本研究では, 台湾大甲渓支流の小雪渓流域 (22.0km
2) を対象に, 2004年7, 8月のミンドリ, アイリ台風に伴う豪雨により発生した土石流に伴う土砂移動の分析を試みた. 高分解能衛星画像のステレオ解析から作成した5mメッシュのDEMと2次元衛星画像解析により, 土砂移動の範囲を抽出して, これを斜面崩壊地と河道に区分し, それぞれの分布の変遷, 土砂移動量, 地形的特徴を分析した. その結果, 小雪渓流域では, 集集地震時に発生した斜面崩壊により, 崩壊土砂が斜面下部や河道に堆積し, ミンドリ, アイリ台風時の豪雨で, 集集地震時の堆積土砂が, 斜面や河道を流下して土石流となり, 大規模な土砂移動に至ったことがわかった. このときの斜面崩壊地の生産土砂量は9,814千m
3, 堆積土砂量は2,898千m
3, 河道の洗掘土砂量は1,353千m
3, 堆積土砂量は2,387千m
3であり, 小雪渓流域から大甲渓本流への流出土砂量は, 5,882千m
3であった. 本研究で提案した土砂移動の分析手法は, 広域砂防計画のための新たな有効手段の一つになり得ると考えられる.
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