応用地質
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44 巻, 4 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 鈴木 雅行, 笠博 義, 肥後 満朗
    2003 年 44 巻 4 号 p. 213-222
    発行日: 2003/10/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    ウレタン注入工法はきわめて短時間で地盤の改良・止水効果を発現することから, 近年山岳トンネル工事における補助工法として多用されている. しかし, これまでに実際の地盤条件と改良過程の関係について, 実証的な検討を行った事例は見られない.
    本研究はウレタン系注入材を風化程度の異なる花崗岩からなる実地盤に注入し, 生成された固化体を実際に掘り出してその形状と地盤条件との関連性について検討を行ったものである. 実験の結果, ウレタン系注入材料は地盤条件によって円筒状または平板状の固化体を形成し, こうした形状を決定するうえでは, き裂等の影響を含んだ地盤としての透水性と強度が大きく影響していることが確認された. さらに, この検討結果をもとに, 地盤条件に対するウレタン系材料固化体の形成過程についても考察を行った.
  • 防護網がない斜面への適用性に関する試験結果
    伊藤 史人, 氏平 増之, 安池 雅之, 川村 洋平, 樋口 澄志, 山田 孝, アクメトフ ダウレン, 駒崎 征明
    2003 年 44 巻 4 号 p. 223-233
    発行日: 2003/10/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    最近公表された和歌山県天鳥橋西地区における岩盤モニタリングの結果, 1997年の北海道島牧村第2白糸トンネル巻き出し部の岩盤崩落事故等を参考にすると, 大規模落石や岩盤崩落の前には崩壊岩体境界部から大小の落石が発生し, その頻度が高まると考えられる. 著者らは, 前兆的に発生するこの小礫, 岩塊の落下頻度をモニタリングすることが大規模落石~岩盤崩壊の予知に有効と考えている. 本研究では, スチールワイヤ型ケーブルセンサと衛星電話を組み合わせた落石予検知システムの落石検知能力に関する実験的研究を行った. 衛星電話を経由しての遠隔計測により, 「スチールワイヤ型ケーブルセンサを弾性波伝播媒体となる防護網等がない斜面に敷設した場合においても, 大小の岩塊, 小礫の落下頻度と落下源をモニタリングできること」 を明らかにした. また, 現場側PCに保存している15秒分のデータを分析することにより「落下群の落下速度を求められること」, 「センサ敷設間隔は10mまで広げ得ること」等を明らかにした.
  • 五十嵐 敏文, 丸山 悠, 朝倉 國臣, 服部 修一
    2003 年 44 巻 4 号 p. 234-242
    発行日: 2003/10/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    黄鉄鉱の酸化に起因する酸性水に対して, 方解石含有岩石の中和作用を活用して酸性化を抑制する可能性を検討するために, 黄鉄鉱を含む岩石粉砕試料と方解石を含む岩石粉砕試料とを混合したバッチ溶出試験を実施した. その結果, 混合試料に対しては, 方解石含有試料の混合率の増加とともに溶出水pHが上昇した. さらに, 混合試料の場合でも, 単一試料と同様に, 固相中の炭酸態炭素含有量と硫化物態イオウ含有量とのモル比によって溶出水pHが規定されることがわかった. しかし, 溶出水中のCa濃度やSO4濃度が増加し石膏の溶解度に接近すると, 急激にpHが低下した. このことは, 石膏の生成によって方解石の溶解による中和が制限され, pH緩衝作用を発揮できなくなることを意味する. これらのことから, 黄鉄鉱の酸化に起因する酸性水は方解石含有岩石によって中和されるが, 石膏の溶解度以下のCaやSO4の濃度に維持しておくことが重要である.
  • 亀尾 佳宏, 杉村 淑人, 竹内 一郎, 武田 伸二
    2003 年 44 巻 4 号 p. 243-248
    発行日: 2003/10/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    現地発生材 (掘削残土や河床堆積物) のコンクリート骨材への有効利用を検討するため, 昭和33年に建設された砂防ダム堆砂部でハイブリッドボーリング工法 (気泡式ボーリング, 以下「HB工法」という) によるサンプリングを行った. 調査対象は, 過去40年間に堆積した腐植物や粘土, 砂, 礫などの変化の著しい河床堆積物よりなる. HB工法は, 高濃度気泡の安定供給と気泡送圧力の微調整により, 地下水位以深での良好なコア採取が可能であり, HB工法によって原位置での堆積状況を示すほとんど乱れのないコアが採取できた. また, これにより堆積層ごとの代表的な区間で, 有効な室内土質試験が行え, 土木材料への転用の可否が明らかとなった.
  • 応用地形学研究小委員会
    2003 年 44 巻 4 号 p. 249-256
    発行日: 2003/10/10
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
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