応用地質
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51 巻, 5 号
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論文
  • 青木 卓也, 五十嵐 敏文, 飯尾 佳浩, 西尾 英明
    2010 年 51 巻 5 号 p. 220-228
    発行日: 2010年
    公開日: 2013/03/31
    ジャーナル フリー
     pH10~11のアルカリ性を呈するトンネル湧水に対して, 大気中の二酸化炭素の溶解を促進することによる中和の過程を評価するために, 室内および現地で気液接触試験を実施した. 室内試験の結果, トンネル排水を空気で曝気する方法がpHを低下させる速度が最も速く効果的であり, さらに, 気液接触時間を増加させることによってpHをより低減できることが明らかになった. このことは, 気液接触面積を増加させ, かつ気液接触時間を長くすることが大気中の二酸化炭素の溶解促進につながることを示唆する. さらに, 溶存二酸化炭素の関数としてpHを表現するモデルを構築し, 大気中二酸化炭素の溶解速度を評価した. その結果, 二酸化炭素の溶解は, 大気と平衡にある溶存二酸化炭素濃度とトンネル排水の溶存二酸化炭素濃度との差に関する一次反応で評価できることがわかった. このモデルによる評価結果とトンネル現場の地形条件から多段の越流堰からなる水路方式が簡単かつ有効なpH低減対策であると判断される. さらに, 実トンネル排水を用いた現地試験から得られたpH低減結果と本溶解モデルを用いた評価結果とがおおむね一致したことから, 本溶解モデルを実際の水路設計に反映できると考えられる.
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