応用地質
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49 巻, 3 号
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  • 若松 尚則, 渡辺 邦夫, 竹内 真司, 三枝 博光
    2008 年49 巻3 号 p. 126-138
    発行日: 2008/08/10
    公開日: 2011/11/04
    ジャーナル フリー
    井戸水位変動データに現れる局所的な地下水流れの特性を定量的に分類し把握することは極めて重要である. ある井戸の水位を降雨や他の井戸の水位を説明変数とした線形回帰モデルにより表し, 回帰係数とモデル適合度を指標に井戸間の水位変動の類似度を評価する方法を提案した. 回帰係数を求めるうえで, 複雑なモデルでもパラメータ同定が容易に行えるという理由から遺伝的アルゴリズムを用いた.
    今回この方法を岐阜県東濃地区内の12本の浅井戸の地下水位変動に適用した. これらの井戸の水位は基本的に降雨と揚水が変動要因となっているが, 地質条件が異なるため, それらの要因に対して異なった応答を示すと考えられる. 他井戸の水位を説明変数とした線形回帰モデルと, 先行降雨と気圧を説明変数としたモデルについて検討した結果, 当地区の井戸は主に地質条件の異なるグループに区分されこれは降雨浸透の水圧伝播の速さの違いによって説明することができる. また, 他井戸の水位を説明変数とした場合の適合度と先行降雨等の想定される要因を説明変数としたときの適合度を比較することにより, それらの要因の影響度をある程度評価しうることがわかった.
  • 猪原 芳樹, 大山 隆弘, 鳥越 祐司
    2008 年49 巻3 号 p. 139-149
    発行日: 2008/08/10
    公開日: 2011/11/04
    ジャーナル フリー
    新第三系の凝灰岩, 砂岩, 泥岩などから構成される鷹架層の帯磁率の詳細な測定を行った. 連続的に採取されたボーリングコアと調査横坑壁に分布する岩石の帯磁率測定をもとに, 鷹架層の地質構造を検討し, 帯磁率測定の適用性を示した. 青森県下北半島に分布する鷹架層は, 未固結時に発生したと思われる海底地すべりの影響を受けて, 複雑な地質構造で構成されている. 測定の結果, 鷹架層中の各岩層はそれぞれ特徴的な帯磁率値および分布を示していた. 肉眼観察による地層対比とは異なる観点から, 帯磁率によって地層を対比することが可能となることを示した. また, 帯磁率測定は, 観察されにくい断層などの不連続面の抽出や岩石が褐色化し地表からの風化作用が及んでいる下限域と考えられる酸化フロントの分布などの検討に有効な調査方法となることを示した.
  • スレイマン ジョップ, 小川 勇二郎, 張 銘
    2008 年49 巻3 号 p. 150-163
    発行日: 2008/08/10
    公開日: 2011/11/04
    ジャーナル フリー
    本稿では, フィールド観察および湿潤・乾燥の繰り返しによる砂岩とシルト岩の変化に関する新しい実験データを報告する. 湿度変化の働きが認められる海岸崖の観察結果より, 実験・分析の方法を選択し, 湿潤・乾燥の繰り返しによる岩石崩壊のメカニズムを解明するための方法論を提示した. 岩石の鉱物成分とその物性が岩石崩壊メカニズムにおいて非常に重要であることを示唆した. 本研究の実験結果によれば, 以下のことがわかった. 1) 岩石の吸水能力が岩石崩壊の支配的要因である. 2) 亀裂に起因する劣化は主にシルト岩に発生する. 3) 岩石内の潜在的ひびの量も岩石崩壊速度の決定的要因である. よって, 膨潤鉱物の含有量と潜在的ひびの量を同時に考慮したモデルで岩石内亀裂の発生と岩石崩壊の説明が妥当である. 本稿で得られた結果は, 岩石崩壊メカニズムに対する理解や岩石もしくは斜面崩壊対策の合理的設計などにおいても参考になると考えられる.
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