水せん断では, 粒子破砕の効果による圧縮変形と粒子配列構造の変化が増大するため, 不撹乱供試体のせん断強度に及ぼすセメンテーションの影響は小さくなるという結論が得られた. また, 多くの火山灰土の液状化強度に及ぼすセメンテーション, 粒径および細粒分の影響は, 拘束圧が低い場合に大となるという事実も明らかとなった. さらに本論では, 内部摩擦角, 液状化強度, コーン貫入抵抗, せん断剛性率とN値との相関について, 破砕性火山灰土と通常の砂のそれとの相違点を調べている.
  • 登坂 博行, 平澤 岳史
    2003 年 44 巻 3 号 p. 154-163
    発行日: 2003/08/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    数値標高モデル (DEM) を利用して地質分布 (岩相の広がり, 異なる岩相の境界, 断層などの線構造) を抽出するための一手法として「粗度図」を提案した. 粗度図は地表面の大きな起伏を除いた局地的凹凸を強調したもので, 岩石の対風化強度の差異や地質構造的差異などが反映されるため, 岩相判別上有用と考えられる.
    本報では, 3地域 (秋吉台周辺, 伊那盆地周辺, 四国全域) においてDEM陰影図, 粗度図, 傾斜量図を地質図と比較検討した結果を示した. 秋吉台においては, DEM陰影図の目視では認識の難しい石灰岩地帯の広がりを粗度図が明瞭に浮き上がらせており, 伊那盆地の例では中央構造線を境にした岩相変化に対応した粗度変化が見られる. また, 四国全域では中央部の岩相の帯状分布などが明瞭化されている. 傾斜量図と粗度図を比較すると, 両者は同じような情報を捉えているが, 前者ではそれほど明瞭に抽出できない地質的差異を, 後者ではより明瞭化できる可能性のあることが示された.
  • 上原 大二郎, 石丸 恒存, 棚瀬 充史, 小川 康雄, 鍵山 恒臣
    2003 年 44 巻 3 号 p. 164-174
    発行日: 2003/08/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    地質環境の長期安定性にかかわる研究の一環で, 紀伊半島南部地域の高温泉の起源と湧出機構の解明を目的として, MT法電磁探査を行い, 広域的な深部比抵抗構造を把握するとともに, 調査地域のノイズ環境やファーリモートリファレンスの効果の評価を行った. その結果, 直流電化されたJR紀勢本線に起因すると思われる低周波広域ノイズの影響が調査地域に広く認められ, このようなノイズが懸念される地域においてはファーリモートリファレンス方式によるノイズ除去が必要であること, 地磁気活動が活発な状況でのデータを取得するために一測点あたり数日以上の測定が必要であることがわかった. 得られたMT法データから求めた紀伊半島南部地域の深度30kmまでの比抵抗構造 (東西, 南北の比抵抗断面) からは, 本宮町周辺の高温泉は比抵抗不連続部の浅部延長上に位置することが明らかになった. このことは低比抵抗の四万十累層群と高比抵抗の新第三紀酸性岩類の境界部には高透水率・高熱伝導率の裂罅が発達し, それがマントル~下部地殻起源の深部流体 (水) の湧出経路となっている可能性を示唆する.
  • 林 為人, 中村 敏明, 高橋 学
    2003 年 44 巻 3 号 p. 175-187
    発行日: 2003/08/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    花崗岩の代表試料として稲田花崗岩を用い, マイクロクラックの分布異方性を顕微鏡観察で調べたうえ, 線膨張率, 温度上昇によって生成・開口したマイクロクラックの累積量である永久熱ひずみ, 超音波速度, 一軸圧縮強度, 弾性定数, 引張強度を測定し, それらの異方性を定量的に評価した.
    稲田花崗岩中のマイクロクラックはR面とほぼ平行の方位に最も卓越して分布しているため, R面に直交のR方向の線膨張率, 永久熱ひずみ, 圧縮強度, ポアソン比はG, H方向のそれらより大きく, R方向の超音波速度, 一軸圧縮載荷初期のヤング率, 引張強度は小さくなっていることが判明した. 異方性の程度は物性によって異なることが確認された. 異方性が最も顕著な物性は引張強度で, 最大値と最小値との差を平均値で除して定義した異方性度合いが約57%であった. 一方, 圧縮強度50%の応力レベルのヤング率は既存マイクロクラックの選択的配向性の影響をほとんど受けておらず, 異方性が認められなかった. 既存マイクロクラックが温度上昇に伴って進展・開口するため, マイクロクラックの選択的配向性に起因する物性の異方性は, 高温あるいは高温履歴の影響を受けて, さらに強まることが明らかになった.
  • 保岡 哲治, 三木 茂, 河原 弘幸, 北村 晴夫, 藤本 睦, 徳舛 幸隆, 進士 正人, 中川 浩二
    2003 年 44 巻 3 号 p. 188-196
    発行日: 2003/08/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    近年, トンネル事前調査に水平ボーリングが多く採用されている. 複数の地質調査技術者による比較調査を行った結果, 水平ボーリングは, 断層や破砕帯など局所的な地山不良部を予測, 確認するのに有効な手段であり, 地質調査技術者も有効な調査手段ととらえていることが確認された. しかし, 検討トンネルでは, 地山区分について顕著な有効性が認められなかった. そこで, トンネル坑口調査の高精度化を目的として, 弾性波探査トモグラフィ的解析と水平ボーリングを組み合わせた地山区分法の検討を行った. その結果, 水平ボーリングのRQDと弾性波速度から切羽観察記録の評点を推定することで, 地山区分をより適切に行えることが示唆された.
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