トンネル等の坑壁地質調査では, 短時間に効率的かつ良質な地質データを取得する必要があるが, 坑内照明等のデジタルカメラ画質への影響, デジタルカメラ画像を合成する際の画像補正による画質低下, 地質技術者の技量による地質スケッチの品質差等, さまざまな技術的課題が挙げられる. ここでは, 瑞浪超深地層研究所の立坑に分布する新第三紀中新世の瑞浪層群を対象に, 坑内照明の影響を受けない3Dレーザースキャナー計測の適用試験を行い, 計測で得られた白黒の受光強度画像を画像処理することによって岩相区分を試みた. その結果, 受光強度画像は照明や画像加工のノイズの少ない客観的なデータであり, 複数の画像処理手法を用いることによって, スケッチと整合的に岩相区分を行えることが明らかになった. この手法により, 今後の坑壁地質調査作業の効率化, 高度化が図れる可能性がある.
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